【特別企画】

格ゲーながら「グラブル」感満載!「グランブルーファンタジー ヴァーサス」のRPGモードを先行体験

2月6日 発売予定

価格:6,980円(税別)

 2月6日に発売されるプレイステーション 4用対戦アクションRPG「グランブルーファンタジー ヴァーサス」(以下「GBVS」)。スマホやブラウザで遊べるRPG「グランブルーファンタジー」(以下「グラブル」)の人気キャラクターたちによる格闘ゲームで、「ギルティギア」や「ブレイブルー」シリーズなどの格闘ゲームで知られるアークシステムワークスが開発を手掛けていることでも話題を呼んだ本作だが、今回は「GBVS」内の「RPGモード」に初めて触れることができた。

 ただの対戦ゲームでは終わらないオリジナルストーリーももちろんのこと、「グラブル」ファンだけではなく、このゲームから「グラブル」に入るという初心者にもぴったりと言える、RPGモードの魅力をお届けしよう。

先行レビューはこちら!

最新バージョンを先行プレイ!「グランブルーファンタジー ヴァーサス」レビュー
https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/1225594.html

【グランブルーファンタジー ヴァーサス/Granblue Fantasy: Versus PV#12 「オープニングムービー」】

ストーリーはここだけのオリジナル!

 RPGモード最大の注目ポイントは、「GBVS」のためだけのオリジナルストーリーと、「格闘ゲーム」というジャンルでは類を見ない育成要素。育成要素については後述するとして、まずはストーリー部分について紹介していく。

カットシーンは、こうしてスクリーンショットで切り取るとアニメのようにも見えるが、全て3DCGで書き起こされており、3DCGのキャラクターたちが驚くほどのクォリティで滑らかに動く。本家の2Dイラストと比べても、違和感がないレベルだ。各キャラクターはもちろんのこと、騎空艇グランサイファーなどの作り込みにも感動する。ビィくんの再現度、プライスレス……

 RPGモードはほぼ、「ストーリー」→「バトル」→「ストーリー」……という流れで進んでいくことになるが、注目したいのはそのストーリーの進め方。

この画面に見覚えのない「グラブル」ユーザーはいないだろう。まさに本家「グラブル」と同じクエスト選択画面だ。まさか格闘ゲームでこの画面を見ることになるとは思わなかったので、この画面が出てきた瞬間は思わずいい意味で噴き出してしまった

 本作のストーリーは、「グラブル」のメインクエストで64章以降の時間軸ということだが、それはあくまで時間軸の話なので、まだそこまで進んでいないユーザーや、「グラブル」自体まったく初めて、という人でも遊べるようになっている。

 人名や地名、「グラブル」の世界観に関わる用語の解説は、ストーリーを読み進めながらでも開けるようになっていて、□ボタンを押せばその用語の解説が開ける、親切設計。「グラブル」に馴染みのない人はわざわざ最初に全ての用語を覚えなくても問題ないので、一通り遊んでから改めて確認するくらいでも良いだろう。

用語解説は、別途メインメニューからも見ることが出来る。ストーリーをオートモードにしておいたらうっかり用語解説を見逃してしまった、という時でも安心

 なお、「対戦格闘アクションモード」で使用できるキャラクターについては既に公開済みだが、その中には含まれていなかったラカムやイオらも、RPGモードには登場している。もしかしたら予想もしていなかったキャラクターが、RPGモードに登場するかもしれない。そんなサプライズにも期待したいところだ。

 そしてRPGモードはフルボイスとなっているので、主人公のグランもよく喋る。「グランが動いて喋る」というだけならばTVアニメなどでお馴染みとはいえ、やはりゲーム中でグランがたくさん喋ってくれるのは新鮮だ。

 ストーリーを進めていけば、バトル時にパートナーキャラクターとして参戦してくれるキャラクターが増えていく。バトルに参戦できるのは自分の操作キャラクターとあともう1人のみだが、対戦格闘アクションモードはあくまで”対戦”なのに対し、RPGモードは”共闘”。残念ながら今回は、その夢の共闘を実現させるところまで進められなかったが、例えば、操作キャラクターをランスロット、パートナーをパーシヴァルに……という、夢の四騎士共闘なども可能なのが嬉しい。

バトルは「RPG」感のある特別モード

 格闘ゲームというジャンルからしても、「GBVS」のバトルはいわゆる格ゲーを想像しているプレーヤーも多いのではないだろうか。実際、対戦格闘アクションモード(VSモード)の画面は、まさに一般的に目にする格闘ゲームそのものだ。だが、RPGモードのバトルは、アクションRPGのような要素が多くを占める。

 攻撃も、格ゲー的なコマンド入力を求められることはあまりなく、□ボタンは小攻撃、△ボタンは中攻撃、〇ボタンは大攻撃……と、それぞれ使い分けていくのだが、RPGモードでは適当にこれらのボタンを連打していくだけでも、それなりに戦えるゲーム設計になっている。そのためか、なおさら格闘ゲームというよりはアクションRPGをプレイしているに近い感覚を覚えた。

 自身の体力も見慣れた格闘ゲームの体力ゲージではなくHP表示型で、敵の体力ゲージも個別にある。グランのHPが0になったらゲームオーバーなのは、HP表示型でも変わらないが、HP回復アビリティなどがあるため、やはり純粋な格闘ゲームとは大分勝手が違うシステムだ。

ちなみにこの雑魚バトルで流れる曲はお馴染み「バトル1」

 RPGモードの序盤は、攻撃の仕方やガードや回避など、各種操作方法のチュートリアルバトルが続くものの、格ゲーに不慣れなユーザーのためにかなりしっかりと操作説明がされている。RPGモードで覚えたことは、対戦格闘アクションモードでもそのまま使えるので、格ゲー初心者はいきなりVSモードをプレイするよりも、まずはRPGモードで操作に慣れておくといいだろう。

 サポートアクションにセットできるアビリティも豊富で、参戦者のHPを回復したり、参戦者の攻撃をアップしたり、奥義ゲージをアップしたり、敵の攻撃力を下げたり、……と「グラブル」同様、様々なアビリティがある。RPGモードでは、そのうち2つまでをつけることができるので、戦い方にあわせて色々な組み合わせを試してみよう。

サポートアクションは、リキャストタイムさえ回れば、何回でも使用できる

 ただ、チュートリアルのひとつに、「奥義」を出さないと終わらないマップがある。奥義は、「グラブル」プレーヤーならばお馴染みの、HPバーの下にある黄色いゲージ。奥義ゲージが100%になると奥義を出せるのだが、残念ながら奥義ゲージが溜まれば勝手に発動してくれる奥義は「GBVS」にはない。

 奥義だけは、奥義ゲージ100%時に「↓↘→+R1」とコマンドを入れることで発動するのだが、格ゲー初心者だと最初にこの奥義を出せるようになるまでが、ちょっと大変かもしれない。「↓↘→」のあとにR1ボタン、というところが意外と曲者だが、ここで慣れるまでチャレンジしてほしい。

奥義のコマンド入力に成功すると、キャラクターの周りが光り、奥義を出すキャラクターがアップになる

 奥義は、最初の数発をヒットさせることができると、そこからカットインで更なる追撃が発生するものが多い。最初の攻撃を空振りさせてしまうと、せっかく奥義を出せてもカットインにつながらず、奥義ゲージが0に戻ってしまうので注意が必要だ。

各キャラクターに奥義専用のカットインがあり、ド派手でカッコイイ

 ボスバトルのみ、VSモードに近い形でのバトルとなる。その中でも特徴的なのは、ボスが一定のダメージを受けると「オーバードライブ」状態になること。

オーバードライブになるタイミングは、画面下部のボスのモードゲージでわかる
オーバードライブモードに入る時に出す波動は、画面内全てに当たり判定があるため、必ずガードで防ぐようにしよう

 オーバードライブ中は、ボスの攻撃が激化する。当たり判定内に入っていると即死する攻撃などもあるので、注意が必要だ。オーバードライブ中のモードゲージは攻撃することでどんどん減っていくので、ボスの強力な攻撃を凌ぎながらも、うまく攻撃を当ててゲージを削る必要がある。奥義が自在に出せるようになっていると心強いが、どうしてもボスに勝てないという場合は、キャラクターレベルを上げるか、ボスに有利な属性の装備を整えて出直してくるのも、ひとつの手。

 RPGモードの難易度はノーマルと、ノーマルをクリアすることで解放されるハードの2種とのことだが、どうしても勝てないプレーヤーには、マルチプレイかオートという手段がある。

 マルチプレイは、パートナーキャラクターをCPUではなくフレンドなどに操作してもらえるが、その最大の利点は自分が倒れてもパートナーに救助してもらえる点。パートナーがCPUの場合は、自分の操作キャラクターのHPが0になった時点でゲームオーバーになってしまうので、救助してもらえるだけでも難易度は段違いになる。

 一緒に遊んでくれるフレンドがいないという場合も、野良で救援を募集できる「救援依頼」があるので、活用してほしい。

自分が救助する側の場合は、倒れた仲間の近くに寄って「救助」を行う。数秒ほど時間がかかるので、ボスの行動を見てから救助しよう

 一方オートは、CPUが全て操作してくれるお手軽モード。「GBVS」のCPUはなかなか強めに設定されており、CPU操作時でも奥義ゲージが溜まれば即奥義を発動してくれたり、敵の攻撃をきちんとガードしてくれたりと、実にうまく立ち回ってくれる。(ぶっちゃけ、筆者よりよほど強い)。CPUに任せておけば勝手にバトルを進めてもらえるという気楽さは「グラブル」らしいとも言える。

格ゲーが苦手な人でも楽しめる育成要素は「グラブル」ならでは!

 先程からちらほらと「装備」や「育成」という単語を出しているが、RPGモードにのみ各キャラクターにレベルがあり、レベルアップによってステータスが上がっていく。勝てないボスがいる時は、勝てるエリアでしばらくレベル上げをする……まさに「RPG」だ。

 そして、やはり「グラブル」といえば、武器の育成。本作でもRPGモードには武器があり、同じ武器を重ねるとレベル上限があがり、武器スキルもあり、……という「グラブル」ならではの要素がてんこもり。

最初にチュートリアルでこの画面が開いた時は、見覚えのある画面に思わずニヤリ。まさかこんなところでも「グラブル」を感じるとは……

 しかし「グラブル」と違い、その育成は大分簡略化されている印象を受けた。育成はあまり難しいことを考えず、とにかくレベルを上げるために素材を投入し、同じ武器が手に入ったら重ねて武器のレベル上限を上げてまたその武器をレベルアップ、そして武器スキルもスキルレベル上げ用の素材を投入すればいいだけだ。

武器のレベルを上げて……
同じ武器が手に入ったら重ねて……
スキルレベルを上げる

 また、「グラブル」では主人公のグランのみ、メイン武器の属性によって攻撃属性が変わるという特徴を持つが、「GBVS」では全キャラクターにこの法則が適用される。つまりカタリナやランスロットなどのキャラクターたちも、メイン武器の属性を変えれば好きな属性に変更できてしまうのだ。

一番左側の大きく表示されているのが「メイン武器」。属性は、火、水、土、風、光、闇の6種類となっているが、属性相性はわざわざ覚えなくても、バトルに入る前の編成画面で「〇属性が有利」と表示があるので、その通りに選べばOK
メイン武器の属性や重視する属性(攻撃力など)を選んで、ポチ。これだけで編成は充分だ

 武器の編成は、あまり難しいことは考えず、「おまかせ編成」にしてしまって問題ない。もちろん「グラブル」プレーヤーならば、属性及び発動スキルを考慮して手動で編成を組むことによって、おまかせ編成よりも強い編成にすることが可能なのだが、そこはゲームへの理解度などで選んでいけば充分、といったところ。

 肝心の武器の入手方法だが、バトルの報酬でドロップすることもあるが、「よろず屋シェロ」(後述)や、「武器チケット」を使っても手に入れることが出来る。「武器チケット」は特定の条件を満たす「プレイボーナス」の報酬で入手可能。プレイボーナスは「ゲームを起動する」などの他、序盤はゲームを進めていけば自然と集まっていく。

「武器チケット」使用画面も本家「グラブル」そのもの。だが課金要素はない、安心してほしい
虹~~~! ……は、残念ながらこの時は出なかったが、ドキドキワクワクを味わえる瞬間。しかも財布は痛まないので、激しく気が楽

 「グラブル」に慣れていない人は若干戸惑うかもしれないが、あくまでやることはシンプル。

 ・まずは色んな属性の武器をレアリティ問わず集めていく
 ・武器のレベルを上げる
 ・同じ武器が手に入ったら重ねて、武器上限レベルを上げる
 ・武器のスキルレベルを上げる
 ・SR武器がそろってきたらいよいよ各属性のSSR武器の育成に取り組み始める

 ……こう並べると「これって格ゲーだっけ?」というツッコミを入れたくなるが、安心してほしい。「GBVS」は、格闘ゲームだ。

「よろず屋シェロ」で武器やゲーム内アイテムをお買い物

 ある程度物語を進めると使えるようになる「よろず屋シェロ」では、ゲーム内通貨である「ルピ」を使って武器の購入、サポートアクションの購入、ゲーム内で使えるようになる各キャラクターの別カラーなどが購入できるほか、トレジャーと武器の交換もできる。

武器はSSRも購入できる。仮に武器チケットで入手できなかったとしても、ルピの力でSSRをそろえていけるのが嬉しい

 SSRはやはりそれなりに集めるのが大変なようだが、SRは比較的簡単に集められるとのことなので、まずは全ての武器をSR以上で揃えるのを目指してみると良いだろう。とは言っても、メイン武器を含めて装備できる武器の数は10枠あり、それが6属性分。それなりに大変になるのは間違いないが、一生懸命武器集めをしていると、まさに「グラブル」感がある。

「グラブル」好きはもちろん、「グラブル」未プレイでも楽しめるゲーム作り

 今回はRPGモードのみをプレイさせてもらったが、ライトな「グラブル」勢視点からでも、これからどうなっていくのだろう、というストーリーにわくわくしながら遊ばせてもらった。そして何より、「グラブルは好きだけど、格ゲーはハードルが高い」というファンに配慮した作りになっているのが有り難い。好きなキャラクターでひたすら対戦を遊んでいくのも良いが、「下手だから、対戦はやりたくない」という人の気持ちに寄り添ったのがRPGモードの存在だと感じた。

 それでいて「格ゲーには自信がある」という人ならば、パートナーキャラクターを使用しない、自キャラのレベルや武器をあまり上げない、という縛りプレイも楽しめるだろうし、RPGモードひとつでも、ライトなユーザーからヘヴィな格ゲー層まで、様々な遊び方ができるのではないだろうか。端々で「グラブル」ファンならば「おおっ」となりつつ、「グラブル」は解らないというユーザーにも入りやすい、非常に簡略化された間口の広いシステムで、「GBVS」のRPGモードは、ありとあらゆる層に対応したゲームだと言える。RPGモードだけで10時間以上遊べるボリュームがあるとのことなので、ぜひ楽しんでほしい。

以下は、完全に余談。RPGモードの各所で耳慣れた音楽が使われているのだが、普段スマートフォンで聴くよりも音質が上がっているように聞こえたため、思わず「新しく録り直したんですか?」と訊ねてしまった筆者。実際には、ゲーム内で使用されている楽曲は基本的にそのままだが、PS4ソフトということで、音質は高くなっているとのこと。個人的にはちょっと感動したので、普段からスマートフォンで遊んでいる人ほど、コンシューマ機ならではの新たな「グラブル」を楽しんでほしい