【特別企画】
プレイ復帰! 数年ぶりに「マビノギ」の世界に飛び込んでみた!
変わった世界、変わらない楽しさ、そして仲間達との再会
2019年9月2日 00:00
筆者にとって「マビノギ」は特別なタイトルである。オンラインゲーム担当として様々なタイトルを遊び、プライベートでは欧米系のMMORPGを好んでいたが、この「マビノギ」はずっとプレイしていた。色んな思い出のある作品だ。
しかし、それも数年前の話。いつの間にか足が遠ざかり、そして何年もプレイしていなくなってしまった。気にはなっていたし、オフラインイベントを取材したりもしていた。プレーヤーだった仲間とも連絡はとり続けているのだが……戻るきっかけをつかめず離れていたのだ。
今回、9月に2回にわたってお送りする予定の“初心者が「マビノギ」を始める体験企画”に先がけ、この世界を再び訪れてみようと思ったのだ。新しいコンテンツは目移りするほどで、正直どこから手をつけて良いか迷ってしまっているが、昔の仲間とも再会でき、初心者にコンテンツを紹介しながら巡っていると色々なことを思い出した。「あの世界にもう一度帰りたい」と思っている人は、この機会に戻ってみてはいかがだろうか?
いきなりレベルアップできるシステムに新スキル。大きく変わった世界
「マビノギ」はスキルベースのユニークなキャラクターシステムを持ったMMORPGだ。まず概要として、「マビノギ」の基本的なキャラクターシステムに触れておきたい。プレーヤーキャラクターは多彩なスキルをAP(アビリティポイント)を使って上げていく。APはレベルアップをすることで得られる。
スキルを上げるにはたくさんのAPが必要となる。どう得るか? 「マビノギ」では、一定期間ごとに可能になる“転生”をすることでレベルが1に戻り、そこから再びレベルアップすることでAPを得て様々なスキルを上げていくのだ。
転生は通常、現実時間の1週間に1度できる。「マビノギ」ではキャラクターは10歳から20歳までで身長が大きく変わるのだが、転生時は下の年齢の体型が選べるので、大人から子供になる人も、ずっと子供のままの人もいる。転生を繰り返し姿を変える、ここに「マビノギ」ならではの不思議な雰囲気があるのだ。
そして転生時には「才能選択」ができる。武器を使う戦闘系スキルが上がりやすくなる「戦術」、「鍛冶」、「料理」などの生産系、さらに「人形術」や銃を使う「シューター」など様々なプレイスタイルに合わせた才能が選べる。スキルを上げるとステータスがアップしていく。「攻撃力を上げるStrを上げるために今回の才能は鍛冶にして、鍛冶系スキルを上げよう」といったように、計画的に転生を行ない理想のキャラクターを作り上げていくのだ。もちろん新しいスキルが追加されたときはその才能を選ぶ人が多くなる“流行”がある。レベルアップをしながらクエストをクリアしていくだけで進んでいく他のMMORPGとは一味違う、ユニークなゲームなのである。
……しかし、実はそこに疲れてしまったところがあるのだ。どんどん才能が追加され、そのたびに流行が変わりプレイスタイルが見えなくなっていった。剣を振るう戦闘にこだわりたいのに、シューター、格闘、人形師などなど新しい戦い方が加わり、それらは強く、プレイスタイルに振り回される中で、コアプレーヤーがどんどん遠くなっていき、自分なりのキャラクターの方向性も見えなくなっていき、足が遠ざかってしまったのである。
しかし今からなら、様々なコンテンツが充実した状態で、流行に流されずもう一度プレイスタイルを考えられるのではないか。今回の期待はそこにあった。コアプレーヤーほど強くなれなくても、剣や槍などの武器を使って以前より強くなれるかも知れない、そう期待したのだ。
とはいえ、ログインした初日はもうおどおどしてしまった。見慣れたダンバートンの街だが、もう知り合いの姿はない。他の人達が着てる姿にも服にも見覚えがないし、なんだかクエストが山のようにあるし、情報の洪水に襲われたようで、思わず逃げ帰ってしまった。そこからちょこちょこのぞき込んでみたが、見たことのないペット、巨大なドラゴンに変身するプレーヤーなど「ああもうなんかすごく変わったな」と思ったのだ。
それから落ち着いてゲームに向き合ってみた。びっくりさせられたのがまさに復帰プレーヤーを対象にした「思い出」クエスト。最初は転生するだけでいきなりレベルが125になったのだ。実は現在実装された最新ストーリークエスト「テンペスト」は、累積レベル5,000のキャラクターが挑戦できるため、5,000に満たないキャラクターはクエストを進めるだけでレベルアップし、「転生ポーション」によってすぐに転生が可能になる。これを進めていくだけで到達できるようだ。
近接における追加要素としては強力な攻撃が可能となる「バッシュ」、敵を足止めできる「レイジインパクト」といったスキルが追加されている。現在の「マビノギ」ではAPトレーニングという、APを使ってスキルトレーニングを短縮できるシステムがある。現在の筆者のキャラクターは2,000以上の未使用のAPがあり、これらをバンバン使ってスキルを上げている。昔スキル上げにかなり苦労した筆者にとって、このスキル上げの楽さは驚きだった。
また世界も筆者にとっては未知の場所がある。筆者が遠ざかってから追加された「アヴァロン」は未知の地域であり、ここを探索するのが今後の目標だ。「マビノギ」の大きな魅力は様々なキャラクターがドラマを織りなすストーリーにある。プレーヤーキャラクターはこの世界に訪れた異世界の存在「ミレシアン」であり、この世界のバランスをもたらす者である一方、ストーリーが進む中神に匹敵する力を持ち、世界との関わりも変わりつつある、というのが筆者が体験したストーリーだった。ここからどうなるか、クエストを進めていきたいところである。
人との繋がりでより見えてくる懐かしく新しい「マビノギ」
MMORPGの大きな楽しさは「人との繋がり」にある。しかし復帰者である筆者にとってはいきなり新しい学校に転校してきたようなもので、周りは知らない人ばかり。筆者にとって幸運なのはプレイはやめていてもSNSで友達と繋がり続けていたことだ。わからないこと、プレイのヒントなど教えてもらった。
そして実際にプレイしている人、今回の機会で復帰してくれた友人と会えたのである。ここで継続プレーヤー達の「現在のトレンド」を見せてもらった。そのプレイスタイルは「チェーンブレード」だ。アニメ「機甲界ガリアン」が初めてだと思われる、複数の刃を連結した“蛇腹剣”で、広範囲の敵を攻撃可能な武器なのだ。この武器はこれまでのスキル以上に強力な武器で、多くのプレーヤーがこれで難易度の高いダンジョンを攻略しているという。
「やはり近接よりトレンドの方が強いのか」とも感じたが、それ以上に多彩なキャラクターの活躍に圧倒された。吟遊詩人スキルで仲間をパワーアップ、ペットと連携することでダメージを分散、アイテムも使いこなし、まさに八面六臂の大活躍なのである。強いプレーヤーに憧れも感じた。スキルを組み合わせ、鍛えればかなりキャラクターは強くなる、そう実感できた。実は筆者のキャラクターもそこそこポテンシャルがあり、スキルも取得しているのだが……どうキャラクターを育てていくかはこれから考えたい。
同時に、初心者プレーヤーとも遊んでみた。今回、9月に掲載予定の“初心者が「マビノギ」を始める体験企画”を執筆してもらうため、MMORPG自体もあまり慣れていないというライターさんに「マビノギ」の世界に飛び込んでもらったのだ。
「マビノギ」の膨大な遊びの要素をどう伝えるか、どう楽しんでもらえるか? そこを初心者プレーヤーと一緒に探っていこう、というのが筆者のこの世界を再訪した大きな理由なのである。初心者さんはジャイアントの槍使いという中々とがったキャラクターで、今後が楽しみである。
初心者ができること、したいこと、とりあえず槍での戦闘を体験してもらっているのだが、数日でクマが楽勝なほど強くなった。筆者の時はクマがどれだけ強敵だったかを考えるとすごいポテンシャルである。戦闘ではごり押しで行けるし、ダメージもほとんど受けない。かといってダンジョンは長く初心者には息切れしてしまう。昔、ちょっと厳しいところに初心者を連れて行き「自分のペースで遊びます」といわれたトラウマもある。
初心者と遊ぶ場合、やはり「イリア」は楽しい場所である。広大な地域、Lロッドを使った宝探し、野生馬に乗って知らないところに連れて行く感じ……筆者自身が「マビノギ」に夢中になっていた最初期のコンテンツなのだが、非常にユニークな要素だ。これからどんな要素を見てもらおうか、考えていくのも楽しい。初心者目線でのプレイレポートも今後お届けする予定だ、こちらも楽しみにして欲しい。
何よりここから新しい知り合いを作ろうか、すっかり人見知りになってしまった筆者はまだためらっている。ここを踏み込むことで楽しいMMOライフが再び始まるのだ。初心者さんと一緒に再びきちんとこの「マビノギ」の世界に踏み込んでいきたいと思う。