【特別企画】
オンライン決済サービスはゲーマーにもお得?
多様な決済サービスの特徴を見抜き、より楽しいゲーマーライフに!
2018年12月17日 17:00
ゲームを日々楽しんでいると、ゲームソフトやダウンロードコンテンツの購入などで、ゲーマーは何かとオンライン決済をする必要に迫られる。そんなとき皆さんはどんな決済方法を利用しているだろうか?
今ではクレジットカードをはじめ、電子マネーや代金引換など様々な選択肢があり、それぞれに一長一短があるため、どの決済サービスを選べば良いかわからないと悩んでいる人もいるだろう。
総務省の調査によるとオンライン決済でもっとも利用率が高いのはクレジットカード。ただ、各サイトごとにカード番号を登録していては漏洩のリスクも高まる。
そんな心配を軽減してくれるのが、年々増加をたどっているオンライン決済サービスだ。今回の記事では、「キャリア決済」、「プリペイドカード決済」、「代行サービス決済」の3種類に大別されるオンライン決済サービスの特徴をまとめ、イマドキのゲーマーライフをより安全に、賢く生きぬくための情報をお届けするのが狙いだ。
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便利だけど高リスク 「クレジットカード決済」
オンラインショッピング全盛の現代ではあるが、日常的にゲームを遊ぶ人の場合、ゲームやコンテンツのダウンロード購入、有料サービスへの加入といった実体のないものへお金を払う場面も多い。そんなときに便利なのはなんと言ってもクレジットカードだ。
総務省が公表したデータでは、クレジットカードの利用率は約66%(参考:総務省「平成29年通信利用動向調査報告書(世帯編) 第11章 個人のインターネットによる購入・取引状況」(62ページ)より)と他のオンライン決済サービスを圧倒している。
国内外を問わず使える場所は多いし、手軽。支払い方法も一括で払う指定にしておいて、後から分割払いに変更できるし、ショッピングプロテクションといった保証も整ってきてはいる。
しかし、カード情報を入力してみたらフィッシングサイトだった、なんていう危険性もゼロではない。また、興味本位で目新しいガジェットに飛びつくようなときなど、支払先そのものに不安を感じることだってあるだろう。お子さんのいるご家庭であれば、知らぬ間の高額課金も心配だ。
先に紹介した総務省の調査報告書では、「個人情報やインターネット利用履歴が外部に漏れていないか」、「架空請求やインターネットを利用した詐欺にあわないか」、「電子決済を信頼できるか」と、個人情報の漏洩とともに経済的な損失につながる不安を多くの人が抱いていることを公表している(参考:総務省「平成29年通信利用動向調査報告書(世帯編)」第13章「インターネットの利用で感じる不安」(66ページ)より)。
不安の筆頭として挙げられている「個人情報漏洩」という点に関して言うならば、支払先ごとにクレジットカードの情報を入力していては、漏洩のリスクは高まるばかりだ。
通信料金に合算! 追加手続きなしが落とし穴にも? 「キャリア決済」
主にオンラインサービスの月額課金などが対象となるが、最近は携帯キャリアを通じての決済も一般的だ。この支払い方法のメリットは、スマートフォンの月額通信料金に上乗せされる形で精算されるため、支払い方法を改めて入力する必要がなく、簡便であること。
その反面、大きなデメリットもある。キャリア決済ができるのは、大手キャリアのみ。最近ユーザーを増やしている格安SIMでは利用することができない。また、通販を除けば支払い対象がスマホアプリの課金など、スマートフォンで遊ぶゲームに関するものにほぼ限定されてしまうのも欠点と言える。
手軽で安全! プレゼントにも最適 「プリペイド決済」
ネット上での決済において、近年、急激に利便性が向上してきているのがプリペイド決済だ。
クレジットカードはとても便利な決済手段だが、そもそも作るためには審査もあるため未成年には敷居が高い。携帯キャリア決済は大手キャリアのユーザーしか使えず、使える場面も限られる。
そう考えると、コンビニエンスストアなどでプリペイドカードを購入して決済するこの方法は「もっとも手軽で安全な決済方法」と言えるかもしれない。
プリペイドカードには、GREEやmobageといったソーシャルゲーム系、プレイステーション ストアカードやニンテンドープリペイドカードといったゲームコンソール用など「サービスごとに販売される固有のもの」のほか、WebMoneyやBitCashといった決済サービスが販売し「さまざまなサービスで汎用的に使えるもの」と、大別すると2種類が存在する。
今では世界最大のゲームプラットフォームのひとつとなったSteamも、今では決済にプリペイドカードが使えるようになった。SteamではWebMoneyが使えるほか、WebMoneyとコラボしたSteam専用のプリペイドカードも発行がはじまり、すでにファミリーマートなどで購入できる。
深夜、重課金の衝動に駆られたとしても、コンビニエンスストアで24時間入手できることも心強い。それぞれ取り扱っているプリペイドカードの種類に若干の違いはあるが、もっとも少ないローソンにしても、「App Store & iTunes」、「Google Play」、「GREE」、「mobage」、「LINE」など、多数利用されているものは一通り揃っている。
各コンビニエンスストアのプリペイドカード取り扱い一覧
・セブンイレブン
http://www.sej.co.jp/products/prepaid.html
・ファミリーマート
http://www.family.co.jp/services/posa/prepaid.html
・ローソン
http://www.lawson.co.jp/service/prepaid/giftcard/
基本的には購入時の決済に使える、あるいはプラットフォーム内で使えるゲームコインなどの「通貨」に変換するのが一般的で、あまりプラスアルファのお得感はないのがプリペイド決済の残念なところだ。
ただ、決済サービス会社が発行するものの場合、ゲームメーカーとコラボレーションによってオリジナルデザインのカードが発行されたり、それを使用すると、ゲーム内の限定アイテムが手に入るといった特典が付くキャンペーンが行なわれることもある。
・Bitcash×XLEGENDコラボ「【BitCash】5人に1人ビットキャッシュが当たる!」
https://member.x-legend.co.jp/news/newsContent.php?
プリペイドカードは購入者と紐付いた情報がない。そのため、たとえばゲーム系の大きなイベントでは、少額のカードが無料で配布されることもある。つまり、ギフトとしても使えるメリットがあるのだ。子供がいるご家庭ならば、知らぬ間の重課金を防ぐため、お小遣い代わりにプリペイドカードを渡す、といった使いかたが考えられるだろう。
一方、友達になりすました詐欺事件も起きている。LINEなどのアカウントを乗っ取り、プリペイドカードの購入をねだるといった悪質なものだ。プリペイドカードと言えど、気をつけねばならない点はあるのだ。
安全でお得! 今後のシェア拡大に期待 「決済代行サービス」
携帯キャリア決済やプリペイド決済よりも広範な用途に使え、さらにクレジットカード決済よりも安全に使えるのが決済代行サービスの利用だ。
決済代行サービスには、サービス開始からの歴史も長く、世界中の幅広いオンラインサービスで利用可能なPayPalを筆頭に、DMM GAMESのユーザー数増加とともに注目を浴び始めているPaidyなど、プリペイド決済同様、日増しにその種類が増加している。
他の決済方法と違い、ポイントバックやキャッシュバックなどにより、支払金額以上にお得に利用できるサービスが多いのも特徴だ。
主な決済代行サービスについて、それぞれの特徴を個別に紹介していこう。
安定と信頼の老舗決済サービス 「PayPal」
PayPalは決済サービスとしての歴史は約20年と古く、世界で2億5,000万人以上のユーザーが存在し、1,800万以上の店舗で利用できるほどの幅広い対応を誇る。シンガポール法人PayPal Pte. Ltd.(日本を含む国際部門の拠点)が25カ国で調査した結果によると、ゲーム関連での利用金額は総額で120億ドル以上で、なおも増加中とのこと(参考資料:「Digital Gaming Global Overview」)。決済代行サービスの定番と言ってもいいだろう。
クレジットカード番号をはじめとする個人情報は支払先へ渡ることがなく、あくまでもPayPalが管理すること。また、ある程度の条件を満たす必要はあるが「買い手保護制度」があるために、商品が届かなかったときやデジタルコンテンツがダウンロードできなかったときに、代金が返金されるといった心強さがある。
従来はクレジットカードかデビットカードの登録を必要としていたが、みずほ銀行や三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行など銀行口座からの支払いも可能になった。クレジットカードがない人にとって、かなり有力な決済方法へと進化したわけだ。
利便性と信頼性の面では文句なしのPayPalだが、不定期に実施されるキャンペーンで決済の割引が受けられるクーポンが配布されるくらいと、金銭的な意味での「お得感」は薄い。これがほぼ唯一の弱点となるものの、アカウントを作っておいて損はない決済サービスだ。
筆者もPayPalのアカウントを作ってから10年以上が経つ。今でも海外の通販サイトや、国内で出版社から直接に雑誌を購入するときなどに利用している。
WebMoney Cardの発行で懐が深くなったプリペイドの老舗 「WebMoney」
現在は、KDDIの完全子会社となっているウェブマネーが運営する決済代行サービスが「WebMoney」だ。
サービス開始は1998年と、すでに20年もの歴史を持つ。ドリームキャストのオンライン決済に採用されていたこともあり、Steamを含め数多くのゲームプラットフォームで利用できる。ゲーマーにとっては古くから馴染みが深く、御用達の決済方法と言えるだろう。
当初はプリペイドカード形式の決済だけを提供していた。だが2014年5月に「WebMoney Card」が発行されたことにより、プリペイド決済が通らない場合にMasterCardとして使えるという新たな選択肢が増えた。Google PlayやApp Storeの決済にも使えることを魅力に感じるユーザーも多いことだろう。
一般的なクレジットカード同様、毎月の利用金額に応じてポイントがたまり、そのポイントは翌月下旬にWebMoney Cardにチャージ(付与)されるのもWebMoney Cardの魅力だ。
重課金ユーザーはもちろん、普段の買い物にもWebMoney Cardを利用すれば、チャージされたポイントでガチャをより多く回すことも不可能ではない、かも。
国内のゲームプラットフォームで遊ぶ人、またクレジットカードがない人にもメリットの大きい決済サービスだ。
キャンペーンのお得感がスゴイ 「Paidy」
PayPalとはある意味、かなり対照的な特徴を持っているのがPaidyだ。
このサービスを語る上で外せないのが、ポイントバックやキャッシュバックのキャンペーンが定期的に行なわれているためにとてもお得感がある、ということ。
また、例外はあるものの利用するにあたってメールアドレスと電話番号さえあればクレジットカードやその事前登録が必要ないため、支払先ごとにクレジットカード情報をばらまく危険がなくなる。支払いを翌月になってのまとめ払いができるという柔軟さもこのサービスの魅力と言える。
セキュリティー面では、なりすましを防ぐ対策としてSMSによる認証が採用されるなど、決済サービスならではのメリットを備えている点は言うまでもない。
一方ゲームに関しては、現状DMM GAMES以外はあまり対応していないという弱点も持つ。もっとも「PUBG」をはじめ、DMM GAMESの提供するゲームタイトルが急激に潤沢になり、また200本以上ものPCゲームが遊び放題になるという定額サービスを開始するなど、その存在感も急激に増している。DMM GAMESで使えるというだけでもメリットは拡大しているわけだ。
何しろ頻繁に行なわれているキャッシュバックやポイントバックは魅力。DMM GAMESで遊ぶなら利用を検討してみて損はない。
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ニックネームOKで手軽に使えるプリペイドカード 「Vプリカ」
インターネット上のVISA加盟店であれば、クレジットカードとして使えるプリペイドカード、それがライフカードが発行する「Vプリカ」だ。
日本国内に在住する18歳以上の人ならば審査なしでアカウントを発行してくれるのが魅力。インターネットバンキングやコンビニで購入し、手続きを行なえばすぐにカード情報が発行されるのだ。
プリペイドカードだから本人確認用の書類や銀行口座の登録も不要。クレジットカードでは名義人欄に本名のローマ字表記が必要となるが、それさえもニックネームで登録できる。
つまり、ほぼ匿名で個人情報を紐付けることなく利用することが可能なわけだ。たとえば家族に内緒で買い物をしたいときなど、この匿名性が威力を発揮するらしい。
こうして書くといいことずくめに思えるVプリカだが、もちろん弱点もある。
- ライフカードで購入する場合を除いて購入時に4%~10%の手数料がかかる
- 最後にチャージしてから1年が経過すると残高が無効になる
- 3カ月以上利用しないと休眠手数料がかかる
- クレジットカードのようなポイント還元がない
- 身分証明が必要となる決済には使えない
このように細かく見ていくと、それなりに制限もあるのだ。メリットデメリットのはっきりしたサービスと言えるだろう。
AndroidアプリのヘビーユーザーならGoogle Playストアを利用するよりお得? Amazonコイン
Amazonコインは、Fireタブレット、Fire TV、Android端末、さらにAmazon.co.jpのAmazon Androidアプリストア内、Amazon Androidアプリストアからダウンロードされたアプリ内で使える専用硬貨。だ。
1コイン1円として使えるが、500コインの価格は475円、1,000コインが900円、50,000コインは40.000円と、1度に多くのコインを購入するほど1コイン当たりの単価が下がり、そのお得さがとてもわかりやすい。
さらにアプリによってはコインバックの対象となり、その場合は購入した直後に設定された割合に応じてコインが還元されるケースもある。
Android用アプリを探すのは、多くのユーザーにとって「Google Playストア」がやはり使い慣れているうえに便利ではある。だが課金する場合、特にその金額が多い人ほど、Amazonの「Android アプリストア」+「Amazonコイン」の組み合わせは魅力的なのだ。
まさに重課金ユーザーには福音となるAmazonコインなのだが、あえて欠点を挙げるならGoogle Playストア経由での課金にしか対応していないゲームもある、ということ。そこは別の決済方法との使い分けが必要となる。
還元率2%を誇るリアル&バーチャルカード 「Kyash」
Kyashは、樹脂製の見慣れた「リアルカード」と、オンライン決済専用の「バーチャルカード」と2種類の形態を持つ決済サービス。公式サイトやスマホアプリでアカウントを作成すると、Kyash Visaカード(オンライン専用バーチャルカード)が発行され、すぐに利用できる手軽さが魅力だ。なおリアルカードは、Kyashのスマホアプリで有効化しないと利用できない。
利用限度額は前者が5万円、後者が3万円までとあまり高くはないが、本人確認不要で、年会費や手数料は無料。申し込みも簡単だ。
スマートフォンで管理できるのもKyashの利点で、使用履歴の閲覧や残高の確認はもちろん、リアルカードを紛失してしまってもアプリからロックできる。また「Kyashアプリ上で直接送る」か「送金リンクを作成」のいずれかの機能を利用し、手数料無料で送金や請求ができる。仲間内での立て替えや割り勘などの精算が簡単にできるわけだ。
もうひとつ特筆すべき特徴として、決済金額の2%がキャッシュバックされる点にも触れておきたい。キャッシュバック額は1回の決済毎に2%の金額が算出(1,000円の場合20円)され、月末までの合計額が翌月の末頃までに付与される。
キャッシュバックの対象となるのは、Kyash Visaカードと、Kyash Visaカードを登録したQUICPayによる決済に加え、楽天PayやPayPay、PayPalなどの決済サービスを経由した取引だ。それらの決済サービスが行うキャンペーンと組み合わせることで、さらにお得感は増すのだ。
なお、公共料金や各種税金など対象外の取引や、一定額以上の利用でキャッシュバックの対象となる取引もある。対象外となる取引は、公式サイトのFAQでしっかりと確認しておきたい。
決済サービスの組み合わせでさらにお得に!
さて、いろいろなオンライン決済サービスを紹介してきたが、その違いは理解できただろうか?
「100億円あげちゃうキャンペーン」を展開(12月13日で終了)し、社会現象と言えるほど大きな話題になったQRコード・バーコードで支払うプリペイド型「PayPay」など、今回紹介していない決済サービスは存在する。
PayPayの場合、今はまだ使える場面が限られていて、オンラインではなく店頭での使用が大半。しかし、割引販売のあまりないゲームソフトや家庭用ゲーム機などの購入に活用しているゲーマーは多い。
キャンペーンが終了したあとどれほどユーザーが定着するのか、また利用可能な店舗がどれだけ増えていくかは未知数だが、こうしたキャンペーンの動向も含めて注目に値する。
ちなみにここで紹介した決済サービスは、複数を組み合わせて使用することも可能だ。
たとえば2%の還元率を謳うKyashは、PayPayのチャージに使うことができる。キャンペーン中であれば20%の還元にKyash分の2%が上乗せされることになったわけだ。
さらに言えば、Kyashのチャージに還元率の高いクレジットカードを利用すれば、トータルで見たときの還元率はさらに上がる。%単位の話とはいえ、重課金を自覚するゲーマーなら、この辺りの計算はきっちりやっておいたほうがいいだろう。
すべてにおいて万能の決済サービスは少なく、それぞれのメリット、デメリットをきちんと理解したうえで賢く使いたいわけたいところ。ポイントバックを考えるなら、あれもこれもと手を出すよりは、なるべくどれかのサービスに集中させたほうがお得であるのは、量販店のポイントバックサービスと同じだ。
まずは、利用しているプラットフォームがどの決済サービスに対応しているかどうかをチェックし、そのうえでサービスの内容を吟味し、選択するのがいいだろう。