【特別企画】

「スマブラSP」、「灯火の星」は想像以上にボリュームたっぷり!

RPG要素を組み込んだソロモードがやりごたえ抜群の仕上がりだった

12月7日 発売

価格:
7,200円(税別、通常版)
9,700円(税別、ファイターパスセット)

 12月7日0時、Nintendo Switch「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」がついに発売となった! まさに筆者がそうであったように、あらかじめダウンロードをして、0時の瞬間をモニターを食い入るように見つめながら待機していた方も多かったのではないだろうか。

 本作については、これまでNintendo Liveなどで対戦シーンが多く紹介されてきたが、ソロモードとなる「アドベンチャー」こと「灯火の星」はその内容の多くがベールに包まれてきた。

 そこで本稿では、発売直後のテンションそのままに、この「灯火の星」の手触りと魅力をお伝えしたい。特に、本作を未プレイで気になっているという方はぜひご注目いただきたい。

【【スマブラSP】 灯火の星】
ゲーム内では、「灯火の星」をスタートさせるとムービーに説明用の字幕が入る

「食べても食べても減らない」ボリュームの多さに思わずニヤニヤ

 「灯火の星」は、全世界のあらゆるキャラクターが失われてしまった世界で、たった1人生き残った「星のカービィ」が、奪われた仲間を取り返すため戦うソロモードである。

 本作ではファイターだけでなく、ゲーム史を彩ってきた多くのキャラクターたちが「スピリット」として登場する。「スピリット」はファイターに力を与え、ステータスを上昇させる。様々な性能を持つ「スピリット」を活用し、いかに戦闘を有利に進めていくかの戦略を練ることも重要なポイントだ。

【スピリット】
有名どころから知る人ぞ知るものまで、あらゆるキャラクターの顔ぶれを見られる「スピリット」

 プレイを開始して驚いたのはそのボリューム。本モードはマップを少しずつ進み、無数に待ち受ける敵の撃破、ファイターの奪還、そして最奥に待ち受ける大ボス「キーラ」を目指すのが大体の流れとなるのだが、このマップがとにかく広い。

 未到達のエリアは雲がかかっているので先に何があるのかわからないし、特定の箇所は道が塞がれていて通ることができない。回り道を迫られ、目の前の多くの敵と戦っていると、ふとした時に塞がっていた道が解放される。その先にはまた敵と枝分かれ道が待っていて……と、食べても食べてもぜんぜん減らない超大盛りご飯のように、まったく終わりが見えてこない。

敵の多くはスピリットとファイター(母体からコピーされた器)がセットで登場する。ファイターの母体との戦闘に勝利すれば、そのファイターが使用可能になる
カービィが見えなくなるほど引いた全体マップがこれ。「えっ広い!」と思わず漏らしてしまった

 その一方で、戦闘的にもプレイ的にも飽きがこないような工夫も感じられる。敵との戦闘ルールは、1対1のタイマン戦もあれば、複数の敵を1度に相手にするもの、敵の体力を時間内に0にするもの、強風が吹くステージ、ボム兵が降るステージなど、戦闘の内容が少しずつ違う。

 さらに、こうしたステージをクリアすれば新たな「スピリット」やアイテムがどんどん手に入り、装備している「スピリット」は成長し、そうこうしているとファイターを取り返すための戦闘が可能になったりする。クリアへの道がまったく見えないのにますます先へ進みたくなるプレイ感を体験するだけでも、「灯火の星」の価値はあるのではないだろうか。

「スネークマン」に「スネーク」、「キュピット」に「ピット」など、関連性を意識したステージも見どころの1つ。「そこ繋げるの?!」とツッコミながらプレイすると楽しさ倍増

 その上でこのモードが素晴らしいのは、中に“激ムズ”ステージが挟まれていること。例えば、「強風が吹く」、「水にすぐ溺れる」という特殊条件が付いた海と小島のステージがあったのだが、これが本当に苦労した。

 真っ向から挑んでみると、敵に触れることすらできず海に落ち、水に2秒も浸かればそのまま沈んで撃墜、上手くジャンプできても強風で戻れず撃墜と、開始数秒で撃墜され続ける暗黒のステージとなっていた。

 「どうすりゃいいのよ!」としばらく憤慨していたのだが、落ち着いて周囲のステージをクリアしていくと「水中に入り続けても溺れなくなる」(プレッシー)、「強い風が吹いても飛ばされにくくなる」(カビゴン)というスピリットが手に入り、これで一気に突破口が開けた。むらびとの横必殺「ハニワくんロケット」が強風に逆らって進めることも発見しつつ、なんとか立ち回ることでようやく決着できた。

プレイを救ってくれた「プレッシー」と「カビゴン」。特殊なステージほどスピリットのスキルが役立ちそうだ

 といった感じで、一旦はクリアを諦めるほど辛いステージも中にはある。1回は迂回することになるが、スピリットを強化して、対策用のスキルを揃えてから再挑戦するようなRPG的要素があることで、ただの理不尽に終わらない。むしろゲームとしては奥深くなっているのではないだろうか。

 ちなみに筆者が今苦労しているのは、スピリット「ホウオウ」のリザードンステージ。リザードンは常時カレー状態で炎を吐き続ける上に打撃が超強力で、どうやってもまともに近づけないまま撃墜させられる。今は無理でもいつかは……とリベンジに燃えているステージである。

本当に辛いホウオウ+リザードンステージ。半端ない状況設定と攻撃力で瞬殺されてしまう
スキルツリーでは、ファイターの基礎能力を上げられる。スピリットとは別の成長要素
スピリットは、「灯火の星」以外のコンテンツ、たとえばメインメニューからプレイできる「ターゲットリスト」などからも入手できる

 今回はざっと6時間ほどプレイしてみたが、それでもオープンできたのはマップ全体のわずか4分の1か5分の1ほど。まだ見ぬ場所にもまだまだ楽しさが詰まっているかと思うと、想像するだけでニヤニヤしてきてしまう。先は長いぞ!

 いずれにせよプレイとしてはやりごたえたっぷりなので、個人的には「大乱闘」と並行してコツコツ進めるくらいがちょうどいいと思う。特にプレイ開始直後は、大乱闘用のファイターのほとんどが解放されていない。様々なモードをまんべんなく触っているうちにどんどん解放されるような仕組みになっているので、大乱闘を思い切り遊ぶためにもその方が効率的だ。

 他のモードをプレイすることで新たなスピリットが入手できることもあり、それが「灯火の星」の攻略につながることもあるだろう。ソロモードも含めて相当凝った作りになっているので、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」を手に入れたなら「灯火の星」はぜひ触っていただきたいコンテンツだ。

プレイ開始直後、大乱闘で使えるファイターは9名。大乱闘を遊ぶにはちょっと物足りないが、様々なモードをプレイすることでどんどん“挑戦者”が現われてくれる