インタビュー
「CoD:MW3」、「ガンダム」とのコラボ理由は? 新マップ「Tokyo」の見どころなど開発者インタビュー
2024年5月30日 16:44
- 【「Call of Duty」シリーズ「ガンダム」シリーズコラボ】
- コラボ期間:6月2日~9月4日
- 各種バンドル販売期間:
- 「シャア専用ザクII」6月2日~8月31日
- 「ガンダム・エアリアル」6月4日~9月2日
- 「ガンダム」6月6日~9月4日
- 対象タイトル:
- 「Call of Duty: Modern Warfare III」
- 「Call of Duty: Warzone」
- 「Call of Duty: Warzone Mobile」
Activision Blizzardが運営する「Call of Duty: Modern Warfare III」、「Call of Duty: Warzone」、「Call of Duty: Warzone Mobile」のシーズン4が5月30日よりスタートした。
シーズン4の開始にあわせて、「機動戦士ガンダム」とのコラボレーションも実現したほか、東京をテーマにした新マップ「Tokyo」が登場する。今回は開発元のSledgehammer Gamesの開発チームから、Level DesignerのBradley Dorn氏、Lead Environment ArtistのMatthew Bein氏、Content Art DirectorのJon Riva氏にインタビューを実施した。
コラボレーションの注目ポイントや、パイロットではなくモビルスーツをスキンとして導入した理由、また「Tokyo」マップの開発秘話などについても伺うことができた。ぜひ、チェックしてほしい。
なぜモビルスーツに? 3機体の選定理由と「CoD」導入へのこだわり
――「ガンダム」コラボの発表は大きなサプライズでした。日本でも大きな話題となりましたが、その反響について教えていただけますか。
Jon Riva氏:ファンは全体的にポジティブに受け止めてくれたと感じています。「CoD」シリーズは多くの層から支持を頂いているので、「『CoD』はこうあるべき」という固定観念はないと考えています。
また、どのコラボでもかなり時間をかけて「本物感」を出し、「CoD」の世界にうまく組み込むことを心掛けています。作品への敬意を持ちつつ、「CoD」らしさを保つことに注力しているため、ファンはどのコラボでも発表時にワクワクし、ポジティブな反応を示してくれます。そのため、ファンの反応にはあまり驚いていません。
――今回のコラボレーションで特に注目してほしいポイントについて教えていただけますか。
Jon Riva氏:「ガンダム」コラボについては、愛と熱意を持って取り組み、リアルさと本格さをファンに伝えたいと考えており、ガンダムをできるだけ忠実に「CoD」の世界に取り入れました。
30メートル級の巨大なガンダム像はありませんが、「CoD」のテンポの速い戦闘をうまく取り入れられたと思います。そのため、「ガンダム」のファンも「CoD」のファンも楽しんでいただけるコラボになっていると思います。従来の「CoD」とは異なりますが、両方のファンにアピールできるコラボレーションだと考えています。
――「CoD」と「ガンダム」にはあまり共通点がないように思います。コラボのきっかけについて教えていただけますか。
Jon Riva氏:開発チーム内部に「ガンダム」のファンが多いことも背景にあります。制作側のアーティストたちも素晴らしい作品には敬意を持ち、興味を抱いています。そのため、自然と「この作品とコラボしたい」という話が出てきました。
「コラボが可能ではないか」となった際、一見関連性のない2つのIPをどのように「CoD」に取り入れるかを考え、最終的にうまくマッチングできました。そのため、お披露目するのをワクワクしながら待っています。
――今回のコラボスキンとして「RX-78-2 ガンダム」、「MS-06S ザクII」、「XVX-016 ガンダム・エアリアル」の3機を選んだ理由、およびゲーム内に取り入れるために苦労した点や工夫した点について教えていただけますか。
Jon Riva氏:この3機体を選んだ理由は、各国での人気もありますが、ガンダム側との協議の中で、バラエティに富み、コラボの全体ビジョンに合致するものを選びました。しかしモビルスーツを通常の人間サイズに縮小しつつ、ガンダムのリアルさを保つことが難しかったです。最終的には、すべてがパッケージとしてまとめる必要があり、武器用のビームライフルなども含め、「ガンダム」側と綿密に協議して完璧なパッケージに仕上げました。
その話し合いが終わった後、テーマをしっかり決めたことで、コンセプトアートからCGにする過程はスムーズでした。
――「ガンダム」コラボで登場するスキンをパイロットではなくモビルスーツにした理由について教えていただけますか。
Jon Riva氏:主に、ガンダム側との協議で決まりました。様々なコンテンツが含まれる「CoD」では、ファンにとってインパクトがあり、一目でわかるものとして、パイロットよりもモビルスーツの方が適していると考えました。視覚的にガンダムとわかりやすいためです。我々のコンセプトを「ガンダム」側が快く受け入れてくれたため、最終的に良い方向に持っていくことができました。
――今回の「ガンダム」コラボスキンで特に注力したポイントについて教えていただけますか。
Jon Riva氏:ガンダムらしさをそのまま伝えることが最も難しいポイントでした。モビルスーツのスキンは美しくガンダムらしさを保ちつつ、「CoD」の世界観を持つという見事な調和ができ、自信を持っています。武器も重要な要素であり、武器やコスチュームにおいてもガンダムらしさを追求できたと思います。
新マップ「Tokyo」の魅力とは? ネオンサイン輝く夜の東京の街並みにした理由
――「Tokyo」マップが今回実装されることになった経緯について教えていただけますか?
Dorn氏:日本をベースにしたマップを作成する際、密度が高く観光名所も多い東京に惹かれました。また、マップのデザインをシンプルにし、ロケーションやポイントを強調しやすくしました。
Matthew Bein氏:東京をテーマにすることが決まった時、美術チーム全員が興奮しました。「CoD」の過去のマップとは異なり、夜間のマップでネオンサインを用いることで都市らしさを演出し、アート面でも新しい雰囲気を出せました。「Tokyo」は強い個性を持つマップであり、単なる1つのマップではなく大都市の一部の雰囲気を再現しようとムード作りに苦労しました。
――このマップを夜にした理由を教えてください。
Matthew Bein氏:夜間マップが少ないため、挑戦してみようという考えがありました。「CoD」ではロケーションを決める時に、視認性を確保するために日中である必要がある場合が多いです。しかし、東京にはネオンサインや電光掲示板が多く、夜間でも視認性が高いため、良い機会と捉えて夜間マップにすることにしました。
夜間マップを追加することで、マッププールにユニークな選択肢を増やせました。小さなマップでは日中マップが多かったため、夜間マップを作成することでファンに新しい体験を提供できたと考えています。
――新マップ「Tokyo」は様々な都市のモチーフが混ざり合っているように感じました。そのコンセプトについて教えていただけますか。
Jon Riva氏:まず、マップをデザインする際、東京は世界のカルチャーホットスポットであり、注目されている場所であるという認識から始まりました。特に影響を受けたのは渋谷や新宿で、全体の流れを見る上で重要なエリアでした。日本の街並みや道を歩いている感覚を再現することが非常に重要でした。
Matthew Bein氏:美術的には、東京は世界中から愛されており、視覚的にも魅力的な街であると感じています。東京の特定の地区に限定せず、アートチームのメンバーが資料や映画を参考にしながら、自分が好きな東京の要素を取り入れました。最も重要だったのは東京らしさ、ムード、空気感を重視することであり、特定の地区をそのまま再現するのではなく、全体として東京らしさを保つことを意識しました。
――「Tokyo」マップの戦術的なコンセプトについて教えていただけますか。
Bradley Dorn氏:戦術の多様性を重視しました。マップを俯瞰すると、大きく2つのレーンに分かれており、様々なプレイスタイルに対応できるように工夫しています。メインストリートには向かい合う2つの建物があり、スナイパーが配置しやすい構造になっています。その建物から見下ろすスナイパーの構図を意識しました。
もう1つのレーンは密集地帯で、接近戦を楽しめるような構造になっています。2つのレーンが重なり合う部分もあり、様々なプレイスタイルに対応できるよう工夫しました。
――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
Jon Riva氏:「CoD」の世界にガンダムが登場することにワクワクしています。ガンダムを大切に作り上げましたので、プレイしていただき、楽しんでいただければ幸いです。
Matthew Bein氏:「Tokyo」マップの制作は非常に楽しく、ワクワクしました。マップ開発者としても、「Tokyo」マップは非常にユニークで、これまでとは異なるマップです。日本の文化のファンが多い中で、このマップを制作できたことを嬉しく思います。
Bradley Dorn氏:個人的に日本に興味があり、日本を題材にしたマップを制作することは非常に嬉しいことでした。開発陣も努力を惜しまずに制作したマップであり、日本の街を歩いているような感覚を味わえるマップになっています。ぜひ楽しんでいただければ幸いです。
――本日はありがとうございました!
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