インタビュー

懐かしの携帯ゲーム機ゲームギアが30年ぶりに驚きの復活! ゲームギアミクロ開発担当の奥成洋輔氏にさっそく話を聞いてきた!

【ゲームギアミクロ ブラック/ブルー/イエロー/レッド(全4色)】

2020年10月6日(火)発売予定

価格:各4,980円(税別)

 セガは、携帯型ゲーム機ゲームギアの復刻版となるゲームギアミクロ(全4種類)を10月6日にAmazon、楽天ブックス、セガストアのECサイト3社で発売予定であることを発表した。

 ゲームギアは、1990年10月6日に発売された同社唯一の携帯型ゲーム機で、カラー液晶画面をいち早く導入したことでも有名。「コラムス」、「ぷよぷよ」、「The GG忍」などの対応ソフトが登場し、全世界で1,400万台以上を販売する人気商品となった。今回、新たに登場するゲームギアミクロは、オリジナルの40パーセント弱という超コンパクトサイズで、全4色のカラーバリエーションが発売される。メガドライブミニと同様、当時のカートリッジは利用できないが、あらかじめソフトが各4種類ずつ収録されており、カラーバリエーションごとにそれぞれ収録タイトルが異なっている。

【ゲームギアミクロ本体 全4色
(※すべて開発中のもの。画面はハメコミ合成)】
ブラック
ブルー
イエロー
レッド

【ゲームギアミクロ ブラックの収録タイトル】
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
「ぷよぷよ通」
「アウトラン」
「ロイアルストーン ~開かれし時の扉~」

【ゲームギアミクロ ブルーの収録タイトル】
「ソニック&テイルス」
「ガンスターヒーローズ」
「シルヴァンテイル」
「ばくばくアニマル 世界飼育係選手権」

【ゲームギアミクロ イエローの収録タイトル】
「シャイニング・フォース外伝 ~遠征・邪神の国へ~」
「シャイニング・フォース外伝II ~邪神の覚醒~」
「シャイニング・フォース外伝 ファイナルコンフリクト」
「なぞぷよアルルのルー」

【ゲームギアミクロ レッドの収録タイトル】
「女神転生外伝 ラストバイブル」
「女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル」
「The GG忍」
「コラムス」

 それにしても、セガはいったいなぜこのタイミングで、ゲームギアを復活させようと思ったのだろうか? 本機の企画担当者は、弊誌「SEGA AGES」シリーズインタビューでもお馴染みの奥成洋輔氏。2019年に大ヒットしたクラシックゲーム機「メガドライブミニ」に続いての登板となる。

 本稿では奥成氏に、本機のこだわりの機能や収録タイトルの全容、さらに購入特典の情報などについて話を伺ってきた。発売までまだしばらく時間があるが、ぜひお楽しみいただければと思う。

【編集部より】本インタビューは新型コロナウイルス対策のため、関係者の安全に配慮してビデオ会議で実施しました。

ゲームギアミクロのパッケージを壁紙にして登場した、セガの奥成洋輔氏

セガの節目の年に合わせ、開発が進められたゲームギアミクロ

――本日はお時間をいただきありがとうございます。まず初めに、ゲームギアミクロをなぜ作ろうと思ったのかを教えていただけますか?

奥成氏: セガの設立60周年記念です。このインタビューが載る当日、6⽉3⽇にセガが60周年の設⽴記念⽇を迎えますが、弊社では今、「GO SEGA」というキャンペーンをやっています。何年も前からこの記念の年をどうやって祝おうかとセガグループ全体でいろいろと考えていたのですが、そのうち弊社営業部にある物販チームが、何かグッズを出そうと考えた中で、メガドライブミニの設計も担当したグループ会社のセガトイズからアイデアのひとつとして出てきたのがこのゲームギアミクロだったんです。「⾯⽩そうだね。じゃあチャレンジしてみようか」と関係者全員ノリノリで、去年から物販チーム内で企画がスタートしました。

 そもそも物販チームというのはどういうところかと言いますと、東京ゲームショウの物販コーナーの商品企画や販売を担当したり、メガドライブミニなら、好評だったメガドライブミニバッグなども⼿掛けている部署ですね。で、席がちょうど私のすぐとなりにあったんです。去年の年末、担当者から「今度、こういうものを作ろうと思っているんですが、協力してもらえませんか?」と、相談をもらいまして、「なかなかいいじゃないですか! もし必要でしたらいくらでもアドバイスしますよ」と⾔ってたんです。その時点では、私は隣りの部署の人間で、ゲームギアミクロの担当でも何でもなかったのですが、すぐにべったり手伝うようになって、気が付いたら今年の4⽉1⽇付で物販チームに異動することになり、本当の担当になっていました(笑)

――昨年はメガドライブミニを発売しましたので、もし次回復刻ミニハードを作るとすればセガサターンミニか、あるいはスーパー32Xミニになるのかと勝手に想像していたのですが、ゲームギアミクロを出すとの第一報を聞いたときは本当に驚きました。率直にお尋ねしますが、なぜ数あるハードのなかからゲームギアを選んだのですか?

奥成氏: 今お話しした通り、この商品はメガドライブミニの延長線上でスタートした企画ではないんですよ。今年でゲームギアの発売からちょうど30周年になりますし、会社の60周年を祝うにはちょうどキリがいいタイミングだったからですね。最初は半年ぐらいの期間でスピーディーに作ろうということで始まったのですが、やるならちゃんとやろうよと。メガドラミニで一緒に仕事をした社内のスタッフに全員話を持ちかけて、もちろんソフトはエムツーさんじゃなきゃとか、私がだんだん商品の規模を⼤きくしてしまったので、結局半年以上掛かってまだ開発中ですが……。

――メガドライブミニとは違って、商品名を「ミニ」ではなく「ミクロ」にしたのは、何か特別な理由があるのでしょうか?

奥成氏: 商品がミニじゃないからです。メガドライブミニも、遊べるミニチュアという⼀⾯は確かにありましたが、ゲームギアミクロはそこからまた⼀歩進んで、携帯性を⽣かしたミニチュアで、なおかつ電源を⼊れるとゲームも遊べると。キーホルダーのようにぶら下げたり、ポケットの中に⼊れて持ち歩く携帯機としてどこまで⼩さくできるのか、限界まで⼩さくしたフィギュアみたいなところにも⾯⽩さがあるのが、ゲームギアミクロなのではないかと思っております。

――いただいた資料によりますと、サイズは幅が約80mm、高さ43mm、奥行が20mmで、オリジナルのゲームギアの40%弱になるそうですね。

奥成氏: ええ。ちょうどミントタブレット2つ重ねたのと同じぐらいのサイズになりますね。デザインも実⽤性を考慮しておりまして、もしボタンを本体と同じ縮尺で⼩さくするとあまりにも⼩さ過ぎるので、押しやすいサイズに調整する感じでちょっとデフォルメしてあるので、かわいらしく見えると思います。

【ゲームギアミクロ:原寸大ゲーム画面】
上から順に、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「ぷよぷよ通」、「アウトラン」、「ロイアルストーン」の原寸大画面。ちなみに本機の画面サイズは、何と1.15インチという小ささだ

――ゲームギアミクロはUSB接続だけでなく、乾電池(単4電池2本)でも動くと伺いました。オリジナルのゲームギアと同様、乾電池にも対応させたところに強いこだわりを感じます。(※筆者注:ゲームギアは単3電池6本を使用)

奥成氏: ゲームギアと電池との思い出は、当時のユーザーなら忘れられないでしょうね。駆動時間は現時点では未定ですが、できれば 3時間ぐらいは動くようにしたいなと思っております。USBについては、家で遊びたい場合はUSBでも動かせるようにしたほうがいいだろうということで対応させました。メガドライブミニの電源用ケーブルとACアダプターがあれば、ゲームギアミクロでもそのままお使いいただけますよ。

――乾電池で3時間動くなら、オリジナルのゲームギアとちょうど同じ駆動時間になりますね。

奥成氏: はい。まずはそこが目標です。ゲームギアミニの制作は、毎度おなじみのエムツーさんにお願いしているのですが、最終的に駆動時間がどれぐらいになるのかは、エムツーさんがいかに効率の良いプログラムが作れるかに掛かっていますね。

――本機の重さは、だいたいどのぐらいになりますか?

奥成氏: 40グラム弱になる予定です。ですから、単4電池2本の重さを含めても、60グラム前後になるかと思います。(※筆者注︓単4電池1本の重量は約13グラム)

収録タイトルも並々ならぬこだわりぶり。全4種類を購入すると、驚きの特典が付くことも判明!

――ゲームギアミクロはブラック、ブルー、イエロー、レッドの全4種類を発売すると伺いましたが、なぜ4色分の本体カラーを用意したのでしょうか?

奥成氏: ゲームギアの基本カラーが4色だからです。最初に発売した本体がブラックで、中期からはブルー、イエロー、レッドとカラー展開をするようになったんですよ。

――カラーごとに4タイトルずつ収録し、それぞれ収録タイトルが違っているそうですね。

奥成氏: 実は当初の企画では、遊べるゲームは1ハードにつき1タイトルで、たくさん集めるというのがコンセプトでした。ですが、4,980円で1本しかゲームが遊べないのは、お値段的にちょっとどうかと思いましたので、せめて3タイトルは遊べるようにしたいと私のほうから企画変更の提案をしました。開発スケジュールとの兼ね合いとかがいろいろとありましたが、途中からさらに欲が出てきまして、エムツーさんにも相談して、4本ずつ⼊れることになりました。本体バリエーションも、ホワイトとかスモークとかカラーバリエーションはもっと増やせるんですけど、あんまり増やすとお客さんも困るだろうということで基本カラー分のバリエーションということで、4種類を出すことにしました。

――ざっとタイトルを拝見したところ、今回はすべてセガブランドで発売されたソフトを選ばれたようですね。

奥成氏: はい。今回はセガ60周年ということで、セガのラインナップの中から決めました。

――各カラーの収録タイトルは、どのようにして選んだのでしょうか? それぞれのラインナップの選定理由をぜひ教えて下さい。

奥成氏: まずブラックですが、これはゲームギアの基本カラーということで、ゲームギアミクロを1つだけ買っていただくとすればこれだと思っていただけるよう、セガのなかでも最も有名なものを選んだラインナップにしました。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「ぷよぷよ通」、「アウトラン」ですね。最後に「ロイアルストーン」を加えたのは、シンプルなアクションとパズルが3タイトルあるので、残りの1 タイトルはじっくりやり込めるものが欲しいなと思ったからです。

 「ロイアルストーン」は、知る⼈ぞ知る名作RPGで、もし知らない⼈が遊んだとしても、きっと⾯⽩いと思っていただけるのではないでしょうか。その昔、雑誌の「BEEP!メガドライブ」に「読者レース」というゲームの読者投稿のランキングコーナーがあったのですが、実はこのコーナーは誌名が「セガサターンマガジン」に変わってからもちょっとだけ続いていまして、最後に掲載されたゲームギアのランキングで第1位に選ばれたのが「ロイアルストーン」でした。ですから、ある意味名作であることは保証付きなんですね(笑)。また、本作は「アーリエル」というゲームの続編と⾔いますか、超改良版にあたる作品でもあるんですよ。以前に3DS版のバーチャルコンソールで「アーリエル」を配信しましたが、「ロイアルストーン」までは出すことができなかったので、そのリベンジ的な意味もあります。

【ゲームギアミクロ ブラック収録タイトルのパッケージ】
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
「ぷよぷよ通」
「アウトラン」
「ロイアルストーン」

 ブルーは、厳密には少し⾊味が違いますが、セガのカラーでもありますので、セガ⾊のより強いものにしようと考えました。ブラックがメジャータイトルであるとするならば、ブルーはより濃いラインナップということで、まずゲームギアの絶頂期に出たソニックシリーズである「ソニック&テイルス」を選びました。続いて「ガンスターヒーローズ」を選んだのは、メガドライブの性能の限界に挑戦したタイトルだったものが、ゲームギアでも遊べる凄さを体験してもらいたいからですね。実は移植を担当したのがエムツーさんだったというのも理由のひとつです。

 「シルヴァンテイル」は、もしかしたらご存知の⽅は少ないかもしれませんが、ゲームギアを晩年まで遊び続けていた⼈にとっては、おそらくかなり人気の高い、完成度の⾮常に⾼いアクションRPGで、私としても特にオススメしたかったゲームです。最後に「ばくばくアニマル」は、メガドライブミニに収録した「テトリス」や「コラムス」「ぷよぷよ通」の後に登場したパズルゲームですね。アーケードとセガサターンで発売されたので、セガファンの⽅ならおそらく名前はご存知でしょう。良い意味でのバカバカしさがあって、「90年代のセガって、こんなゲームまでゲームギアでも出していたんだ︕」と思っていただけるのではないでしょうか。

【ゲームギアミクロ ブルー収録タイトルのパッケージ】
「ソニック&テイルス」
「ガンスターヒーローズ」
「シルヴァンテイル」
「ばくばくアニマル 世界飼育係選手権」

 イエローは、「シャイニング・フォース外伝」シリーズ3部作をまとめたものですね。このシリーズは、ユーザーの皆さんとしてはやはり全部まとめて遊びたいだろうと思い、1つのハードに全部入れました。特に初代の「外伝」と「外伝II」は前編・後編という位置付けなので絶対にひとつにまとめなければいけないですし。そうなると「ファイナルコンフリクト」だけ別のハードに⼊れるのは何だか変だと思いますので、3本ともいっしょにしました。

 「なぞぷよアルルのルー」は、「シャイニング・フォース外伝」シリーズを3本ずっと遊んでいるとつかれる時もあるだろうと思いまして、⾔わば箸休め的な存在ですね。本作では「とことんぷよぷよ」モードも遊べますし、カレーライスに添えたラッキョウをつまむような感じで遊んでいただくと、バランスが取れてちょうどいいんじゃないかと。

【ゲームギアミクロ イエロー収録タイトルのパッケージ】
「シャイニング・フォース外伝 ~遠征・邪神の国へ~」
「シャイニング・フォース外伝II ~邪神の覚醒~」
「シャイニング・フォース外伝 ファイナルコンフリクト」
「なぞぷよアルルのルー」

 レッドにアトラスブランドの「⼥神転⽣外伝 ラストバイブル」を⼊れたのは、今やアトラスはセガにとってなくてはならない会社になりましたし、アトラスのゲームはゲームギアでも発売されていたことを知っていただけたら⾯⽩いかなと思ったからです。本作は、最初に発売されたのはゲームボーイ版なのですが、ゲームギア版はセガが内容を⼤幅にリメイクしているんで、オリジナル版しか知らない人も楽しめると思いますよ。

 同じく、本作からさらに⼀歩進んだ内容で、ゲームボーイには存在しなかったシリーズである「⼥神転⽣外伝 ラストバイブルスペシャル」です。こちらはゲームギア専用に作らせていただいたタイトルで、ダンジョンが3Dになっているのが特徴です。残りの2本は、セガのなかでも特に初期の人気タイトルから、「コラムス」と「The GG忍」を選びました。

【ゲームギアミクロ レッド収録タイトルのパッケージ】
「女神転生外伝 ラストバイブル」
「女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル」
「The GG忍」
「コラムス」

――ナルホド! それぞれに明確なコンセプトを定めたうえで収録タイトルを決めたんですね。

奥成氏: 企画当初は、複数のタイトルを⼊れるのであれば、例えば「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のようにシリーズだけを集めたほうがお客さんにはわかりやすいだろうと考えていました。しかし、実際に遊んでいるところを想定した時に、もし中⾝が全部「ソニック」だったら、何だかどれも味が同じおかずのお弁当になってしまうかなと。「ぷよぷよ」でも同じで、もしシリーズ作品だけを詰めた「ぷよぷよパック」を作ってしまうと、いざ外で遊ぼうと思った時に、今パズルよりもRPGが遊びたかったなとかいうことがあるんじゃないかと。せっかく収録ゲームを増やしたのに、たくさんのゲームが⼊ってる感が薄れるのではと思ったんです。

 そこで、「今⽇は、どのカラーを持って出掛けようかな︖」と思ったときに、1 つのハードの中にアクションがあって、じっくりやり込めるRPGがあって、さらに気軽にパッと遊べるパズルがあってという具合に、なるべくジャンルを散らすことにしました。イエローだけは、「シャイニング・フォース外伝」3作という構成になりましたが、ほかのカラーはその時々の遊び⽅によって、いろいろなジャンルが遊べるように配慮して選んでいます。

――通信ケーブルやWi-Fiに接続するなどの方法で、2人プレイもできるのでしょうか?

奥成氏: 今回は価格を抑えるために、対戦は対応しておりません。「アウトラン」のように、通信ケーブルをつなぐと2⼈対戦ができるタイトルも選びましたが、今回収録したタイトルについては、すべて1⼈プレイ専⽤になっております。

――ちなみに、各タイトルのマニュアルはメガドライブミニと同様にWebマニュアル方式になるのでしょうか?

奥成氏: はい。本体の発売日と同時にPDF形式で公開しようと思っています。

――ゲームの途中で、プレイデータをセーブする機能は付いているのでしょうか?

奥成氏: もちろんです。ここはメガドライブミニで最も喜んでもらっていた機能なので、頑張って実装しました。アクションゲームの苦⼿な所でセーブしたり、こまめにセーブしながら少しずつ進んだりすることができますので、どのゲームも難易度が下がって遊びやすくなっていると思います。私としては、特に「ロイアルストーン」はステージクリアに時間がかかるので、ぜひ途中セーブができるようにしたいなと思っていましたし、当時のユーザーの皆さんも望んでいた機能ではないかと思っております。セーブデータは、タイトルごとに4つずつ保存できるようにする予定です。もちろん電源を切ったり電池を交換しても消えません。

【ゲームギアミクロ メインメニュー画面】
昨年発売されたメガドライブミニと同様に、メインメニュー画面で遊びたいゲームを選ぶ仕組みで、プレイデータのセーブ機能も付いている。画面右上にある緑色の帯は電源バー

――メガドライブミニでは、メインメニュー画面で古代祐三氏が作曲したBGMが流れるようになっていましたが、ゲームギアでも同じような曲を用意しているのでしょうか?

奥成氏: はい。BGMは、エムツーのサウンドコンポーザーであるChibi-Techさんにお願いしました。Chibi-Techさんは、以前にSEGA AGES版「アウトラン」の新曲ですとか、「ファンタジーゾーン」のウパウパモードの曲などを担当しておりますし、各ハードの音源の特徴を⽣かした曲が書ける⽅ですので、今回もとてもいいカンジの曲を作っていただきました。

――ほかにも、何かゲームギアミクロならではのオリジナル機能などはありますか?

奥成氏: 本体に電源ランプは付いていないのですが、その代わりにメニュー画⾯内に電源バーを表⽰するようにしました。もしゲーム中に電池が切れそうになったら、直前に強制的にポーズがかかって警告画面が⼊るようにもしてあります。その時は早めに中断セーブしてください。遊んでいる最中に電池が切れて、電源がいきなり落ちたらとても嫌な気分になってしまいますが、ゲームギアミクロではそのご⼼配には及びません。

――販売方法についてもズバリお尋ねします。ゲームギアミクロはどこで買えるのでしょうか?

奥成氏: 今回は店頭販売ではなく、アマゾンさんと楽天さん、セガストアの
3社によるECサイトでの販売となります。

――ネット通販だけでの販売になるわけですね。では、早期の予約特典みたいなプレゼントは何か用意してあるのでしょうか?

奥成氏: 私としても、せっかく4種類出すことにしましたので、ファンの⽅にはぜひ全部買っていただきたいなという気持ちがあります。そこで、 全種類を注⽂してご購⼊された⽅には特典として、ビッグウィンドーミクロという周辺機器を全員にプレゼントいたします。メガドライブミニのときにご⽤意した、メガドラタワーミニがたいへんご好評をいただきましたので、ゲームギアミクロには、 ビッグウィンドー(※) があれば⾯⽩いのではないかとうちのチームで一番若い人間が苦心してつくりました。

 実は最初は紙製で、自分で組み立てて作ってね! みたいなところから始まったのですが、作るならちゃんとやろうよ、と言っていたら、なんかかなり本格的なものになってしまいました。オリジナル同様、本体が大変ビッグになるので、実用性のほどは使ってみてのお楽しみですが、当時のファンの⽅なら必ず⾯⽩がっていただけると信じております。紙じゃなくなった時点でコストも思った以上にかかってしまったのですが、4つ全部買って下さるようなファンならこのくらいサービスしようということになりました。それにしても、いったいこれはビッグなのか、それともミクロなのか、アイデンティティーのよくわからないアイテムですね(苦笑)……。

※……ビッグウィンドー:凸レンズを使用して、ゲームギアの液晶画面を約1.5倍(5インチ相当)に拡大して見ることができる周辺機器のこと。周囲の光の反射を抑える効果もある。

――まさか、そんなものまで用意されていたとは! ちなみに、ビッグウィンドーミクロにはレンズも入っているのでしょうか?

奥成氏: はい。ちゃんと画⾯を拡⼤して⾒られるようになっていますよ。ただ拡大率はいままさに検証中です。

【ゲームギアミクロの購入特典】
全4種類を購入すると、特典としてビッグウィンドーミクロが付いてくることも判明! 上の写真は、本体にビッグウィンドーミニをセットしたところ(※写真は開発中のものです)

――まだまだ楽しいお話をお聞きしたいところですが、お時間が迫ってきたようです。それでは最後に、きたるゲームギアミクロの発売に向けて、GAME Watchの読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

奥成氏: 今回のプロジェクトは、結果的にメガドライブミニのメンバーがそのまま続投する形で進めております。ソフトはエムツーさんのメガドラミニと同じスタッフが、ハード設計は元祖ゲームギアに関わってきたスタッフが担当していますし、私も全体を担当していますので、言うならば「メガドライブミニ2」みたいなメンバー構成になってます。

 今回もイレギュラーなプロジェクトではありますが、もしこれも成功すれば以前のメガドライブミニの成功が、けっしてまぐれではなかったと、みんなセガハードをまだまだ待っているんだと弊社内でも証明できることになるんじゃないかと(笑)。そのことを知らしめるためにも、ゲームギアミクロが⼼に刺さったぞという⽅は、ぜひお早めにご予約をいただけたらうれしいですね。ハードは製造から発売までかなり時間がかかるので、早めにたくさんご予約をいただいて、もう一度弊社内を驚かせたいですね……。ひょんなことから4⽉に異動した私といたしましても、次の仕事を沢山仕込むことができますので(笑)、ミクロという新しいアプローチを、昨年同様ぜひ楽しみにしていて下さい。

――本日もいろいろなお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。元祖ゲームギアの発売日からちょうど30年後にあたる、10月6日の発売を楽しみしております!