インタビュー
東京マルイ初の分隊支援火器「Mk46 Mod.0」が提示するエアガンの未来
最強の反動と耐久性、安全性……新たな挑戦で成し遂げた様々なギミック
2019年12月12日 00:00
全長920mm、重さ6.3kgの大迫力の巨体が、秒間13発、1度の連射で最大300発の射撃で戦場を制圧する。次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」は東京マルイの現在の技術を集結させたエアガンである。巨体を揺るがす迫力の反動、たっぷりのギミック、練られた安全対策など、その技術は多岐にわたり、これまでのエアガンとは別次元の存在と言っても過言ではない。「Mk46 Mod.0」は12月12日発売で、価格は148,000円(税別)だ。
「Mk46 Mod.0」の魅力は、まずその実銃をとことん再現した細部へのこだわり、そして強力なリコイル(反動)で、重火器を扱う興奮を使用者にもたらす。弾倉の交換手順や、銃身の交換にも本物と同じ操作と、エアガンとしての精度、凝った演出など様々な点を挙げることができる。その“凄さ”は簡単には語れない。
しかしだからこその苦労もあった。東京マルイが本商品でどんな挑戦をしたのか、その技術はどのように活用されたのか、弊誌はこれまでも最初の発表、レセプション、さらに東京マルイフェスティバル6などで「Mk46 Mod.0」への東京マルイの注力を取り上げてきた。
今回その集大成としてインタビューという形で、東京マルイの広報の島村優氏と、「Mk46 Mod.0」の担当者・高島拓生氏に話を聞き、改めて「Mk46 Mod.0」のチェックポイント、そしてこの銃がもたらす未来を語ってもらった。
なお、弊誌では現在「2019年最高のホビーアイテムを手に入れろ」として様々なアイテムを紹介しており、この「Mk46 Mod.0」を始め、フィギュアやプラモデル、RCなど様々な魅力溢れるアイテムをどしどし追加している。本稿と合わせコーナーそのものもチェックして欲しい。
謎に包まれた特殊部隊仕様の軽機関銃を、細部までこだわって徹底的に再現
「Mk46 Mod.0」は、“分隊支援火器”として活躍する銃のカスタムモデルだ。ベルギーの「ミニミ軽機関銃」のアメリカ軍制式採用モデルが「M249」。その派生型としてできるだけコンパクトに、そして軽量化を施したのが「Mk46 Mod.0」というわけだ。7から10人程度のチーム行動の際、銃弾をばらまくことで敵の行動を抑え、味方のスムーズな前進を実現させるために使用される。牽制の役割を担う銃だ。
「Mk46 Mod.0」は米国特殊作戦統合軍(USSOCOM)に採用されたモデルであり、ミニミの大きな特徴である銃身上部に装備されたキャリングハンドルがなく、放熱や軽量化を進める改造が施されている。特殊部隊の装備なため資料は少ない中、東京マルイならではのルートで資料を集め、再現された。その再現度に関してもファンから評価を得ている。
M249から「Mk46 Mod.0」へ軽量化した部分は、三脚(トライポッド)マウントラグ、キャリングハンドル、5.56mmNATO 30連マガジン装着装置の排除などである。一方「Mk46 Mod.0」は様々な装備を取り付けられるピカティーニレイルをフォアグリップ回りに4面に配置した。二脚(バイポッド)も角形断面、円形断面など複数のデザインが存在するという。
そういった工夫の数々をきちんと再現しているところが商品としての「Mk46 Mod.0」の楽しさだ。ちなみにこの折りたたみ式バイポッドはセールスポイントの1つであり、「バイポッドの部品だけ販売して欲しい」という声もあるとのこと。
少しだけ実際の銃に話を戻すと「Mk46 Mod.0」は銃身上部のフィードカバー3面にピカティーニレイルを装着することで拡張性を重視している。この銃身部分のレイルに夜間戦闘用のナイトビジョンを取り付け、銃本体のマウントにスコープをつけ、スコープ越しにナイトビジョンを使うような「タンデム」という方式でのマウントに使っていたという。
光学機器の発展・小型化によりタンデムを使わずとも様々な状況に対応できる昨今では、一部レイルを廃しキャリングハンドルを復活させた「Mk46 Mod.1」へと進化したと高島氏は語った。島村氏を始め、東京マルイ社内でも「ミニミと言えばキャリングハンドル」というイメージを持っていた人は多かったとのことで、「Mk46 Mod.0にはハンドルないの?」という議論もあったとのこと。今後のバリエーションが楽しみになる話だ。
次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」の最大の魅力はやはり本物の「Mk46 Mod.0」の再現だ。海外のエアガンでも特殊部隊が使用する「Mk46 Mod.0」は人気のモチーフであり、商品も出ているのだが、前々から東京マルイで発売して欲しいとの声が多々あったとのこと。そこで使用している部品の形状などの外見だけでなく、撃ったときの衝撃、射撃の楽しさ、そして安全性と製品の耐久性など全て含め、“東京マルイが出す「Mk46 Mod.0」の決定版”として開発が進められたという。
従来の倍のウェイトから発生する強い反動をいかに安定して実現させたか?
いよいよ次世代電動ガン「Mk46 Mod.0」の多彩な機構と、その開発に関するエピソードに迫っていきたい。「Mk46 Mod.0」で強く求められたのは“強力なリコイル”である。実銃での5.56mmx45 NATO弾を連射する際の強力な反動をユーザーに体感してもらうにはどうするか? これが開発当初からの最大の課題だった。
その反動を生み出すためにはウェイト(重り)を大きくしなくてはならない。東京マルイの次世代電動ガンでアサルトライフルなどの大型商品に使われている重りが約300gなので、銃の大きさ、重さを考慮すると、今回は倍の600gのウェイトを動かしたい。そのための機構をどう作るか?
まず最初に考えたのは「ハイブリット」である。やはり反動の瞬発力は“ガスブローバック”が力強い。実銃は火薬の燃焼ガスだが、ガスを噴出させて遊底を動かすことでその感触を近づけることができる。そこでブローバックはガスで、弾の発射は一年中安定する電動で行なうことで強い反動と発射機構を両立させようと考えた。
しかし実際に試作品を製作してみると連動がうまくいかない。ガスは最初は勢いが良いのだが、少なくなるにあたって反動が弱くなりスピードも遅くなり、変わらず動き続ける電動部分とだんだんずれてきてしまう。長持ちするように反動を弱くしてしまうとやはりもの足りない。連動というアイディアでは東京マルイとしても初めての試みであったが、目指すところに到達できないという結論となった。今回の採用は見送り、連動機構は次の挑戦課題となった。
電動で動かすことに決まったが、重いウェイトと強い反動の実現はやはり難しい。ツインモーターにしたり、動作をするメカボックスを2つ作ることで、反動メカニズムと発射メカニズムをそれぞれ作れれば課題を実現できるのでは? などいくつものアイディアが議論されたという。しかし大きな問題として立ちはだかったのは「機械を詰め込むためのスペース」だった。
実は「Mk46 Mod.0」は銃の機構部自体はアサルトライフルなどと比べてもそれほど大きくはない。大きな弾倉など様々な部品や、長い銃身などで大きく見えるが、メカを入れるスペースはそれほど大きくはないのである。そもそも火薬で銃弾を発射する実銃にはエアガンのような複雑な機構を盛り込む設計などになってない。エアガンメーカーはリアルな実銃のシルエットを再現しつつ、火薬を使わずに実銃を撃ったときの感触を再現すべく、毎回難題に答えるべく頭を絞っているのだが、高い目標を設定した「Mk46 Mod.0」は、やはりとても大変だったと島村氏は語った。
最終的な結論としては強力な反動を実現するための機構を詰め込んだ全く新しいメカボックスを設計し、600gの重りを動かすことで決定した。従来の東京マルイのメカボックスはウェイトを受ける部分とメカボックスが一体だったのだが、メカボックスの耐久性を実現させるために、ウェイト部とメカボックスを分離させたのも新しいところだ。ウェイトのダンパーを調整することでメカボックスの耐久力を向上させる設計となった。他にも大型の重りのスペースを確保するために、あえてシリンダー径を小さくするなど様々な工夫が施されているとのことだ。
モーター、ギアに関しても検討が進められた。ギア比や強力なモーターを試すなど様々な検討が進められていく中で、強く求められたのが「耐久性」である。何度もチェックし、問題点を洗い出し、改良を重ね、ギア比、カスタムモーターなど最適と言える組み合わせを作り出した。
「弊社が使っているモーターで最も強力なのはサマリウム・コバルトモーターというものなのですが、今回はあえて使わずカスタムモーターにしています。現在の一番新しいモーターが最適解ではない。このように今回の目的に合わせてとことんまで部品を吟味し、新しい設計のメカボックスを使うことで、5万発の耐久試験をクリアすることができました」と高島氏は語った。
耐久テストでは、本当にびっくりするような場所が壊れたという。予想外の場所で構造上の弱点を洗い出す結果となった。今回の過酷とも言える耐久テストは、改めて今後のメカボックス開発へ繋がっていくとのことだ。
銃身交換を実現したい! 取り外しギミックと射撃精度を両立
バッテリーの位置も頭を悩ませた問題だった。前述の通り、「Mk46 Mod.0」はスペースとしてバッテリーを配置する場所が少ない。アサルトライフルなどでのこれまでの商品ではストックにバッテリーを入れるという方式をとっていたが、そうなるとストックが必須になってしまい、今後バリエーション展開するときに、ストックがないバージョンを販売することができなくなる。
「AKバッテリーならば銃身の下に入るのでは?」という意見が開発メンバーから上がり、その方向で検討が進められた。その方式を採用すると、銃身を外さないとバッテリーを交換できない。すなわちそれは「安全性」や「命中精度」という問題が絡んでくる。ただ、その「銃身を外す」というアクションは実銃でも行なう行為なので、リアリティーを求める「Mk46 Mod.0」で実現したい。このため、「バッテリーの収納場所」という問題が、「銃身の交換」という新しい挑戦に繋がったのだと高島氏は語った。
実銃の銃身は弾を撃つと加熱する。特にフルオートで数百発の弾丸をばらまき、味方を支援する必要がある支援火器は銃身の加熱によって銃身が変形したり、命中精度の低下、コックオフと呼ばれる弾丸の暴発の危険性などがある。重火器の銃身交換はこれらを防ぐために行なわれる。もちろんエアガンにはこういった危険性はない。それでも銃身交換は実銃を感じさせるギミックとして魅力的だった。
しかし銃身交換をすると別の課題が立ち上がる。エアガンは空気を噴出させてBB弾を発射させるため、「チャンバー」と呼ばれる弾を保持する部屋と、「インナーバレル」と呼ばれる弾が通過するパイプは一体構造が常識なのだ。分離すれば、機密性や結合部のわずかな段差で東京マルイがこだわる“まっすぐ飛ぶ良好な命中精度”を保てなくなる可能性があった。
「もちろん実銃には“インナーバレル”という、エアガンの機構そのものがないんです。銃身を取り外すというのは、このインナーバレルとチャンバーをどうするかが課題でした。昔の製品であった、銃身と一緒にインナーバレルとチャンバーが取れるとか、本体側にインナーバレルが残ってしまうとかは絶対にしたくない。でも、何よりも命中精度を保ちたい。そのための機構を考えるところから始めました」と島村氏は語った。
取り外し可能な構造で、簡単に接続されエアガンとしての命中精度も失われない。この機構の工夫は、東京マルイが特許を取った新設計だという。今後バレルの交換をギミックに組み込む商品へ繋がる工夫と言えるだろう。
筆者も「Mk46 Mod.0」はホビーショーで撃ったのだが、反動の強さにもかかわらず、命中精度の高さには驚かされた。この命中精度をもたらしているのは、バレル交換を盛り込みながらもきちんとエアガンとしての精度を保つために注力しているからなのである。外した銃身は全て金属パーツであり、アルミ切削とダイキャストパーツで構成されている。銃身を取り外すとその重さもリアルな感触をもたらす。
ちなみに実銃は連射モードしかなく激しい反動があるため、命中精度は余り期待できないとのこと。だからといってエアガンの「Mk46 Mod.0」も命中精度を悪くすることはできない。そこには「命中精度のマルイ」という信頼性と実銃並みのリコイルを実現する努力が結晶されている。サバイバルゲームではかなりの威力を発揮しそうである。
これまでの技術を活かした電子制御による安全装置
玩具メーカーである東京マルイが、エアガンを開発するにあたり一番考えなくてはならないのは“安全性”である。「弾が発射される玩具」である以上、それは何よりも最優先で考えなくてはいけない。もちろん発射以外にも開閉部での指を挟むことや、鋭利な箇所の危険性などありとあらゆる面で検討されている。
今回「Mk46 Mod.0」も銃の特殊上、フィードカバーを開けてHOP調整やマガジン交換をしなくてはならない。だが、フィードカバーを開けると600gのウェイトが露出しているため、あいているときにウェイトが動くと指を挟む危険性がある。このためFET(電子制御システム)を組み込むことで、カバーが開いているときや銃身を交換しているときなど、いくつかの場面で安全装置が働き誤作動を防ぐようにしている。
このFETの搭載は東京マルイでは世界初の電動ショットガン「AA-12」で搭載され、“3発のシリンダーからの同時発射”を実現したノウハウが活用されている。FETを組み込むことでメカの連動だけでなく、バッテリーのロスを防ぐ方法など様々な経験が蓄積されたとのこと。この「AA-12」を開発したチームの1人が高島氏であり、そのとき得た知見が「Mk46 Mod.0」に活かされているとのことだ。
FETはフィードカバーを開けたとき、銃身を取り外した瞬間、そして弾切れしたときに作動を停止するオートストップなど、あらゆる場所に状態を検知するセンサーが取り付けられており、それにより作動スイッチをON/OFFする。これらの安全対策以外にもバッテリーのコンディションなどもチェックするためにFETを搭載したのも「Mk46 Mod.0」のセールスポイントだ。
マガジンにも機能が詰まっている。1,000発のBB弾を収納可能で、内部モーターによって1度に300発の自動巻き上げを可能としている。300発撃ち尽くしたところで、マガジン上部の給弾ボタンを押すとモーターが作動し300発補充されるというわけだ。実銃では弾の前後を表示する絵が描かれているのだが、商品ではこれをボタンにしているところが楽しい。マガジンは底部に単4電池を4本収納し、これでモーターを作動させる。
マガジン上部にはダミーの弾帯がある。カートリッジをセットしたとき、弾帯をカートリッジから引き抜き、本体にセットする。弾倉交換という実銃と同じアクションをしっかり楽しめるのだ。弾帯はモーターで射撃に合わせ振動、実銃のように弾が発射され弾帯が送られていくわけではないのだが、あたかも実包を射撃しているかのように弾帯が揺れる。
ダミーの薬莢はユーザーが1つ1つ弾帯につけていく。薬莢はアルミ製。リアルを追求するなら真鍮製なのだがそれだと重すぎて弾薬の挙動がうまく行かず、プラスチック製だと軽すぎてオモチャっぽく見えてしまうところがあった。アルミ製にすることで金属の光沢と質感を持ち、そして射撃時にリアルに動く。アルミの薬莢も内部は中抜きされ、挙動の調整にはこだわったとのこと。
この弾倉をセットすることで1度のフルオートで300発の連射ができる。「Mk46 Mod.0」は実銃に発射レートを近づけており、1秒間に13発の射撃が可能だ。それでも100発撃つとかなりの時間に感じるという。「Mk46 Mod.0」はフルオートのみだが、射撃しているときの威圧力はかなりのものとなる。サバイバルゲームの場合チームメンバーといかに連携するかも重要だと島村氏は語った。
連射マガジンでありながら弾が切れた場合には射撃をストップするオートストップ機構が初採用されている。この機構は実は東京マルイの商品では初となるとのこと。きちんとBB弾を検知するための仕組みを作ったのだが、完成直前に射撃時に極低い確率で弾が引っかかり、発射される弾とぶつかり欠けた弾が発射されてしまうと言う問題が出た。低い確率だが安全面のためには無視するわけに行かず対処しなくてはならなかった。しかし、ほとんどの部品も発注済みだったためどう対応するかの方法も限られていた。オートストップそのものをなくすしかないのか、というところまで、開発側はかなり追い込まれたのだという。
この危機をどう対処したか? この機構は言葉だけではわかりづらいためにここでは高島氏は話せないと語った。できる限り思いつくアイディアとテストを繰り返し、検討を重ねて何とかこの現象が起きないように対応したとのこと。「Mk46 Mod.0」はバレルの取り外し機構を含め、東京マルイの技術と、技術者達のアイディアが詰まっている。「Mk46 Mod.0」は東京マルイのエアガンの歴史の中で、1つのマイルストンになったという。
「Mk46 Mod.0」は東京マルイにどのような未来をもたらすのか?
「私達エアガンメーカーは、“ロマン”が必要だと思っています。精度や量産性、堅牢性など商品として考えなくてはいけないこと、重視することはたくさんあるんですが、根底にはロマンを持っています。私達は精度が高く安定して作動することだけを求められる工業製品を作っているわけではない。実銃の銃身交換を、反動を、撃ったときの興奮を、そういった楽しさをお客様に感じて欲しいから、この商品を作ったんです」と高島氏は語った。
「『Mk46 Mod.0』は弊社にとっていわばF1カーなんですよ。最高の技術で、最高のものをつくる。こういったフラグシップモデルを作ったから、今後の製品で今回の技術を応用できる。F1を作ることで会社の技術を大きく前進できる。これまでの技術をふんだんに盛り込み、新しい挑戦を行なった商品です。実際、販売価格は税別148,000円ですが、本音を言えばそれでは採算が合わないくらいの商品です。開発費はもちろんですが、原価も。もちろんメイド・イン・ジャパンですしね。でも、未来があるからこの価格に抑えた、といっても過言ではないと思いますね(笑)」と島村氏は語った。
従来の倍以上の重りを動かし、高い耐久度を持たせた新しいメカボックス。銃身を取り外すことができるギミックを搭載しながら、射撃精度を下げない銃身設計。誤作動を防ぐためのセンサーと連動したFET。安定した連射と弾切れでストップする給弾システム。モーターの研究……。「Mk46 Mod.0」が東京マルイにもたらしたものはとても大きいと高島氏は語った。これら新しいノウハウが、今後の東京マルイの商品開発に活かされていくという。そして今回広がった可能性は、新しいギミックや、新しいモチーフの広がりに繋がっていく。これから挑戦したくなるアイディアもふくらんでいった。
実は“大型商品を運ぶノウハウ”というのも大事な点だったと島村氏は明らかにした。「バイオハザード」とコラボレーションを行なった電動ショットガン「トールハンマー〈アルバート.W.モデル 02〉」はキャスター付きの専用ケースが付属しており、非常に大型の商品となった。このため出荷方法、店頭での設置方法など様々な新しい問題が出た。そして「Mk46 Mod.0」は「トールハンマー」以上の大型パッケージに、専用のバッグがつく仕様になった。「トールハンマー」の時に得た知見は「Mk46 Mod.0」の流通にも役立ったという。
東京マルイは10年前に「ミニミ軽機関銃」として商品化が検討された。この時海外メーカーなどからも販売され、「東京マルイからも販売して欲しい」というファンからの声も小さくなかったという。しかし検討を重ね試作品を作った上で、このプランは破棄された。今回の「Mk46 Mod.0」は開発中断になったものは引き継がず、全く新しい0からのスタートとなった。
「10年前あのまま出していたら、中途半端な商品になっていた。今回のように現在の技術を集結し、新しい試みをふんだんに盛り込んだ商品になっていなかったと思います。あのまま商品化を強行してしまっていたら、次に繋がる商品にはならなかったと思うんです」と島村氏は語った。満を持して発売となる「Mk46 Mod.0」はファンからの評判もとても高いとのこと。
「Mk46 Mod.0」は、12月21日から公開される劇場映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」のPR動画にも登場した。東京マルイは「仮面 ライダー ゼロワン」の対人工知能特殊機関A.I.M.S.(エイムズ)が使用する銃器での協力をしているので、「Mk46 Mod.0」をはじめとしたマルイのエアガンが劇中でどのように使用されるかも見所だ。
ファンへのメッセージとして高島氏は「今ある最大の技術を詰め込んで作りました。ぜひぜひ楽しんでいただければと思います」。島村氏は「ぜひ使ってみてください。飾って楽しむのも良いですが、これは撃って楽しんで欲しいと思います。重さが6.3kgある銃なので、まずはこの銃を扱えるように肉体を鍛えて欲しいです(笑)。この銃を使いこなすカッコイイボディも獲得して欲しいです」と語った。
「やはりこれはスゴイ商品だ」。話を聞くことで「Mk46 Mod.0」にどれだけの力が注がれたのかを実感できた。銃として、メカとしての強い魅力を感じた。この銃はサバイバルゲームでの話題となるだろうし、この銃を撃つ動画だけでも人気を得そうである。
なによりも「Mk46 Mod.0」が東京マルイにどんな未来をもたらすかが楽しみだ。よりリアルな反動、安定した給弾システムや、安全装置、銃身交換アクションなど、今後の商品にも大いに注目したいところだ。