インタビュー
PS4/PS VR「テトリス(R) エフェクト」クリエイター水口哲也氏インタビュー
音とエフェクトに満ちた「テトリス」の旅がプレーヤーの心を癒やす「テトリス エフェクト」
2018年10月30日 12:00
いよいよ11月9日に発売されるプレイステーション 4およびPlayStation VR対応の「テトリス エフェクト」。「Rez Infinite」や「ルミネス」など、数々の独特なゲームを手がけてきたクリエイター水口哲也氏とその制作を担当するクリエイターチームによる最新作だ。
発売が迫り、いよいよ製品も完成した「テトリス エフェクト」について、水口哲也氏にお話を伺わせて頂いた。そのインタビューの模様をお伝えしていこう。
Enhance Gamesとして初めてパッケージ版も発売する「テトリス エフェクト」
――いよいよ発売が迫ってきて、予約特典も発表されましたね。
水口氏:やはり楽曲の評判が良いので、がんばって7曲を収録したサウンドトラックを用意しました。あとは7種類のPlayStation Networkアバターに、ダイナミックテーマもあります。
――水口さんが手がけるゲームは曲の魅力もかなり大きいですし、サウンドトラックの特典はやはり嬉しいですね。でも、デジタルデータでの提供だけでなくディスクメディアでのフルサントラも欲しくなります。それこそ水口さん作品の楽曲集のようなものとか。
水口氏:なるほど。そういう声をたくさん頂ければ、何らかの形で出すというのは考えたいですね。「Rez Infinite」ではiam8bitさんからレコード・セットを販売したのですが、同じようにCDではなくアナログレコードにするというのもいいかなと思います。最近はアナログレコードの需要も高いでしょう?
――確かに、せっかくパッケージにまとめるのなら、デジタルデータではなくアナログレコードというのもいいですね。ジャケットを飾りたくなります。
水口氏:パッケージで出すという意味では、今回の「テトリス エフェクト」ではゲーム自体もパッケージ版を発売するんです。僕たちEnhance Gamesのゲームは今までダウンロード版のみの提供だったんですけどね、今回はパッケージをパブリッシングするんですよ。
「Rez Infinite」で、やはりiam8bitと共同で限定パッケージというのを発売したのですが、一般販売でパッケージ版を発売するのは初めてになります。
――大きな一歩ですね。パッケージ版を発売するとなると制作進行スケジュールなどの諸々がこれまでとは変わりますよね。
水口氏:そうなんですよ。もうバタバタです(笑)。
――パッケージ版を発売することにされた理由やきっかけのようなものはあったのでしょうか?
水口氏:前評判が高くて、すごく良い反応を頂けているというのが大きいですね。E3で発表したトレーラーも1週間で累計300万回ほど再生されましたし、SNSでの反応もありがたいことに好評です。あと、「テトリス」のプロプレーヤーが「テトリス エフェクト」をプレイするという動画もYoutubeにあるのですが、それも2カ月で800万再生されたそうでバズっていたり。そういうのもあって、とてもいい感じに進められています。
――注目度も反響も高いと思うのですが、水口さんから見てユーザーさんの反応というのはいかがだったでしょうか? 「テトリス エフェクト」はとても体験が独特なゲームですし、動画で見るだけでは魅力が伝わらないのではと思えてしまうところもあるんです。
水口氏:そうですね。本当にフラットにちゃんと伝わっているなと感じたのは、やはり先ほどの「テトリス」のプロプレーヤーの人がプレイした動画です。
アメリカのジャーナリストが、そのプロプレーヤーの人に「プレイしてみてください」とセッティングしたそうなのですが、最初は「えー……」っていう感じで、あまり乗り気じゃなかったようなんですよね。
最初は「エフェクトがたくさんあってプレイに集中できないんじゃないの?」と言いつつ、普通のディスプレイでプレイして。プレイ後には「うーん、まぁまぁかな……」みたいな反応でした。でも、その後にPlayStation VRでプレイしたら「これは全然違ったものになるね!」となったんですよ。
その動画は宣伝でもなんでもないものなので、とてもフラットな目線で語っていて。その模様がそのまま収められています。それを見て「これが普通の反応かも」と思いましたね。ぜひ見てみてください。
世界を旅する「ジャーニーモード」と多彩なルールを楽しむ「エフェクトモード」、世界中の人と一緒に目標達成を目指すウィークエンドイベントも開催
水口氏:それではゲームの方を見てもらいましょう。今日見てもらうのはまだ少し調整もしていますが、ほぼ製品版のものです。まずは、チュートリアルをご覧頂きましょうか。テトリミノの移動や回転、ドロップといった基本的な説明がありますが、「テトリス エフェクト」の特徴として「ズーム」や「カメラの回転」というものがあります。
――ズームに回転! 画面をアップにしたり視点の角度を変えたりできるんですね。
水口氏:好きな角度でプレイできます。ちょっとしたことではありますが、普通のディスプレイでプレイしているときでも気分転換になるでしょうし、PS VRだと角度を変えると見え方や感覚がだいぶ変わるんですよ。
水口氏:今作のポイントは以前にもお伝えした「ゾーン」ですね。普通にプレイしているとゾーンメーターが貯まっていき、メーターがフルになってから発動すると、時が止まったようになってどんどんテトリミノを消していける状態になります。
ゾーンは、一定時間が過ぎるか、画面の上まで消した列が積み上がったら終了になります。上手い人なら上まで消していって、12とか13ライン消しますね。
――消したラインが残って、上までいっぱいになっていくのが独特ですね。
水口氏:そうですね。ゾーンの時だけは上まで積み上がってもゲームオーバーにはなりませんので。先ほどのプロプレーヤーの人が「テトリス エフェクト」を体験した動画でも、かなり大量に消しています。ゾーンのシステムも楽しんでもらえたようです。
――従来の「テトリス」にはない、プレイに緩急がつく要素ですよね。
水口氏:「テトリスエフェクト」という言葉の由来や意味(※)を考えても、こういう要素を入れたかったんです。ザ・テトリス・カンパニーの代表のヘンク・ブラウアー・ロジャースさんと話したときにも、「『テトリス』の持つゾーン性みたいなものを、どうやったらビジュアルや音楽で新しい体験に変えられるか」というのを、ずいぶんと議論しました。
彼も今作のゾーンを見てすごく気に入ってくれていましたね。今までの「テトリス」にはない新しい体験になったかなと思います。
※ テトリスエフェクト=テトリス効果と呼ばれる習慣や症候群のこと。「テトリス」を長時間プレイすることで、ゲームプレイをしていない実生活中にも脳や心が「テトリス」のことを考え続けるようになったり、ネガティブな思考が薄れてポジティブになったり、心に傷を受けた過去の事件をフラッシュバックする回数が減るなどの効果があるとされている。
水口氏:プレイモードのひとつである「ジャーニーモード」では、難易度が「プラクティス」、「ビギナー」、「ノーマル」、「エキスパート」とあります。プラクティスはゲームオーバーのない練習用のモードですね。
この丸いひとつひとつがステージで、3~4個のステージひとまとめでエリアというものになっています。ジャーニーモードではこのエリアごとにプレイして攻略していくという流れですね。ステージは全部27あります。
エリアをクリアするごとに新しい次のエリアがアンロックされていくのですが、全部のエリアをクリアすると全ステージを通しでプレイできるようにもなります。ちなみに、エリアごとのスコアやタイムと、全ステージ通しでのスコアやタイムは、どちらもそれぞれにワールドランキングに載せるようにしています。
水口氏:今日はE3の時以来ですし、少しプレイしてみてもらいましょうか。
――では、プレイさせてもらいます。
(PS VRをつけて「ジャーニーモード」を約10分ほどプレイ)
――ゾーンを上手く使うのが難しいですね。ゾーン中に上手く消したいっていう気持ちが妙に強く出て、焦っちゃいますね。
水口氏:そうなんですよ。落ち着いてプレイしていてもゾーンを発動すると途端に焦ってしまうんです。
――それにしても、時間が本当にあっという間に過ぎていきます。今もクリア後のリザルト画面のタイムを見て、「あれ、思っていたよりも長くプレイしていたんだ!」っと驚きました。ものすごい没頭感。
水口氏:ですよね。ハーバード大学の人などが「テトリスエフェクト」という言葉を生み、研究されているということなんですが、記憶障害を抱える人でも、「テトリス」をプレイしたことは覚えていなくても、そこで見た光景は覚えていたりとかするそうです。「テトリス」ってそういう力や作用があるそうなんですよね。
「テトリス」のプレイにずーっと集中して速くなってくると、ゾーンに入ったという感覚になりますよね。そのゾーンを音楽や映像でもっと拡張できないかと考えて作ったのが今作になります。
――以前にプレイさせて頂いたときよりエフェクトやサウンドが派手になってメリハリを強くなったように感じました。
水口氏:チューニングに時間をかければかけるほど、プレイの没頭感への“馴染み”が良くなるんですよ。そうしたチューニングはすごく大事にしています。
――水口さんの手がけるゲームでの“チューニング”というのは、特にエフェクトやサウンドの調節となると、何が正解かというのが見えづらいというか、感覚的なものに思えます。
水口氏:確かにそうかも。感覚的に見ているところがありますね。
――「テトリス」ってプレイ中はすごく感情がフラットになっていくゲームだと思うのですが、この「テトリス エフェクト」は緩やかながらも波が押し寄せるというか。アップダウンがありますね。
水口氏:どれだけ「テトリス」でエモーショナルな体験を生み出せるのか、今までの「テトリス」が持っていなかったものを絡めて新しい体験にするか。これが僕らの大きいテーマですね。
――なるほど。今は約10分プレイしましたが、僕の感覚では5分ほどかなと思っていて。元々の「テトリス」にもある「気がついたらすごく長くプレイしていた」というところが、さらに強くなっているとも感じます。正直、もっとやりたいです(笑)。
水口氏:VRのゲームってこれまでは短い体験的なものが多くて、「VRゲームは15分も遊んだら疲れちゃうし十分でしょ?」みたいな話もあったと思うのですが、僕らは全然そうは思っていないんです。
「ジャーニーモード」ではエリアでプレイの区切りが訪れるようにしているのは、「ずーっと遊んでしまう」というのを最初はある程度防止したほうがいいかもということで、そうした仕組みにしているのですが、全エリアをクリアして、全ステージ通しでプレイできるようになる頃にはプレーヤーは上達して慣れていますよね。全ステージ通しプレイのクリアには1時間ほどかかりますが、PS VRで1時間プレイしてもプレイした人は「疲れない」って言うんですよ。
まさにそういうひたすらに遊べるものを作りたくて。VRって長時間プレイに向かないと言われてきたのですが、本当に集中できて、気持ちが良くて、リラックスできたのなら、そんなことはないと言えるものになるはず。それを証明したかったんです。
もちろん「テトリス エフェクト」はPS VR専用ではないので通常のディスプレイでも全然OKなのですが、でもやっぱりPS VRを所有している人は、そういう没頭して長く遊べて、誰でもプレイできるのものが欲しいんじゃないかなって思うんですよね。
――VRタイトルをある程度以上プレイしている人はもう慣れてきて、より本格的で長く没頭できるゲームを求めるようになってきていますよね。
水口氏:ですよね。そういうコンテンツを求めている人にぜひ体験してみてもらいたいです。
ちなみにジャーニーモードはその名の通り「旅」をするというものになっていて、それぞれのステージが、例えばハワイに行ったり気球に乗って空を旅したり、スペースステーションにも行くし、そして最後は……という感じで、いろいろなところを旅していきます。
1回最後までプレイしたから終わりというのではなくて、「ルミネス」のように通しでプレイしてトータルのスコアや体験を楽しめるようになっています。
――「テトリス」に集中しながら、いろいろな世界を旅していくというわけですね。例えば「ルミネス」で通しプレイしているときには「このスキンがきつい」というように難易度に起伏がありましたが、今回の「ジャーニーモード」をプレイするときにもそういう場面はあるのでしょうか?
水口氏:ちょっとあると思いますね。
――テトリミノの落下速度による違いによるものでしょうか?
水口氏:そうですね。そこまでの流れもあると思いますが、通しでプレイしていると「ここにくるときつい」とか、「いつもこのあたりで終わっちゃう」とかが出てくると思います。エリア途中でゲームオーバーになったら、そのエリアの最初のステージからリトライすることになるのですが、チャレンジする気持ちで少しずつ上達していってもらえたらと思います。
最初はプラクティスから入ってもらって、いずれはエキスパートへ。上手い人は最初からエキスパートからでもいいと思いますが。いろんな人に楽しんでもらえるようにいろんな入り方を用意していますので。
――エキスパートの難易度はやはり、かなり難しいものになっているのでしょうか?
水口氏:そう思いますね。みなさんだいぶ苦労されるのではないでしょうか。
――難易度の幅として、ジャーニーモードのエキスパートをクリアできるのはごくわずか人のみという感じになるぐらいのものでしょうか。それとも、がんばればある程度の人はなんとかなりそうですか?
水口氏:うーん……どうだろう。
――「テトリス」って超人的なプレイをされる人もいますよね。エキスパートはそういう人向けな領域なのかなと思って。
水口氏:確かにすごい人っていますよね。エキスパートはそういう人の領域に入っているかなと思います。普通の人は下の難易度から練習を続けて、いずれ挑んでもらいたい感じですね。
水口氏:もうひとつのモードについてですが、僕らは対戦というのは、このゲームには合わないと考えて入れていません。ただ、世界中の他のプレーヤーさんと関われるようなモードを入れています。ソーシャル的というか、協力するというコミュニケーションですね。
それが「エフェクトモード」です。
――地球が大きく表示されていますね。
水口氏:オンラインでプレイすると、この地球上でいろんな人達がプレイしているのが光ってわかるようになるんです。
――地球の周りを泳いでいるのはなんでしょう?
水口氏:これはPSNのフレンドになっている人のアバターですね。
水口氏:この「エフェクトモード」には15個のモードが収録されています。従来の「テトリス」にあった「マラソン」とか「ウルトラ」とか「スプリント」などはここの「クラシック」というジャンルにあります。
「リラックス」というジャンルには、ゲームオーバーのないプレイモードがあったり、好きなステージを選んでプレイしたり、海とか風といったテーマのステージだけをプレイリストにしてプレイできるモードなどがあります。
「フォーカス」というのは、オールクリアの回数を競ったり、コンボの回数を競ったりといった集中して挑むモードが並んでいますね。
最後の「アドベンチャー」の3つは今作ならではのものですね。「カウントダウン」と「浄化」と「ミステリー」があります。「ミステリー」は突然ハプニングが起きるものですね。いきなり画面が大きくなったり、上下が反転したりします。「浄化」というのはブロックの中に出現するダークブロックというものを次々に消していくというプレイモードですね。
このいろんなモードをプレイすると、経験値が貯まってレベルが上がってアバターがアンロックされていきます。プレイモード別にランキング集計もされますので。
水口氏:先ほど話した「世界中のプレーヤーと繋がれるようにする」というものですが、ウィークエンドイベント、つまり週末にオンラインイベントを開催します。
――なるほど、オンラインイベントが毎週あるんですね。
水口氏:24時間の間に、指定されたステージやモードを世界中の人がプレイしていくと目的達成までのパーセンテージが上がっていって、100%までいければ参加したプレーヤーには、経験値や、イベント用の特別なアバターなどが贈られます。
水口氏:オプション項目もいろいろと用意しています。バイブレーションの項目では音楽に合わせての振動だけでなく、プレイの操作に合わせたトランスバイブレーションも設定できます。
チューニング項目も多いです。エフェクトの光の強さ、ラインカラーも変えられますし、テトリミノ表面の演出もオン/オフできます。テトリミノ自体のカラーも、僕らの入れたカスタマイズされたカラーだけでなく、従来の基本的なカラーリングにも変更できます。
今まで慣れ親しんできた「テトリス」にもできるようにしていますね。
水口氏:「エフェクトモード」の中から「ミステリー」を実際にプレイしてみてもらいましょう。E3の時にもプレイしてもらったもので基本は同じですが、いろいろと調整が入っていますので。
まだ見てもらっていなさそうなエリアだと……「砂漠」のエリアにしてみましょうか。
――では早速……。あ、積んでいるテトリミノの中に突然、爆弾が出現して……!? 爆発でテトリミノの残骸が変な形に! なるほど、急いで爆弾近くのラインごと消して対処しないといけないんですね。
水口氏:これはちょっと残っちゃいましたね。
――あっ! ものすごくでっかいテトリミノが! これはまずキープするのがいいんですよね。
水口氏:おー! よく覚えてましたね(笑)。
――でもこれ、キープしたあともどこで消費するか悩みますね(笑)。
水口氏:そうなんですよ。でも今のは横棒のでっかいのだから使いやすいですよ。
――今プレイしている砂漠のエリアは、映像は岩山の天井から光が差す有名な砂漠の名所(アメリカの「アンテロープキャニオン」)ですけども、曲のテイストやエフェクトはアジア的というか。お祭りのような雰囲気を感じさせますね。
水口氏:そうですね、世界中の集会的なものを取り入れています。「花火」のシーンもありますし、西洋的なものもあります。
――なるほど……。あっ! 積んでいたテトリミノがシャッフルされた! あぁっ、しかも画面が反転した! 大変なときに大変なことが!
水口氏:次はホールド禁止ですね(笑)。
――あー、これは厳しい!
水口氏:ここでこれは厳しい(笑)。
――(上まで積み上がってしまいゲームオーバー!)あーダメだ、終わっちゃいました。
水口氏:これはみんなでやると楽しいと思うんですよね。
――笑いが起きますね。
水口氏:ですね。あと、eスポーツ的な試みも面白いと思うんですよね。ハプニングにどう対応するかみたいな、「テトリス」のプレイだけでなく対応力も試されるという感じで。
――なるほど、耐久プレイのような感じで競ってみたりなど、面白そうですね。
目指したのは“遊ぶことで心のネガティブなものを取り除いてくれるようなゲーム”
――今日もプレイさせて頂いて改めて感じたのですが、自然と集中してプレイに没頭していって、頭が真っ白になっていくような。そういう力というか作用がとても強いです。
最近、オープンワールドのドライビングゲーム「Forza Horizon 4」をプレイしているのですが、音楽を聴きながら何も考えずにひたすら走って、風景の変化を楽しんだり、道路の起伏にあったスピードの変化を楽しんだりしていると、単純にその時間が気持ちよかったりするんですよね。水口さんが手がけるゲームの魅力も、それに近いものがあるような気がします。
水口氏:プレイするとリラックスできるというか、いろいろ考え事があるときにプレイするとすっきりするというか、リセットできるというか。忙しいときでも休憩に1プレイして、また仕事に戻るとかもいいかもしれないですね。
仕事や勉強が忙しいときも、週末には頭を真っ白にしてプレイしてみるといいと思うんです。そういうところも含めて「テトリスエフェクト」という効果をタイトルにもしていて、ハーバード大学の教授が研究されているテトリス効果というのは、事故にあってから48時間以内に「テトリス」をプレイすると、精神的なトラウマが軽減されるということもあるそうで。
ちょっとしたときに、なにか落ち込んでいたり、忙しいとか、イライラするとか、そういう心のネガティブなものを取り除いてくれるようなゲームになったらいいなと思います。「テトリス」って誰も遊べるし、15分遊んでやめてもいい。何時間もプレイしないといけないということもないですしね。
――僕は「疲れたなー」というときに自律神経を癒やすというようなヒーリングミュージックをかけて横になったりするのですが、結構効果があるなと感じるんですよね、やはり音楽の力って偉大だなと思いますが。「テトリス エフェクト」にももしかしたらそういう効果がありそうですね。
水口氏:あると思いますよ。特に寝る前にプレイするのはとてもいいと思います。
――“脳のデフラグ”みたいな。
水口氏:そうそう、“脳のデフラグ”っていい言葉ですね(笑)。本当にそうで、「テトリス」でデフラグして眠って初期化すれば、翌日すっきりみたいな。そういうのはあると思いますよ。
――音楽と、映像と、振動とですっきりして。
水口氏:ゲームをプレイすると普通は脳が興奮して、戦う系のものだとアドレナリンも出ると思うのですが、「テトリス エフェクト」ではセロトニンなどの幸せを感じるものが出るんじゃないかなと思うんです。さすがに計ったわけではないんですけど、そういうのが出るようなゲームにしようって開発時もずっと話していましたね。
――曲なども含め、「テトリス」という題材的にも高揚させるというより、集中させて点に近づけていけうようなイメージのものが強いのでしょうか。
水口氏:全体的にそういうものが多いですね。もちろん高揚させるものもあるんですよ。映画でもそうですけど、感情の起伏があって最後はエンディングに向かっていくみたいなものです。いろんな組み合わせを考えていって、最後は気持ちいいというものへたどり着けるようにしています。
体験版もありますので、ぜひそちらもユーザーの皆さんに触ってみてもらいたいと思います。
――ありがとうございました。
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