【特集】

PS5、2025年に買うならどれにする? 初期型/薄型/Proの違いを徹底解説【年末特集】

 発売から2024年11月で4年を迎えたプレイステーション 5。発売当初から品薄状態で入手しにくい状態が長い間続いたが、現在では大手通販サイトや全国の家電量販店で普通に購入できるようになり、GAME Watch読者であればPS5ユーザーである方も多いはずだ。

 だが発売から4年が経った今、PS5には多くのモデルがラインナップされ、発売当初のモデルである初期型PS5や2023年11月に発売された薄型PS5のみならず、2024年11月には上位モデルの「PS5 Pro」が発売された。現在PS5を購入予定の方の中には、“どれを選べばいいのかわからない”という方もいらっしゃるだろう。

 そこで本稿では、PS5各モデルのスペックや特徴を挙げつつ、それぞれがどのような方にオススメなのかを紹介。注目作が多く発売される2025年に備えて、新品または中古でPS5を購入予定という方のお役に立てれば幸いだ。

色々注意点はあるけれど……。中古で安く買いたい方向けの「初期型PS5」

 まずは2020年11月に発売された初期型PS5を見ていこう。一括りに「初期型」言っても2度のマイナーチェンジを実施しており、最初期型の「CFI-1000」のほか、「CFI-1100」、「CFI-1200」と全3種類があるのだが、内部構造の変化による軽量化のみで、外観やスペック、機能に違いはない。

 初期型PS5は既に生産終了となっており新品の販売はないが、中古市場で豊富に流通している。価格帯は状態によって異なるが、動作品は4万円前半から6万円台前半まで幅広い。これはPS5が2022年9月に値上げされたことも関係しており、最初期型の「CFI-1000」は4万円台のものがある一方、マイナーチェンジモデル後期の「CFI-1200」は5万円台以上のものが多い。

 PS4では全てのモデルにディスクドライブが搭載されており、パッケージ版のゲームやBlu-ray/DVDの映像コンテンツを楽しめていたが、PS5世代はディスクドライブを搭載した「通常版(型番の末尾にAが付く)」とディスクドライブ非搭載で価格を抑えた「デジタル・エディション(型番の末尾にBが付く)」の2モデルがラインナップされるようになった。

 ディスクドライブがあればパッケージ版のゲームをプレイできるが、既にダウンロード版へ完全移行している方は「デジタル・エディション」を検討してもいいだろう。一方で初期型PS5はディスクドライブを増設できないため、例えばPS4時代にパッケージ版を購入していたユーザーがPS5デジタル・エディションを購入した場合、パッケージ版のPS4ゲームはプレイすることができない。中古の初期型PS5でパッケージ版のゲームをプレイしたい方は、必ず通常版を選ぼう。

左がディスクドライブを搭載した通常版、右がディスクドライブレスのデジタル・エディション

 スペックは以下の通りで、4年経った今でもミッドレンジのゲーミングPCと張り合う性能を持つ。細部で違うところはあるが、基本的には後ほど紹介する“薄型PS5”と同じスペックのため、PS5が世代交代を迎えるまでは安心して最新ゲームをプレイできるだろう。


    【初期型PS5(CFI-1000/CFI-1100/CFI-1200)】
  • CPU:AMD Ryzen "Zen 2" 8コア/16スレッド
  • GPU:AMD Radeon RDNA-based graphics engine 10TFLOPS
  • メモリ:GDDR6 16GB
  • ストレージ:825GB カスタムSSD
  • 増設用M.2 SSDスロット:PCIe Gen4×4、250GB~8TB対応
  • 入出力:USB Type-A(Hi-Speed USB 480Mbps)/USB Type-A(SuperSpeed USB 10Gbps)×2/USB Type-C(SuperSpeed USB 10Gbps)
  • 通信:Ethernet(1000BASE-T)/Wi-Fi 6/Bluetooth 5.1
  • AV出力:HDMI OUT端子(HDMI 2.1)
  • 光学ドライブ(通常版のみ):BD-ROM(66GB/100GB ~10xCAV)/BD-ROM(25GB/50GB ~8xCAV)/BD-R/RE(25GB/50GB ~8xCAV)/DVD ~3.2xCLV
  • 外形寸法:通常版390×104×260mm/デジタル・エディション390×92×260mm(幅×高さ×奥行き)
  • 重量:通常版4.5kg(CFI-1000A)、4.2kg(CFI-1100A)、3.9kg(CFI-1200A)/デジタル・エディション3.9kg(CFI-1000B)、3.6kg(CFI-1100B)、3.4kg(CFI-1200B)

 一方で初期型PS5を導入する際はいくつか注意点がある。一つ目は内蔵SSDが825GBで、実際にユーザーが使用できる容量は約670GBほどとストレージ容量が少ないことだ。例えばAAAタイトルを5~6本ダウンロードしたら容量不足に陥ってしまうため、複数のタイトルを並行して進めたい方は「M.2 SSD」によるストレージ拡張を視野に入れておきたい。

 もう一つは本体サイズで、歴代プレイステーションハードで最も巨大なサイズとなっているため、設置場所に少々気を配る必要があるのだ。筆者が初期型PS5を使っていた時、最初はテレビ台の中に横置きで設置したかったのだがサイズの都合上入らず、テレビ横に縦置きで設置していた。想像より大きいので、モニター周りに置こうと考えている人は、予め設置場所を決めておこう。

PS歴代ハードで最大サイズを誇る初期型PS5

 初期型PS5のメリットはなんといっても中古市場で安く手に入ることだ。現在、PS5を新品で購入する場合は7万円以上となかなか高価であるため、中古の商品を探している方も多いだろう。初期型PS5の中古品であれば2~3万円ほど出費を抑えることができ、その分をゲームソフトに充てることもできる。少しでも安く購入したいという方にはオススメだ。

 だが、中古のPS5は前のオーナーが過酷な環境(長時間の電源ON、排熱しにくい環境でのゲームプレイなど)で使っていたり、不正行為が行なわれたことによって“本体BAN”されている可能性もある。中古で購入する際は、なるべく大手の中古ゲームショップで動作検証されたものを選ぶことをオススメしたい。

2024年12月現在の主力モデル! 大型セール時がねらい目の“薄型PS5”

 続いては2023年11月に発売された薄型PS5(PS5 model group - slim)を見ていこう。こちらは2024年12月現在の主力モデルで、価格は通常版が79,980円、デジタル・エディションが72,980円となっている。家電量販店やゲームショップ、通販サイトにて新品が販売されているほか、中古市場でも流通するようになってきた。

 型番は「CFI-2000」へと変化しているが、基本的なスペックは初期型PS5と同じで、“薄型PS5でしかできないゲーム”というのは存在しない。スペック表は以下の通りで、太字が初期型PS5と異なる箇所だ。主な変更点は「本体サイズのスリム化」、「ディスクドライブの取り外し」、「ストレージ容量の微増」、「前面USBポートの変更」4点となっている。


    【薄型PS5(CFI-2000)】
  • CPU:AMD Ryzen "Zen 2" 8コア/16スレッド
  • GPU:AMD Radeon RDNA-based graphics engine 10TFLOPS
  • メモリ:GDDR6 16GB
  • ストレージ:1TBカスタムSSD
  • 増設用M.2 SSDスロット:PCIe Gen4×4、250GB~8TB対応
  • 入出力:USB Type-A(SuperSpeed USB 10Gbps)×2/USB Type-C(SuperSpeed USB 10Gbps)/USB Type-C(Hi-Speed USB 480Mbps)ディスクドライブ端子
  • 通信:Ethernet(1000BASE-T)/Wi-Fi 6/Bluetooth 5.1
  • AV出力:HDMI OUT端子(HDMI 2.1)
  • 光学ドライブ(搭載モデルのみ):BD-ROM(66GB/100GB ~10xCAV)/BD-ROM(25GB/50GB ~8xCAV)/BD-R/RE(25GB/50GB ~8xCAV)/DVD ~3.2xCLV
  • 外形寸法:通常版 358×96×216mm/デジタル・エディション 358×80×216mm(幅×高さ×奥行き)
  • 重量:ディスクドライブ搭載モデル 3.2kg(CFI-2000A)/ディスクドライブ非搭載モデル 2.6kg(CFI-2000B)

 メインはなんといっても本体サイズのスリム化。先述のように初期型PS5は歴代PSハードで最も巨大なサイズだったのだが、薄型PS5では30%以上の小型を実現し、設置場所の幅が広がった。実際、初期型PS5は筆者宅のテレビ台にギリギリ入らなかったのだが、薄型PS5では余裕で入るサイズ感になっており、テレビ横に鎮座していたデカイ初期型PS5がなくなってスッキリした。

 またストレージ容量が825GBから1TBへと微増しており、AAAタイトル約1.5本分の余裕ができたほか、前面のUSBポートも初期型PS5は「USB-A(480Mbps)&USB-C(10Gbps)」だったのが、薄型PS5では「USB-C(480Mbps)&USB-C(10Gbps)」と“デュアルUSB-Cポート”へ変更されている。初期型PS5の“こうだったらよかったのに”というポイントを改善したのが薄型PS5の特徴だ。

 さらにディスクドライブについても大きな変化がある。初期型PS5のデジタル・エディションは、ディスクドライブを増設できない仕様になっていたが、薄型PS5では新たに「ディスクドライブ端子」が搭載され、デジタル・エディションでも別売りの「PS5 デジタル・エディション Ultra HD Blu-rayディスクドライブ(CFI-ZDD1J)」を購入すれば、ディスクドライブを増設できるようになった。

 そのため薄型PS5ではデジタル・エディションを購入したあと、どうしてもパッケージ版が遊びたくなった時はディスクドライブを増設できるほか、通常版からディスクドライブを外すことでスリム化して運用することもできる(あまり機会はないと思うが……)。一方でこのディスクドライブは専用端子を搭載した“薄型PS5/PS5 Pro専用”のため、初期型PS5のデジタル・エディションには接続できない。

 なお後述するが、PS5 Proの発売と共に「PS5 デジタル・エディション Ultra HD Blu-rayディスクドライブ(CFI-ZDD1J)」が品薄状態となっており、定価の11,980円を超える転売価格での取引がフリマサイトなどで行なわれている。少しでもパッケージ版をプレイする予定がある方は、迷うことなく通常版をオススメしたい。

“薄型PS5”ではディスクドライブの着脱が可能となった。デジタル・エディションであれば、別売りの専用ディスクドライブを購入すれば、通常版と同じように使用できる

 薄型PS5は通販サイトや全国の家電量販店、ゲームショップで新品が販売されており、現在最も気軽に入手できるPS5だ。中古ではアフターサービスが心配という方、馴染みの家電量販店で購入したい方など、迷ったらとりあえず“薄型PS5”を選んでおけば間違いない。

 一方で日本では2024年9月に値上げが行なわれ、通常版が79,980円、デジタル・エディションは72,980円となってしまった。初期型PS5は発売当初、通常版が54,978円、デジタル・エディションが49,978円で販売されていたため、“買う機会を間違った”と思う方もいらっしゃるだろう。

 だが、薄型PS5は大型セール時に値下げされる傾向にあり、本稿掲載時点(2024年12月30日)では「プレイステーション 年末年始セール」として各モデル1万円オフで販売されている。こういったセールの機会を活かして、お得にPS5を購入するのがオススメだ。

4K環境が整っていて、最高のゲーム体験を送りたい人向け。上位モデルの「PS5 Pro」

 最後は2024年11月に発売された上位モデル「PS5 Pro」だ。こちらはPS5からGPUやメモリを強化して全体的に性能を向上させているほか、新たな超解像技術「PlayStation スペクトルスーパーレゾリューション(PSSR)」に対応することで、4K解像度とレイトレーシング、安定したフレームレートを両立している。

 型番は「CFI-7000」で、価格は119,980円と歴代PSハードで最も高価なモデルとなった。スペックは以下の通りで、太字が初期型PS5と異なるところだ。詳しく見てみるとGPUの性能が強化されているほか、DDR5メモリの増設、ストレージの増量、最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7」への対応が主な変更点となっている。


    【PS5 Pro(CFI-7000)】
  • CPU:AMD Ryzen "Zen 2" 8コア/16スレッド
  • GPU:AMD Radeon RDNA-based graphics engine16.7TFLOPS
  • メモリ:GDDR6 16GB/DDR5 2GB
  • ストレージ:2TBカスタムSSD
  • 増設用M.2 SSDスロット:PCIe Gen4×4、250GB~8TB対応
  • 入出力:USB Type-A(SuperSpeed USB 10Gbps)×2/USB Type-C(SuperSpeed USB 10Gbps)/USB Type-C(Hi-Speed USB 480Mbps)ディスクドライブ端子
  • 通信:Ethernet(1000BASE-T)/Wi-Fi 7/Bluetooth 5.1
  • AV出力:HDMI OUT端子(HDMI 2.1)
  • 外形寸法:388×89×216mm(幅×高さ×奥行き)
  • 重量:3.1kg(CFI-7000B)

 PS5では、高画質な描画を優先する代わりにフレームレートが30FPSとなる「画質優先」、60FPSのフレームレートを優先する代わりに画質を下げる「フレームレート優先」の2モードが実装されているゲームがほとんどだった。それがPS5 Proでは「PS5 Pro Enhanced」と呼ばれる対応タイトルにおいて、高画質な描画とフレームレート60FPS(最高120FPS)を両立するモードが実装されている。

 筆者は初期型PS5→薄型PS5→PS5 Proと乗り換えてきた。PS5 Proで「PS5 Pro Enhanced」対応タイトルをプレイすると、画質やフレームレートの向上によって、より滑らかに美しくなったゲームプレイを体感できるほか、「PS5 Pro Enhanced」非対応のタイトルでも「ゲームブースト」機能によってPS5/PS4ゲームのフレームレートが安定するなど、性能が向上しているのは確かだ。

 だが、正直に言うと通常のPS5でも十分綺麗にゲームをプレイできるので、PS5 Proは「Pro」という名の通り、ゲームの画質やフレームレートにもこだわるヘビーゲーマー向けのコンソール機だ。加えてPS5 Proを接続するテレビやゲーミングモニターも4K/120Hz/HDRに対応しているなど、環境が整っていなければPS5 Proをフルに活かすことはできない。

「PS5 Pro Enhanced」対応タイトルの一つである「FINAL FANTASY VII REBIRTH」

 またPS5 Proを購入する際に気を付けておきたいのは、ディスクドライブが搭載されていない「デジタル・エディション」のみのラインナップとなっている点だ。デフォルトの状態ではダウンロード版のゲームしかプレイできず、PS5/PS4タイトルのパッケージ版はプレイできない。フラッグシップモデルであれば、ディスクドライブを搭載してほしかったのが正直なところだ。

 だが、先ほど“薄型PS5”の時に紹介した「PS5 デジタル・エディション Ultra HD Blu-rayディスクドライブ(CFI-ZDD1J)」を増設できる専用端子が搭載されているため、パッケージ版をプレイしたい方はこちらも一緒に購入しよう。

 一方でPS5 Proの発売以降、この増設用ディスクドライブの需要が高まっており、2024年12月現在ではどの通販サイトも品切れで、フリマサイトでは転売価格で取引されている状態だ。PS5 Proを購入予定の方でどうしてもパッケージ版のゲームを遊びたい方は、ディスクドライブの在庫が安定するのを待つしかないのが現状となっている。

PS5 Proはディスクドライブが別売り。増設はできるのだが、別売りのディスクドライブが品薄となっている

 PS5 Proは、ゲームの画質やフレームレートをあまり意識していないエンジョイゲーマーにはオススメできないが、PS5ゲームを高画質にプレイしたい!というゲーマーであれば選択肢の一つとなる。もちろんお財布事情に余裕のある方は、PS5 Proを選んでおけば、現行のコンソール機において最も快適にゲームをプレイできるのは間違いない。

新しいゲーム環境を揃えて“2025年期待の新作”を楽しもう!

 ここまでPS5各モデルのスペックや特徴をもとに、どのモデルがどのような人にオススメなのか紹介してきた。今回はPS5に焦点を当てたが、同じジャンルの選択肢としてPSの永遠のライバルである「Xbox」の最新機種「Xbox Series X|S」、ゲームだけでなく動画編集や仕事にも使えるゲーミングPCもある。それぞれ皆さんの予算や使い方に応じて選ぶのもゲーム機購入の醍醐味だ。

 PS5は純正の周辺機器も様々なものが用意されており、リモートプレーヤー「PlayStation Portal」やカスタマイズ可能なコントローラー「DualSense Edge」、完全ワイヤレスイヤホン「PULSE Explore」などがラインナップされている。PS5と周辺機器を揃えて、新たなゲーム環境で2025年期待の新作を楽しんでほしい。

PS5は豊富な純正周辺機器も魅力の一つ。新しいゲーム環境で、2025年期待の新作を楽しもう!