「レッド・デッド・オンライン」ダイナマイト連載 無法者ども、荒野を奔る
「レッド・デッド・オンライン」ダイナマイト連載 無法者ども、荒野を奔る
「RDO」連載第4回「死闘!無法者ども、荒野でPKと大激闘」
2019年2月1日 12:00
ヒャッハー! 今日も「レッドデッドオンライン」(RDO)の世界を駆け巡ってるか? 俺たちDTTSメンバーは今夜もお馴染み「見知らぬ人」ミッションで経験値と金を稼ぎまくりだ。そういえば、先日パラメータ調整のアップデートが入ったみたいで、放浪モードの各挙動が安定するようになったぜ。現在の「RDO」は、ベータ版だからまだところどころ不安定なところがあるけど、こうやって安定していく過程を見ることができるのも大きな楽しみだよな。
今回のテーマは「PK(プレーヤーキラー)だ。FPSやバトルロイヤルのゲームならば当たり前だけど、生活感を楽しむオンラインゲームで、いきなり通りすがりのプレーヤーに撃たれたり、悪意満々で襲われるのは最初は結構衝撃だ。しかしここは「無法の西部」、人を襲うのもあり、反撃されて無様に倒されるのもあり、撃たれる中、手を振り続けるのも何だってアリな世界なのだ。
この世界にはPKがいる。他人がいきなり攻撃してくるかもしれない緊張感を感じながら、仲間と力を合わせて立ち向かったり、あえて挨拶して行きずりの交流を楽しんだり、気まぐれに襲いかかったっていい。プレーヤーごとにスタンスは違うし、気まぐれだって多い。今回はそういう自由で危険で、それでいながら面白い人が多い「RDO」の世界でのコミュニケーションを語っていきたい。
実は「RDO」では復讐も容易だ。襲う者と襲われる者、その戦力差が絶妙なバランスになっているところもこのゲームの面白さだと俺は思っている。足を引っ張られることもあるし、邪魔されることもあるが、向かっ腹が立ったらとことんまで立ち向かうのも良い。
悪者にしつこく追いすがって復讐をする、そんなドラマみたいなロールプレイができるゲームは「RDO」だけじゃないか? もちろん逆に襲う側になってもいい。そんな世界を楽しむことで、見えてくる面白さがある。今回は無法な「RDO」で生きていく楽しさを語るぜ。
「RDO」にはPKがいる。彼らを肯定している楽しさ、無法の世界を生きる面白さ
PKとはプレーヤーキラーの略で、要するに他のプレーヤーを攻撃して倒すプレーヤーを指す。オンラインゲームの登場時から議論の対象になる事の多かったPKだが、オンラインゲームの多くは、PKを制限するか、禁止したタイトルが多い。最初期のMMORPG「ウルティマオンライン」でさえ、PKがいる世界と、PKのいない世界をわけることを選択した。PKの是非を議論するゲームすらほとんどない、というのが現状と言えるだろう。
一方で、ロックスターのタイトルでは「GTAオンライン」も「RDO」もPK大歓迎! というスタンスだと俺は思っている。つまり、「オンラインゲームでPKしたければ俺たちのところに来い」というメッセージを感じるところがある。実際「RDO」にログインした通常の世界「放浪モード」では、原則として他のプレーヤーに対して攻撃する事ができるようになっている。民警団を結成すればその仲間に対してはフレンドリーファイヤーをオフにする設定もあるが、同セッション内の他のプレーヤーに対しては銃口を向け、引き金を引くことができる。
そして、放浪モードで受けることができるミッション「見知らぬ人」では、同じセッション内でプレイしている他のプレーヤーが積極的にミッションの邪魔ができる。しかもNPCから「○○というプレーヤーを殺せ」、「○○という民警団を倒せ」と暗殺を依頼されることすらある。「プレーヤー同士で積極的に戦って欲しい」というのは、「ROD」における開発者の強いメッセージだ。そして、ここは賛否を生むところだと思うんだけど、暗殺ミッションを成功しても、失敗してもそれだけでは終わらず、お互いが消えない恨みをぶつけ合うように泥沼のように殺し合いが続くことも多い。こうなってしまうと、どちらかが諦めてセッションを移るまで殺し合いは終わらない。
さらに最初からPKをやりたくて「RDO」を遊んでいるプレーヤーが多いというのも、この世界で暮らしていて痛感することだ。いわゆる生粋のPKってヤツだな。こうした連中は寂しがり屋なのか、とにかく誰彼かまわずケンカをふっかけて、自分は何度死んでも他のプレーヤーへのちょっかいをかけるのをやめない。狩りの獲物や不用品などが売買できる街や村にいる事が多く、釣りをしていたり、街を歩いているこちらに対して攻撃してくる。とにかく問答無用で攻撃してくるようなイカれた連中も多い。
何故彼らがPKをするのか? というところなんだが、実は「RDO」ではPKのゲーム的メリットはない。殺された方もデメリットはない。相手を殺せば経験値は入るけど雀の涙だし、反撃されることも多い。それでもなぜPKをするかと言えば、「相手に嫌がらせができるから」であることは間違いない。PKに会ったときはこちらの対処法は「逃げる」か「応戦する」だが、応戦するのは相手が喜ぶだけだ。もちろん、そういうPKを倒す、というのは楽しい気持ちもある。だから腰を入れてやり合う、というのも1つの対処法であるとは思う。
だけどやはり限りなく“正解”に近い対処法は、面倒そうなPKが近くにいると感じたら、「逃げ」の1手が一番だ。たとえやられても、反撃せずにそのまま逃げ去るのがベストだ。こうした連中は殺し合いを楽しみたくてやっているので、迂闊に相手にすると、いつまでもついてきてしまう。実際に迂闊に反撃したばっかりにPKとのバトルがいつまで経っても終わらなくて、結局ミッションが継続できなくなるなんてことはよくある。
粘着度の高いPKは出会ってしまうと、逃げても追いかけてくる場合がある。こうした時は別のセッションに切り替えてしまえばもうその姿を見る事はないだろう。ただし、しつこいヤツについては名前を覚えておいて、その名前を見かけたら、なるべく関わらずに別のセッションにひたすら逃げるのもいいだろう。「PKという存在がいる」というのは、「RDO」での大原則だ。彼らがいることを肯定した上で、この世界は楽しいよ、というのが今回俺が言いたいことだ。
PKへの緊張感があるからこそ生まれる行きずりのプレーヤー達との変な交流
1つ声を出して言いたいのは、「RDO」には確かに、扱いが面倒なPKをよく見かける。しかし、全てのプレーヤーが面倒なPKではないよ、ということだ。むやみな警戒、他の人に撃たれることを重く考えてしまっては、この世界で出会う面白い体験を逃すこともあるかもしれない。
このゲームではとにかくすぐに相手が撃てちゃうし、システム的にも悪者プレイを推奨することがある。俺自身、警戒心が強くなって、近づいてきた人をいきなり撃っちゃったこともある。こういうシステムだから、「相手を攻撃しろ」というミッションや、他の人のミッションを邪魔をするために、要するに明確なメリットを求めて攻撃してくる人もいる。ミッション自体が終わるとピタリと攻撃をやめ、そのまま去って行く人もいる。
誰もが積極的に相手を攻撃したい、という人ばかりじゃない。それでも見知らぬプレーヤーが近い距離にいるときは、やはり緊張感が漂う。こうしたプレーヤーに自分が戦闘の意思がない事を伝えるための1つの有効な方法が「感情表現」だ。
他のプレーヤーをターゲッティングして、「感情表現」を選択、手を振ったり、頷いたり、指鉄砲を向けるなど、キャラクターの仕草で無抵抗をアピールすると、相手から緊張感が消えるのが画面越しで伝わってくる。こちらを撃ってくるようなプレーヤーでも、あくまでこちらから撃ち返さず、手を振り続けていたりすると、攻撃をやめる人も少なくない。文字や声など会話がなくてもジェスチャー1つで世界が変わるんだ。
緊張感の解けたプレーヤーは大抵の場合は、何度かあいさつを交わしたら、お互いそのままわかれる事が多いんだが、中には、向こうの馬に積まれていた狩りの獲物をこちらの馬に積み直してそのまま去っていくヤツや、逆にこちらの馬に積まれた獲物を盗んでいくケチな盗人野郎もいて、何を考えてるのかわからない変なヤツも多くて思わず笑っちまう。
他にも民警団でミッションを進めていると、常に俺たちの後ろからついてくるヤツもいたな。最初のうちは警戒していたんだが、どうやら仲間に入りたかったようで、特に危害を加えたり、ミッションの妨害をするでもなく、むしろミッションに協力して一緒に戦って遊んでいたんだ。その時は民警団の定員がいっぱいだったので、仲間に加える事はできなかったが、単に民警団の仲間に加わりたくて、こういう行動をとるヤツもいるのかもしれない。
また、山奥で出会ったプレーヤーは見た目も原始人のような粗暴な出で立ちながら、いきなり崖を飛び降りる謎の遊びを開始したんだ。俺たちも一緒に遊んでみようと崖をダイブしてみたんだが、崖の高さが予想以上に高く、釣られて飛び降りた仲間はみんな死んじまった。最初は何の意味があるんだろう? と考えたんだが、よくよく見ていると、明らかに何も考えていない。声が出ていたらヒャッハーとひたすらみんなで崖を飛び降りる事を楽しむ面白い人だったんだ。しばらく一緒に飛び降りて遊んでいたら気が付くと彼の姿は見えなくなっていた。あまりの意味のなさっぷりにみんなで爆笑だったぜ。
また、PKと言ってもいきなり殴り合いを繰り返すPKに出会ったことがあったな。殴り合いの場合、うまくやればランクの差もなくほぼ互角の勝負ができるため、倒し倒され延々と殴り続ける事になる。少年マンガのように飽きるまで殴り合ったあとは友情が芽生えるかと期待したが、さすがにフレンド登録はこなくてちょっと残念な気持ちになった事もあったな。
こちらの対処法の選択として、とにかく撃たれたことを絶対許さない、というスタンスもあるだろう。DTTSには血の気の多いメンバーもいる。実はRianもそういう傾向があるんだが、撃たれたらとにかく銃撃戦を続ける。俺たちは大人数で移動している事も多いので、そういう時はみんなで協力してPK退治に挑むような事もある。こういう時は一緒に戦ってくれる仲間の存在がありがたいところだよな。
「RDO」の世界の火器は性能差が少なく、高ランクで手に入る武器と序盤で手に入る武器で比較しても圧倒的な火力差がないんだ。そのため、銃が苦手なオレであっても、いざ戦ってみると意外とPKを倒すこともできたりする。もちろんトータルで見れば圧倒的敗北であっても、何度か倒すことができると、それだけで結構楽しくて、ある意味PKにハマる人の気持ちもわかる。
誰でもPKになれるこの世界は確かに不安だし、怖いかもしれない。だが、目の前の相手がいつPKに豹変するのかわからないシステムだからこそ、こういう些細なコミュニケーションやアクションでも面白く感じてしまう不思議な楽しさもそこにある。PKを避けすぎず、この緊張感もセットで楽しむのも「RDO」の魅力の1つなんだと言っておきたい。
気まぐれで全然OK! PKへの復讐も、PK側になっちゃうのだって全然アリ
最初に話をした通り、俺たちDTTSでは基本的にPKは推奨しないし、積極的にかかわらないスタンスだ。「見知らぬ人」ミッションを回っていても、民警団暗殺や、プレーヤー暗殺のミッションが来た時はキャンセルしてスキップするようにしているほどだ。
ただ、PKに対してのスタンスはメンバーごとに色んな考えがある。ちょっと銃を撃ってくるプレーヤーを見かけたら、即座にセッションを変えようと提案してくる人もいるし、最初のうちは軽く相手をしてみて、しつこいようなら逃げるという考えの人もいる。逆にこちらを攻撃したプレーヤーがいたら、向こうが諦めるまで延々と銃撃戦を続ける好戦的なヤツもいる。
俺たちDTTSメンバーは「GTAオンライン」の頃から一緒にプレイしているので、大体のスタンスは理解しているつもりだったが、「RDO」にきたタイミングでこの辺のスタンスが微妙に変わってる人がいるのも面白い。
ただ、俺が1番衝撃を受けたのは、PKに対してひたすら無抵抗主義を貫く、名付けて「ガンジーアタック」をするメンバーがいた事だ。彼は銃を持ち出さず、常に「感情表現」で対抗する。もちろんいくらやっても無駄な相手とわかれば、セッションを変更するなどして逃げる場合もあるが、この無抵抗主義はなかなか面白いやり方だと思った。撃たれても、何度倒されても意に介さず手を振り続ける。そうすると意外な交流が生まれたりするんだ。
俺も何度かやってみたが、街中など特にPKが多く出没する地域では他のプレーヤーに対して警戒する人が多い。そのため、こちらから先手を打って「感情表現」で挨拶してやると、向こうの警戒心も解けて、挨拶を返してくれる人は結構多いんだ。みんな不安な気持ちでプレイしてたんだなと感じたぜ。
ガンジーアタックに感動するところもある俺だが、ここは無法のワイルドウエスト、やはり西部の無法者をロールプレイして感情移入してやっているから、「RDO」の世界では比較的好戦的になっていることも多い。そしてRianをはじめとした一部のメンバーは、割と喜々として、いざ攻撃されたら反撃することが多いんだ。まあ正直、俺達は4、5人で遊んでいることが多いから、数に頼ってる、みたいなところもある。
PKは文句なしに悪者だ。悪者をとっちめるのが西部劇のロマンだ。「RDO」では倒されるとちょっと離れたところに再出現する。こちらが民警団を組んでることを知らなかったPKは俺達にどんどん殺され続け、マップの端の端まで追い詰められちまったこともあった。さすがにちょっとかわいそうになったが、「ケンカを売ることの意味」を教えてやる、みたいな気持ちもあったな。
気分次第だが、殺されても殺されても、しつこく戦いを挑んだこともあった。こうなると10回殺されても1回殺せば俺の勝ち、みたいな気分だ。一端逃げて距離をとって、PKがミッションを始めたときにダイナマイト片手に護送している馬車に突っ込む、という復讐プレイをしたときは、頭の中に「復讐のテーマ」が鳴り響くようなカタルシスを感じた。ここは無法の西部の荒野だ、何をしても自由だが、もちろんしっぺ返しもある。PKというシステムがあるからこそ、こういう殺伐とした、血で血を洗うような繋がり方もできる。
それは例え高レベルプレーヤーであっても、圧倒的な武器を持っていない「RDO」だからできることだ。他のゲームならPKに襲われても力量差に泣き寝入りが多いが、「RDO」は違う。何度殺されても立ち上がり、相手に銃弾をたたき込むことができるのは、公平な戦闘ルールでは感じられない達成感がある。「非PKシステム」に守られた他のオンラインゲームとは違う血の騒ぎ、暗い復讐の炎を昇華できるところも、俺が「RDO」を気に入っているところだ。
「RDO」ではPKができるけど、腰を据えて、本気でPKに立ち向かうこともできる。デスペナルティがあったり、PKへの罰則が強いゲーム、プレーヤー間の戦力差が大きいゲームではこうはならない。「RDO」は実はPKとそれに対抗する人の新しいバランスを考えてるゲームじゃないかと、俺は思っている。理由もなく殺されるのは悔しい、しかし、この無法の荒野ではその悔しさをバネに、PKととことんやり合うこともできる世界なんだ。
以上、一通りPKとその関わりについて語ってみた。確かに今の「RDO」においてPKは警戒すべき存在だ。だが、警戒ばかりだと、ユニークなプレイを続けている変なプレーヤーたちとの謎の交流も芽生えない。現在の「RDO」では海外のプレーヤーも同じサーバーでプレイしているため、やっぱり俺たちの常識とはちょっと違うな、と感じさせるプレーヤーも多い。
色んなプレーヤーが同時に「RDO」の世界でプレイしている。こうした海外のユニークなプレーヤーと交流ができる事もある。PKが気まぐれなのと同じように、俺たちだって気まぐれで良いんだ。プレイスタイルをガチガチに考えず、そこそこ警戒しつつも、「感情表現」を使って平和的な解決を試したり、時には我を忘れて殺し合いに興じてみたり、PKを交えて色々遊んでみてほしいぜ。