インタビュー
「都市伝説解体センター」の“解体ポーズ”は「仮面ライダー」と「忍者の印」からできたもの【TIGS2025】
「集英社ゲームズと一緒につくった作品」。開発者インタビュー
2025年3月9日 11:37
- 【TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025】
- 3月8日~3月9日 開催
- メイン会場:武蔵野公会堂、吉祥寺東急REIホテル
- チケット料金:
- 3月8日(ビジネスデイ):6,000円
- 3月9日(一般公開日):1,000円
2月13日に発売され、10万本を超えるヒット作となっているアドベンチャー「都市伝説解体センター」。今回、3月8日・9日開催のインディーゲームイベント「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」の会場にて、開発元の墓場文庫でピクセルアーティストを務めるハフハフ・おでーん氏と、集英社ゲームズ本作プロデューサーの林真理氏に話を聞くことができた。
おでーん氏に本作のポイントを伺うと、「クリアのハードルを極力下げた」ことだという。墓場文庫の前作「和階堂真の事件簿」は短めの作品であり、決して壮大ではなかったものの、クリアした喜びを報告する反響が多かった。そこで「クリア自体の爽快感を求めている人は多い」と気づき、その後の制作の方針が決まったという。
「都市伝説解体センター」は、「千里眼」の能力を持つというセンター長の廻屋渉(めぐりやあゆむ)、廻屋に半ば強制的に新人調査員に仕立てられた福来あざみ(ふくらいあざみ)など、魅力的なキャラクターが多く登場する。こうしたキャラクターやシナリオはどのように練ったのかを聞いたところ、そのようなものは特にないという。単に、「いくつか用意したうちのひとつだった」とおでーん氏はあっさり答えた。
その一方で、興味深いことに「偶然、企画とキャラクターがぴったり合っていた」そうで、正式に開発がはじまったあとも、「都市伝説解体センター」の基本的な内容は変わることなく、廻屋渉の設定やビジュアル、さらには仮で制作したロゴに至るまで、製品版にほぼそのまま使用されている。
また墓場文庫にとっては、集英社ゲームズから貴重なアドバイスを多くもらったという。その一例が、廻屋渉と福来あざみの出会いを描いたゲーム最序盤のチュートリアル。これが、集英社ゲームズのアドバイスによって、開発の後半に急遽追加されたものだという。
マンガでは、物語の導入として、登場人物の背景や関係性などを説明するシーンが演出されることがある。集英社ゲームズのマンガ編集出身のスタッフによる意見だったそうだが、これを取り入れたことで作品は「より良くなった」。このほかにも多くのディスカッションを重ねており、そのためおでーん氏は「都市伝説解体センター」を「集英社ゲームズと一緒につくった作品」だと捉えているとした。
ちなみに、作品中にあまりに印象的な廻屋の“解体ポーズ”は、作品内に独自の決めポイントをつくるため、“特定”と合わせて導入したものだそう。イメージは「仮面ライダーの変身シーン」で、そこに「忍者の印」の要素も入っているとした。
集英社ゲームズブースでは、「都市伝説解体センター」のほかに「シュレディンガーズ・コール」と「ANTHEM#9」が出展中。どちらも2025年発売予定で、会場では試遊もできる。「都市伝説解体センター」に続く作品として、こちらもチェックしていきたい。