レビュー
「マリオvs.ドンキーコング」レビュー
プレイヤーの手で道が切り開かれていくアクションパズル。チャレンジ精神とひらめきでドンキーコングを追いかけろ!
2024年2月16日 17:08
- 【マリオvs.ドンキーコング】
- 2月16日 発売
- 価格:
- パッケージ版 5,478円(税込)
- ダウンロード版 5,400円(税込)
任天堂は2月16日にNintendo Switch用アクションゲーム「マリオvs.ドンキーコング」を発売した。
本作は2004年に発売されたゲームボーイアドバンス用アクションゲーム「マリオvs.ドンキーコング」のリメイク作品。ドンキーコングが工場から全て奪っていった人気のおもちゃ「ミニマリオ」を取り戻すため、マリオがドンキーコングを追いかけるというストーリーとなっている。プレイヤーはマリオを操作し、ドンキーコングが逃げ込んだステージのギミックを攻略しながらミニマリオたちを回収していく。
今作からは、新たに2つのワールドが追加。ゲームに慣れていない人でも楽しめる難易度「カジュアルモード」も搭載されている。
今回はSwitch版「マリオvs.ドンキーコング」をプレイしたので、本作の魅力を紹介していく。
GBA版から新たに追加された5つの新要素! 新ワールドやタイムアタックが登場
本作は前述した通り、GBA版からのリメイク作品だ。GBA版にあった内容はもちろん収録されているが、さらに本作では新要素が5つ追加されている。まずはその新要素を紹介したい。
まず1つ目の要素は新ワールドの追加だ。本作では新たに遊園地がモチーフとなっている「メリー・ミニランド」と、雪山がモチーフとなっている「ツルツルマウンテン」の2ワールドが追加された。「メリー・ミニランド」には風によってキャラクターやアイテムを運ぶフワフワフラワーというギミックが登場するほか、「ツルツルマウンテン」は足元やアイテムがツルツル滑り、やりごたえのあるワールドになっている。
新要素2つ目は、難易度が2つから選べるようになっていることだ。
本作の難易度は、GBA版と同じ難易度で楽しむことができる「クラシックモード」と、ゲームになれていない人でも気軽に楽しむことができる「カジュアルモード」の2つ。難易度は、ステージの途中でも変更可能だ。ただし、ステージ途中で難易度を変えた場合はステージは最初からとなってしまう。
また「カジュアルモード」では、ステージに制限時間が設定されておらず、失敗しても5回までそのままチェックポイントから復活できるようになっている。パズルやアクションが苦手なプレイヤーでも焦らずじっくりと考えながらステージを楽しむことができる。
新要素3つ目は、Joy-Conをおすそ分けすることで2人協力プレイができるようになったことだ。1人でプレイするときよりもクリアに必要なアイテム数が増えるが、一緒にプレイすることでワイワイ楽しく攻略できる。
新要素4つ目として、マリオの残り数を増やすボーナスステージがリニューアルされた。短い制限時間内に飛びながら逃げ回るカギを捕まえて宝箱まで運ぶことで1UPキノコをたくさん獲得できる。
新要素5つ目は、タイムアタックが可能になったことだ。一定の条件を満たすとクリアしたステージでタイムアタックに挑戦できるようになる。タイムアタックではそれぞれのステージに目標タイムが定められており、そのタイムより速いスピードで攻略することが目的となる。ちなみに目的タイムを超えてしまうとその場でチャレンジ終了となる。何度もチャレンジ可能なので、最速を目指して効率よくクリアする方法をなども研究してみると面白い。
ひらめきとマリオのアクションの融合が魅力!
本作の各ステージには、様々なギミックが待ち受ける。足場になるゴミ箱や、高く跳べるジャンプ台といったシンプルなものから、スイッチの色と同色のブロックが出現し、他色のブロックが消えてしまうカラースイッチや、触れるとワープするキューブなど様々だ。これらのギミックを利用して、ひらめきで行きたい場所までの道を作って進んでいく。
マリオの様々なアクションもパズルを解くうえで大事な要素となっている。マリオはジャンプのほかに、逆立ちをして大ジャンプや大ジャンプからの二段ジャンプ、ゴミ箱、ジャンプ台など持ち上げて投げる、逆立ちで落下物を防ぐ、ハンマーを拾って周りの敵キャラクターを一掃する、鉄棒で大車輪をして大きく跳び上がるなどのアクションを行える。このマリオのアクションとパズルのギミックを上手く使って攻略の道筋を作っていくのが本作の魅力だ。
また、本作では各ワールド中に、ミニマリオを回収する6つの「パズルステージ」と、回収したミニマリオを箱に戻す「ミニマリオステージ」、ドンキーコングと直接対決する「ドンキーコングステージ」が用意されており、それぞれ違った遊びが楽しめる。
まずパズルステージでは、ドンキーコングが逃げ込んだ扉へのカギを手に入れて扉の奥に進み、ステージ上に配置されたミニマリオを集めていくことが目的となっている。ミニマリオは各ステージに1つずつ落とされており、落ちているミニマリオを回収すればステージクリアだ。
ミニマリオステージは、各パズルステージで集めたミニマリオたちを引き連れ、3つの「T」、「O」、「Y」の札を集めたのち、ミニマリオたちを元居た箱に戻してあげるとクリアとなる。
ミニマリオたちはひたすらマリオの後ろについてくるが、はしごを上り下りしたり、大ジャンプをするといったアクションができない。そのため、プレイヤーはミニマリオのために足場となるブロックやジャンプ台を適切な位置に持ってきたり、足場が危険な場所はミニマリオの動きに合わせてスイッチを切り替えて足場を作るなどのミニマリオが進むための道を作っていく必要がある。
どうすればミニマリオたちを目的の場所まで誘導できるのかという、ギミック操作の難易度が少し高いが、無事にクリアできたときの嬉しさはひとしおだ。
パズルステージとミニマリオステージをクリアすると、いよいよドンキーコングと対決。ドンキーコングは崩れる足場や空飛ぶヘイホーなど各ワールドの特徴を集めたステージで待ち構えており、マリオに対して様々な攻撃を仕掛けてくる。その攻撃をくぐり抜けてタルやゴミ箱、敵キャラクターなどを投げつけて攻撃する。「ドンキーコングステージ」は、各ワールドの印象的なギミックが登場するので、そのワールドの集大成だ。
1度最後のワールドまでクリアすると、新しく「+ステージ」とエキスパートステージが登場する。
+ステージは、カギを持ったミニマリオを連れながらステージを攻略していくステージだ。カギのついた扉までミニマリオを連れて行けばステージクリアだ。エキスパートステージは、今まで以上に難しいステージだ。ステージクリアにはより柔軟な発想が必要となる。
プレイヤーを待ち構える多彩なステージ! 各ワールドには特徴的なギミックが登場
本作には全部で8つのワールドが用意されており、その中にはジャングルの中を駆け巡り、足場のない場所をロープで渡っていく「ドンキージャングル」やマグマの上にある崩れる足場を走り抜ける「ファイヤーマウンテン」、お化け屋敷のような館の中をテレサに追いかけられる「スプーキーハウス」などのゲームボーイアドバンス版からあるワールドと本作から登場する「メリー・ミニランド」や「ツルツルマウンテン」などさまざまなワールドのステージを楽しむことができる。
各ワールドはそれぞれ特色が強く、専用のギミックが用意されている。例えば「ファイヤーマウンテン」ではマグマが移動してマリオをの足場をどんどん飲み込んでいったり逆に足場が現れたりする。「スプーキーハウス」では空飛ぶヘイホーがスイッチを押すことでブロックに変わって足場になる。新しいワールドに挑むごとに、どんなギミックが待っているのかワクワクする。各ワールドの雰囲気に合わせて、マリオの行く手を阻む敵キャラクターが変わったり、マリオが掴むロープが鎖になったりと細かく変化しているので、ステージを攻略しながらワールドごとの世界観を楽しめるのもいい。
ワールドのギミックによっては攻略が難しいものもでてくるが、その分クリアしたときの達成感は大きい。果敢にチャレンジしてみよう。
ステージ1つ1つにプレイヤーの物語ができる
本作は、ステージを攻略する方法をひらめく瞬間こそが何といっても気持ちいい。
本作のステージはギミックが多彩に用意されており、ステージに入った時点でどうやってクリアすればいいのかがわからない。ステージを見回してクリアする方法を考え、トライ&エラーを繰り返してひらめいたり、時にはたまたまうまくいってクリアできたりと、その都度心が躍る。攻略方法を思いついたときには思わずガッツポーズがでるほどうれしい。
筆者は恥ずかしながらGBA版「マリオvs.ドンキーコング」をプレイしていないが、本作をプレイしてこんなにおもしろいパズルゲームが2004年に発売されていたのかと、プレイしていなかったことがもったいないと感じたぐらいだ。ステージに配置されたギミックだけで目的地までたどり着くという非常にシンプルなルールの中で、プレーヤーの創造力や機転の効き方が重要な本作は、パズルゲームが好きなプレーヤーにとってはたまらない作品だと感じた。1回でサクッと解けた時の爽快感に、何度も試行を繰り返して行き方がわかった時のアハ体験など得られる刺激が様々だ。
難しさを追求したエキスパートステージもある本作。パズルもアクションもしっかりと楽しめる難易度におさまっているので、マリオやドンキーコングが好きな方はもちろん、パズルアクションが好きな方も楽しめる作品だ。興味がある方はぜひプレイしてみてほしい。
(C)Nintendo