PS3/Xbox 360ファーストインプレッション

地球防衛軍4

さらに凶悪化した巨大生物と異星人 ~ステージバリエーションもより多彩に!~

さらに凶悪化した巨大生物と異星人 ~ステージバリエーションもより多彩に!~

 歴戦の隊員は、最初のミッションを始めた直後に「ああ、これはまさしく『EDF』だ!」と胸を高鳴らせるであろう、巨大蟻の大群。はるか前方でうごめく様子は地獄絵図以外の何物でもないが、これはまだ序の口。これまでも相当凶悪だった巨大生物や異星人だが、今回は“演出”がさらにエグくなっている。

 たとえば、巨大蟻はモブの一般人を口でくわえてモグモグ(見た目かなりキツイので可愛く表現してみました)するし、それはプレーヤーこと隊員に対しても同様。モグモグされたら、手持ちの武器で蟻をひたすら撃つべし。早く倒すほどダメージが少なくて済む。新登場の巨大蜘蛛「レタリウス」は、伸ばした糸でダメージを与えてくるだけでなく、隊員を引きずり寄せるなど、いずれもくらってしまうと非常に厄介。ミッション10までには登場しないが、以前弊誌でお伝えしている敵新兵器「シールドベアラー」など、巨大生物や異星人たちは従来シリーズをはるかに超える質量でEDFに襲い掛かってくる。

 戦場となるステージも、都市、野外、地下などなど、グラフィックスの向上にともないプレーヤーのモチベーションをさらに高めてくれる。オブジェクトの破壊演出も健在で、爆発物などで建物が崩れ落ちる様子は「クリアとは関係ないけど、あれぶっ壊せるかな?」など、ついついやってしまうこと間違いなし。おせじにもリアルな路線ではないが、B級特撮っぽさにあふれた破壊表現と爽快感は結構クセになる。

【スクリーンショット】
襲われる一般市民。めっちゃモグモグされてる
油断してると隊員も当然モグモグされる
レタリウスの糸はかなり厄介。グイグイ引き寄せられる
ステージのグラフィックは丁寧に作りこまれている。オブジェクト破壊も健在で、ついつい意味もなく炸裂弾を撃ちこんでしまう

シリーズの様式を踏まえた進化 ~少なくとも筆者にとって「買わない」という選択肢はない~

 臨場感あふれるHDグラフィック、新たに追加された兵科や武器、凶悪さを増した巨大生物や異星人……今回は触れられなかったが、この圧倒的なクオリティでオンラインプレイまで可能という事実。歴代シリーズのファンは、この時点で「買わない」という選択肢がない。少なくとも筆者はそうであり、7月4日の再出撃を心待ちにしている全国の隊員たちも同じ心境ではないだろうか。

 敵の群れやオブジェクト破壊などで頻繁にスローがかかる点は、写実路線の権化である最新FPSなどを信奉する層からは辛らつな言葉がきかれるかもしれない。だが、そういう瑣末な事柄で「地球防衛軍」は評されるべきものではない。元は廉価シリーズから始まった作品だが、「地球防衛軍」には最初期から今に至るまで“変わらぬ様式”が存在し、これはフルプライス版でも一貫している。それがあるからこそ我々は「地球防衛軍」シリーズが愛おしく、いつまでも触れていたいと願う。

 作を重ねるごとに新要素や改良がくわえられてきたが、世界観、シチュエーション、操作性、アバウト極まりないが時に奇跡を起こすゲームバランスなどなど……世界観、テイスト、手触り、質感。HD機向け2作目にしても微塵もゆるがず、すでに“様式美”化して久しいともいえる。ヘタを打つと即マンネリのそしりをまぬがれない危険は常にあるが、そこはパブリッシャー、ディベロッパーともに作品とシーンに対する理解度が高く、北米や欧州市場を強く意識した海外スタジオ制作の「Earth Defense Force Insect Armageddon」をのぞけば、一瞥しただけで「これぞ『地球防衛軍』!」というものを常に提示してくれている。

 シリーズの様式をゆがめることなく、新しい“遊び”を随所にちりばめたピカピカの最新作。巨大生物などの造詣で引かれてしまうと、それ以上は何もいえなくなるのだが……それさえ問題なければ、アクションシューティングが好きな人にはぜひぜひ遊んでいただきたい。全国の隊員諸兄については、いわずもがなだ。

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(豊臣孝和)