(2013/7/5 00:00)
第4世代CoreプロセッサーとGeForce 700シリーズの発表に合わせて、マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」より、ハイエンドノートPC「NEXTGEAR-NOTE i1100PA1-SP」が発売された。
標準構成でお値段439,950円というこの製品。気軽に買えるゲーマーは極めて稀だと思われるが、それだけ高額なPCがどのくらいのスペックを有しているのか興味はあるはず。このPCを試用する機会が得られたので、そのレポートをお届けしたい。
SLI対応ソフトではデスクトップのハイエンドPCに迫る性能
まずはスペックの確認から。
CPU | Core i7-4930MX Extreme Edition(4C8T/3GHz/TB時3.9GHz) |
チップセット | インテル HM87 Express |
メインメモリ | 32GB(DDR3L PC3-12800 8GB×4) |
GPU | GeForce GTX 780M SLI(GDDR5 4GB×2) |
SSD | 256GB mSATA×2(RAID 0) |
HDD | 1TB(5,400rpm) |
光学ドライブ | BDXL書き込み対応ドライブ |
その他ドライブ | 4メディア対応マルチカードリーダー |
サウンド | HDオーディオ |
有線LAN | 10/100/1000Base-T |
無線LAN | IEEE 802.11b/g/n(150Mbps) |
液晶モニター | 17.3インチ(1,920×1,080ドット) |
OS | Windows 8 64bit |
思いつく限り最高のパーツを詰め込みました、という構成だ。CPUやGPUはもちろん、Raid 0構成のSSDや、32GBのメインメモリ、BDXL書き込み対応ドライブなども搭載し、何をするにも困らない。
それではベンチマークを試していこう……と言いたいところだが、先に1つ注意点をお知らせ。標準でインストールされていたNVIDIAドライバー(311.44)では、SLIが正しく動作しておらず、SLIを有効にすると逆にスコアが下がる現象が見られた。
GeForce GTX 780M用の正式版ドライバーは、本稿の執筆時点ではまだ公開されていないが、ベータドライバー(320.49)が公開されていたので、今回はこちらを使用した。SLIが動作しているのも確認できたが、あくまでベータドライバーなので、実製品での利用は問題が出る可能性もあるので、自己責任でご利用いただきたい。なおベンチマークはSLIオンとオフの両方で試している。
ではゲームのサービスも近づいてきた「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」から。SLIは非対応のようで、GPU処理分散のグラフでは、片方のGPUだけが動いている状態だった。スコアもSLIを切った方がいくぶん良い、という結果に。
ゲーム本編である「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の方は、β3の段階ではまだSLI対応が完了していないものの、正式サービスに向けて対応を進めることを開発レポートの中で明らかにしている。SLIが有効化されるのは間違いないので、「FF XIV」目当てでSLI製品を導入しておいてもいいだろう。
次は先日Windows版のサービス提供が発表された「ドラゴンクエストX」のベンチマーク、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」。こちらもSLIには非対応で、ベンチマークスコアもほぼ同等となっている。ただ元々のゲームがかなり軽量なようで、SLIなしの状態で最高画質設定にしても最高評価の「すごく快適」となった。
続いて「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」。こちらはSLIありのスコアがSLIなしのスコアを大幅に上回った。特に設定5の高解像度時には、約1.5倍のスコアとなっている。とはいえこちらもスコア的にはSLIなしの状態でも十分すぎるほどで、ベンチマーク中のフレームレートはどちらも3桁となっていた。
次は重めのベンチマークとなる「バイオハザード6 ベンチマーク」。こちらもSLIが効いているようで、1.6倍以上の差がついた。ベンチマーク中の重いシーンでのフレームレートにも差が見られた(カプコンによると、ゲーム中でこれほど重いシーンはないらしいが)。ただし評価はいずれも最高の「S」が付いている。
最後は「MHFベンチマーク第3弾【大討伐】」。こちらはSLIによる差がほとんど見られなかった。スコア的には十分すぎる値なので、このクラスのPCでベンチマークを行なうにはもう不向きになってきた。もっとも、ノートPCにおいてそういう感想が出るということ自体がすごいことだが。
先に述べたとおり、今回はベータドライバーを使っているためか、SLI時のスコアに不審な点もある。ただ見てわかるとおり、SLIが有効に働くゲームであれば、ぐっとスコアが伸びるのは確かだ。
GPUの性能的には、GTX 780M単体で、デスクトップPCなら2万円台のビデオカードと同等程度に見える。SLIでは、ベータドライバーの段階でもそこから掛け算で1.5~1.7倍といったところ。ここまで来ると、5万円超のデスクトップPCのハイエンドGPUに対抗できる性能になる。SLI対応ゲームに限るという制約はあるが、重めのゲームは大抵対応していると思われるので、メリットは十分に享受できる。
ベンチマークではもう1つ、ストレージについても見ておきたい。2基のSSDはSATA 6Gbps対応のmSATA接続で、Raid 0構成となっている。なぜかシーケンシャルリードだけが若干遅い(とは言っても約400MB/s)のと、SSDの製品名が非公開なのは気になるところだが、単体製品では絶対に出ない性能になっている。
またSSDとは別に1TBのHDDも搭載されており、こちらもHDDとしては十分なスピードとなっている。ただSSD単体で512GBもの容量があるので、ゲームユースに限れば必要になる機会はないかもしれない。ちなみに2.5インチのスロットはもう1つ空いており、その気になればHDDやSSDを増設できる。
最後にWindows エクスペリエンス インデックスの値もお見せしておこう。基本スコアは7.9で、CPUとメモリが最低スコア。グラフィックス2種は8.2で、ノートPCでありながらスコアの足枷になっていないという面白い結果が出ている。ちなみにこのスコアは、SLIをオフにしても変わらなかった。