ゲーミングノートPC「GALLERIA UL9C-R49」レビュー
GALLERIA UL9C-R49
17.3型液晶とGeForce RTX 4090 Laptop GPU搭載超弩級ゲーミングノートで「Forza」を試す
- ジャンル:
- ゲーミングPC
- 発売元:
- サードウェーブ
- 開発元:
- サードウェーブ
- プラットフォーム:
- Windows PC
- 価格:
- 46万9,980円(税込)
2023年11月30日 00:00
サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA」の新製品「GALLERIA UL9C-R49」は、17.3型液晶とGeForce RTX 4090 Laptop GPUを搭載したゲーミングノートPCであり、GALLERIAブランドのゲーミングノートPCの中でもハイスペックモデルとなる。
GALLERIA UL9C-R49は、9月に開催された東京ゲームショウ2023のGALLERIAブースで、未発表の新製品として展示されていた製品であり、GALLERIAブランドのゲーミングノートPCとして初めて、GPUにNVIDIAのGeForce RTX 4090 Laptop GPUを採用したことがウリだ。また、GALLERIAブランドのゲーミングノートPCとしては、久しぶりに17.3型という大型液晶を搭載したことも魅力である。GALLERIAゲーミングノートPCの最高峰となる本製品の性能が気になるところだ。そこで、2023年10月10日に登場したレーシングゲーム「Forza Motorsport」を快適にプレイできるか検証してみた。
IntelのハイエンドCPU「Core i9-13900HX」とNVIDIAのハイエンドGPU「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を搭載
GALLERIA UL9C-R49(以下UL9C-R49)は、GALLERIAのゲーミングノートPCのシリーズでも頂点に位置するUシリーズであり、CPUとしてIntelのハイエンドCPU「Core i9-13900HX」を搭載する。Core i9-13900HXは、第13世代Coreプロセッサーシリーズの製品であり、第12世代で初めて採用した性能重視と電力効率重視の2種類のコアを搭載するハイブリッドアーキテクチャをさらにブラッシュアップさせた、高性能CPUである。Core iシリーズは上位からCore i9/Core i7/Core i5/Core i3という4つのグレードに分かれているが、Core i9はその最上位グレードであり、ゲーミングノートPCに搭載されているCPUとして最高クラスである。
Core i9-13900HXには全部で24ものコアが搭載されているが、このうち8個が1つのコアで最大2つのスレッドを同時に実行できるPコア(高性能コア)、残りの16個がEコア(高効率コア)であり、合計8×2+16の最大32スレッドの同時実行が可能だ。Pコアの定格動作周波数は2.2GHzだが、最大5.4GHzまで向上するため、非常に高いパフォーマンスを誇る。最新の重いゲームを実況配信するといった使い方でも余裕がある。
GPUにはNVIDIAの最新シリーズ「RTX40シリーズ」のハイエンドモデルである「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を搭載している。GeForce RTX 4090 Laptop GPUは、Ada Lovelaceアーキテクチャを採用し、ゲームパフォーマンスを大幅に向上させるDLSS 3などの最新技術にも対応する。なお、GALLERIAブランドのゲーミングノートPCで、GeForce RTX 4090 Laptop GPUを採用した製品は、本製品が初となる。
メインメモリは32GBで、大作ゲームのプレイも問題はない。ストレージは、最新のGen4に対応したNVMe 1TB SSDであり、パフォーマンス、容量ともに満足できる。
【GALLERIA UL9C-R49】
CPU:Intel Core i9-13900HX(24コア/32スレッド、最大5.4GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4090 16GB Laptop GPU+Intel UHDグラフィックス
メインメモリ:32GB DDR5-4800MHz SO-DIMM(16GB×2)
ストレージ:1TB Gen4 NVMe SSD / HDDなし
液晶ディスプレイ:2,560×1,440ドット(QHD)、17.3型240Hz 非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
電源:330W ACアダプター(20V)
本体サイズ:402×281×24.7~29.7mm(横×縦×厚さ)
本体重量:約3.4㎏(バッテリー含む)
価格:46万9,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC143/MC13022.html
高級感のあるブラックの新筐体
UL9C-R49は、GALLERIAブランドのゲーミングノートPCとして久しぶりに17.3型液晶を搭載した製品であり、筐体も新しい設計となっている。シャープなデザインで、万人受けしそうな外観だ。カラーはブラックで、高級感があり美しい。本体のサイズは402×281×24.7~29.7mmであり、重量も約3.4kgある。やはり17.3型液晶搭載ということで、基本的に据え置きで使う製品であろう。付属のACアダプターは330Wと大容量でサイズも大きく、重量も実測で1,164g(ケーブル込み)で重い。
17.3型240Hz対応QHD液晶を搭載
UL9C-R49は、17.3型液晶というノートPCとしては最大級の液晶パネルを搭載していることも特長だ。解像度も2,560×1,440ドットと高く、リフレッシュレートも240Hz対応なので、主にFPSやTPSをプレイするゲーマーも満足できる。液晶表面は非光沢仕様なので、外光の映り込みが抑えられており、長時間利用しても目への負担が小さい。
液晶上部には、フルHD画質のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証用IRカメラが搭載されており、顔認証でのログオンなども可能だ。液晶周囲の額縁部分も狭く、見た目もすっきりしている。
キーごとに制御可能なRGB LED搭載キーボードと大型タッチパッドを採用
キーボードはテンキー付きの全107キーで、配列は標準的だ。キーボードバックライトとして、RGB LEDを搭載しており、キーごとに発光色を制御可能だ。
ポインティングデバイスとしてはタッチパッドを採用。タッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプだが、パッドのサイズが大きく、操作性も良好だ。ゲームをプレイする場合はタッチパッドではなく、マウスを接続して使うことが多いと思われるが、その場合、タッチパッドを無効にしないと誤操作の元となる。本製品は、タッチパッド左上隅をダブルタップするだけで、タッチパッドの有効/無効を切り替えることができ、無効時にはタッチパッド左上のLEDが点灯するのも便利だ。
インターフェイスも充実、最新のThunderbolt 4も2つ搭載
UL9C-R49は、ハイスペックモデルらしくインターフェイスも充実している。右側面には最新のThunderbolt 4 Type-C×2が、左側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2とヘッドセット端子、マイク入力が、後面にはMiniDisplayPortとHDMI出力、有線LANが用意されている。
無線LANモジュールとしては、インテルWi-Fi 6E AX211NGWを搭載し、6GHz帯を含む最新のWi-Fi 6Eに対応。MIMO 2×2仕様で最大2.4Gbpsでの通信が可能だ。また、Bluetooth 5.3もサポートしている。有線LANは、2.5Gbps対応である。
シーケンシャルリードは6,700MB/s超と超高速!
ゲーミングノートPCとしての足まわりの基本性能を検証するために、「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測した。結果は、シーケンシャルリード(Q8T1)が6,707.88MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が4,912.75MB/sとなった。ロットによって搭載SSDのメーカーなどが異なる可能性があるため、あくまで参考にしていただきたいが、シーケンシャルリードが6,000MB/sを超えていれば、Gen4対応SSDの中でもトップクラスといってよい。データサイズが大きい、最近のオープンワールドタイトルなどでも素早く起動やシーンのロードが行なえるだろう。
レイトレ世代のレースゲーム「Forza Motorsport」でパフォーマンスをチェック
UL9C-R49は、GALLERIAブランドでもハイスペックなゲーミングノートPCであり、その性能が気になるところだ。
そこで、2023年10月10日にXbox Game Studioからリリースされたばかりのレーシングゲーム「Forza Motorsport」を使って、そのパフォーマンスを検証してみた。「Forza Motorsport」は、長い歴史と人気を誇るレーシングゲーム「Forza」シリーズの最新作で、ゲーム中でのレイトレーシングを本格的に採用し、美しいグラフィックスとリアルな挙動が魅力である。
「Forza Motorsport」を遊べるプラットフォームは、Xbox Series X|SとPC(Steam)であり、PC版の動作環境は、最小/推奨/理想と3種類公表されているが、理想では、CPUがIntel Core i7-11700またはAMD Ryzen 7 5800X、GPUがGeForce RTX 4080 16GBまたはRadeon RX 7900XT 16GBとされており、要求環境は非常に高い。特にGPUについては、最新製品ののハイエンドモデルが要求されているが、これはレイトレーシングを前提としたものであろう。
「Forza Motorsport」の最高画質/レイトレ最高でも76fpsを実現
「Forza Motorsport」にはベンチマークモードが用意されているので、それを利用してフレームレートを計測した。まず、DLSSとレイトレーシングをオフにし、それ以外の画質設定をすべて選べる最高にした状態でベンチマーク結果は99fpsとなった。Xbox Series X版では60fpsが目標フレームレートとなっており、安定して60fpsを達成していれば快適にプレイできる。実際に、プレイしてみたが非常に快適であった。次に、同じ設定でDLSSをオートにしたところ、ベンチマーク結果は100fpsとなったが、ほぼ誤差の範囲であり、大きなフレームレート向上は見られなかった。
次に、DLSSをオフにした状態で、レイトレーシングの設定を最高の「全反射+RTAO」(全反射とRTAOについては後述)にしたところ、やはりレイトレーシングの負荷は重いようでフレームレートは72fpsまで低下した。しかし、この状態でも60fpsは超えており、十分快適にプレイできた。レイトレーシングの設定を「全反射+RTAO」にした状態で、DLSSをオートにしたところ、フレームレートが76fpsに向上した。こちらは、DLSSの効果が出ているといえるだろう。なお、RTX40シリーズでは、AIによるフレーム生成も行うDLSS3が利用できるが、「Forza Motorsport」ではDLSS3には未対応である。
「Forza Motorsport」は、500台以上の車と20のコースが用意されており、懐かしい日本の名車でレースを楽しめることも魅力だ。外観のカスタマイズも自由にでき、フォトモードでいろんな角度から愛車を撮影することもできる。もちろん、レーシングシミュレータとしての完成度も高い。
筆者はあまりレーシングゲームは得意ではないが、多くのドライブアシスト機能が用意されており、細かく設定が可能なため、初心者がレースゲームをプレイするときにありがちな、コースからすぐはみ出してしまい快適に走れないといった状況は起こらない。上達するにしたがって、アシスト機能を無効にしていけば、より自分の手で車を操っている感覚が得られる。
また、難易度設定も充実しているほか、ミスをしたら巻き戻せる「リワインド」機能も用意されているため、コースの難所を繰り返しプレイすることもできる。見た目よりもずっと初心者に優しいゲームだと感じた。もちろん、奥は深いので、上級者にもやり応えはある。前述のように、高性能なUL9C-R49なら、最高画質/レイトレーシング最高でもフレームレートは十分である。今回はXbox用ゲームパッドとゲーミングヘッドセットを接続してプレイをしたが、なかなか快適であった。
レイトレーシングによる画質の違いは?
「Forza Motorsport」は、ゲーム中にレイトレーシングを利用できることもウリの一つだ。レイトレーシングの項目では、「オフ」、「クルマの反射」、「クルマの反射+RTAO」、「全反射+RTAO」の選択が可能であり、一番負荷が高いのが「全反射+RTAO」となる。
全反射とは車を含むすべてのオブジェクト同士の光の反射を計算し反映するものであり、RTAOとはレイトレースアンビエントオクルージョンの略で、アンビエントオクルージョン(穴や隙間などの狭い場所に陰影を反映させる機能)を、レイトレースによってより正確に実現するものだ。
レイトレーシングオフとレイトレーシング最高(全反射+RTAO)の画像を下に挙げるが、画面の左上にあるコースを覆っている屋根の内側に注目して欲しい。レイトレーシングオフの状態では、屋根の内側はのっぺりした表現になっているが、レイトレーシング最高にすると、地面にある桜の木などがしっかり映り込んでいることが分かるだろう。このように、レイトレーシングを有効にすると、背景などのオブジェクト同士の光の反射も正確に反映されるのだ。ただし、画面を見れば分かるようにレイトレーシングオフでも十分に美しい映像であり、レース中には大きな差を感じることはあまりないだろう。
「Forza Motorsport」は、レイトレーシングにも対応した美しいグラフィックが魅力のタイトルであり、CPUやGPUへの負荷も高い。しかし、UL9C-R49なら、レイトレーシングを含む設定をすべて最高にしても快適にプレイできる。その状態のスクリーンショットをいくつか紹介する。
超弩級ノートPCだけに音や発熱は大きめ。ゲーミングヘッドセットを推奨
UL9C-R49は、ハイエンドCPUとGPUを搭載しているため、「Forza Motorsport」のプレイのような高い負荷をかけると発熱がかなり大きくなりファンの回転数が上がる。冷却性能は高いため、長時間プレイしていても動作が不安定になるようなことはないが、ファンの音はかなり耳障りになる。また、キーボードの奥側(ヒンジに近い部分)の温度もかなり上がってくる。しかし、テンキー部分やWASDキーなど、ゲームプレイに使うキーの温度はそこまで高くはならないので、操作そのものには問題はない。また、音についても、密閉型ゲーミングヘッドセットを装着すれば、ほぼ完全にシャットアウトされるレベルであり、気にならなくなる。FPSやTPSは、基本的にヘッドセット前提でプレイするものであり、Discordなどにもノイズキャンセリング機能が搭載されているので、特に問題はないだろう。
GALLERIAのシリーズの頂点の名に恥じない高い性能を実現
UL9C-R49は、Core i9-13900HXとGeForce RTX 4090 Laptop GPUを搭載したゲーミングノートPCであり、GALLERIAのシリーズの頂点の名に恥じない高い性能を誇る。17.3型液晶を搭載しているため、画面が大きくプレイも快適だ。最新レーシングゲーム「Forza Motorsports」も最高画質/レイトレーシング最高で快適にプレイできた。
本体やACアダプターが大きく重いため、気軽に持ち運べるというわけではないが、部屋から部屋への移動程度ならそう問題はない。負荷をかけると音や発熱が大きくなることが欠点だが、密閉型ゲーミングヘッドセットを利用すれば音は気にならない。発熱についても、キーボード操作に支障が出るわけではない。現時点で最高レベルのゲーミングノートPCであり、長期にわたって第一線で活躍できるだろう。高性能ゲーミングPCが欲しいが、デスクトップPC+モニターを設置するスペースはないという人にもおすすめだ。
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※価格・構成については、2023年11月28日時点の情報です。最新情報についてはドスパラにてご確認ください。
※本製品はBTO製品の為注文時期によって内部で使用されているパーツが異なる場合があります。その為計測した結果と実際の数値が異なる場合があります。