「GALLERIA ZA9C-R49 インテルCoreプロセッサー 14900KF搭載」レビュー

GALLERIA ZA9C-R49

超重量級タイトル「ARK: Survival Ascended」も4K/最高画質で快適プレイ!

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
547,800円(税込)
発売日:
2023年12月1日

 インテルは、PC向けCPU市場で最大シェアを誇るCPUベンダーとして広く知られており、ほぼ1年に1回のペースで新世代CPUを市場に投入している。そのインテルの最新CPUが、開発コードネーム「Raptor Lake-S Refresh」と呼ばれていた第14世代Coreプロセッサーである。今回は、2023年10月17日に発表されたばかりの第14世代CoreプロセッサーとNVIDIA最強GPUのGeForce RTX 4090を搭載したフラッグシップモデル「GALLERIA ZA9C-R49 インテルCoreプロセッサー 14900KF搭載」(以下ZA9C-R49 14900KF搭載)を試用する機会を得たので、2023年10月26日に配信が開始された重量級タイトル「ARK: Survival Ascended」をどこまで快適にプレイできるか検証してみたい。

【GALLERIA ZA9C-R49 インテルCore i9 プロセッサー 14900KF搭載】
最新の第14世代Coreプロセッサーを搭載したハイエンドモデル「GALLERIA ZA9C-R49 インテル Core i9 プロセッサー 14900KF搭載」

インテル最新CPU「Core i9-14900KF」とNVIDIA最強GPU「GeForce RTX 4090」を搭載

 今回試用したZA9C-R49 14900KF搭載は、GALLERIAシリーズのデスクトップPCの中でもフラッグシップとなる高性能ゲーミングPCである。まずは、スペックから見ていこう。

【GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載】
CPU:インテル Core i9-14900KF(24コア/32スレッド、3.20GHz~6.00GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4090(24GB)
チップセット:インテル Z790
メインメモリ:32GB DDR5-4800MHz DIMM(16GB×2)
ストレージ:1TB NVMe Gen4 SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:547,800円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC13091.html

 ZA9C-R49 14900KF搭載は、CPUとしてインテルの第14世代Coreシリーズの中でもトップクラスとなる「Core i9-14900KF」を搭載している。Core i9-14900KFは、性能重視のPコアを8コア、電力重視のEコアを16コア搭載した24コアCPUで、最大32スレッドを同時実行可能だ。基本動作クロックも3.20GHzと高いが、ターボブーストにより最大6.00GHzまでクロックが向上し、非常に高いパフォーマンスを誇る。ちなみに前世代のCore i9-13900KFは、基本動作クロックが3.00GHz、最大クロックが5.80GHzだったので、それぞれ0.2GHz分クロックが向上していることになる。

 GPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 4090が採用されている。NVIDIAの最新GPU「RTX 40シリーズ」の中でもフラッグシップに位置するNVIDIA最速のGPUであり、搭載ビデオメモリも24GBと非常に大きい。CPUやGPUへの負荷が高い最新ゲームを4K最高画質でプレイしつつ、実況配信を行なうことも余裕であり、「Stable Diffusion」などの生成AIをローカルで動かしたいという人にもおすすめだ。

【内部パーツなど】
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 4090」搭載ビデオカードを採用
ビデオカードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
OSからは32コアCPUのように見えており、最大32スレッドの同時実行が可能

PCIe 4.0対応高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは5,000MB/s超え!

 メインメモリも32GBと大容量で、高速なDDR5メモリを採用している。ストレージは、PCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDを搭載する。メモリもストレージも十分で、規模の大きなAAAゲームも余裕で遊べる。

 「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は5,011.59MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が3,780.64MB/sとかなり高速であった。PCIe 3.0対応NVMe SSDと比べて、リードは1.7倍程度高速であり、ゲームの起動やデータサイズの大きなマップの読み込みも短時間で終わり、ストレスをあまり感じることがない。

【「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果】
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

メンテナンス性や拡張性に優れたオリジナルケースを採用

 GALLERIAのデスクトップPCでは、オリジナルタワーケースが採用されている。サイズはいわゆるミドルタワーサイズで、左サイドパネルの一部が透明になっており、中が見えるようになっている。内部のスペースも広く、メンテナンス性や拡張性も高い。フロントパネルの周囲にはRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく点灯する。

【フロントパネル周囲にLEDを搭載】
GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載のフロントパネル。電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが青色に光る

 また、フロントパネルの上部手前側が斜め45度にカットされており、そこにフロントI/Oポートや電源スイッチなどが配置されていることも特徴だ。フロントのUSBポートへのアクセスもしやすい。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンド入出力端子が用意されている。背面のI/Oポートも豊富で、USB 2.0×4、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen2x2 Type-C、サウンド入出力端子、2.5G LANポートが用意されている。

 本体底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽に行える。最近は使われることが少なくなった光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することも可能だ。

【本体外観など】
フロントパネルの上面が斜めにカットされており、USBポートなどへのアクセスがしやすい
GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載の右サイドパネル
GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載の左サイドパネル。中を覗ける透明な窓がある
GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載のトップパネル。格子状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されている
GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載のリアパネル
リアパネル部分のI/Oポート
GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載の底面。底面には電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている
底面のフィルタはこのように引き出せる

CPUクーラーは水冷仕様、ビデオカードの緩みを防ぐ「リジッドカードサポート」

 CPUの冷却には、「ASETEK 624S-M2」が採用されている。ラジエーターには、120mmファンが2個装着されている。さらに、リアに140mm高速ファンが1つ、フロントには140mm高速ファンが2基搭載されており、十分なエアフローを実現している。なお、スペックでは高速ファンとなっているが、音はかなり小さめでほとんど気にならないが、ゲームなどでGPUに高い負荷がかかるとビデオカードのファンの音はやや気になる。

 マザーボードには、拡張スロットとして、PCIe 5.0 x16スロットが1基, PCIe 4.0 x16スロットが3基、PCIe 3.0 x1スロットが1基の合計5基が用意されている。GeForce RTX 4090搭載ビデオカードがPCIe 5.0 x16スロットに装着されており、3スロット分のスペースを占有しているため、利用できるPCIeスロットはPCIe 4.0 x16スロットとPCIe 3.0 x1スロットの2基となる。さらに、6Gbps対応のSATAポートが4基とPCIe 4.0 x4対応のM.2スロットが2基、PCIe 4.0 x4/SATA対応のM.2スロットが1基マザーボード上に用意されている。

【CPUクーラーと冷却ファン】
CPUには水冷ヘッドが装着されている
水冷ユニットのラジエーターには120mmファンが2基搭載されている
M.2スロットにPCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDが装着されており、ヒートシンクも搭載されている
リアには140mm静音ファンが1つ搭載されている
フロントにも140mm静音ファンが2つ搭載されている

 また、ZA9C-R49 14900KF搭載では、大型ビデオカードをしっかり固定するGALLERIAの独自機構「リジッドカードサポート」を採用しているため、輸送時などにビデオカードが外れて内部を損傷することや、接触が悪くなって動作が不安定になるといった心配はない。

【「リジッドカードサポート」を採用】
「リジッドカードサポート」によりビデオカードがしっかりと固定されており、輸送時に外れてしまう心配がない
このようにビデオカードを上下からしっかりと挟み込んで、ステーに固定している

新たに生まれ変わった恐竜サバイバルアクションゲーム「ARK: Survival Ascended」で性能を検証

 ZA9C-R49 14900KF搭載は、現時点で最速クラスのゲーミングPCであり、巷で重いとされている最新ゲームも問題なくプレイできるパフォーマンスを誇る。そこで、2023年10月26日に配信が開始されたばかりの恐竜サバイバルアクションゲーム「ARK: Survival Ascended」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。

 「ARK: Survival Ascended」は、2015年にリリースされ、現在でも根強い人気を誇るオープンワールドタイプの恐竜サバイバルアクションゲーム「ARK: Survival Evolved」を最新ゲームエンジン「Unreal Engine 5」を使って、新たに作り直したゲームである。

 「ARK: Survival Ascended」は現時点ではアーリーアクセス版という位置付けになっており、今後、正式サービスに向けてゲーム内容やパフォーマンスが改善されていく予定となっている。基本的なゲームシステムは「ARK: Survival Evolved」と同じだが、水や空気感の表現をはじめ、グラフィックスが格段に美しくなっているほか、恐竜たちの動きやユーザーインターフェースなども改善されている。その反面、非常に重たいゲームとなっており、推奨環境はCPUがIntel Core i5-10600KまたはAMD Ryzen 3600X、GPUがGeForce RTX 3080またはRadeon RX 6800、メモリが32GBとかなり高い。

 ここでは、CapFrameXを利用して1分間の平均フレームレートと最高フレームレート、最低フレームレートを計測してみた。まず、シングルプレイヤーモードで、解像度を4Kに設定し、グラフィックのプリセットを一番上の「最高」に設定してフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは35fps、最高フレームレートは43fps、最低フレームレートは27fpsという結果になった。4Kの最高設定とはいえ、現時点最速クラスのマシンにもかかわらず、平均フレームレートが35fpsしか出ないというのは、噂通りの重さだ。正直、この状態では快適にプレイできるとはいいがたい。やはり平均60fps欲しいところだ。そこで、今度はグラフィックのプリセットを一つ下げて「高」にしたところ、平均フレームレートは53fps、最高フレームレートは71fps、最低フレームレートは38fpsに向上し、かなり快適にプレイできるようになった。

 本作のようなAAAタイトルのネイティブ4K表示は非常に負荷が高く、GeForce RTX 4090でも最高画質設定では、このような結果となってしまう。そこで活用したいのがAIテクノロジーを利用したフレームレート向上技術「DLSS」だ。「ARK: Survival Ascended」は、NVIDIA RTXに最適化されており、「RTX」という設定タブが用意されている。RTXタブでは「DLSS」の設定が可能だ。

 そこで今度は、グラフィックのプリセットを「最高」にした状態で、DLSSを有効にして再びフレームレートを計測してみた。なお、「RTX」タブには、DLSSのオンオフだけでなく、Frame Genarationのオンオフを切り替える項目や、超解像の画質とパフォーマンスのバランスを設定する項目も用意されている。Frame Generationは、DLSS 3でサポートされたフレーム生成のことで、この項目をオンにすればDLSS 3が有効になる。今回はもちろん、Frame Generationをオンにして計測している。超解像の画質とパフォーマンスのバランスについては「Balance」を選択した。DLSS 3の効果は劇的であり、平均フレームレートは81fps、最高フレームレートは102fps、最低フレームレートは53fpsと、DLSSを無効にした状態の2倍以上のフレームレートが出ている。実際にプレイしてみたが、非常に動きが滑らかになり、快適に遊べると感じた。同様に、グラフィックプリセットを「高」にして、DLSS 3を有効にして計測したところ、平均フレームレートは85fps、最高フレームレートは110fps、最低フレームレートは55fpsとなった。

【「ARK: Survival Ascended」のベンチマーク結果】
「ARK: Survival Ascended」のトップメニュー画面
解像度を3,840×2,160ドット、グラフィックプリセットを「最高」に設定した
まず、DLSSはオフにして計測を行なった
次に、グラフィックプリセットを「高」に変更した
グラフィックプリセット「最高」と「高」のそれぞれでDLSSをオンにし、フレーム生成もオン、超解像は「Balance」に設定し、計測を行なった
ベンチマーク結果のグラフ

DLSS 3を有効にすれば4K/最高画質で平均81fpsを達成

 このように、とても重いといわれている「ARK: Survival Ascended」でも、DLSS 3を有効にすれば、4K/最高画質でも平均81fpsを達成しており、美しいグラフィックスと快適なプレイフィールを両立できる。「ARK: Survival Ascended」は、前作と比べてUIが分かりやすくなり、マップシステムが強化され、仲間にした恐竜にピンを打てるようになるなど、遊びやすさも向上している。「ARK: Survival Ascended」には、さまざまな恐竜や生物が登場するが、その多くを手懐けて仲間にすることができる。仲間の恐竜を増やし、恐竜軍団を率いて探検できることが、「ARK: Survival Ascended」の醍醐味だ。ZA9C-R49 14900KF搭載なら、4K/最高画質の美しいグラフィックスを存分に堪能できる。

 以下に、その状態でのスクリーンショットをいくつか挙げる。

【「ARK: Survival Ascended」4K/最高画質スクリーンショット】
水面に映る夕日の光が美しい
水中の表現もより美しくなった
この画面にいる恐竜たちはすべて仲間にしたものだ
スピノサウルスを気絶させてテイムしているところ
イカダを作って、仲間の恐竜を乗せることもできる
頼りになる仲間の恐竜たち。手前がトリケラトプスで、その後ろに隠れているのがパラサウロロフスだ

4K解像度で最新ゲームを快適に楽しめるモンスターマシン

 ZA9C-R49 14900KF搭載は、インテルから登場したばかりの最新CPU「Core i9-14900KF」とNVIDIAの最強GPU「GeForce RTX 4090」を搭載した最高峰のゲーミングPCであり、スペックの要求水準が高い最新重量級ゲーム「ARK: Survival Ascended」も、4K最高画質で快適にプレイすることができた。もちろん、価格は安くはないが、それだけの価値があるマシンであり、今後数年間にわたって第一線で戦えるマシンでもある。特に4K/144Hz対応モニターを持っていて、最新ゲームでもモニターの性能をフルに引き出したいという人におすすめしたい。

【GALLERIA ZA9C-R49 14900KF搭載】