「GALLERIA RM5C-R36 第12世代Core搭載」レビュー

GALLERIA RM5C-R36 第12世代Core搭載

これから「FFXIV」を遊ぶなら第12世代Core搭載Windows 11マシンがおすすめ!

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
189,979円(税込)

 4月12日に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」の大型アップデート、パッチ6.1「新たなる冒険」が実装された。パッチ6.0「暁月のフィナーレ」での大きな区切りから、次のサーガへと続く第一歩となる待望のアップデートだ。

 「暁月のフィナーレ」リリース直後は、世界中からアクセスが殺到し、フリートライアルと新規キャラクター作成を停止する措置なども取られたが、一時停止されていたフリートライアルも2月22日に解除され、6.1が実装された今は「FFXIV」を始めるにはちょうど良いタイミングと言える。

【パッチ6.1「新たなる冒険」】

 新しい環境での生活が始まる今の季節、新しいゲーミングPCを購入しようと思っている人もいるだろう。ただ、そこで気になるのがWindows 11で、問題なく「FFXIV」を遊ぶことができるかどうかということではないだろうか。

 Windows 11はご存じの通り、2021年10月5日に発売された、マイクロソフトの新しいOSだ。デスクトップのデザインが一新され、全く新たなOSに見えるほどの進化を遂げている。リリース当初は「FFXIV」には対応していなかったが、2月24日に正式対応し、何の障壁もなくなっている。

 そこで今回はゲームOSとしてのWindows 11がどのようなOSなのか、そしてWindows 11で「FFXIV」を遊ぶとどうなるのかという点について、Windows 11を搭載したサードウェーブのゲーミングPC「GALLERIA RM5C-R36 第12世代Core搭載」でテストを行なってみた。

VRも含めた多デバイスに対応するフルーエントデザイン

 まずはWindows 11がどんなOSなのか、その特徴などを紹介していきたい。Windows 11は6年ぶりに発表された新たなナンバリングのOSだ。これまでマイクロソフトは、Windows 10が最後のナンバリングになるとアナウンスしていたため、突如の登場は驚きだった。

 Windows 10との最大の違いはデスクトップのデザインだろう。Windows 10は、Windows 8の時に生まれたMetro UIを踏襲していたが、Windows 11は新たにフルーエントデザインへと変更された。メトロデザインは、当時流行し始めていたフラットデザインの先駆けであり、マウス操作とタッチ操作を兼ね備えた、多種のデバイスを統合するデザインとして画期的だったが、階層関係がわかりづらいといった弱点もあった。

 フルーエントデザインは、フラットデザインを踏襲しつつも、半透明のアクリルのような質感、光やアニメーションで奥行きを出すデザイン表現が使われている。フルーエントデザインはVRや3D空間での操作にも対応した次世代のUIとして設計されている。

【Microsoft Fluent Design System】
【Windows10のデスクトップ画面】
【Windows11のデスクトップ画面】

 また、Windows 11では仮想デスクトップが使いやすくなっている。仮想デスクトップは1つの画面を切り替えることで、マルチディスプレイのように複数の画面を使うことができる機能。Windows 11では、タスクバーにあるアイコンからワンクリックで複数の仮想デスクトップにアクセスすることができるようになっている。

 例えば、仮想デスクトップ1でゲームをフルスクリーンで起動した状態で、仮想デスクトップ2を配信用のOBS操作画面にしたり、または攻略動画やサイトを表示しておいて、適宜切り替えてみたりといったことが1つのモニターで可能になる。

【仮想デスクトップ】

OSやゲームの起動時間はわずかに高速化

 今回、手持ちのPCでもWindows 11にアップデートする過程で、起動時間などを比較してみた。いずれも手持ちのストップウォッチを使った計測なので、参考程度に見てほしい。

 起動とスリープからの復帰では、Windows 11が起動で約2秒、スリープで約1秒とどちらも体感できる程度には速くなった。また、計測はしていないのだが、ブラウザの起動時間がかなり速くなっているという印象を受けた。

 「FFXIV」の起動や、ゲーム内でのローディングについても比較してみた。起動時間、起動時のローディング、リムサ・ロミンサからオールド・シャーレアンへのテレポとその逆のオールド・シャーレアンからリムサ・ロミンサ間のローディングを計測してみたが、いずれもそれほど大きな差はでなかった。

【Windows 10/11比較】

Windows 11Windows 10
起動時間37.0939.18
スリープ復帰4.885.24
「FFXIV」起動時間21.8521.81
「FFXIV」起動ローディング6.845.35
エリアチェンジ19.869.88
エリアチェンジ29.8110.18

オートHDRと「DirectStorage」がPCでも可能に

 さらにゲームのための目玉要素として、 Windows 11ではXbox Series X|Sと同様に「オートHDR」と「Direct Storage」がサポートされる。「オートHDR」は対応するモニターがあれば、SDR(標準ダイナミックレンジ)のゲームを、より色彩が豊かなHDR(ハイダイナミックレンジ)でプレイすることができるという機能。最近のゲームはほとんどがHDRに対応しているが、オートHDRが有効になっていれば、SDRにしか対応していない古いゲームをHDR表現を適用した状態で楽しむことができる。

 「FFXIV」のPC版はHDRには非対応なので、オートHDRで疑似的なHDR映像を楽しむことができる。比較画像を見ていただければ瞭然だが、オートHDRのほうがダイナミックレンジが広くなり、全体的な彩度も上がっている。Windows 11にすることで、より美しい色彩で「FFXIV」の世界を楽しむことができる。

【アルキミヤ製薬堂】
Windows 10
Windows 11 オートHDR。擬似的なものだが、メリハリの付いた明るさになっている
【誓約の階段から真眼門を見下ろす】
Windows 10
Windows 11 オートHDR

 「Direct Storage」は、ストレージからGPUに直接データを転送することで、CPUへの負荷を下げる技術。マイクロソフトは3月より、「Direct Storage」をゲームに組み込みための開発者向けAPIの提供を開始した。この機能を使うにはゲーム側の対応が必要で、「FFXIV」は現時点では「Direct Storage」に対応していない。

 現時点ではスクウェア・エニックスの「Forspoken」が対応する最初のゲームになる予定だ。だが、今後は多くの対応ゲームが登場するとみられており、「Direct Storage」に最適化したWindows 11の重要性も増していくだろう。

【Forspoken】

Windows 11への移行はSteamユーザーではまだ2割に届かず

 そんなWindows 11だが、実際にはまだまだWindows 10からの移行が進んでいない。Steamのデータによれば、4月10日現在、PCからSteamのゲームをプレイしている人のうち、Windows OSを使っているのは全体の96.57%。そのうちWindows 10が74.69%、Windows 11が16.84%と、このデータを見る限りでも、まだまだ移行が進んでいるとは言えない状況が伺える。

【Steamユーザーの使用OS】

 「FFXIV」の場合、Windows 11の発売日2021年10月5日に先駆けて、10月1日に動作検証を進めているというリリースが出て以降、しばらく動きがなかったため、その間はWindows 11へのアップデートを見送っていた人も多いだろう。だが、2月24日にはWindows 11への正式サポート開始がアナウンスされ、対応OSにもWindows 11が追加されている。

 そろそろWindows 11にしてもいいかなと思いつつも、周囲の状況を伺いつつ様子見している人がかなり増えているのではないだろうか。

Windows 11と相性抜群の第12世代Coreを搭載したゲーミングPC

 今回は、最新の第12世代CoreシリーズのCPUを搭載したサードウェーブのデスクトップPC「GALLERIA RM5C-R36 第12世代Core搭載」で、パッチ6.1実装直後の「FFXIV」をプレイしてみた。テストに使用したPCのスペックは以下の通り。

【GALLERIA RM5C-R36 第12世代Core搭載】
CPU:インテル Core i5-12400 (2.5GHz-4.4GHz/6コア/12スレッド)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB GDDR6
チップセット:インテル B660
メインメモリ:16GB DDR4 SDRAM(PC4-25600/8GBx2/2チャネル)
ストレージ:500GB NVMe SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home 64ビット
本体サイズ:220×440×425mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:189,979円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&ft=&mc=10884&sn=0

【GALLERIA RM5C-R36 第12世代Core搭載】

 本商品に搭載されているCore i5-12400は、2022年1月に発売されたAlder Lake-Sと呼ばれる第12世代Coreシリーズのプロセッサだ。Alder Lake-Sは、パフォーマンスを優先する「Pコア(Performanceコア)」と、効率性を重視する「Eコア(Efficientコア)」という2つのコアを搭載した「パフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャ」という設計がなされているのが特徴だが、KなしのCore i5とi3はPコアのみの構成になっている。Core i5-12400は6コア12スレッド、ベースクロックは2.5GHzでブースト最大値は4.4GHz。

 B660チップセットは、第12世代Coreの廉価版と同時期に発売された。最新のPCI Express 5.0に対応しており、理論値では4.0の2倍の転送速度が可能になる。転送速度の上限が引き上げられることで、高速なM.2 SSDの能力を最大限に活用できるようになる。

【内部】

 GPUはNVIDIA GeForce RTX 3060。RTX30シリーズの中ではミドルクラスながら、現在あるほとんどのゲームが快適に遊べる性能を有している。メモリは余裕のある16GB。ストレージには500GBのNVMe SDDが搭載されている。BTOに対応しているので、動画編集などにも利用するなら、メモリやストレージを拡張することも可能だ。

【側面】

 ケース全面はGALLERIAのテーマカラーであるブルーのLEDライトで彩られている。デザイン性を重視したケースの内側には140mmの大型ファンが設置されており、静音性と冷却性能を両立している。

 ケース正面のI/Oポートは、USB3.2 Gen1 Type-Aが4つ。背面には、USB2.0が4つ、USB3.2 Gen2 Type-Aが2つ用意されている。

【正面】
【背面】
【上部】
【正面I/Oポート】
【背面I/Oポート】
【底面】

フルHDモニターなら130FPS以上の快適プレイが可能

 まずは定番の「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を回してみた。使用したモニターは28インチの4K HDR対応1msゲーミングモニター「EL2870U」と27インチのフルHDゲーミングモニター「VG278Q」の2台。OSのバージョンなどは以下のような状態でテストを行なった。

【4K 60Hzモニター】
28インチ4K HDR対応1msゲーミングモニター
【フルHD 144Hzモニター】
27インチフルHDゲーミングモニター
【バージョン情報】

OS
Windows 11 Pro
21H2
OSビルド 22000.556

グラフィックボードドライバ
512.15

 まずは、2つのモニターで、どちらもフルスクリーン、最高設定で3回ずつ計測した結果の平均を出してみた。

【4K 60Hzモニターの結果】

スコア結果平均FPS最低FPS
6908やや快適47.050325

【FHD 144Hzモニターの結果】

スコア結果平均FPS最低FPS
18913非常に快適133.149567
【ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク】

【スコアの見方】

スコア結果解説
15000~非常に快適非常に快適に動作すると思われます。お好みのグラフィック設定でお楽しみください。
11000~14999とても快適とても快適な動作が見込めます。グラフィック設定をより高品質にしても、とても快適に動作すると思われます。
8000~10999快適快適な動作が見込めます。グラフィック設定をより高品質にしても快適に動作すると思われます。
6000~7999やや快適標準的な動作が見込めます。余裕があればグラフィック設定の調整をお勧めします。
4000~5999普通標準的な動作が見込めます。
2000~3999設定変更を推奨ゲームプレイは可能ですが、処理負荷によっては動作が重くなりますので、その場合はグラフィック設定の調整をお勧めいたします。
1000~1999設定変更が必要ゲームプレイは可能ですが、全体的に動作が重く感じられます。グラフィック設定の調整が必要で、調整により改善される可能性があります。
1000 未満動作困難動作に必要な性能を満たしていません。

 「FFXIV」には4K用のUIが用意されているため、アイコンの1つ1つまで詳細に見える鮮明なUIでプレイすることができる。ベンチマークでは負荷が大きめの結果が出たが、実際にプレイしてみたところ、6.1実装直後の高負荷でも遅延を感じることなくプレイすることができた。

 FHDモニターでは、モニターの上限値に近いフレームレートでも余裕を感じる快適さだった。「FFXIV」は、2月19日の「第68回 FFXIVプロデューサーレターLIVE」で、次回拡張パッケージのタイミングでグラフィックスアップデートが行なわれることが発表されている。その際には推奨スペックが引き上げられる予定だが、このスペックがあれば、さらに綺麗になった「FFXIV」でも快適に遊べるはずだ。

 今回はほかに「VALORANT」や、世界中で人気沸騰中の「Vampire Survivors」もプレイしてみたが、どちらのゲームも快適にプレイすることができた。「Vampire Survivors」は、大量の敵を出現させることに特化したゲーム性から、見た目からは想像できないほど高負荷なゲームだが、最後のラッシュまでかくつきも遅延もなくサクサクとプレイすることができた。

【VALORANT】
【Vampire Survivors】

ゲーミングデスクトップで「FFXIV」の新たな冒険を楽しもう!

 「FFXIV」は、パッチ6.1から新たな物語の端緒がスタートした。このパッチでは、ダンジョン攻略を手伝ってくれるNPC「コンテンツサポーター」の実装や、「新生エオルゼア」のダンジョンやクエストに改修が入ることで、パッチ2.0の範囲はすべてソロで遊べるようになった。

 今後も、徐々にソロで遊べる場所が増えていき、「暁月のフィナーレ」のアップデート内で、最終的にはメインクエストはすべてソロプレイでクリアできるようになる。「FFXIV」を遊んでみたいけれど、人とのプレイには抵抗があるという人も、今後は自分のペースで進めることができる。パッチ6.1で追加されたメインクエストにより、これからの冒険を予感させる重要なキャラクターも登場した。新登場の対人コンテンツ「クリスタルコンフリクト」も好評だ。

 新生活を機にゲーミングPCデビューを考えている人はもちろん、Windows 11に変えるタイミングで環境を一新したいと思っている人など、このPCは様々な人のニーズに必要十分なスペックで応えてくれるはずだ。