「GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載」レビュー

GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載

話題の「ELDEN RING」も4K/60fpsでサクサク遊べる!

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
319,980円(税込)

 2022年が始まってまだ2カ月ほどしか経っていないが、早くも今年を代表する大型タイトルが登場した。それがオープンワールドアクションRPG「ELDEN RING」だ。「ELDEN RING」は、PCのみならず、PS5やXbox Series X|Sでもプレイできるが、画質やフレームレートなど、最高の環境で楽しみたいのならやはりゲーミングPCがベストだ。

 そこで今回は、インテルの最新世代CPUを搭載した最新のゲーミングPCで、「ELDEN RING」がどこまで快適にプレイできるかを検証してみることにした。使用したのは、GALLERIA(ガレリア)ブランドのゲーミングデスクトップPCの中でも上位に位置する「GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載」。スペック的に考えて、快適にプレイ可能と予測できるが、その実力はいかほどなのか実際に検証してみた。

インテルの最新CPU「Core i7-12700K」と最新世代GPU「GeForce RTX 3080」を搭載

 サードウェーブのゲーミングPCであるGALLERIAシリーズは、最上位から順に「U」シリーズ、「Z」シリーズ、「X」シリーズ、「R」シリーズの4シリーズから構成されており、今回使用した「GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載」(以下、ZA7C-R38)は、GALLERIAシリーズの中でも上から2番目のクラスとなる、高性能モデルである。

 まずは、基本スペックを見ていこう。

【GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載】
Core i7-12700KとGeForce RTX 3080を搭載したゲーミングデスクトップPC「GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載」

【GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載】
CPU:Core i7-12700K(12コア/20スレッド、3.60GHz~4.70GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3080(10GB)
チップセット:Intel Z690
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz DIMM(8GB×2)
ストレージ:1TB NVMe SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:319,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&ft=&mc=11115&sn=0

 CPUとしてインテルのCore i7-12700Kを搭載している。Core i7-12700Kは、開発コードネーム「Alder Lake」と呼ばれていた最新のCPUであり、性能重視のPコアを8個、効率重視のEコアを4個搭載している。Pコアは1コアで2つのスレッドを同時実行可能なので、CPU全体では最大20スレッドを同時実行可能である。

【デバイスマネージャー】
デバイスマネージャーを開いたところ。最大20スレッドの同時実行が可能であり、OSからはCPUが20個あるように認識されている

 ゲーミングPCを選ぶ際、CPUと同等かあるいはそれ以上に重要なパーツがGPUだ。ZA7C-R38では、NVIDIAの最新世代GPU「RTX 30シリーズ」の中でも上位となるGeForce RTX 3080を採用している。GeForce RTX 3080は8,704ものNVIDIA CUDAコアを搭載、10GBのビデオメモリにより、「ELDEN RING」をはじめとする最新ゲームを快適にプレイできる性能を実現する。グラフィックボードの出力は、HDMI×1とDisplayPort×3という仕様である。

 メインメモリは16GBで、8GB DDR4-3200×2という仕様である。16GBあれば、通常のゲームをプレイするには十分だろう。メモリスロットは2基空いており、ゲーム実況配信でさらにメモリが必要になったら、容易に増設できる。ストレージは、PCIe対応の高速NVMe 1TB SSDを搭載。ゲームも年々の大容量化が進んでいるが、1TBあれば当分足りなくなることはないだろう。

 また、これまで筆者がレビューしてきたGALLERIAは、Windows 10のOSがプリインストールされていたが、ZA7C-R38は、Windows 11がプリインストールされていた。Windows 11もリリースされてからかなり経っており、2月24日には「ファイナルファンタジーXIV」もWindows 11に正式対応するなど、最近のゲームならほぼ問題なく動作するため、Windows 11が標準となったのであろう。

【内部パーツなど】
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 3080」搭載グラフィックボードを採用
グラフィックボードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
NVMe 1TB SSDにはヒートシンクが装着されている

電源を入れるとフロントパネルの周囲が光り、サイドパネルからも内部のLEDがよく見える

 GALLERIAシリーズのデスクトップPCでは拡張性と機能性が高いオリジナルタワーケースが使われている。ケースのサイズは220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)で、いわゆるミドルタワーと呼ばれるサイズだ。カラーはガンメタリックとブラックを基調としており、精悍かつ落ちついた印象を受ける。

 フロントパネルにあるシルバーのGALLERIAエンブレムが、GALLERIAシリーズであることをアピールしている。また、フロントパネル周囲には、新世界への「ゲート」をイメージしたRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく光る。デフォルトの発光色は青色だが、LED制御ユーティリティを使うことで、発光色や発光パターンを自由に変更できる。

【電源を入れるとフロントパネルの周囲が光る】
GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載のフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが光る

 フロントパネルの上部が斜め45度にカットされていることも、GALLERIAケースの特徴だ。その部分にフロントI/Oポートや電源スイッチが用意されているので、USBコネクタなどを抜き差ししやすい。フロントI/OポートとしてUSB 3.2 Gen1 Type-A×4とマイク端子、ヘッドホン端子を備えている。背面のI/Oポートも充実しており、USB 2.0×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen2x2 Type-C、サウンド入出力端子やPS/2キーボード・マウス端子、Gigabit LANポートを備えている。

 正面から見て左側のサイドパネルは、一部が透明になっており、内部が見えるようになっている。ZA7C-R38では、GeForce RTX 3080搭載グラフィックボードと、CPUの水冷ヘッドとラジエータに装着されているファンにLEDが搭載されており、サイドパネルの窓から光る様子を視認できる。

 左右のサイドパネルは、手回しが可能なローレットビスで固定されており、ドライバーがなくてもサイドパネルを外せるため、メンテナンスもしやすい。トップパネルはハニカム形状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されており、通気性とデザイン性を両立させている。

 電源ユニットは80PLUS GOLD認証の750W静音電源を採用しており、高性能CPUとGPUを搭載していても余裕がある。例えば、ミドルレンジに位置するGALLERIA XA5R-R37では、80PLUS BRONZE認証の650W静音電源が採用されているが、こちらはCPUもGPUも上位の性能なので、それに合わせて電源ユニットもより大容量かつ高効率のものが選択されているわけだ。底面には、電源ユニットのファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、メンテナンスも簡単に行える。最近は、BDやDVDなどの光学メディアが必要な場面が減っており、光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、必要ならBDドライブなどを追加できる。

【本体外観など】
GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載の右サイドパネル
GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載の左サイドパネル。透明な窓を通して、グラフィックボードのLEDと水冷ヘッドのLEDが光っているのが見える
電源を入れた状態で、左サイドパネルを外したところ。右側にあるラジエータのファンにもLEDが搭載されていることがわかる
GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載のトップパネル。ハニカム形状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されている
GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載のリアパネル
GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載の底面
底面には電源ユニットのファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている
フロントパネルの上面が斜めにカットされており、USBポートなどへのアクセスがしやすい

大型静音ファン2基と水冷ユニットを搭載。「リジッドカードサポート」も要注目

 GALLERIAのミドルタワーケースは、冷却能力が高いことも魅力だ。ケースのリアとトップにそれぞれ直径140mmの大型静音ファンが1基ずつ搭載されており、エアフローがしっかり確保されている。この静音ファンは、音も非常に静かだ。吸気は、両サイドパネルの手前側から行う。

 本製品に搭載されているCore i7-12700Kは、基本の熱設計電力は125Wだが、最大は190Wに達する。CPUに高い負荷がかかると発生する熱も高くなるのだが、その熱を効率良く冷却するために、水冷ユニットが採用されていることも特筆できる。水冷ユニットとしては、信頼性と性能に定評のあるDEEPCOOLの「GAMMAXX L240 V2+」が採用されている。CPUには水冷ヘッドが装着されており、冷却液は本体のフロントパネルの裏側に設置されたラジエータによって冷却される。ラジエータには2基の120mmファンが装着されており、Core i7-12700Kの発熱も余裕をもって冷却できる。前述したように、水冷ヘッドとラジエータのファンにはLEDが搭載されており、電源を入れると美しく点灯する。最大ノイズレベルは仕様上30dBとされており、一般的な日常生活の騒音レベルより低いため、ほとんどノイズが気になることはない。

【静音ファン2基と水冷ユニットを搭載】
ケースのリアとトップに直径140mmの大型静音ファンが1基ずつ搭載されている
CPUには水冷ヘッドが装着されている
フロントパネルの裏側にラジエータが設置されている。ラジエータには120mmファンが2基装着されている

 ZA7C-R38は、NVIDIAのハイエンドグラフィックボード「GeForce RTX 3080」を搭載していることがウリの一つだ。しかし、最近のミドルレンジ以上のグラフィックボードは大型化と重量化が進んでおり、PCIeスロットに装着した状態でマザーボードを立てて使うと、グラフィックボードの重量でPCIeスロットに大きな負荷がかかる。また、本体輸送中に振動でグラフィックボードが外れて落下・破損してしまうという事故や、PCIeスロットとの接触が緩くなって起動しないといったトラブルも起こりがちだ。

 本製品では、グラフィックボードの緩みを防止する「リジッドカードサポート」と呼ばれる独自機構が採用されている。リジッドカードサポートは、フロント側に大型ステーを設け、そのステーを利用してグラフィックボードを上下から専用パーツで挟み込んで強固に固定する仕組みだ。これにより、PCIeスロットへの負荷が分散されるだけでなく、輸送中にグラフィックボードが緩んで落ちてしまうといった事故も防げる。

【リジッドカードサポート】
ケースのフロント側に大型ステーが設けられており、グラフィックボードを専用パーツで上下から挟み込み、ステーを利用して固定する仕組みだ

「ファイルナルファンタジーXIV」やストレージ性能のベンチマーク結果も優秀

 ZA7C-R38のパフォーマンスをチェックするために、まずは国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行した。1,920×1,080ドット最高品質でのスコアは28,341「非常に快適」という評価に、1,920×1,080ドット高品質(デスクトップPC)でのスコアは28,889で同じく「非常に快適」という評価になった。

 「暁月のフィナーレ」では、スコアが15,000を超えると、一番上の評価である「非常に快適」と判定されるのだが、本製品はその基準を大きく上回り、2倍近くのスコアを出しているため、「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張も余裕を持ってプレイできるといえる。

 また、「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は3,422.41MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が3,012.55MB/sという非常に高速な結果になった。ロットによって搭載SSDが異なるため、あくまで参考値だが、ストレージ性能についても満足できる結果となった。

【各種ベンチマーク結果】
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット最高品質の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット高品質(デスクトップPC)の結果
「CrystalDiskMark 8.0.4」の計測結果

「ELDEN RING」をプレイするなら高性能ゲーミングPCをおすすめする理由とは?

 「ELDEN RING」は、「DARK SOULS」シリーズなどで有名なフロムソフトウェアが開発したオープンワールドアクションRPGであり、発売前から世界中で話題を集めていた超大作ゲームだ。プラットフォームは、PS4/PS5/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)と多種多様だが、グラフィックスが非常に美麗なところが大きな特徴となっており、その分、要求されるスペックも高い。

 公式サイトで公開されているPC版の必要動作環境は、CPUがCore i5-8400またはRyzen 3 3300X、メモリが12GB、GPUがGeForce GTX 1060またはRadeon RX 580、HDDの空き容量が60GB以上というものだが、これはあくまで必要最低限度であり、推奨動作環境はCPUがCore i7-8700KまたはRyzen 5 3600X、メモリが16GB、GPUがGeForce GTX 1070またはRadeon RX Vega 56とされている。「ZA7C-R38」はすべての点で推奨動作環境を上回っている。

【4K解像度での「ELDEN RING」】

 ただ、「ELDEN RING」は、非常に負荷が高いタイトルで、PS5やXbox Series Xといったハイスペックが魅力の現行機でも常時4K/60fpsは出せないことが報告されている。

 PS5版やXbox Series X|Sでは、画質優先モードとフレームレート優先モードの2つのモードがあるが、EUROGAMERの検証によれば、画質優先モードでは、解像度は4K固定となる代わりに、フレームレートはPS5で37~45fps程度、Xbox Series Xで35~40fps程度、スペックを抑えたXbox Series S(解像度は2,560×1,440ドット)では、32~35fps程度まで下がってしまう。

 フレームレート優先モードにすると、解像度がシーンによって3K~4Kの間で可変となる代わりにフレームレートが向上するが(Xbox Series Sでは、解像度が3K~フルHDの間で可変)、それでも60fps固定ではなく、40~60fpsの可変フレームレートとなるようだ。コンソール版をプレイするとカクつくシーンがあるが、実際にフレームレートも低下しているのだ。「ELDEN RING」はフレームレートが最大60fpsに制限されており、PS5/Xbox Series Xで対応している4K/120fpsにはもともと対応していないが、実際には60fpsすら安定して出すことができないのが現状だ。

 しかし、今回試用したZA7C-R38のような高性能ゲーミングデスクトップPCなら、4Kかつ常時60fpsという最高の環境で「ELDEN RING」をプレイできる可能性がある。それが、「ELDEN RING」の美しいグラフィックスを堪能し、快適にプレイするならコンシューマー機ではなく、高性能ゲーミングPCをおすすめする理由だ。

 「ELDEN RING」は、アクション性が高いRPGであり、敵の激しい攻撃をかいくぐりながら戦う必要がある。FPSのように100fps超の高いフレームレートは必要ないが、常に60fpsが安定してでることが望ましいのは言うまでもない。常時60fps状態のことを「60fpsに貼り付く」というが、現状のコンシューマー機では、60fpsに貼り付かせることができず、ゲームへの没入感を阻害してしまう。PC版でも60fpsを超えるフレームレートは出せないように制限されているが、高性能なゲーミングPCなら、敵がたくさん出てくるような負荷が高い場面でもフレームレートが落ちず、4K/60fpsに貼り付かせることができるのだ。とりわけ敵の攻撃を見切って払う「パリィ」のようなタイミングがシビアなアクションは、フレームレートが安定していないと、タイミングが合わなくなってしまう。

 安定して4K/60fpsが出せる高性能ゲーミングPCなら、「ELDEN RING」を最高のプレイ感覚で楽しめるのだ。

【フルHD解像度での「ELDEN RING】
草村の表現も美しい。こういう敵を相手に「パリィ」の練習をするのがおすすめ
屋根の上を移動中に巨大な鳥が登場
還暦の番犬との戦い

「ELDEN RING」を4K/最高画質に設定しても、60fpsにほぼ貼り付くという素晴らしい性能

 果たして本機でフレームレートが60fpsで貼り付くかどうか、実際にプレイして検証してみた。フレームレートの計測にはCapFrameXを用い、ゲール砦の北でのルーン稼ぎ周回プレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート(厳密には95パーセンタイル)、最低フレームレート(1パーセンタイル)を5回計測し、その平均を採用した。

 まず、解像度をフルHD(1,920×1,080ドット)に設定し、画質設定をデフォルトの「高」と「最高」にして計測を行った。計測は2箇所で行った。リムグレイブのゲール砦の北でルーン稼ぎをしたときの計測結果は、平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが64fps、最低フレームレートが52fpsで、プレイ感覚としては、フレームレートは安定しており、ほぼ60fpsに貼り付いている印象であった。CaptFrameXでのフレームレート推移のグラフを見ても、ほぼ60fpsに貼り付いている。そこで今度は、品質設定を「最高」に設定し、同じ条件で計測してみたところ、平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps(実際の表示は60fps)、最低フレームレートが52fpsで、先ほどとほとんど変わらなかった。フレームレート推移を見ても、多少フレームレートが落ちているところがあるが、ほぼ60fpsで推移しており、「最高」に設定しても問題なさそうだ。

 ケイリッドの魔術街サリアでも、同様にフレームレートを計測したところ、品質設定が「高」で平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps、最低フレームレートが53fpsであり、やはり安定して60fpsが出ていた。今度は、品質設定を「最高」に設定し、同じ条件で計測してみたところ、平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps、最低フレームレートが54fpsで、品質設定が「高」の場合とほとんど変わらなかった。

 今度は解像度を4K(3,840×2,160ドット)に上げて、同じ条件でフレームレートを計測してみた。リムグレイブのゲール砦の北でルーン稼ぎをしたときの計測結果は、平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps、最低フレームレートが53fpsで、プレイ感覚はフルHDのときとほとんど変わらず快適であり、ほぼ60fpsに貼り付いている印象であった。CaptFrameXでのフレームレート推移のグラフを見ても、ほぼ60fpsに貼り付いている。そこで今度は、品質設定を「最高」に設定し、同じ条件で計測してみたところ、平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps(実際の表示は60fps)、最低フレームレートが53fpsで、「高」の場合とほとんど変わらなかった。フレームレート推移を見ても、ほぼ60fpsで推移しており、4Kで品質設定を「最高」に設定しても余裕がありそうだ。

 同様にケイリッドの魔術街サリアでも、4Kでのフレームレートを計測したところ、品質設定が「高」で平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps(実際の表示は60fps)、最低フレームレートが54fpsであり、やはり安定して60fpsが出ていた。品質設定を「最高」に設定したところ、平均フレームレートが60fps、最高フレームレートが63fps、最低フレームレートが54fpsとなり、品質設定が「高」の場合とほとんど変わらなかった。

 この検証により、ZA7C-R38なら、フルHDはもちろん4Kで品質設定を「最高」にしてもフレームレートはほぼ60fpsに貼り付くことがわかった。最新のPS5やXbox Series Xといったコンシューマー機を上回る快適なプレイ環境を実現できるのだ。

デフォルトでは品質設定が「高」に設定されていた
品質設定「高」のときの詳細設定
品質設定は4段階あるが、「最高」に変更してみた
品質設定「最高」のときの詳細設定。いくつかの項目が「高」のままだが、これは「高」が最高設定となる項目である
フルHD解像度/品質設定「高」でのフレームレート推移(ゲール砦の北)。ほぼ60fpsに貼り付いていることが分かる
フルHD解像度/品質設定「最高」でのフレームレート推移(ゲール砦の北)。ほぼ60fpsをキープしている
4K解像度に変更した
4K解像度/品質設定「高」でのフレームレート推移(ゲール砦の北)。ほぼ60fpsに貼り付いていることが分かる
4K解像度/品質設定「最高」でのフレームレート推移(ゲール砦の北)。ほぼ60fpsに貼り付いていることが分かる

「ELDEN RING」をはじめ、最新ゲームを高画質・高フレームレートで遊びたい人に

 「ELDEN RING」は、一言で言えば「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」と「ロード・オブ・ザ・リング」を足して2で割って、フロムゲーならではの要素をふんだんに取り入れたようなダークファンタジー世界観満載のアクションRPGであり、レベルが多少上がっても、油断していると(してなくても)すぐに倒される。このシビアなゲーム性が、「ELDEN RING」の特徴だ。さまざまな敵キャラクターや敵モンスターが登場するが、どのキャラクターも細部に至るまでしっかりと描き込まれており、非常に美しい。ボスではない通常の敵も、身長10mはありそうな巨大なものがしばしば登場し、攻撃のガードや回避に失敗するとあっという間に倒されてしまう。

 アクション性が高く、敵の攻撃をガードして反撃する「ガードカウンター」や、タイミングをあわせて敵の攻撃を払って反撃に転じる「パリィ」などが重要になる。ストーリー上のボスはかなり強いものが多く、最初は倒されてしまうだろうが、何度も再チャレンジすることで攻撃パターンを覚えて、ボスに対して上手く立ち回ることができるようになる。

 「ELDEN RING」は攻略の仕方もさまざまだ。魔法主体で離れて戦うも良し、積極的に敵の懐に飛び込んで敵を倒すのもよいだろう。そうした自由度の高さが、「ELDEN RING」の最大の魅力だ。また、忍び足で近づいていき、背後から一撃で敵を倒すこともできる。パリィはなかなかタイミングが難しいのだが、ZA7C-R38なら安定して60fpsが出せるため、動きが滑らかでタイミングも合わせやすかった。

「ELDEN RING」のタイトル画面
最初にキャラクターベースを選ぶ
星見を選んで「魔術ビルド」でいくことにした
序盤から大きな敵キャラが次々登場する
オンラインプレイでは他のプレイヤーが残したメッセージを見ることができ、攻略の参考になる
名前付きボスを倒すと、貴重なアイテムが手に入る
各地に点在する「祝福」と呼ばれる攻略拠点を解放していく
最初の壁となる「忌み鬼、マルギット」。NPCの「魔術師ロジェール」を召喚して、一緒に戦ってもらうと少しは楽になる

 「ELDEN RING」は、オンラインマルチプレイにも対応しているが、異なる機種間でのクロスプレイには対応していない。マルチプレイは、相手と協力してミッションクリアを目指す「協力マルチプレイ」、いわゆるPvPモードである「敵対マルチプレイ」、世界の主を倒す「侵入マルチプレイ」、ホストとゲストで協力して敵対プレイヤーを倒す「救援マルチプレイ」の4種類がある。「ELDEN RING」は、基本的にはシングルプレイで遊ぶゲームだと思われるが、1人ではどうしても倒せないボスも、2人以上でマルチプレイすると、意外とあっけなく倒せることがある。敵が強すぎてどうしても進めない場合は、仲間に頼るのもありだ。

 このほか、疑似的なマルチプレイとして、特定のボスではNPCを呼び出して一緒に戦ってもらうことが可能なほか、霊体を召喚して戦わせることもできる。敵のキャラクターやボスは同時に1人しかターゲティングできないため、NPCや霊体を呼び出して敵のキャラクターやボスを挟むようにして戦うようにすると、楽に倒せる。これまでの苦労が何だったといわんばかりだ。

【「ELDEN RING」のマルチプレイ】
自分がホストとして、協力してくれる人を召喚する
主人公の右側にいる人が他の世界から召喚された仲間プレイヤーだ
仲間プレイヤーと一緒にボス「接ぎ木のゴドリック」に挑んでいるところ
今度は自分がプレイヤーとして他の世界に召喚されることになった
「鉤指の主TnK」がホストとなって協力者を募っている
「鉤指の主TnK」と一緒に「接ぎ木のゴドリック」に再度挑戦
こちらはNPCの「戦士ネフェリ・ルー」と一緒に戦っている様子
霊クラゲを召喚して巨大な敵に立ち向かう

 ZA7C-R38は、フレームレートが安定しているため、敵の攻撃を見切って払う「パリィ」のタイミングもつかみやすい。難しいゲームではあるが、各地に拠点となる「祝福」が用意されているので、倒されても元の場所から一番近い「祝福」からスタートすれば、移動中にやられてしまって、心が折れるといったこともなくなる。プレイ感覚は非常に快適で、敵の攻撃も見切りやすい。美しいグラフィックとあわせて、「ELDEN RING」の世界にどっぷり浸かることができる。何度も倒されてしまうゲームだが、諦めずに再プレイを繰り返すことで、攻撃パターンを覚え、強敵を倒せることが魅力であり、時間を忘れて熱中してしまった。やはり快適な環境で遊べるとゲームも進む。

 今回、レビューしたZA7C-R38は、GALLERIAシリーズの中でも上位に位置するゲーミングデスクトップPCであり、現行のゲームなら4K/最高画質でも高フレームレートで遊べるパフォーマンスを誇る。本製品のスペックをフルに活かしたいなら、4KなどフルHDを超える解像度のゲーミングモニターがあるといいだろう。

 加えて水冷ユニット搭載による、静音性の高さも驚異的であった。ゲーミングデスクトップPCというと、高負荷時にファンの音が大きくなるものだと思っている方も多いだろうが、本製品は「ELDEN RING」を連続してプレイしていても、音が気になるようなことはほとんどなかった。深夜でも周囲に迷惑をかけずにプレイできることはありがたい。31万円を超える製品であり、気軽に購入できる価格帯ではないが、長く第一線で使いたいのなら、その時点ではオーバースペックに感じるくらいの製品を選ぶべきだ。第7世代か第8世代のCore iとGeForce GTX 1060/1070あたりを搭載したゲーミングデスクトップPCを使っていて、そろそろ性能的に厳しくなってきたと考えている方の買い替え候補としてもおすすめだ。

【GALLERIA ZA7C-R38 第12世代Core搭載】