「GALLERIA UL7C-R36」レビュー

GALLERIA UL7C-R36

240Hz対応で20万円を切るコスパが魅力の新フラッグシップゲーミングノート

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
179,980円(税込)
発売日:
2021年11月4日

 2021年11月4日、パソコンショップ「ドスパラ」を全国に展開しているサードウェーブは、ゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」ブランドのフラッグシップノートPC「GALLERIA U Series」2製品の販売を開始した。

 「GALLERIA」は、高性能かつコストパフォーマンスが高いゲーミングPCとして、幅広い層から高い支持を得ており、デスクトップPC、ノートPCともに充実したラインナップを誇る。今回販売が開始された「GALLERIA U Series」は、同社のゲーミングノートPCの中では、最上位に位置するフラッグシップモデルであり、2019年9月に発表された「GALLERIA GCR2070RGF-QC/GCR1660TGF-QC」の後継ともなる。GALLERIA GCR2070RGF-QC/GCR1660TGF-QCはインテルとの共同設計による製品だが、今回の「GALLERIA U Series」もインテルと共同で設計が行われている。

 今回は、その期待の新製品「GALLERIA UL7C-R36」を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

インテルのノートPC用最新CPUとNVIDIAのノート用最新GPUを搭載

 GALLERIAのゲーミングノートPCのフラッグシップモデル「U Series」は、搭載GPUなどの違いで2モデルが用意されているが、今回試用した「GALLERIA UL7C-R36」(以下、UL7C-R36)は、その2モデルの中でGeForce RTX 3060 Laptop GPUを搭載したモデルとなる。基本スペックは以下の通りだ。

【GALLERIA UL7C-R36】
15.6型液晶を搭載したフラッグシップゲーミングノートPC「GALLERIA UL7C-R36」

【GALLERIA UL7C-R36】
CPU:インテル Core i7-11800H(8コア/16スレッド、2.30GHz~4.60GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU(6GB)+インテル UHDグラフィックス
チップセット:HM570
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz SO-DIMM(8GB×2)
ストレージ:500GB NVMe SSD / HDDなし
液晶ディスプレイ:1,920×1,080ドット(FHD)、15.6型240Hz 非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 10 Home
電源:230W ACアダプター(19V)
本体サイズ:356×234×21.6mm(横×縦×厚さ 最薄部)
本体重量:約1.96㎏(バッテリー含む)
価格:179,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=&mc=10485&sn=0

 従来モデルから引き続きインテルと共同で設計された本製品は、CPUとしてインテルのCore i7-11800Hを搭載している。Core i7-11800Hは、第11世代Core iシリーズのCPUであり、先日デスクトップPC向けには第12世代Core iが発表されたが、ノートPC用の第12世代Core iが登場するのは2022年の予定である。したがって、ノートPC用CPUとしては第11世代が最新世代となる。

 コア数は8だが、1つのコアで最大2つのスレッドを同時に実行できるハイパースレッディング・テクノロジーを搭載しているため、最大16スレッドの同時実行が可能だ。ベースの動作周波数は2.30GHzだが、負荷に応じて最大4.60GHzまで向上する。ゲーミングノートPCに搭載されるCPUとしては現時点でもトップクラスである。

 また、本製品では、CPUの熱をヒートシンクに効率良く伝えるために、ヒートシンクとCPUの接触部分に塗るサーマルインターフェースマテリアル(TIM)として熱伝導率が高い液体金属が使われていることも高く評価できる。通常はTIMとしてシリコングリスが使われているが、液体金属の熱伝導率はシリコングリスの十数倍高く、より効率的にCPUの熱をヒートシンクに伝えることができるため、CPUの性能を最大限に引き出せる。ただし、液体金属は導電性があり、一部の金属を腐食するため、シリコングリスに比べて取り扱いが難しいという欠点があるのだが、インテルとの共同設計でそうした問題をクリアしているようだ。

 ゲーミングPCでは、CPUと同等か、それ以上に重視すべきパーツがGPUである。UL7C-R36では、GPUとしてNVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPUが搭載されている。GeForce RTX 3060 Laptop GPUは、NVIDIAの最新GPU「RTX 30シリーズ」の中ではミドルレンジに位置するGPUだが、前世代の1つ上位のモデルRTX 2070とほぼ同じ性能であり、最新ゲームも快適にプレイできるパフォーマンスを持っている。

 メインメモリは16GBで、こちらも最新ゲームをプレイするにも十分な容量だ。動画編集やゲーム実況配信など、他の用途に使う場合でも問題はないだろう。ストレージは、NVMe対応高速SSDで、容量は500GBであり、こちらも不満はない。

マグネシウム合金採用で薄型軽量ボディを実現

 筐体の基本的なデザインは、GALLERIAの他のゲーミングノートPCと似ているが、設計そのものは一新されている。まず、ボディの素材として軽くて強度が高いマグネシウム合金を採用。底面にもマグネシウム合金が採用されており、厚さ21.6mm(最薄部)、重量約1.96kgという、スリムで軽いボディを実現している。

 初期のゲーミングノートPCが3kg近くあったことを思うと、技術の進歩は素晴らしい。以前は、ゲーミングノートPCを持ち歩くというのは、かなり覚悟が必要であったが、本製品なら持ち歩きもそれほど苦にならない。外観もオーソドックスなデザインであり、ゲーミング以外の用途でも違和感なく使える。

 付属のACアダプターは230W仕様でやや大きいが、重量は実測で654gであり、本体と一緒に持ち運びできる範囲に収まっている。バッテリー駆動時間は約9.6時間を確保している。

 もっとも、バッテリーでゲームをプレイしようとすると、駆動時間が少なくなることに加えて、省電力モードではモニターのリフレッシュレートが30Hzに固定されてしまうため、FPSなどのゲームをプレイするには向かない。その状態でも、普通のノートPCとしては高性能なので、フレームレートをあまり意識しなくていいブラウザゲームで遊んだり、メールチェックやネットサーフィンをするには十分だ。

【本体外観など】
UL7C-R36の上面
UL7C-R36の底面
付属のACアダプター
ACアダプターの仕様
本体の重量は実測で1,945g
ACアダプターの重量は実測で654gであった
デバイスマネージャーを開いたところ。最大16スレッドの同時実行が可能であり、OSからはCPUが16個あるように認識されている

15.6型液晶搭載のGALLERIAとして初の240Hz対応非光沢液晶を採用

 ゲーミングノートPCでは、搭載液晶のリフレッシュレートも重要なスペックだ。リフレッシュレートとは、画面を書き換える間隔のことで、1秒間に何回書き換えが可能かを示している。例えば、リフレッシュレート60Hzの液晶なら、1秒間に60回の書き換えが可能なのに対し、リフレッシュレート120Hzの液晶なら、その2倍の1秒間に120回の書き換えが可能になる。

 実際にゲームをプレイしているときの1秒間あたりの画面の書き換え回数をフレームレートと呼ぶが、基本的にフレームレートがリフレッシュレートを超えることはない。フレームレートが高ければ高いほど、素早い動きもカクカクせずにスムーズに表示され、FPSやTPSなどでの敵のエイミングも容易になり、より優位に立ち回れる。

 「フォートナイト」や「Apex Legends」など、コンシューマー機でもPCでも遊べる人気FPS/TPSは多いが、フレームレートに関してはPCのほうが断然有利だ。コンソールゲームは最大60fpsという仕様がほとんどで、HDMI 2.1世代のモニターを使うことで、一部タイトルが120フレームでゲームを楽しめるようになっているが、ゲーミングPCなら環境次第で200fps以上も実現できる。こうした高フレームレートで遊べることが、コンシューマー機にはないゲーミングPCならではの利点だ。

 一般的なノートPCでは、リフレッシュレート60Hzの液晶が採用されているが、本製品では、60Hzの4倍の書き換え回数を実現するリフレッシュレート240Hz対応15.6型フルHD液晶が採用されている。現行のGALLERIAのゲーミングノートPCでは、144Hz対応液晶または120Hz対応液晶を搭載しており、15.6型液晶搭載GALLERIAで240Hz対応液晶を採用したのは、本製品が初となる。フラッグシップモデルらしい贅沢な仕様だ。

 60Hzと144Hzの差に比べると、144Hzと240Hzの差は小さくなるが、FPS/TPSをやりこんでいるゲーマーに聞くと、やはり144Hzと240Hzにもはっきりとした差があり、240Hzのほうがより快適かつ優位に立ち回れると答える人が多い。デスクトップPCと違い、ノートPCは液晶だけを交換することができないので、当初は多少オーバースペック気味でも、より高性能な液晶を採用した製品のほうが後に後悔することがないだろう。最近の製品らしく、液晶周囲の額縁(ベゼル)部分も狭く、見た目もすっきりしていて美しい。

 また、液晶ディスプレイの表面処理が、いわゆる光沢(グレア)加工ではなく、つや消しの非光沢(ノングレア)加工になっていることもありがたい。光沢液晶は、周囲の外光が映り込みやすく、目への負担も大きいため、ゲーマーや仕事で長時間PCを使う人などには向いていない。

 さらに液晶上部には、HD画質のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証用IRカメラが搭載されており、ビデオ会議で活用したり、顔認証でのログオンが可能だ。実際にWindows Helloで顔認証を試して見たが、認証が非常に高速で精度も高かった。

【液晶ディスプレイ】
液晶は240Hz対応で、解像度は1,920×1,080ドット。表面処理は非光沢仕様なので、目への負担が小さい
液晶上部には、HD画質のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証用IRカメラが搭載されている

自由に発光色を変更できるマルチRGB LED搭載の光学式キーボードを採用

 キーボードも他のGALLERIAゲーミングノートPCから一新されている。現行のGALLERIAゲーミングノートPCでは、テンキー付きの全102キーが採用されていたが、本製品では、テンキーが省略されており、全88キーとなっている。その分、キー配列に余裕ができ、いわゆる不等キーピッチはなくなっている。ゲームではテンキーは使わないことが多いので、88キーでもゲームプレイには支障がない。

 また、キースイッチ自体も光学式メカニカルキーが採用されており、高い耐久性とチャタリング(オン・オフの接点が切り替わる際に、オン・オフが細かく繰り返される現象)のない確実な打鍵を実現している。キーピッチは約19mmと余裕があり、キーストロークも適度で、キータッチも心地よい。

 キーボードにはマルチRGB LEDが搭載されており、デフォルトではレインボーカラーで光っている。マルチRGB LEDは、キー1つ1つを独立した色で点灯させることができることが魅力だ。現行の他のGALLERIAゲーミングノートPCのキーボードでは、シングルRGB LEDなので、全体の色をまとめて変えることしかできない。独立して色を変えられるのは、いかにもゲーミングノートPCといった風情だが、確かにこちらの方が便利だろう。

 また手前部分にもRGB LEDが組み込まれており、こちらもデフォルトでは順番に色が変わるレインボーカラーで点灯するようになっている。さりげなくゲーミングノートPCであることを主張するようなライトアップだが、派手すぎずかつ美しいデザインだ。

 キーボード右上には、電源スイッチと動作モード変更スイッチが用意されている。動作モードは3種類があり、動作モード変更スイッチを押すたびに切り替わる。動作モードが、スイッチの2つのLEDの点灯状態で確認できるようになっているのも便利だ。

 ポインティングデバイスとしてはタッチパッドを採用。タッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプで、タッチパッドのサイズは実測で約116×73mmと大きく、操作性も良好だ。ただし、FPSなど細かな操作が重要なゲームをプレイする場合は、基本的にゲーミングマウスなどを接続することになるだろう。

【キーボードとタッチパッド】
キーボードはテンキーなしの全88キーである
デフォルトのキーボードバックライトの発光色はレインボーカラーになっている
手前側も光るが、こちらはすべて同じ色
大型タッチパッドを搭載
キーボード右上に電源スイッチと動作モード変更スイッチが用意されている

最新のThunderbolt 4を搭載するなどインターフェイスも充実

 UL7C-R36は、インターフェイスも充実している。右側面には、USB 3.2 Gen2 Type-A×2とSDカードスロット、左側面には、USB 3.2 Gen2 Type-Aとヘッドセット端子、背面には、Thunderbolt 4/USB4(DP1.4対応/PD非対応)とHDMI出力、有線LANポートが用意されている。最新のThunderbolt 4に対応するほか、USBポートは合計4ポート用意されているので、ゲーミングマウスやゲーミングヘッドセットなどのゲーミングデバイスを接続するにも十分だ。

 有線LANは2.5Gbps対応であり、高速なデータ転送が可能だ。無線通信機能も充実しており、インテルのWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応モジュールを搭載し、Bluetooth 5.1をサポートしている。Wi-Fi 6環境なら、高速、低レイテンシでネットに接続できるので、オンラインゲームも快適だ。

【UL7C-R36のインターフェイス部分】
UL7C-R36の右側面
UL7C-R36の右側面のアップ。USB 3.2 Gen2 Type-A×2とSDカードスロットが用意されている
UL7C-R36の左側面
UL7C-R36の左側面のアップ。USB 3.2 Gen2 Type-Aとヘッドセット端子が用意されている
UL7C-R36の背面
UL7C-R36の背面のアップ。Thunderbolt 4/USB4とHDMI出力、有線LANポートが用意されている

「Apex Legends」でのプレイフィールはとても快適!!

 さて、GALLERIAゲーミングノートPCのフラッグシップとして登場したUL7C-R36だが、実際のゲームでのプレイフィールはどんなものだろうか。まずは、エレクトロニック・アーツの人気バトルロイヤルFPS「Apex Legends」をプレイしてみた感想をお届けする。

人気バトルロイヤルFPS「Apex Legends」は新シーズン「エスケープ」が始まったばかり

 「Apex Legends」は、SwitchやPS4といったコンソール機でもプレイできるFPSとして、幅広い世代に大人気のバトルロイヤルFPSであり、ちょうど新シーズンであるシーズン11「エスケープ」が始まったところだ。

【「エーペックスレジェンズ:エスケープ」トレーラー】

 画質に関する設定はすべてデフォルトのままプレイしてみたが、動きが非常に滑らかで液晶の残像なども感じず、素早くマウスを振っても、ちゃんと追従する。普段は、自作のゲーミングデスクトップPC+240Hz対応液晶モニターでプレイしているのだが、それよりもさらに快適だ。筆者の環境は液晶モニターも240Hz対応だが、PCのスペックが足りず、「Apex Legends」では平均100fps出るかどうかといったところだ。詳しいベンチマーク結果については後述するが、確実にそれ以上のフレームレートは出ている感触だ。

「Apex Legends」のシーズン11では、廃屋の屋根からスパイダーが急に降ってきたりする

 また、光学式キーボードはキータッチもしっかりしており、ミスのない確実な操作が可能だ。「Apex Legends」を毎日やりまくっている中学生の息子にもUL7C-R36でプレイさせて感想を聞いたところ、「画面の反応が普段よりもキビキビしている。エイミングの精度も上がって、キルしやすくなった」とコメントしてくれた。まさにゲーミングノートPCのフラッグシップの名に恥じないプレイフィールといえる。

「Apex Legends」ではオプション調整で240フレームでのプレイも可能

 それでは、実際にどれくらいのフレームレートが出ていたのか、検証してみたい。ここでは、人気ゲーム「Apex Legends」と「VALORANT」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を用いて、ゲームでのフレームレートやパフォーマンスを計測してみた。なお、解像度は全て1,920×1,080ドット(フルHD)で行なった。

 以下の画面のようなビデオ設定(デフォルト)で、Frapsを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。プレイモードはランクマッチで、マップは新マップの「ストームポイント」である。

 その結果、平均フレームレートは141fps、最高フレームレートが173fps、最低フレームレートが118fpsという結果になった。デフォルト設定では、ほとんどの設定が最高に近い設定になっていることを考慮すると、とても素晴らしい結果だ。画質を優先してもこれだけのフレームレートが出るのあれば、ほとんどのプレイヤーが満足するだろう。

【「Apex Legends」での検証結果】
ビデオ設定その1(デフォルト)
ビデオ設定その2(デフォルト)

 さきほど、「Apex Legends」のデフォルト設定でのフレームレートを計測したが、せっかく240Hz対応液晶を搭載しているのであるから、ビデオ設定を下げて、フレームレートがどこまで上がるか検証してみた。いくつか試したところ、ある程度以上ビデオ品質を下げても、フレームレートがあまり変わらなくなることが分かった。ゲームやPCの性能にもよるだろうが、ビデオ設定の全項目を最低にするのはあまり意味が無いようだ。そこで、フレームレートと画質のバランスのとれた設定として、以下に示した設定をおすすめする。

 この設定での平均フレームレートは199fps、最高フレームレートが240fps、最低フレームレートが150fpsであり、デフォルトよりも平均フレームレートが58fpsも向上している。この設定でのプレイ画面も載せるが、ゲーム中だと画質の低下はほとんど気にならないレベルだ。プレイ感覚も、デフォルトよりさらに滑らかに動く感じで、240Hz対応液晶の威力を十分に体感することができた。

【「Apex Legends」での検証結果(その2)】
ビデオ設定その1(フレームレート重視)
ビデオ設定その2(フレームレート重視)
この設定でのプレイ画面

「VALORANT」や「ファイナルファンタジーXIV」も快適に動作

 続いて、ライアットゲームズ初のFPS「VALORANT」でパフォーマンスを検証した。「VALORANT」は、現時点ではPS4/PS5やSwitchなどのコンソール機ではプレイできず、PCのみでプレイできるeスポーツを意識したタイトルであり、ゲーミングノートPCの性能を測るのに適しているといえる。フレームレートの計測は、グラフィック品質を以下の画面のように(ほぼ最高)設定し、Frapsを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。計測に利用したマップは「スプリット」である。

 その結果、平均フレームレートは197fps、最高フレームレートが232fps、最低フレームレートが164fpsという結果になった。「VALORANT」は、最近のFPS/TPSの中では比較的負荷が軽い方だが、それでも平均200fps近いフレームレートを叩き出しているのは素晴らしい。当たり前だが、144Hz対応液晶を搭載したゲーミングノートPCでは、CPUやGPUが同じでも、この平均フレームレートで実際にゲームをプレイすることはできない。240Hz対応液晶の真価を十分に発揮できてるといえるだろう。もちろん、グラフィック品質を下げれば、さらに平均フレームレートを上げることもできるが、通常のプレイヤーならこれくらいのフレームレートが出ていれば十分であろう。

 こちらも普段使っているゲーミングPCに比べて、フレームレートが40fps~50fps以上高くなっているため、プレイ感覚は非常に快適であり、離れた敵のエイミングも高精度で出来るようになった感がある。こうしたeスポーツ系FPSをプレイする際、本製品の240Hz対応液晶は強い味方となる。

 また、「VALORANT」についても、グラフィック品質を下げて同じマップでフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは202fps、最高フレームレートが245fps、最低フレームレートが165fpsとなり、デフォルト状態と比べてあまり変わらなかった。「VALORANT」は、もともとグラフィック負荷が比較的軽いので、グラフィック品質を下げて描画負荷をさらに減らしても、他の部分の負荷があるため、フレームレートが上がりにくいのであろう。

【「VALORANT」での検証結果】
「VALORANT」の画面
グラフィック品質の設定(ほぼ最高)
「スプリット」でフレームレートを計測した
グラフィック品質をこのように下げた
グラフィック品質を下げた状態のプレイ画面
左上にフレームレートが表示されているが、247fpsとなっている。瞬間的にはこういう値も出るが、平均すると200fps程度だ

 さらに、国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行してみた。1,920×1,080ドット最高品質でのスコアは17,538で「非常に快適」という評価に、1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)でのスコアは20,123で同じく「非常に快適」という評価になった。

 「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークは、拡張版が出る度にアップデートされているのだが、「暁月のフィナーレ」は2021年7月11日に公開された最新ベンチマークで、スコアの評価基準が大きく変更されている。以前のベンチマークでは、スコアが7,000を超えると、一番上の評価である「非常に快適」になっていたのだが、今回のベンチマークでは、15,000超が「非常に快適」に変更されている。その理由は、2021年11月23日に発売予定の最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」をプレイすることを想定して、それにあわせた評価に変わったためだ。「暁月のフィナーレ」では、PCへの負荷の高い多人数コンテンツが増えるため、ベンチマークの評価もより厳しいものに変わったのだ。しかし、最高品質でも「非常に快適」という最高評価が得られており、もうすぐ発売になる最新拡張も問題なく遊べるわけだ。

 さらに、「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、シーケンシャルリード(Q8T1)が4,982.86MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が2,531.64MB/sという非常に高速な結果になった。ロットによって搭載SSDが異なるため、あくまで参考値だが、シーケンシャルリードが5,000MB/s近くというのは、SATA 6Gbps対応SSDの8倍以上の速度であり、OSやゲームの起動も非常に高速で、ストレスを感じることがない。

【各種ベンチマーク結果】
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット最高品質の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)の結果
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

コスパも優秀、高性能で気軽に持ち歩けるゲーミングノートPCが欲しい人におすすめ

 今回、レビューしたUL7C-R36は、ノート用最新CPUと最新GPUを搭載したフラッグシップゲーミングノートPCであり、240Hz対応液晶やマルチRGB LED搭載光学式キーボードを搭載するなど、フラッグシップにふさわしい機能を備えている。ゲーミングノートPCのフラッグシップモデルというと、30万円や40万円を超える製品もあるが、UL7C-R36はフラッグシップでありながら、19万円を切るという驚きの価格を実現している。本製品はフラッグシップではあるが、価格と性能、本体の薄さや軽さのバランスに注力していることが特徴だ。

 フラッグシップでありながら、コストパフォーマンスも優れている本製品は、サードウェーブが考える「ニューノーマル時代」のフラッグシップといってもよいだろう。ファンの回転数の制御もきめ細かく、低負荷時はほとんどファンの音は聞こえず、負荷が上がるとファンの回転数が上がって多少ファンの音が気になるが、負荷が下がるとすぐにファンの回転数が落ちるので、軽めの作業なら静かな場所でも周りに迷惑をかけずに行なえる。高性能かつ気軽に持ち運べるゲーミングノートPCが欲しい人にはとくにおすすめしたい。

【GALLERIA UL7C-R36】