「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」レビュー

GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載

「Apex Legends」も「VALORANT」も最高画質で余裕の144fps超え! 最新CPUとGPUを搭載したミドルハイモデル

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
259,980円(税込)
発売日:
2021年7月15日

 サードウェーブから、ゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」の新モデルが発表された。

 GALLERIAは、国内有数のゲーミングPCブランドであり、さまざまなeスポーツ大会で採用されているほか、有名eスポーツアスリートやプロゲーミングチーム、VTuberなどとのコラボモデルも多数販売している。GALLERIAは、ノートPC、デスクトップPCともに数多くの製品ラインナップを誇るが、PCゲームを思う存分プレイしたいならデスクトップPCは一考に値する。GALLERIAのデスクトップPCは、オリジナルのタワーケースを採用しているが、昨年夏に7年振りにケースのデザインや構造を一新。機能性とデザイン性の高さで人気を集めている。

 今回は、2021年夏に発売されたモデルの中から、インテルの第11世代CPUとGeForce RTX 3070を搭載したミドルレンジ上位に位置する「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

【GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載】
第11世代CPUとGeForce RTX 3070を搭載したゲーミングデスクトップPC「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」

インテルの最新第11世代CPUとNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 3070」を搭載

 「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」(以下、XA7C-R37 第11世代)はミドルレンジ上位に位置するゲーミングデスクトップPCであり、コストパフォーマンスが魅力だ。まずは、基本スペックから見ていこう。

【GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載】
CPU:インテル Core i7-11700(8コア/16スレッド、2.50GHz~4.90GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3070(8GB)
チップセット:H570
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz SDRAM(8GB×2)
ストレージ:1TB NVMe SSD
光学ドライブ:なし(カスタマイズで選択可能)
OS:Windows 10 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:259,980円(税込)

 CPUは、インテルのCore i7-11700を搭載。最初の2桁が11になっていることからもわかるように、最新の第11世代Coreプロセッサーであり、開発コードネームRocket Lakeと呼ばれていた製品である。

 第11世代Coreプロセッサーは、第10世代Coreプロセッサーに比べて、IPC(クロックあたりの平均命令実行数)が約19%向上しているほか、CPU直結のPCI Express 4.0バスを用意し(最大20レーン)、DDR4-3200メモリのサポートも追加されており、全体的にパフォーマンスが底上げされている。Core i7-11700は、8コアのCPUであり、最大16スレッドを同時に実行可能だ。また、ベースの動作周波数は2.50GHzだが、負荷に応じて最大4.90GHzまで動作周波数が向上する。現在のPC用CPUの中でも、かなり上位に位置する性能を誇る。

 ゲーミングPCでは、CPU以上に重要になってくるパーツがGPUだ。本製品では、NVIDIAの最新世代GPUであるGeForce RTX 3070が搭載されている。RTX 30シリーズの中でも、ミドルハイとなる製品であり、最新ゲームを4K解像度でも快適にプレイできるパフォーマンスを実現している。グラフィックボードの出力は、DisplayPort×3とHDMI×1という仕様になっている。

 メインメモリは16GBで、最新ゲームをプレイするにも十分だ。第11世代Coreでは、新たにDDR4-3200MHzのサポートが追加されたが、本製品のメモリもDDR4-3200MHzであり、性能を最大限に引き出せる。メモリスロットは4基あり、2基空いてるので、将来的にメモリを増設する際も、標準搭載のメモリを無駄にならない。ストレージはNVMe対応の高速SSDで、容量は1TBである。1TBあれば、容量の大きなAAAタイトルを複数インストールしても余裕がある。

【内部パーツなど】
左サイドパネルを外したところ
CPUクーラーも大型で高性能なものが採用されている。CPUクーラーのファンの取り付け位置がメモリ側ではなく、リアファン側になっているのは、後ろに熱を吐き出す仕様にしているためで、メモリに干渉しない為の処置でもあるという
「GeForce RTX 3070」搭載GPUを採用
GPUの出力は、DisplayPort×3とHDMI×1という仕様だ
メモリスロットは4基あり、2基空いている

使い勝手と拡張性、デザイン性に優れたオリジナルケースを採用

 冒頭でも紹介したようにGALLERIAシリーズのデスクトップPCのケースは、昨年夏にデザインが一新され、使い勝手、デザイン性ともにより進化している。本製品のサイズは、220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)で、サイズとしてはミドルタワーとなる。カラーはブラックとガンメタリックを基調としており、精悍な印象を受ける。フロントパネルには、シルバーのGALLERIAエンブレムがあり、高級感を演出している。

 フロントパネルの周囲にはRGB LEDが内蔵されており、電源を入れると光るのがカッコイイ。専用のLEDコントロールユーティリティを使うことで、この部分の発光色や発光パターンを自由に変えられ、他の発光パーツとの連動も可能だ。

 フロントパネルの上部が斜め45度にカットされたデザインになっており、そこにI/Oポートや電源スイッチなどが用意されている。フロントI/OポートとしてUSB 3.2 Gen1 Type-A×4と音声入出力端子を備えているが、角度がついているため、USBケーブルの抜き差しがしやすい。4ポートあるので、キーボードとマウスをフロントパネルに繋いでもまだ2つも空きがある。背面のI/Oポートも充実しており、USB 2.0×4、USB 3.2 Gen 2 Type-A×2、USB 3.2 Gen 2 Type-C×1の合計6つのUSBポートと、1つのType-Cポートを備えるほか、サウンド入出力端子やPS/2キーボード・マウス端子やLANポートも備えている。

 正面向かって左側のサイドにはクリアパネルがあり、内部が見えるようになっている。ゲーミングデスクトップPCでは、いわゆる光物パーツを搭載して、内部が鮮やかにライトアップされるものも多いが、「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」では、グラフィックボードにRGB LEDが搭載されており、クリアパネルの窓からさまざまな色で光る様子を確認できる。発光ギミックとしては控え目だが、派手すぎるのは好きじゃないというゲーマーも多いと思われるので、これくらいのほうが万人に好まれそうだ。

 両サイドパネルは、手でも回せるローレットビスで固定されており、メンテナンス性も良好だ。内部の空間が広く、140mmの大型静音ファンがフロントとリアとトップにそれぞれ搭載されているほか、吸気は両サイドパネルの手前側から行う構造になっており、エアフローもしっかりと確保されている。また、トップパネルはハニカム形状の穴とメッシュパネルからなる3層構造で、上にモノを置くことも想定されている。

 マザーボード上には拡張スロットとして、PCIe 4.0 x16スロットが1基、PCIe 3.0 x16 スロットが1基、PCIe 3.0 x1スロットが3基の合計5スロットが用意されているが、GeForce RTX 3070が2スロット分以上のスペースを占有しているため、利用できるスロットの空きはPCIe 3.0 x16スロットが1基と、PCIe 3.0×1スロットが2基の合計3スロットとなる。

 そのほか、6Gbps対応のSATAポートが6基と、M.2スロットが2基用意されている。M.2スロットのうち1つはPCIe 4.0対応で(もう一つはPCIe 3.0対応)、こちらにNVMe対応SSDが装着されている。PCIe 4.0対応M.2スロットには放熱用のヒートシンクが搭載されており、比較的発熱が大きい高速SSDも安心して利用できる。

 最近のハイエンドグラフィックボードは大きく重くなっているため、PCIeスロットに装着した状態で、マザーボードを立てて使うと、PCIeスロットに大きな負荷がかかる。また、輸送中にグラフィックボードが外れて破損してしまうという事故も起こりがちだ。そこで、RTX 3070以上のグラフィックボードを搭載したGALLERIAシリーズのデスクトップPCでは、サイドパネル近くに強固なステーを設け、そのステーを利用してグラフィックボードを上下から専用パーツで挟み込んで固定する新機構「リジッドカードサポート」が採用されており、振動や衝撃に強い構造となっている。

 光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BTOや後付けでBDドライブなどを搭載することも可能だ。電源ユニットは750Wの80PLUS GOLD仕様で、容量にも余裕がある。また、底面には電源ファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるので、メンテナンスも楽だ。

 本製品のケースは、使い勝手はもちろん、拡張性やデザイン性も優れており、高く評価できる。

【本体外観など】
GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載のフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に埋め込まれたRGB LEDが光る
GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載の右サイドパネル
GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載の左サイドパネル。透明な窓がある
左サイドパネルの窓を通して、グラフィックボードのRGB LEDが見える
GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載のトップパネル。ハニカム形状の穴とメッシュパネルから構成されている
GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載のリアパネル
リアパネル部分のI/Oポート
GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載の底面
底面には電源ファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている
フロントパネルの上部が斜めにカットされており、USBポートや電源スイッチにアクセスしやすい
サイドパネルの固定にはローレットビスが採用されており、手でも回せる
手でも回せるローレットビス
グラフィックボードを上下から挟み込んで固定する「リジッドカードサポート」
PCIe 4.0対応のM.2スロットにSSDが装着されており、ヒートシンクも用意されている

「Apex Legends」のフルHD最高画質での平均フレームレートは173fps

 このように、「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」は非常に完成度の高いゲーミングデスクトップPCである。それでは、もっとも気になるゲームでのパフォーマンスについて見ていこう。

 ここでは、人気ゲーム「Apex Legends」と「VALORANT」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を用いて、ゲームでのパフォーマンスを計測してみた。「Apex Legends」については、ビデオ設定を最高に設定し、Frapsを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。プレイモードはランクマッチで、マップは「ワールズエッジ」。なお、解像度は全て1,920×1,080ドット(フルHD)で行なった。

 「Apex Legends」でのフレームレート計測結果は、平均フレームレートが173fps、最高フレームレートが225fps、最低フレームレートが130fpsという結果になった。筆者の息子は、「Apex Legends」を普段からよくプレイしているのだが、息子が使っている自作ゲーミングデスクトップPCは、Core i7-7700K+GeForce GTX 1060というスペックであり、同じ最高設定で「Apex Legends」をプレイすると、平均フレームレートが60fpsを下回ってしまい、快適には遊べない。普段はビデオ設定を軽めにして平均100fps程度にしてプレイしている。

 本製品なら、フルHD最高画質でも、平均173fpsという高いフレームレートを実現できるので、息子も「画面が綺麗で、動きも滑らかで超快適! キルレートも上がってる」と喜んでいた。「Apex Legends」は、PS4やSwitchなどのコンシューマー機でもプレイできるが、フレームレートがPS4では60fps、Switchでは30fpsに制限されている。息子曰く、「PCに慣れると、Switchは動きがカクカクして辛い。PS4でもやっぱりPCに比べると気になる。」とのことだ。最新ゲームを高フレームレートで遊べることが、ゲーミングPCならではの醍醐味といえる。

【「Apex Legends」の設定】
ランクマッチで計測。マップは「ワールズエッジ」である
「Apex Legends」のビデオ設定
「Apex Legends」のビデオ設定(続き)

「VALORANT」のフルHD最高画質での平均フレームレートは226fps

 続いて、ライアットゲームズ初のFPS「VALORANT」でパフォーマンスを検証した。「VALORANT」は、ゴリゴリのeスポーツタイトルとして開発されており、「Apex Legends」や「フォートナイト」のように、スマートデバイスや、PS4/PS5やSwitchなどのコンソール機ではプレイできず、必ずゲーミングPCが必要になる。このためゲーミングPCとして、「VALORANT」がキッチリ快適に動作するかどうかは、性能を測る上でいの一番にチェックすべき項目と言って良い。

 「VALORANT」のリリースは2020年6月2日で、2019年2月4日にリリースされた「Apex Legends」よりも新しいタイトルだが、PCへの負荷は比較的軽い。こちらもグラフィック品質を最高に設定し、Frapsを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。計測はメインモードで行い、マップは「ヘイヴン」である。

 「VALORANT」でのフレームレート計測結果は、平均フレームレートが226fps、最高フレームレートが277fps、最低フレームレートが158fpsという、「Apex Legends」よりさらに良好な結果となった。前述したとおり、「VALORANT」は「Apex Legends」よりも負荷が軽いため、フレームレートはさらに高くなっている。

 本製品なら、最高画質にしても非常に高いフレームレートでプレイできるため、「PCの性能がいいので、動きがすごく滑らかで、エイミングもやりやすい。ヘッドショット決まると気持ちいい。」(息子談)。4K対応の大型ゲーミングモニターをお持ちの方なら、より高精細な画面で迫力のあるプレイが楽しめるだろう。

【「VALORANT」の設定】
「VALORANT」では、マップ「ヘイヴン」を使った
「VALORANT」のプレイ中の画面
「VALORANT」のグラフィック品質の設定

「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張も余裕で遊べる!

 さらに、国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行してみた。1,920×1,080ドット最高品質でのスコアは21738で「非常に快適」という最高の評価に、1,920×1,080ドット高品質(デスクトップPC)でのスコアは21957で同じく「非常に快適」という評価になった。

 ちなみに「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークは、拡張パッケージがリリースされる度にアップデートされており、今回使った「暁月のフィナーレ」は2021年7月11日に公開されたばかりの最新ベンチマークで、スコアの評価基準が大きく変更されている。以前のベンチマークでは、スコアが7,000を超えると、最高評価である「非常に快適」になっていたのだが、今回のベンチマークでは、スコア15,000超が「非常に快適」に変更されている。2021年11月に登場予定の最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」では、負荷の高い多人数コンテンツが増えるため、それを想定したものとなっているのだ。それを踏まえた上で本製品は、最高品質でも15,000を大きく上回るスコアを出しており、最新拡張パッケージも快適にプレイできることがお墨付きだ。

 さらに、ストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4」を計測してみたところ、シーケンシャルリード(Q8T1)が1927.89MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が1773.87MB/sという結果になった。OSやゲームの起動もあっという間だ。

【各種ベンチマーク結果】
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット最高品質の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット高品質(デスクトップPC)の結果
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

 本製品は、ゲームのプレイ中でもファンの騒音があまり気にならないことも素晴らしい。140mmの大型静音ファンを3基搭載し、排熱がよく考慮されたケースを採用していることが効いているのであろう。深夜にゲームで遊んでも、周りの家族などに迷惑を掛けることがない。

【140mmの大型静音ファンを3基搭載】
リアパネルとトップパネルに140mmの大型静音ファンが搭載されている
フロントパネルにも140mmの大型静音ファンが搭載されている

長く現役として使えるゲーミングデスクトップPCが欲しい人におすすめ

 「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」は、最新CPUと最新GPUを搭載したゲーミングデスクトップPCであり、期待通りのパフォーマンスを叩き出した、魅力的な製品だ。

 GALLERIAシリーズのゲーミングデスクトップPCの中ではミドルハイクラスとなる製品であり、現在登場しているゲームだけをプレイするのなら、多少オーバースペック気味だが、今後より負荷の高いゲームが登場した場合でも、快適にプレイできるパフォーマンスを備えている。

 GALLERIAシリーズは、豊富なラインナップが魅力で、もっと高性能な製品や、もっと低価格な製品も用意されている。本製品は将来性を重視し、長年現役として使えるゲーミングデスクトップPCが欲しいという人には特におすすめの製品だ。拡張性に優れたデスクトップPCということもあり、将来的なCPUやGPUのアップグレードも可能で、長い目で見ればコストパフォーマンスも高い。最近は、PS5やXbox Series XのようなゲーミングデスクトップPCに引けを取らない性能を持ったゲーム機も登場しているが、パーツのアップグレードによりパフォーマンスを高められることが、コンシューマー機ではできない、ゲーミングデスクトップPCならではの利点である。初めてゲーミングデスクトップPCを購入するという人はもちろん、数年前に買ったゲーミングデスクトップPCのパフォーマンスに不満があるという人にもおすすめだ。

【GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載】
長く現役として使えるゲーミングデスクトップPC「GALLERIA XA7C-R37 第11世代Core搭載」