【特別企画】

GALLERIAの新フラッグシップは“バランスの極致” GALLERIAゲーミングノートPC「U Series」レポート

【GALLERIA UL7C-R37/UL7C-R36】

11月4日発売開始

価格:189,979円より

 サードウェーブは、ゲーミングPCブランド「GALLERIA」の新製品発表会を、東京池袋のLFS 池袋 esports Arenaにて開催した。

【登壇者】
サードウェーブ執行役員 製品・マーケティング 統括本部長 佐藤和仁氏
サードウェーブ GALLERIA 製品企画担当瀧吉佑介氏
インテル執行役員 第一営業本部 本部長井田晶也氏

 GALLERIAは2019年と2020年に、ノートPC、デスクトップPCをそれぞれフルモデルチェンジを果たしており、今回発表されたのはゲーミングノートPCの新モデル。これまで「該当する商品がない」ということで、あえて欠番だったフラッグシップの「U Series」2製品が追加され、これでデスクトップ、ノート共に、フルラインナップが揃ったことになる。

【GALLERIA U Series】

 PCメーカーのフラッグシップは常に注目の的だ。なぜなら、メーカーの哲学がそこに注ぎ込まれているからだ。とりわけノートPCは、基本デザインやスペックに加えて、液晶パネルや重量、サイズ、価格設定など、調整箇所がデスクトップより多岐にわたる。フラッグシップということで、文字通り戦艦大和のような超弩級PCにこだわるメーカーもいれば、薄型軽量に走るメーカーもいる。

 そうした中でサードウェーブがゲーミングPC「GALLERIA」の新フラッグシップに選んだのは“バランス型”だ。もちろん、CPUは最新の第11世代、GPUもゲーミングPCに相応しくGeForce RTX 3060/3070、液晶モニターはフルHD/240Hzパネルをチョイスするなど、最新世代のゲーミングPCであることは間違いないが、最大の評価ポイントはそれらのスペックを2kg以下(1.96kg)の15インチサイズに封じ込めたバランスの良さだ。

【GALLERIA UL7C-R37/UL7C-R36】

 上を見れば、GPUはGeForce RTX 3080があるし、液晶パネルは4Kや360Hzといった選択肢が存在しうる。しかしノートPCの場合、すべてパーツがトレードオフの関係にあり、GeForce RTX 3080を積めば今の薄さ、重量では済まなくなるし、パネルを変えればその分サイズや価格にガッツリ反映される。製品企画担当の瀧吉氏は、GALLERIAのフラッグシップとして「飛び抜けた性能は備えていないが、バランスの良さにはこだわった」と語る。

【液体金属グリス】

 その実現のために筐体も一新。CPUは、第9世代から第11世代に刷新され、性能が向上した分、発熱も高くなっており、加えてGeForce RTX 3060/3070は初搭載。新しい熱処理の導入が必要不可欠だったという。そこで採用したのが、プレイステーション 5やXbox Series Xでもお馴染みの液体金属。これにより冷却効率を高め、最新CPU/GPUを、ほぼ同型の新型筐体に収めることができたという。サイズは、356×234×21.6、重量は1.96kg(最薄部)となっており、現行モデルよりもわずかに軽く、コンパクトになっている。「」フラッグシップモデルなのに、より軽く、コンパクト」というのがサードウェーブの新たな哲学になるようだ。

【新型筐体】

 なお、まもなくCPUが第12世代に突入するとみられるデスクトップPCについては、従来通りエントリーからハイエンドまで、様々な用途に向けたモデルを提供していくという。つまり、デスクトップとノートPCでフラッグシップの意味が異なることになる。

 さて、今回発表されたノートPCの製品ターゲットは、ゲーマーというのは当然として、コンソールやモバイルでゲームを楽しんでいる層の取り込みを狙っていきたいという。そのために価格は20万円を大きく切る189,979円とし、重量も日常的に持ち運ぶ際のひとつの目安となる2kgを切る1.96kgを実現。手が届く距離のフラッグシップモデルとなっている。

【GAME&MORE】
スマートフォンやゲームコンソールのユーザーをゲーミングPCへ
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 ちなみに、ゲーム性能を測る上でキーデバイスとなるGPUはGeForce RTX 3060と3070の2種類から選択できる。なぜGeForce RTX 3060と3070にしたのかというと、下位モデルは、現行のラインナップですでに採用実績があり、上位モデルの3080は放熱と価格の問題から断念したということだ。GeForce RTX 3060と3070というチョイスはなかなかおもしろく、TFLOPS換算で見ると、PS5の10.3TFLOPS、Xbox Series Xの12TFLOPSに対して、RTX 3060は12.8TFLOPS、RTX 3070は20TFLOPS(いずれも公式発表の数字)で、奇しくも同レベルとなっている。

 ゲーム性能はTFLOPS性能だけで決まるわけではないためPS5やXbox Series Xよりも数字が高いから性能が高いというシンプルな話にはならないが、サードウェーブが目指しているゲームコンソールからの乗り換えという視点で見ると、両者はおおむね同レベルの性能を備えており、クロスプラットフォーム展開されているタイトルは、このPCでも同じように楽しめるという言い方は可能だ。さらに、本モデルでは240Hz液晶を搭載しているため、このノートPCだけで、最大240フレームで最新ゲームが楽しめる。これはゲームコンソールでもできない芸当であり、ゲーミングPCが備える明確なアドバンテージと言える。

【インテルとのコラボレーション】
本モデルは引き続きインテルとのコラボレーションで開発されたノートPCであることが明らかにされた。インテルとの協業により、CPUに関する様々なデータが共有され、開発に役立てることができたという

 個人的にはこれにカラーバリエーションも加われば最高だと思うのだが、佐藤氏は筐体の主素材として採用しているマグネシウム合金ボディ自体の塗装難度の高さから「簡単な話ではない」としながらも「今後の開発の参考にさせていただきたい」と、前向きなコメントを頂いた。

【マグネシウム合金ボディ】
マグネシウム合金に塗装するのは難しいということだが……

 GALLERIA UL7C-R37/UL7C-R36は、最上位のU Seriesを担うフラッグシップモデルでありながら、十分なゲーム性能を備えながら20万円以下を実現した、非常に魅力的なゲーミングノートPCだ。液晶パネルも、十分な性能に応えてくれる240Hz液晶なのも好印象。それでいて2kgを切っており、ノートPC本来の持ち味であるポータビリティも備えるなど、バランスの良さもピカイチだ。本日から受注を開始しているということなので、PCの新規購入や買い換えを検討しているゲーマーはぜひ選択肢のひとつに加えてみては如何だろうか?

【GALLERIA UL7C-R37/UL7C-R36】