【特別企画】

ゲーミングPCもついに“開封の儀”を楽しめる時代に。GALLERIAの“箱”リニューアルレポート

サードウェーブ ブランディングデザイナーの升淳氏(左)、サードウェーブ製品・マーケティング統括本部 本部長の佐藤和仁氏

 “開封の儀”。実に甘美な響きと言えよう。それは余人に先駆けて衆目を集める製品を手にした者の弱冠の自慢が含まれており、行為自体が喜びの表明そのものであり、あたかも恋人から貰ったプレゼントを開けるような喜びに満たされている。我々メディアもヌルい仕事とわかっていながらついつい開封の儀をやってしまう。それが楽しいからである。

 動画サイトにはiPhoneやXperiaなどの人気のスマートデバイスやPS5やXbox Series Xなどのゲームコンソールなど、実に様々な“開封の儀”動画があげられているが、メーカーもしっかりそれを意識して、シンプルかつスマートに開けられるように、外箱のみならず、内箱にも見事な工夫が凝らされている。

 「翻ってPCはどうか?」と、現役のPCゲーマーであり、20年以上PCゲームを担当してきた筆者は思うわけである。iPhoneの玉手箱感や、Xbox Series Xの宝箱感はまさに素晴らしい開封体験で、何度でも無限に味わいたくなるほどの楽しみと購入の喜びをを提供してくれるのに、ゲーミングPCはなぜ“普通”なのか。

【従来のゲーミングPCの開封の儀(参考)】
たまたま何かに使うかもと思って撮影していた昨年筆者が新型GALLERIAを購入した時の開封写真。PCの開封の儀は、20年以上これが普通だった

 そうした中で、耳寄りの情報をゲットした。サードウェーブが展開しているゲーミングPC「GALLERIA」は、昨年7月にリニューアルされたが、今年は、輸送用の箱をリニューアルしたという。

 ちなみにデザインを担当したのは、外部デザイナーではなく、ブランディングデザイナーの升淳氏。升氏は、サードウェーブで長年マーケティングを担当してきた人物で、発表会などで頻繁に顔を合わせてきただけに、鮮やかなデザイナーへの転進には驚かされた。

 今回はその升氏と、GALLERIA全体を統括している製品・マーケティング統括本部 本部長の佐藤和仁氏に、なぜ箱を一新しようと考えたのか、“箱を新たにデザイン”した経緯について話を伺ってきた。

【PCの箱がついに進化した!】

PCの箱をデザインするということについて

――本インタビューの経緯を説明しますと、最初「箱の取材をしませんか?」とサードウェーブの広報の方に言われたんです。箱というから、PCケースの事かなと思ったんですが、「パソコンを入れる箱です」と言われて。これまでにそんな取材したことないし、おもしろいなと思ったんです。実際に“箱の出荷式”のビデオを見せていただいて、本当に箱をフルスクラッチでデザインされたということと、そのデザイナーが升さんだということを知ったんです(笑)。

升淳氏: 実は、美大出身で、私がデザインしました。さっそく紹介いたします。

 まず、デザインがこちらを正面になるよう作っています。何故かと言いますと、観音開きにして、お客様に開封を始めていただきたいという意図があるんです。

 観音開きにして開けると、まず「ご挨拶」、「メッセージ」がありまして。その時点では、梱包材が一切見えないようにしています。

【開封の儀】
新しい箱には、開ける“向き”がある
いきなり飛び込んでくるメッセージ
さらに開けるとネイビーカラーで満たされている

――梱包材というのは発砲スチロールということですか?

升氏: はい。ビニールや発砲スチロールといった、運ぶための機能をまず目に触れないようにして、開けた瞬間にブランドカラーのGALLERIA(ガレリア)のネイビーが目に入るようになっています。マウスを同梱する時はここにツメがあって、ここをきゅっと立てると、ここが面(ツラ)が合うようになっています。

 この薄い箱に仕様書などのペーパー類が入っています。もう少し厚いこのボックスがキットボックスでマザーボードの付属品であったり、余ったケーブルなども入ります。そういったものは、もう使わない方もいらっしゃると思いますが、中にはパーツを交換する時などに「あれ、どこにいったっけ」ということがあります。そういう時のために、本棚に入る規格サイズになっています。これを背表紙にして本棚に収めれば綺麗に収納できます。本棚に入れておけばなくならないので、本棚に適したサイズにしています、ということをここに書いています。

 この小箱はマウスです。オプションなので同梱しない場合もあります。元々白い箱だったんですが、今回他の色と合わせる形で色を着けました。

【開封の儀・続】
ダンボールを開けていくとフラットなネイビーカラーが眼前に広がる
書類ケースは単行本サイズ。そのまま本棚に突っ込めば良い
書類ケースを取り出すとさらにメッセージ。細かな心遣いが嬉しい

 全部を梱包パーツを取っていくと「いよいよ始まるぞ」と(笑)。ここで初めて本体が出てきます。今までの透明のビニールをやめて、不織布のカバーで本体を覆っています。ここからPCを出して、そして不織布を取るとGALLERIAが出てきてご対面、という流れになります。

【ご対面】
ようやく姿を現したGALLERIA。ビニールではなく不織布のカバーに包まれている

――素晴らしいですね。勉強不足で申し訳ないのですが、PC業界でここまでボックスのデザインにこだわっているところはどこがありますか?

升氏: いろいろ調べたのですが、ALIENWAREさんがしっかりされているなという印象です。国内ではここまでされているところは見あたらなかったです。

――国内のいわゆるBTO PCの分野ではほぼ唯一の存在だと?

升氏: はい、自負しております。

佐藤 和仁氏(執行役員 製品・マーケティング統括本部 副統括本部長、以下佐藤氏): 箱の外の部分にこだわっているところはありますが、中に仕切り板を入れてこういった世界観を出すというのは、おそらく弊社くらいじゃないかなとは思っています。

――ひととおり見せていただいたところで、順番に質問させて下さい。このプロジェクトの始まりから教えていただけますか。

升氏: 今回このプロジェクトが足かけ1年だったんです。スタートは去年の夏ですね。

――というと、新型GALLERIAが出てからなんですね。

升氏: はい、ちょっと追う形になったのですが。その時に、わたしが旗振り役になって始めました。その時によく使っていた言葉が「開封体験をデザインする」。要するに「開封する時間」です。おそらく買い物をされて、開封の時間は5分くらいだと思うんです。

 ただ、ゲーミングPCは手軽にひょいひょいと買うようなものではありません。楽しみにされていた買い物で「さあ、来た。開けるぞ」となった時、その5分をどういう風にブランドとしてデザインできるのか、というコンセプトで進めてきました。

――開封体験をデザインするという点では、例えばAppleのiPhoneだったり、FacebookのOculus Questなど、開けた時の楽しさは、やはり海外のプロダクトの方が断然上ですよね。シンプルでわかりやすく、かつスマート。日本はなぜこの部分が洗練されていないのでしょうか?

佐藤氏: おそらく、どういう気持ちで買われて、どういう気持ちでそれを楽しみにされているのか、そういったお客様視点での分析がまだされていないんでしょうね。まず商品を良くしよう、不満があったところを直そう、という、モノ作り中心でやってきた。ただ、モノ作りだけだと、お客様に伝わらないです。ブランディングイメージで一番大切なのは、買って、期待感が膨らんで、そして(買った商品が)出てくるという、ここまでのストーリーがお客様の大事な体験なんですよね。

 ディズニーランドでアトラクションの乗車を待っている1時間があるじゃないですか。あれと一緒です。乗り物に乗るまで、そこでただ待っているのか、アトラクションをチラ見させながらワクワクして待つのか。そこの所のブランディングが海外では進んでいて、我々もそこを学ばなければいけないと思います。

――箱といわれて思い出したのですが、20数年前、最初にBTO PCを買ったのがGateway(ゲートウェイ)さんだったんです。Gatewayさんの箱ってすごくぶ厚くて、デカい段ボールの全面が牛柄だったんですよね。

升氏: そうですね。

――あの、届いた時の喜びは忘れられないですね。どこからどう見ても、GatewayのPCなんです。ついに俺も買ったぞ、「Age of Empires(エイジ オブ エンパイア)」が遊べるぞという喜びですね。でも、そこから日本はPCの箱があまり進化してないわけですよね。

升氏: それはやはり、私たちまだまだ、モノ寄りでビジネスを見ていたというところが大きいかと思います。PC業界には長期間、相性問題がありました。その部分をクリアにすることが業界の勤めであり、クリアできたメーカーが強いという業界だったと思うんです。それが、各部品の品質が良くなって、昔当たり前にあったようなトラブルって、今はないじゃないですか。そうなってきて、今のゲーミングの追い風もあった中で、PCはプロダクトとして非常にこなれたものになってきたと。そうなった時に、ブランドとしてどのように差を付けて、競争していくんのかとなった時に、初めてモノありきの部分から、一歩前に目を向けるステージに入ったのかなと思います。

――GALLERIAの箱について、この発想の原点はどこからきているのでしょうか。

升氏: やはり、Appleなど、開封体験が優れているなというもの、手元にあるものなどを自分で追体験したんですね。そこで、開封していく時間のデザイン。お客様の開封体験として何が一番はじめに見えるべきなのかを、プライオリティーをどんどん付けていきました。当然、物質的に同梱しなければいけないもののリストアップ、それが、どういうグルーピングをされて、どういう順番で出ていくのか、その時の演出はどうあるべきなのか。この順番で考えました。

――段ボールや中の紙の質は特に変えていないのですか?

佐藤氏: 変えています。まず、段ボールがダブルになっています。前はシングルカートンといって、なみなみが1重だったのですが、今回、これを機に2重にしてあります。

――それによって、頑丈になっていると。

佐藤氏: なっています。

【ダンボールはより頑丈に】
一重が二重に進化している

――当然コストも上がっている?

升氏: コストも若干ですが、上がっています。しかしそれをPCの価格に乗せるようなことはしていません(笑)。

――生産はどこでされていますか。

升氏: 日本です。

――従来通り梱包も綾瀬の工場ですか?

升氏: はい、そうです。

――出荷式で「製造コストを上げない」とおっしゃっていましたが、その部分の工夫を教えていただけますか?

升氏: 今回デザインした各梱包用資材には、ロゴやメッセージがプリントしてあります。これは当然お客様へのコミュニケーションというのが、第一義です。ただ、このプリントにより、どちらが「天」でどちらが「地」かというのが一目瞭然です。だから梱包担当者が迷うことがないです。迷うことは時間のロスですから、コストです。そういうことがない、foolproof(フールプルーフ)という考え方なんです。

 あとは細かいところですと、マウスを同梱するためのツメも左にしかありません。同梱の場合でなければ、そのまま、同梱の場合は、ツメを上げてこうすればフラットになる。

【複数サイズに対応】
梱包材の折り目は、1種類の資材で、複数サイズのPCに対応するための工夫で、フルタターはそのまま、折り曲げることでミニタワーにも対応するようになっている

――なるほど。右側には何を置くんですか?

升氏: 空です。

――では拡張の要素として、一応開けていると。

升氏: それもありますが、右側にスペースを取ったのは多くの方が右利きなので、書類を入れている箱に右手を掛けやすいようにと考えました。

――これのデザインは升さんひとりが全部されたんですか?

升氏: はい、そうです。

――ちょっと自慢したいですね。

升氏: 自慢したいですね(笑)。

――この新しい箱は、今後サードウェーブのすべてのPCに使われていくものなのですか?

升氏: 今のところGALLERIAだけですね。raytrek(レイトレック)などはまだ決まっていません。

――今回見せていただいたのはデスクトップですが、GALLERIAはノートPCも変わっているんですか?

升氏: できる範囲からチャレンジを始めているという感じです。

――では、変わっているものもあるということでしょうか。

升氏: そうです。今まで、茶箱だった手提げを、ブランドカラーに変えています。

――7月5日から出荷されているというお話しですが、評価は如何ですか?

升氏: Twitterではもう「GALLERIA来た! 箱かっこええ」というようなツイートもあります。Twitterを見る限り、箱に興味を惹かれた方もいらっしゃるので、嬉しいですよね。

 今までは、本体を撮影して「GALLERIA来た!!」とSNSに上げていらっしゃるお客様が多かったのですが、先日、届いた箱を撮影して画像を上げてくださった方がいらっしゃったんです。他にも、ふたを開けて観音開きにして、メッセージとロゴと、下に青いカバーが見えているところを上げていらっしゃる方がいて、もう嬉しいかぎりですよね。

――あえて箱を進化させるのは、今の時代、とても効果的だろうなと思いますね。

升氏: 先ほども申し上げましたが、安くない買い物であり、やはりゲーミングPCを買われる方はわくわくしていらっしゃるはずなんです。

――そうですよね。

升氏: 今か今かと、到着を待っていて、早くセッティングをして早くゲームの世界に行きたいと。このワクワク感に対して、我々はお届けしている箱から全て商品だと思っているんです。しかしここの部分に、我々は応えきれているのかという疑問がずっとあったんです、実は。

デザインがもたらすプロダクトの未来について

――きっかけについてもう少し話を進めたいのですが、昨年リリースした新型GALLERIAでデザインについて目が覚めたみたいなところが少しあるのでしょうか?

升氏: それはあると思います。見た目ががらっと変わったので。

――「GALLERIA GAMEMASTER」まではゴリゴリの黒箱ですよね。新ケースは、それを否定するわけでもなく、別のベクトルから力をあてていて、eスポーツをはじめ様々な目的に使用できるユニバーサルなかっこよさ、利便性を考えてこのデザインにしたとうかがった時に、会社の方向性が変わってきたなと私は感じました。

佐藤氏: やはり、モノを売るだけでなく体験を売るという認識の変化が大きいと思います。

――私自身が新型GALLERIAを買った時に思ったのは、カッコイイPCを使っていると日々楽しくなる、心が沸き立つなということです。そこに関して升さんの視点から、デザインによってPCライフってこう変えたいんだよね、というものが、もしあれば、是非教えていただけますか。

升氏: 今おっしゃられたとおりで、その「物」を持っていることで、エモーションの部分が沸き立つような、そういったものをどういう風にお届けできるかというのは、まず根源的なデザインの役割だと考えています。

 完成された形については、もうコモディティ化しています。ただ、こういったエッジだったりとか、パーツの素材使いだったり。“神は細部に宿る”というような部分まで来ていると思っていて、その部分をサードウェーブが、できる範囲の中でどこまで研ぎ澄ましていけるのかというところは、行き着くところまで行きたいと思っています。

――製品マーケティングの視点からもこの新しい箱について話を伺いたいのですが、佐藤さんはこのプロジェクトには、どういった部分に携わられているのでしょうか。

佐藤氏: 私は、製品マーケティングなので、製品の観点で、プロジェクトマネージャーと一緒にデザインの意義や確認をしております。

――製品マーケティングとして、新しいデザインの採用は、コスト増に繋がってしまうのでなかなか受け容れにくい側面があると思いますが、今回の取り組みをどのように評価されていますか?

佐藤氏: まずコストが上がることに関しては、逆に私は元々肯定派でした。もちろん、製品価格がそれにより上がることはない範囲ではありますが。

――元々肯定していたのはどういう理由からですか?

佐藤氏: そもそも新しいGALLERIAを導入する際に、箱のデザインは今までの箱の延長だったので、これは我々の世界観としてもちょっと違うかな……というのが製品マーケティングのプロジェクトマネージャーも、私も共通認識でした。

 そこで、何が我々の世界観を伝えるのに大事なのか。我々の世界観を伝えるには、何をすれば良いのかを考えました。

 我々の世界観というのは、PCでゲームの世界に入っていく没入感です。PCがゲームの世界に入るためのゲートだと。そのゲートとなるPCを、開ける前からそのワクワク感を抱いて頂くためには、どうしたら良いかというところから始まっています。

――すこし意地悪な質問になるかもしれませんが、それであれば去年の新型GALLERIAが出たタイミングと合わせて、箱のデザインが刷新できなかったのは何故でしょうか?

佐藤氏: 良い質問ですね(笑)それは、マンパワーがどうしても足らなかったからです。

――問題意識としては持っていたけれどもさすがに無理だったと。

佐藤氏: 実は私は昔、VAIOに携わっていて、デザインや世界観を大切にしてきました。2020年2月にサードウェーブに入社して、GALLERIAの新ケースプロジェクトはすでに始まっておりました。携わるうちに私は「箱のデザインも変えるべき」だと思いました。ただ、それでは間に合わないので、関係者と協議し、先に新型ケースを出してその後で落ち着いてやろうということになりました。そして升にデザインを依頼したのです。

 機能面も重要ですので、落下試験による品質の担保などダンボールメーカーの選定や調整を丁寧に進めていたのでどうしても時間がかかってしまいました。

――なるほど。このプロジェクトは、デザイン主導というわけではなく、プロダクトマーケティングサイドも必要だと判断していて、双方の思いが合致してできたということですね。

佐藤氏: そうですね。

升氏: GALLERIAのブランドチームが一体となって、開封体験というものがどうあるべきかとか、ブランドとしてどういうレベル感でなくてはならないのかというのが、みんな同じベクトルを向けたということですね。

――そういう意味では今月7月をもって、ようやく新型GALLERIAが完成したという言い方もできますね。

升氏: そうですね。見方によってはそうかもしれないですね。

佐藤氏: 1年かかりましたね、そういう意味では。これでようやく本当のGALLERIAです。

――箱を変えるというのは、簡単なようで大変なことだと思うのですが、次のステップとして、どういったことを手掛けていきたいと思っていらっしゃいますか。

佐藤氏: この経験を、他のブランドにも横展開したいですね。升には次のブランドで、今回と同じように共通の観点で、監修して貰おうと思っています。コンセプチュアルなところを、どうアレンジしたら良いかとか、我々の世界観をどうあるべきかというところを監修してもらいながら。世界観をうまく表現していこうというふうに考えております。

升氏: 同じスキルを持っている仲間を入れて、手の数を増やして、私が、全部ディレクションができるようにしたいです。組織の中でデザインの役割というのを広げていきたいですね。

――ゲームファンとしては、純粋にカッコ良くスマートなPCが欲しいという方が多いと思うのですが、そちら方面の期待もしても良いですか?

佐藤氏: そうですね。是非、期待していただきたいと思いますね。まだ具体的には何もいえないのですが(笑)。

 お客様が最初に、その製品で何を期待されるかというところの答えを出して、それを形にするのもデザインの重要な役割ですので、そこは重視しないといけないと思っています。

 その形を見ただけで、欲しいと思っていただけるか、こんなことができるんだと思っていただけるか。あるいは世界観、箱を開けた時にワクワク感を膨らませるものになっているのかといった、そういったところを重視した製品作りを今後も続けていきたいなと思っております。

――次に、サードウェーブのプロダクトでデザインを意識できる機会は、だいたい、いつぐらいになりそうですか?

佐藤氏: 新型GALLERIAは、1年をかけて箱を作ってきました。次はいつになるでしょうね。時期についてはちょっと言えません(笑)。

――今日は貴重なインタビューをさせていただいてありがとうございます。今後サードウェーブさんから、デザインを大事にしたプロダクトが、確実に出てくるという期待感が持てました。最後に、ゲームファンに向けて、デザインを軸に是非ひと言ずつメッセージをお願いします。

升氏: デザインはともすると、ひとりよがりなジャンルではあると思うのですが、ゲームを愛され、楽しんでいる方の言語や雰囲気ってあると思います。そういった方々のお声もちゃんと聞いて、しっかりと届ける先のお客様の方を向いて、その方々に受け入れられるデザインを心がけていきたいなと思っています。

佐藤氏: 私の方では、企画・購買・開発のところを担当していますので、お客様の生活で、どのような使い方をされているのか、どのように変化をしていくのかという観点から、ゲーミングPCは、次はどういうものが求められているのかを考えて、ご満足いただけるスペック、そして良い品質のものを組み立てて、お客様の期待に添えるものを作っていくという一連の流れをやっていきたい。その中で1つ、お客様に我々の思いをお伝えできるのは、CMも大事ですが、最終的にはプロダクト、いでたちがどうであるのかといったところだと思っています。今後もチームをまとめあげて、次の世界を作っていきたいなと考えています。

――ありがとうございました。