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24人同時対戦徹底解剖!
新要素「乱戦」は大盛り上がり!!

「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」

  • ジャンル:MMOアクション
  • 開発元:コーエー
  • 発売元:CJインターネットジャパン
  • プラットフォーム:Windows 2000/XP/Vista
  • 価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
  • 発売日:3月17日(正式サービス中)

 コーエーとCJインターネットジャパンが展開するMMOアクション「真・三國無双 Online」の拡張パック「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」が3月17日にリリースされた。

 本拡張パックは「真・三國無双 Online」をプレイしているユーザーに無償で提供されるもので、従来「Revolution」として提供されている大型アップデートのさらなる大型版という位置づけだ。

 これまでは、4対4で楽しめる「無双」アクションをウリにしていたが「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」の登場で、12対12の最大24人による同時対戦が可能となるなど、ゲームとしての奥行きが大きく広がった印象だ。本稿では、筆者が新規キャラクターでのプレイ経験を通じて新たな「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」の世界を紹介したい。



■ 大混戦!24人同時プレイの「乱戦」は予約一杯の大繁盛!

12対12で争われる「乱戦」。仲間が多いため従来より作戦やチームワークが重視される

 「神将乱舞」最大の目玉となっているのは、アップデートから三週連続で週末の金・土・日曜に行なわれた「乱戦」だ。「乱戦」は勢力図の変わる「争奪」がない週に行なわれるイベント的な新要素で、拠点の奪取と兵糧庫の破壊を巡って二手に分かれた24人のプレーヤーにより争われる。

 勝利条件は敵陣営の兵糧を0にすることだ。マップに点在する拠点を多数保持していると敵陣の兵糧を減らすことができ、敵本陣に4つ置かれている「火薬箱」を破壊することで敵陣営の兵糧を直接削ることができる。現在実装されている「乱戦」用マップは1種類のみで、両陣営の石塁を挟んで南北端に各兵糧庫が設けられたシンプルな正方形のマップデザインとなっている。

 「乱戦」には、「乱戦」開催期間中にNPC「参軍」に話しかけることで出陣可能だ。ただし、プレーヤー側では自由にルームを作成できず、開始時刻はシステム側で厳格に定められており、任意の時間に参戦予約を入れることで戦いに参加できる。予約はその戦闘が始まる2時間前から可能だが、プレーヤーが24の枠を巡って我先に予約を入れようとするためなかなか予約することができない。

 どうしても競り負けてしまうおっとりさんへのアドバイスとしては、予約していても参加しないプレーヤーが現われるのを待つという、いわゆるキャンセル待ちが有効だ。当初は予約がなかなか取れずにあきらめていたが、これを知ってからは開始時刻まで粘る戦法で結構な割合で出撃できた。

 参加した「乱戦」の開始5分前になると自動的にブリーフィングに移行し、12人のプレーヤー全員でそれぞれの立ち回りをあれこれと話しながら、作戦を組み立てていく。本モードでは敵PCの撃破は勝利条件に直接関係がないため、拠点をローテーションするプレーヤーと、敵陣の兵糧庫を狙うプレーヤー、自陣の兵糧庫を守るプレーヤーの3通りの立ち回りにわかれるケースが多かった。

 「乱戦」のセオリーはこれから色々とプレーヤーで議論されていくと思うが、筆者が参戦した限りでは、各プレーヤーの配分を拠点2:敵兵糧庫8:味方兵糧庫2くらいに振り分けられていた戦いが比較的勝利しやすかったと思う。いずれにしても決められた役割をしっかりとこなすことが重要だ。

 また、対戦が始まる前には、個々のプレーヤーのーメニューで「攻撃」、「守備」、「破壊」、「移動」、「全体」の「方針」を決めるという新しい仕様が盛り込まれている。「方針」は各プレーヤーの役回りに応じて、能力をその場限りで特化させられるというもので、「乱戦」が進行中でもマップ中に点在する「石柱」を叩くことで随時変更することが可能だ。

 筆者は当初、堅牢な「火薬箱」を攻める際には「破壊」、兵糧庫を守る際には「守備」といった考え方でいた。しかし実際にプレイしてみると「火薬箱」を襲う際は破壊強化を施した武器で方針「移動」をつけ、敵をかわしつつ2人程でかく乱させながら行なうといった方法が有効だったケースもあるなど、自分自身で使い比べながら調整していきたいところだ。

 筆者が参加した「乱戦」では1人で参加していたプレーヤーたちが多く、大枠の戦略面の意識統一までしかできなかった。しかし、パーティー単位で参加する場合は戦略面だけでなく、武器と方針との組み合わせや局面に応じた展開など戦術面でも細かく研究しがいがあるだろう。是非仲間たちと参加して楽しんでもらいたい。

 「乱戦」の進行ではお互いの「火薬箱」を狙ったプレーヤーの動きが良いと、両陣営とも「火薬箱」を壊されてしまうケースもあったが、いきなり「火薬箱」がすべて壊されても兵糧の全数がなくなってしまうわけではないため、戦略的な重要性では拠点をいかに支配しているかがより重要だ。「乱戦」は通り一辺倒ではなかなか勝敗が決まらない本作を通じた戦闘システムの集大成的な要素であり、バランス面・クオリティ共に非常に優れたシステムだ。

 多人数対戦で気になるラグだが、同じ画面の中に入るプレーヤーが多くなってくると多少気になってくる。本作の場合、プレイ中の遅延をなくすために、画面中にPCが多くなってくると遠いものからNPCやPCの状態の描写を消しているようで、6、7人が近くで戦っていると違和感のある画面になってくる。

 もっとも、いかに24人対戦といえども、10人以上が同じ画面内で戦うという状況は現実的でないので、ラグによるストレスは「激突」のそれとほとんど差が無いものだった。また、「乱戦」では持っている武器がすべて強化された状態で始まるため、戦いのスタート当初から一騎当千の爽快感を味わえるという点でもとても面白いコンテンツといえるだろう。


全員の顔写真が登場する読み込み画面を経て、横一線に味方プレーヤーたちと駆け出していく。心がたぎってくる瞬間だ
立ち回りに応じて「方針」を決める。「乱戦」のインターフェイスでは、画面上に兵糧のゲージと「火薬箱」の状態、各方針を選択している味方プレーヤーの割合が示されている
兵糧庫付近では「火薬箱」を狙ったアツイ戦いが繰り広げられる。2、3人でセットになって一気に攻めかかりたい
「乱戦」には「伯長」以上の身分で参加することができる。各先頭には身分や武名などで出撃条件が細かく設定されている。新参格の戦いでは使用する武器に縛りが設けられているものもあり、将軍などの称号持つハイエンドユーザーとも一緒に戦うことができる


■ 錬成システムで強力なアイテムを作ろう!新副将は動物!

市場には軍資金を支払って使用可能な「共用錬成機」と「共用錬成鼎」と機能を解説してくれるNPCが置かれるようになった

 「神将乱舞」では生産システム「錬成」も実装された。「錬成鼎」と「錬成機」の2つの家具とレシピを用意することで消費アイテムや服飾アイテムを作成することができるようになった。すべての錬成に触媒となる「錬丹」が必要だ。

 いずれの家具も、軍資金で購入できるノーマル品と、無双コインで購入できるノーマル品より若干錬成時の成功率の高いハイクオリティ品の2種類が用意されている。これらとは別に手軽に錬成が体験できるように、共用のものが市場に置かれている。今回はこれを使って錬成を試してみた。「錬成鼎」を使った消費アイテム作りは2つの消費アイテムを合成して、2つのアイテムの特性を持つ1つのアイテムを作成することができるようになっている。

 攻撃力をアップする「白虎牙」と防御力を高める「玄武甲」を合成させ、それぞれの効果を合わせ持つ「両神牙甲」に作り変えられるなど、これまで1つだけしか選択することができずあれこれと迷っていたアイテム選びもこれで一安心と言った感じだ。

 気になる成功率だが、作成するアイテムと家具の組み合わせにより基本成功値が決められており、合成ボタンを押す前に画面に表示される。共有家具を用いて「両神牙甲」を合成した場合で15%だ。筆者の場合14、5回ほど試してようやく1個できた。錬成を重ねていくと錬成スキルが徐々にアップしていき、スキルが上がるたびに1%ずつ成功率が上がるようになっていく。触媒となる「錬丹」はクエストの報酬や戦闘中に拾うか骨董商から課金アイテムとして手に入れるなどの方法があるが、合成をコンスタントに成功するための道のりはなかなかハードだ。

 「錬成機」を使った服飾アイテム作りには、アイテムの色を変える「染色」と服を製作する「仕立て」がある。「染色」には服飾と染料と錬丹が必要で、「仕立て」にはベースとなる服飾と材料アイテムと錬丹が必要だ。筆者は素材が集めきれず具体的に試すことができなかったが、錬成でしか製作できないアイテムも存在するようだ。

 また、「神将乱舞」から盛り込まれたアップデートでは初の動物の副将として「狼」が登場した。他の副将達と同じく戦場で主を求めて登場するケースもあるが、現在は中央広場にいるNPC「犀犬」から受けられる期間限定のクエストをクリアすることでも副将として迎えることができる。戦闘では「ガルルッ」と敵に噛み付き、時折プレーヤーに話しかけてくるのがかわいらしい。

 さらに、副将の親密度が上がると、プレーヤーの「護衛」として街に連れ出すことができるようになった。副将を戦場に連れて行くことで親密度が上昇していき、その度合いに応じて戦闘終了時にアイテムを献上してきたり食事ができるようになったりする。これまで副将は戦闘に参加する以外にはただ家に控えているだけだったため、街の様子が非常ににぎやかになり、コミュニケーションのネタにもしやすいため、歓迎すべきアップデートだと思う。同時に、副将のレベルキャップが20から40に上昇し使用するスキルも増えた。頼もしい仲間として是非とも育てていきたいところだ。


消費アイテムで作成されるアイテムは、まったく新しい機能を持つアイテムというよりは、2つのアイテムの効果を1つにまとめた効果を持っている
合成はなかなか成功させることが難しい。製作されたもので特に効果の高いアイテムは高値で取引されている
副将の狼は戦場以外にも中央広場にいるNPCからもらえるクエストでも仲間にすることができる
副将の親密度を上げて街に連れ出そう!青字のキャラクタが副将だ。街の雰囲気が非常ににぎやかになった


■ 4月10、11、12日はシナリオ「赤壁大戦」初の争奪が勃発! 孫権軍が連日の勝利!

1日1回スタンプを集めていく「無双盤」。夏休みの朝のラジオ体操の要領で毎日指定された無双武将に会いに行く。溜まったスタンプで様々なアイテムに交換可能だ

 「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」の新シナリオのテーマは「赤壁」だ。魏・呉・蜀の三つ巴の戦いが繰り広げられている。これまでのシナリオでは大きな版図を描いた勢力が次々に弱小勢力を飲み込んでいく形でシナリオが進行していた。

 今回の「赤壁大戦」では初期から勢力図が曹操:孫権:劉備が7:2:1くらいの割合になっており、これまで開催されてきたシナリオのように最大勢力の曹操が押し切るのか、弱小勢力の孫権と劉備が巻き返すのか楽しみなところだ。本作では敵勢力にどれくらいプレーヤーが集まっているのかまったくわからない。「神将乱舞」では争奪システムが拡張され、勢力間の戦闘による「勢力対立度」により勢力間の組み合わせが決まり、「激突」による激突度の高さにより戦場が決定される。

 第1回目の争奪では「麦城」で孫権と劉備の戦いが、「西塞山」で孫権と曹操との戦いが繰り広げられた。孫権と劉備が手を組んで曹操と戦うという赤壁の戦いの構図ではなくなってきたが、「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」で始まる新たなIFの世界を楽しみたいところだ。

 気になる争奪の結果は、いずれも孫権軍の勝利で終わった。筆者は一匹狼にもめげずに争奪にも曹操軍として参戦して頑張ったつもりだったが、相手がパーティーを組んで参戦してきている場合には、なかなか勝利することが難しかった。ハイエンドの戦いはとにかくチームワークが命。パーティー編成の部隊と、ソロの集まりでは戦力差は明らかだ。両日とも勝利を収めた孫権軍に集っているプレーヤーは、他の曹操や劉備の勢力に比べるとギルドやパーティー単位で積極的にイベントに参戦しているプレーヤーが多いようだ。今回は遅れをとったが、次回の争奪までには足を引っ張らないように効果的な立ち回りを研究したいところだ。

 さて、本稿で「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」の世界をおさらいしてきたが、本作自身が日に日に大きく成長してきていることをひしひしと実感した。「神将乱舞」の内容や大型イベントを含めて1日2日ではとても巡りきれなかった。コンテンツが大型化していくのに伴い、ユーザーに毎日ログインしてもらうための新たな施策も盛り込まれている。1日1回指定された武将のところに行きスタンプを押してもらう「無双盤」では、スタンプを集めることで様々なアイテムと交換してもらうことができるようになった。スタンプが貯まるのを楽しみに毎日少しずつでもログインしてコンテンツを楽しみたいところだ。

 機能面での拡張は、紹介した「乱戦」や新副将の狼の他、ギルドに対する拡張も行なわれた。ギルドクラスに応じて48人までギルドの最大人数が増えた他、2つのギルドを1つに合流することができるようになった。同時に今月後半から新武器の実装予定も明らかになった。曹操の所持する「将剣」、祝融の持つ「投弧刃」、関平の持つ「斬馬刀」、が4月後半から毎月登場する。今後のアップデートを楽しみにしたいところだ。


新マップ「連峰」。険しい山脈に橋を渡したマップ。移動ルートが限られるため、仲間との連携が不可欠だ
映画「レッドクリフ part II -未来への最終決戦-」とのタイアップで諸葛亮からクエストを受ける「挑戦特務」イベントも週替わりで進行中だ
「神将乱舞」記念服飾は、女性用がパンダ、男性用はトラをモチーフにしている
本作おなじみの「激突」も、新武器の登場でさらに深みを増していくだろう
「赤壁大戦」初の争奪は孫権軍が圧勝した
「争奪」では戦局が逐一報告される。連勝を重ねているプレーヤーのほとんどがパーティーで出撃している様だ


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(2009年 4月 15日)

[Reported by 三浦尋一 ]