「ボーダーランズ3」レビュー
ボーダーランズ3
期待以上の作り込み! 遊び心が爆裂するシューターRPGが大帰還!
- ジャンル:
- シューティング
- 発売元:
- 2K
- 開発元:
- Gearbox
- プラットフォーム:
- PS4
- Xbox One
- Windows PC
- 価格:
- 7,400円(税別)
- 発売日:
- 2019年9月13日
- 価格::
- 【スタンダード・エディション】
2019年9月11日 18:47
やったね! 9月13日に「ボーダーランズ3」が発売になる! ここ日本では東京ゲームショウ 2019期間の真っ最中なので、TGSは忙しいから後でやりますという人もいれば、関係なくやるよという人もいるだろうし、TGS期間中だからこそ俄然やるという精力ムンムンの人もいると思う。
「ボーダーランズ3」の魅力は何と言っても、撃ってヨシ! 撃ってヨシ! 撃ってヨシ! の超攻撃型FPSであると同時に、全体的に頭のネジが吹き飛んでいる御仁たちと一緒に進めていく魅力的なミッションが数々用意されていること。
敵に囲まれてガーッっと戦い、テンション高すぎの会話にケラケラ笑い、銃の選別にひたすら迷い、ミッションをクリアして超スッキリ。かと思ったら虚を突かれるようにシリアスな展開が待っていたりして……。うお、いつの間にか引き込まれている! これはいいぞ!
前に出て撃つ! スピードと爽快さが増した戦闘
“超攻撃型”という根拠は、超バラエティに富んだ銃が億単位で用意されていることもあるが、立ち回りがどうしてもそうなるという点が大きい。
本作にはスナイパーライフルもたくさん出てくるし、引いた戦い方ももちろん可能だ。しかし近接攻撃専門の愛すべきサイコくんたちはどんなに遠くからでも健気に、そしてまあまあなスピードで走ってくるし、あらゆる方向からあらゆる攻撃を食らうので、スコープを覗きながら一箇所にとどまるのはあまり上手いやり方じゃない。
だったらどうするかというと、とにかく前に出て、撃ったら走る。走りながら撃つ。ジャンプしながら撃って、また避けるために走る。プレイしていると、いつの間にかこんな立ち回りになっている。
アクションにスライディングとよじ登りが加わったことも大きい。スライディングとジャンプを組み合わせると敵の弾を振り切れることが多いし、よじ登りがあることで段差へのアプローチがより容易になった。ガンガン立ち回ってガンガン撃つ。今っぽいシューターのスピード感であり、爽快さはマシマシになった。
では実際にどう立ち回るかについては、プレイするキャラクター、キャラクターの能力ビルド、そして集めた銃で千差万別になる。
たとえばアマーラを選択し、地面を6本のアストラル体の腕で叩きつけるアクション・スキル「フェーズスラム」を装備したとする。これにぶら下がったスキルツリーを伸ばした場合、常にライフが回復し続ける能力を得られる。
近接攻撃ダメージのボーナスが追加されたり、ダメージを受けることで移動速度が上がったり、前に出るリスクを帳消しにするようなスキルが揃っていて、敵の中央に突っ込んでバシーン! とスラムを決めるプレイがとてもやりやすい。中でもショットガンと近接攻撃の組み合わせで、敵の前にどんどん出てガリガリ敵の首を狩る! このプレイは筆者のお気に入りだ。
拾える銃はランダム性がかなり高いので、実際プレイする方が理解しやすいと思う。実際に見られた性能としては、リロードすると残弾数ごと敵に投げつけて爆発するもの、性能スイッチでマーキング弾を撃ち、通常弾がそこに向かってホーミングするもの、クリティカルヒットで付近の敵にもダメージが入るものなどがあった。
どれも強力で、一概にダメージ数だけでは判断しづらいものばかり。どれを使うか悩みながら、新たな銃を求めていく。そのための探索もとても楽しい。
イカれた連中のバーゲンセール! 濃いキャラ&ミッションを堪能
そして登場キャラクターたちについては、敵味方、NPC含めてほぼ全員がぶっ飛んでいるという素晴らしい布陣になっているのが良い。「血液パックはなくなるが俺のライムは魂を救う」と言うラッパーの医者、怪物の内側に潜り込んで構造を調べる(そして口から這い出てくる)研究家、敵を倒すと血管がブチ切れるんじゃないかと思うくらい興奮する僧侶などなど、枚挙にいとまがない。
筆者は本作の日本語吹き替え版に触れた際、これはすごい! と確信したが、本編をプレイして改めてそう思う。言葉選びも喋り方も、どこにも違和感を感じないほど演出がバッチリ効いている。特に悪役の双子「カリプソ・ツインズ」のタイリーンが、スーパーマシンガントークで「いいから味方になっちゃいなよー」とプレーヤーを煽りまくってくる無線は必聴。人の命を屁とも思っていない精神性は置いておいて、元気で生意気な少女はいつもかわいいものです。
まあただ、イカれた連中だけだと話がまったく進まないので真面目な人もいる。その中心が味方チーム「クリムゾン・レイダース」の指揮官、リリス。言っていることもやっていることもかなりまともで、「カリプソ・ツインズ」の脅威に対抗するために立ち上がる。これが本作のメインストーリーの軸なのだが……まあ、そこで想定外のことが起こったりするわけですよ。えっ! というような。ただのおちゃらけではなかったりするあたりも、実に「ボダラン」らしい。それと、重要な決断を迫られるシーンも……ある。
ストーリーを進めていくと様々な惑星を移動していくことになるのだが、ある惑星にはあの人、他の惑星にはあの人と、行く先々で「ボーダーランズ」シリーズの懐かしき人たちと出会える。なんなら銃メーカーの社長たちも出てきたりして、いわば「ボダラン」オールスターズのような感じにもなっている。
ほかにも、ヴォルト・ハンターに憧れる少女のエヴァは、クラップトラップに出会った時「伝説が目の前にいる……!」と感嘆しており、キャラクターたちの時代の変遷も感じさせる。つまり、「3」から始めてもなんら問題ないが、「ボダラン」シリーズのファンならより楽しめる作りなわけだ。
サイドミッションで言えばエヴァの黒歴史日記を取り返しに向かったり、コーヒー1杯のために司令官レベルが出てきてドンパチしたり、「敵のケツに弾を撃ち込め」という目標オプションがあったり(そういえばおケツ、プリプリという言葉が本作にはよく出てくる)、ミッション作りからセリフまで、全体を通して遊びに遊んでいるのがよく伝わってくる。あー楽しい。
「ボーダーランズ3」おかえり! そしてよくやった!
そんなわけで、「ボーダーランズ3」は前作「ボーダーランズ2」から7年経って、まさにあらゆる点でパワーアップしたという印象だ。 発表当時は一抹の不安もあったのだが(誰だ今「バトルボーン」って言ったやつ! やめろやめろ!)、プレイしてみるとそんな心配は吹き飛んだ。
今回オンラインプレイはできなかったものの、賑やかなゲームなだけに複数人でプレイするともっと楽しいはずだし、一度クリアしたら終わり、という作りではないようだし、キャラクタービルドを何パターンも試すような遊びも考えられる。楽しい上に、奥深さもある。7年ぶりに、こんな形で帰ってきてくれて本当によかった! こうなったらもう遊び尽くすっきゃない!
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