GAME Watch認定ゲーミングPC「G-GEAR mini GI5J-A190/T」レビュー
G-GEAR mini GI5J-A190/T
Core i5-9400FとRTX 2060、最新世代の甘美なマリアージュを「Apex Legends」で試す!
- ジャンル:
- ゲーミングPC
- 発売元:
- TSUKUMO
- 開発元:
- TSUKUMO
- プラットフォーム:
- Windows PC
- 価格:
- 134,000円(税別)
- 発売日:
- 2019年2月25日
2019年3月15日 12:27
インテルは2月1日に第9世代の新型CPU Intel Core i5-9400Fを発売した。このCPUは“内蔵GPU”が搭載されていないため、ビデオカードの使用が必須となるが、その分コストが抑えられており、そもそもビデオカードなしには成立しないゲーミングPC向けとしては、性能とコスパのバランスがいいCPUだ。
今回はそんなCore i5-9400Fを搭載したツクモのゲーミングPC「G-GEAR mini GI5J-A190/T」をGAME Watch認定プログラムとして紹介したい。本機は、mini-ITXフォームファクタ―のマザーボードを使った流行の小型筐体ゲーミングPC。机の上に置いて使用しても威圧感を感じることのないコンパクトな見た目だ。GPUをGeForce GTX 1050TiからGeForce RTX 2060に、メモリを8GBから16GBにアップグレードして価格は送料・税込で14万円台と、手に取りやすい絶妙な価格帯に収めている。
今回検証を行なうゲームタイトルは、配信から1カ月でユーザー数が5,000万人を超えたと報じられているElectronic Artsの大人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」。破竹の勢いで進撃を続ける本作で、「G-GEAR mini GI5J-A190/T」の実力を測ってみた。
「Apex Legends」はRespawn Entertainmentが「Titanfall」のスピンアウトとして開発した基本無料のバトルロイヤルゲームだ。「Titanfall」シリーズと同じValveのSource Engineの改良版が使われている。
1回のマッチングには最大60人が参加できるが、その60人がすべて3人ごとに1チームを組んで戦略的に戦うところに本作の大きな特徴がある。通常ならキルされるとそこでゲームは終わりだが、本作では棺桶に付いているバナーを仲間が回収して、マップに点在しているリスポーンビーコンまで運ぶことで復活することができる。
マップやキャラクターはアジア文化の影響が色濃い。8人のプレーヤーキャラクターも、忍者をほうふつとさせるレイスや、相撲取りのような巨躯のジブラルタル、侍の甲冑のようなスキンを持っているブラッドハウンドなど、我々日本人にとっても馴染みやすいデザインをしている。
キャラクターは防御や回復など、それぞれ固有の能力を持っている。特にアルティメットという一定時間に一度だけ使える能力には、誰でも使える瞬間転移ポータルやジップラインを出したり、防御用具を積んだ補給ポッドを呼んだりと、チームに役立つ技が揃っている。
アイテムや武器、敵の場所を味方に知らせるためのラジオチャットも豊富で、ボイスチャットがなくても一緒に戦っている感じが存分に楽しめる。
mini-ITXのコンパクトボディに充実の内容
今回テストに使用した「G-GEAR mini GI5J-A190/T」のスペックは以下の通り。
【G-GEAR mini GI5J-A190/T(カスタマイズモデル)】
CPU:Intel Core i5-9400F プロセッサー
GPU:NVIDIA GeForce RTX 2060 / 6GB
チップセット:ASRock H310CM-ITX/ac
メインメモリ:16GB (8GB x2枚) DDR4メモリ
ストレージ:500GB SATA SSD
光学ドライブ:-
電源:500W 80PLUS SILVER認証電源
OS:Windows 10 Home 64bit
価格:134,000円(税別)
□製品ページ
https://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/game/mini/2019/GI5J-A190T.html
CPUには冒頭でも説明したGPU非搭載のCore i5-9400Fが使用されている。コードネームはCoffee Lake-R。プロセスは14nm++で、6コア/6スレッド、クロックはベースが2.9GHz、ターボブースト時には4.1GHz。オーバークロックは非対応だ。性能は第8世代Core i5-8400よりも、ベースとターボブースト時のクロックがそれぞれ100MHz高いというほぼ同クラスのCPUだが、インテルの内蔵GPUである「Intel UHD Graphics 630」が搭載されていないぶん、単品での実売価格ではCore i5-8400よりも約2,000円ほど安く手に入る。
GPUはNVIDIA GeForce RTX 2060(6GB)が使用されている。RTX 2060はRTXシリーズの中では現状の最下位モデルながら、Turing GPU アーキテクチャによって前世代の1つ上のクラスGTX 1070よりも高いパフォーマンスを実現したパワフルなGPUだ。もちろんRTXシリーズの売りであるリアルタイムレイトレーシングにも対応しており、対応タイトルで楽しむことができる。
メインメモリは16GB。最近は8GBでも物足りなさを感じる局面が増えているだけに、標準で大容量のメモリが積んであるのは嬉しい。今回試した「Apex Legends」のみならず、MMORPGなどでも快適さが違ってくるはずだ。ストレージのSSDも500GBと大容量で、50GBに迫るような最近の大作ゲームでも容量にハラハラしながらインストールしなくても済む。ケースには、もう1台SATA SSDを追加できるスペースがあり、さらなる大容量化も可能だ。
ケースのサイズは流行のmini-ITX。ケースはゲーミングブランド「G-GEAR」の名前を冠したツクモオリジナルの「G-GEAR mini ITXゲーミングケース」が使用されている。このケースは高さ30cm、横18.3cm、奥行き39cmと、いわゆるミニタワーのケースよりもさらに一回り小型で、自宅のデスクはもちろんのこと、リビングにおいても圧迫感のないスッキリしたデザイン。フロント、サイド、上部、下部のすべてが通気性のいいメッシュ構造になっており、小型PCながら排熱性にも優れている。
また、ゲーミングPCとしては珍しく802.11ac WiFi (2.4G / 5G WiFi)モジュールが搭載されており、標準で無線LANやWiFi、Bluetooth v4.2への接続が可能。電波が弱い場合に備えて、付属のASRock WiFi 2.4/5 GHz アンテナ2本が付いている。
今回紹介する「Apex Legends」のようなオンラインタイトルでは、安定的なゲームプレイや、仲間や対戦相手に迷惑を掛ける可能性があるため、有線でのプレイをオススメしたいが、Webで調べ物をしたり、ゲーム実況を視聴したりなど、ゲーム以外の使用に重宝しそうな機能と言える。
期待通りの性能を発揮! 最高設定でも平均値は112fpsを維持
検証は、LGの144Hzゲーミングモニター「24GL600FB」を使用して、チュートリアルとマルチプレイで行なった。フレームレートの計測にはFrapsを使用し、チュートリアルでは平均6分のスタートから最後のミッションまでを、マルチプレイでは降下スタートから6分間のプレイを5回ずつ試行し、その平均値と最小値を出している。
また、GAME Watchが定めるPCゲームの快適さの基準である「フルHD/120fps」がどのような設定なら実現できるのかも検証した。
ドライバ、クライアントバージョン情報 | |
---|---|
Windows | Windows 10 Home(1809) |
GPU | 419.35 |
「Apex Legends」 | V3.0.0.J1624a |
「Apex Legends」にはプリセットのグラフィックス設定がなく、それぞれの要素を個別に設定する方式だ。なにも調整していない状態ではテクスチャーストリーミング割り当てが「最高(VRAM:6GB)」、ラグドールが「中」でそれ以外は「高」または最高の設定になっている。
テクスチャーストリーミング割り当てをもっとも高い「最高(VRAM:8GB)」にすると、「警告:ご利用環境の推奨量よりも、多くのメモリーを割り当てようとしています」というメッセージが表示された。高以上の推奨RAM容量は16GBとされているために表示されたようだが、設定は変えることができた。
テクスチャーストリーミングも最高設定にしたうえでのチュートリアルのベンチマークは、平均134fps/最低103fpsとどちらも良好なスコアが出た。しかしマルチプレイでは、平均112fps/最低66fpsと、平均値は112fpsを維持したものの、特に高負荷なシーンで最低fpsの低下が顕著に表れた。
「Apex Legends」は、他のバトルロイヤルゲームと同様、島になったマップに降下して、点在する建物やサプライボックスから武器や装備を集める。一定時間が過ぎるとマップ上のサークルに向かって致死のバリアが狭まっていき、次第に戦場が狭くなっていく。途中にあるジップラインを使って高速移動したり、垂直に伸びたジップラインを使って上昇した後ジェットパックを使って緩やかに降下しながら飛行したりと、立体的な移動が可能だ。また、落下ダメージがないので、断崖のような場所から飛び降りての移動もできる。そういったダイナミックな移動、そして煙やミサイルなど派手な技の応酬がfpsを下げる要因となる。
常時120fpsを出すための設定はこちら!
いくつかのパターンでフレームレートを計測した結果、安定して120fpsを維持しつつ、ある程度は画質にも気を使った設定は以下のようになった。
テクスチャストリーミング割り当ては4GB。テクスチャの鮮明さなどに影響を与えるテクスチャフィルタリングは「異方性8x」とした。建物の影の見え方などに影響するアンビエントオクルージョンは「中」、太陽からの影に影響するサンシャドウ範囲とサンシャドウディティールはどちらも「高」のままにした。
画面の見え方に影響が大きい空間光を「有効」にした代わりに、動いている光源からの影を制御するダイナミックスポットシャドウは「無効」にした。その他、モデルディテールは「高」、戦闘中にはあまり見ている暇のないエフェクトディティールは思い切って「低」にした。衝撃マークは「高」、死体アニメーション精度を決めるラグドールは「中」にした。このラグドールの項目だけはGPUではなく、CPUにかかる負荷が減少する。
以上のような設定でテストをしたチュートリアルとマルチプレイのベンチマーク結果は、チュートリアルで平均141fps/最低111fps、マルチプレイ平均124/最低94となった。ぜひ参考にしてみて欲しい。
筆者としては、画質はじっくり見なければ分からない程度の違いしか感じられない。プレイしていると、岩肌の質感や水の表現など、やはり最高設定の方が美しいと感じるシーンもあるが、勝負のために画質を捨てることが多いバトルロイヤルゲームとしては十分な美しさを維持しているといえるのではないだろうか。
遊ぶたびに違う体験を最新のCPUとGPUががっちりサポート
第9世代Core i5-9400FとRTX 2060という、現状では最新世代&コスパ最強という無敵の布陣で臨んだ今回のテストだが、最新世代のCPUとGPUがフルHD/120fpsの動作でもその実力を発揮した結果となった。内蔵GPUがないCore i5-9400Fを使うことで抑えたコストを、RTX 2060のパワーへと注ぎ込んだ、まさにチームワークの賜物だ。
「Apex Legends」には沼地や水路、湿地帯のような水のマップ、山火事の焼け跡、研究室のような場所、工場、マーケットなど非常に多彩かつ、戦場としても面白のある地形やマップが多く存在している。高低差があるために、いつどこから狙われるかわからず、逆に8倍スコープが手に入れば、こちらが遥か彼方から敵をスナイプすることもできる。
自分を助けようとしてくれた人が犠牲になってしまったり、偶然他のパーティと同じ場所に降下してしまい、武器を探す暇もなく3対3で殴り合いの戦闘になったこともあった。本当に毎回降りる度にまったく違ったシチュエーションの戦いに遭遇する。この多彩さが、全世界のユーザーを引き付ける魅力なのだろう。
最新のCPU、GPUを装備した「G-GEAR mini GI5J-A190/T」のパワーは、「Apex Legends」を遊ぶための快適なプレイ環境をしっかりと提供してくれる。
以上の内容をもって、GAME Watch編集部による「G-GEAR mini GI5J-A190/T」を「Apex Legends」動作認定としたい。
GAME Watchは「G-GEAR mini GI5J-A190/T」について以下の項目を認定します
・フルHD環境下で最高画質設定で平均110fps以上で動作する
・フルHD環境下で画質設定次第で平均120fps以上で動作する
・最高画質設定が快適に動作するにもかかわらず、GPUとメモリをアップグレードした上で、税込み14万円前後で入手可能