PCゲームレビュー「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」

シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI

より考える事が多く、操作量も増え、時間をかけたゲームプレイが必要に

ゲーム開始時のオプション設定。プレビュー版ゆえ難易度は「王子」のみだった

 前作から大きく変化した部分を中心に解説するだけで息切れを起こしそうだが、このほか本作では従来作から受け継いだ宗教や諜報、都市国家等といった要素も、それぞれ少し違ったシステムになっている。本作のプレイに慣れるまで学ぶべきことは非常に多い……。

 という感じで初回のプレイは、極小マップでスピーディにプレイするのがオススメだ。上述した都市の区域システムや、技術・社会制度ツリーの選択、政府政策の選択、偉人の選択など、本作では1ターンあたりでやることが非常に多くなっており、決着がつくまで通してプレイするために要する時間が前作以上、もしかしたらシリーズで1番時間のかかるゲームになっているためだ。なお極小マップでもほぼ1日がかりである。

 登場する文明とその指導者に、それぞれユニークな特性が備わっているのは従来作通りだ。おおむねひとりの指導者には2つの内政・外交的な特性と、1つのユニークユニット、1つの固有建造物がある。例えば日本文明の指導者「北条時宗」なら、沿岸タイルの陸上ユニット及び沿岸タイルにいる海洋ユニットが+5の戦闘力を得て、さらに兵営・聖地・劇場広場の建設が半額になるという「神風」効果と、区域の隣接ボーナスが倍増する「明治維新」という特性を持ち、ユニークユニットとして剣士の強化版である「侍」、そして固有建造物として、工業力に加えて文化力も生み出す「エレクトロニクス工場」を持つ。

 最初のプレイにオススメなのはローマ文明の「トラヤヌス」だ。全都市に自動的に「モニュメント」と「交易所」が追加され、さらに交易路がつながる都市なら自動的に首都への道路が敷かれる。ユニークユニットとして剣士の強化版である「レギオン」が使え、また水道橋を置き換える固有区域「浴場」は、住宅の供給に加えて設備も供給してくれる。内政と外征の両面で強力な文明なので実にプレイしやすい。

日本文明の指導者、北条時宗。特性もユニークユニットも強力で使いやすい文明のひとつ
ローマ文明の指導者、トラヤヌス。まさに大帝国を築くための特性を持っている

序盤はむしろ蛮族対策のほうが忙しい
国境が接しているわけでもないのに突然宣戦してくるAI指導者。どうやらスタートの立地が悪く、良い土地が欲しいらしい
ジャングル+丘陵という防御ボーナスの高い立地で防衛戦。敵ユニットは次々に砕け散る
歴戦の戦士をレギオンにアップグレード。速やかに敵首都を制圧

 対するAI操作のライバル文明は、それぞれに固有の「アジェンダ」を2つ持つ。これは従来作では指導者特有の性格(モンテスマは好戦的で、イザベラは宗教を重視する)を可視化したもと考えればいい。それぞれの指導者が持つアジェンダは最初は不明とされており、外交使節を送ったり、交易路を敷いたり、スパイを送り込むといった方法でその文明への「アクセスレベル」を上げると判明していくようになる。何度か見てみた所、各指導者のアジェンダは固定で決まっているようなので、数度プレイするうちに出会った瞬間に身構えることができるようになるだろう。

 AI指導者全体の傾向として言えるのは、入植者を作って都市を増やすスピードが非常に早いことと、戦争がヘタなことだ。やたら好戦的な態度をとってプレーヤーに対して突然宣戦してくるわりに、全軍を1度にぶつけてくるような傭兵はあまりせず、戦力の逐次投入に近いことをしてくる。「Civ」シリーズの伝統として、戦争になったらまず有利な地形で防衛戦を張り、敵の無謀な攻撃を誘って戦力を削ってから全軍で都市を落としに行くという戦術がよくプレーヤーに採られていたが、本作ではそれが輪をかけて有効だ。

 特に今回のプレイでは易しい「王子」難易度しか選ばなかったため、AIに戦争をしかけられる→防衛のつもりで逆侵攻する→AIの戦力があっという間に枯渇してすんなりと全都市を落としてしまう、という感じで割とあっさりと制覇勝利をしてしまった。きりのいいところで講和しようにもAIプレーヤーは首都の譲渡を頑なに拒むため、なんだかんだで滅ぼしてしまうまで戦う流れになるという感じである。というわけで戦争は長引きやすく、時代を経るごとにやることが増えていく。

 特に操作量が増えるのが、宗教戦争も同時に勃発した場合だ。信仰力を通貨代わりに聖地区域で生産できる「伝道師」、「使徒」、「審問官」といったユニットを使って各都市に自国の宗教を広め、信仰ボーナスによる国力の増加を測っていくわけだが、他方に宗教重視の文明がいると、布教と異端排除のはげしい攻防が勃発。気を抜くとライバルが大量の布教ユニットを送り込んできて自国の都市を改宗させてしまうので、聖地で常に宗教ユニットを作っては送り込んで対抗するという戦いが必要になるのだ。

 ルネサンス時代以降であれば「宗教戦争」を開戦理由として血を流す方の戦端を開くことができる。戦争中の当事国同士は相手国での布教ができなくなるので、信仰を守るためには大変有効な手段だ。とはいえ、軍事ユニットによる戦争と、宗教ユニットによる布教合戦を同時並行で進めていると、1ターンあたりの操作量が凄まじいことになって大変だ。

 それに加えて労働者や、考古学者といった民間人ユニットが入り乱れる状況になると、軍事・民間どちらかの同系統のユニットは同一タイルに複数存在できないというルールによって、他のユニットに移動が妨げられることが増えて、さらに操作が面倒なことになる。これに加えて都市、技術・文化ツリー、政策、スパイ等の管理を同時並行でやることになるので、要求される思考や操作の量が多すぎてやばいレベルである。

 それでもユニークユニットのラッシュで「制覇勝利」を果たしたゲームは丸1日で完了した。防衛戦争のつもりで敵都市をちぎっていたらいつのまにか全文明の首都を制圧してしまった感じだ。一方、敢えて終盤まで進めようと考えて目指した「科学勝利」は3日かかった。ゲームが進むほどできることやユニット数が増え、ターン毎の歩みは遅くなっていく。一方、インフレ気味となる科学・文化の出力のおかげで技術開発は全項目が早期に終了し、宇宙船のプロジェクトを進めてる数十ターンの間はずっと「未来技術」を繰り返し研究しているという感じだ。そこまで来ると他にやることはなくなる。都市で生産するものもなくなったので、暇な複数都市で大量破壊兵器を製造しては適当な他国にぶちこむという暇つぶしをしつつ、火星に脱出してゲーム終了(そう、アルファ・ケンタウリではなく火星なのだ)。

宗教を重んずる北部スペインと宗教の布教合戦が勃発
時代が下り、別大陸のアメリカが大量のユダヤ教宣教師を送り込んできた。防衛が忙しい
技術研究が完了し、宇宙プロジェクトを推進。国力に余裕があるので、合間に核攻撃。核融合ミサイルは半径2タイルを焦土と化す