先行体験

「HUNDRED LINE -最終防衛学園-」体験版先行プレビュー

「ダンガンロンパ」シリーズを想起させるアドベンチャー&独自のSRPG

【HUNDRED LINE -最終防衛学園-】

4月24日 発売予定

価格:
7,700円(通常版)
9,900円(デジタルデラックスエディション)

 アニプレックスは、Nintendo Switch/PC(Steam)用アドベンチャー「HUNDRED LINE -最終防衛学園-(ハンドレッドライン さいしゅうぼうえいがくえん)」を4月24日に発売する。

 本作は「ダンガンロンパ」シリーズ、「超探偵事件簿 レインコード」で知られる小高和剛氏と、「極限脱出」(いずれもスパイク・チュンソフト)シリーズの打越鋼太郎氏ら著名ゲームクリエイターがタッグを組んで制作した、完全新作のアドベンチャーだ。マップ内の探索、キャラクターとの交流を中心としたアドベンチャーゲームパートと、未知なる敵との戦いが繰り広げられるシミュレーションRPGパートの2つで構成される特徴を持っている。

 そんな本作は、2月19日からSteamにて体験版が配信される。物語冒頭のプロローグから、ゲーム内日数で数えて“7日間まで”の物語を楽しめる内容になっている。体験版のセーブデータは製品版へと引き継ぐことも可能だ。今回は、事前に体験版の提供を受けてひと足先にゲームをプレイしたので、先行プレビューをお届けしていきたい。なお、物語の重大なネタバレは避けているが、物語の導入部や本編に関係する要素には触れているので、注意してほしい。

【『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』ストーリートレーラー】

少年少女が状況を飲み込めないまま人類の存亡を賭けた動乱に巻き込まれていく

 本作は団地が立ち並ぶディストピアのような都市「東京団地」で、平凡な日常を過ごしていた少年少女たちが、突如として人類の宿敵を相手に“100日間の防衛戦”を強いられるというストーリーだ。プロローグでは平穏だった街の中に正体不明の怪物たちが出現し、住民たちが一方的に殺戮されていく様子が描かれる。

 そんな状況の中、幼馴染を救うためにどこか胡散臭いロボット・SIREIから、戦うための力を授けられた少年・澄野拓海は、超常的な力「我駆力(がくりょく)」を覚醒させてこの危機を乗り越えることに成功した。しかし、次に目が覚めるとそこは東京団地のどことも言えない、見慣れない教室の中。辺りを見回すと自分と同じように、力を行使して集められた9人の少年少女たちの姿がある。皆が状況を理解できず、混乱しているところにSIREIが再び姿を現わした。

 SIREIは、ここが東京団地の外にある「最終防衛学園」であること、そして集められたメンバーは敵の襲撃から学園を守るために、学園内で生活を共にし、戦い続けなければならないことを饒舌に伝える。荒唐無稽な内容に聞こえるが、しかしながら実際に目にする初めての外の世界。各々が複雑な胸中の中、学園内に敵の襲撃を知らせるサイレンが響き渡る……と、ここまでがゲーム冒頭の簡単な紹介になる。

 前述した世界観の様相から察せられる通り、どことなく「ダンガンロンパ」シリーズを想起させるような“学校”に関連した要素が随所で見られる。この辺り、シリーズプレーヤーには色々と感じられるものがあるかもしれない。その辺はぜひとも自分でプレイして、小ネタ探しや考察に耽ってほしいところだ。

 本体験版は、ゲームの冒頭から怒涛の展開でプレーヤーを一気に世界観へと引き込み、絶妙に先が気になる謎の展開の連続で物語への興味を掻き立ててくれる。また、コンパクトなボリューム感ではあるが、ゲームのキモとなる要素はしっかり楽しめる。

 本作のジャンルは「アドベンチャー」だが、シミュレーションRPG要素もゲームのコアな要素として内包している。かといって、アドベンチャーパートの濃さが薄まりそうな気配は到底感じられない。人類の存亡を賭けた防衛戦に少年少女たちがいかに向き合っていくのか、プレーヤーは澄野拓海の視点から、極限下における学園生活を100日間かけて体験していく。ゲームはプレーヤーの選択によって結末が分岐するマルチエンディングを採用しており、体験版でも物語に影響を及ぼすと思われる選択肢が出現していた。

澄野の選択によって物語の結末は変化する

100日間まで過ごすアドベンチャーパートと、大量の敵から学園を防衛するシミュレーションRPGパートの両輪

 物語は基本的にアドベンチャーパートが中心となって進行する。特徴的なのはゲームが1日単位で進行していく点だろう。1日の始まりは澄野が屋上にある自室で目覚めるところからだ。体験版では3日目以降から、仲間たちと毎朝現状確認をした後に自由行動へと移る。

 自由行動中は学園内の「訓練室」でサブミッションを消化して、キャラクターを育成しても良いし、散り散りに行動している仲間たちと交流しても良い。交流した仲間に応じて澄野のパラメーター「成績」が成長する。このパラメーターはさまざまな場面で求められることになるようだ。

 この自由行動は1日のうち午前と午後の2回が存在する。そのため、ストーリーの進行により戦闘がいつ発生しても良いよう、備えておくことが重要と言えるだろう。今回の体験版で交流できるキャラクターは限られているが、製品版ではストーリーの進行状況によって交流可能な仲間が増えていくと考えられる。

アドベンチャーパートでは部屋の中や学園内を探索できる
マップ画面から目的地にショートカットできるのでアクセスは簡単
気になるキャラクターと交流を深めて澄野の「成績」を上げよう

 続いてバトルシステムについても触れていく。アドベンチャーパートを進めていると、ストーリーの進行によってバトルに突入する。このバトルでは人類の敵「侵攻生」から防衛対象のバリア装置を守り切ることが目的で、学園を守るバリア装置が破壊される、または戦闘中に仲間が全滅してしまってもゲームオーバーになる。基本的にはターン制のSRPGとなっており、自分のターンにキャラクターを移動させて行動を決定。後に敵となる「侵攻生」が動いてくるため、これを決められたウェーブ数を凌ぐ。

 一般的なターン制のシミュレーションRPGがイメージされそうだが、これが実際に触れてみると細部に本作ならではの要素を感じられた。まず、キャラクターの行動は自パーティ全体で共有している行動リソース「AP」を消費する。行動キャラクターは「疲労」状態となり、移動範囲が1マスに制約されるものの、APが残っている分だけ再度行動させることが可能。これにより、1人のキャラクターのみを活躍させることもできるのが特徴だ。

 また、戦闘中に溜まる「VOLTAGE」を消費すると、その戦闘におけるユニットを強化するか、あるいは必殺技を発動するかを選択できる。必殺技は強力だが、使用すると自ターンはスタン状態で行動できなくなってしまう。このVOLTAGEもリソースをパーティ全体で共有していて、プレーヤーはAPとVOLTAGEのリソースを管理しつつ、各ユニットを采配していく必要がある。

バトルでは後方にあるバリア装置が破壊されないように立ち回っていく
各ユニットはプレーヤーが持つ「AP」の分だけ行動可能
「VOLTAGE」を消費して強力な必殺技「必殺我駆力」を発動できる

 バトル中はこちらの少数精鋭に対して、大量の敵ユニットが出現する。どのキャラクターも固有アビリティと範囲攻撃を持っているので、最下級の敵程度であれば一撃で複数体を一気に撃破できる。だが、出現する敵の総数や防衛対象の存在を考えれば、AP制約の中で、最も敵を撃破できる最高率の一手を繰り出していくことになる。無理やり行動させるとそのターンを凌げても、次ターンに囲まれてアッサリ倒されてしまう、なんてケースも起こり得る。

 このため、自由度にかまけた動き(特に単騎無双プレイ)は、足をすくわれやすいのだ。大前提としてリソースを管理し、敵の行動を予測して導き出されるリスクを加味しつつ、丁寧に戦いを展開していくことが防衛戦を有利に進めるポイントになるだろう。バトルはAPがあるものの、その制約下でいずれのユニットも自分本来の役割を越えた動きができることから、キャラクター全員に活躍できる可能性が秘められている。プレーヤーによるユニット運用の工夫が活きやすいシステムと言えそうだ。

敵は大量に出現する
敵に囲まれると結構簡単に倒されてしまう
巨大ボスとのバトルも

 体験版では7日間までの物語を楽しむことができ、プレイ時間のボリュームとしてはおよそ3時間程度になる。短いように思えてストーリー自体はかなりまとまっているから、体験としては満足できるものと言えるはず。

 特にゲームの大まかなシステムや世界観の雰囲気などを存分に味わえるので、ゲーム発売までが待ち遠しくなる。体験版の掴みはバッチリだと思えるので、ぜひとも手に取っていただきたい。

ゲームが進むと学園の外を「探索」するパートも登場
すごろくのように止まるマス目によってさまざまなイベントが発生する