【特別企画】

「HUNDRED LINE」、バトルでは“命と引換え”の必殺技「決死」が登場【TGS2024】

ストーリー&バトルパート詳細を初公開。小高和剛氏「プレイした人をぶん殴るような作品に」

【HUNDRED LINE -最終防衛学園-】

2025年4月24日 発売予定

価格:
7,700円(通常版)
9,900円(デジタルデラックスエディション)

 トゥーキョーゲームスとアニプレックスは、イベント「東京ゲームショウ2024」にて2025年4月24日に発売を予定しているNintendo Switch/PC用アドベンチャー「HUNDRED LINE -最終防衛学園-(ハンドレッドライン)」のメディアセッションを開催した。

 本作はトゥーキョーゲームスが企画し、アニプレックスが販売を手掛ける新作タイトル。今回のセッションではトゥーキョーゲームスの小高和剛氏とアニプレックスの稲生舜太郎氏が登場し、主にバトルを中心としたゲームシステムとキャラクターについて語られた。

 これまで詳細なゲームプレイについては明かされてこなかったが、ストーリーパートは3Dの背景に2Dのキャラクターたちが会話を繰り広げ、校舎内の探索では横スクロールで展開。バトルパートは見下ろし型のタワーディフェンスゲームとなっているなど多くの要素が明かされた。さらに、セッションの最後に小高氏はトーキョーゲームスが自社初のIPコンテンツとして、今までの総決算のような作品として開発していると明言した。

トーキョーゲームスの小高和剛氏
アニプレックスの稲生舜太郎氏
【『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』ティザーPV(Nintendo Switch/Steam)】

主人公ら特別防衛隊は空を知らない少年たち

 本作の主人公「澄野拓海」は平凡な家庭で育ったごく普通の高校生だ。ただし、彼が住んでいる東京団地と呼ばれる場所は大きなドームで覆われており、住人たちは何世代もそこで暮らしているため空を見たことがない。

 しかし、そんな東京団地が突如何者かに襲われる。拓海は幼馴染の「カルア」を助けるために目の前に現われた謎の生物「SIREI」の提案を飲み、短刀「我駆力刀(がくりょくとう)」を胸に突き刺す。我駆力刀を突き刺した拓海は異能の力「我駆力(がくりょく)」を手に入れ、目の前の敵をせん滅する。その後謎の光に包まれた拓海は、最終防衛学園へと強制的に転校させられるというのが冒頭の物語だ。

主人公の澄野拓海
拓海と同じ状況で連れてこられたキャラクターたち。なぜドームの中で暮らしていたのかも物語が進むにつれて明かされていくという
ストーリーパートは3D背景に2Dキャラクター

 主人公を含む強制転校させられた人は全員東京団地の中でSIREIたちにより「我駆力」を与えられていた。彼らは特別防衛隊となり100日間学園を守り抜き、人類を救うことを課せられる。彼らは体に爆弾を仕掛けられており、戦わざるを得ない状況に追い込まれていく。

 拓海とともに戦う14人の特別防衛隊のうち3人のキャラクターが紹介された。デスゲームが大好きで殺し合いがしたいメンヘラ地雷系女子「飴宮怠美(あめみやだるみ)」は遠距離攻撃が得意。

飴宮怠美(あめみやだるみ)

 女子供老人動物に優しいヤンキー「厄師寺猛丸(やくしじたけまる)」はクラスウェポンがバイクで行動範囲が広く敵に特攻を仕掛け、敵のヘイトを自分に集める。

厄師寺猛丸(やくしじたけまる)

 戦闘経験ありの攻撃力最強のドS女性の「雫原比留子(しずはらひるこ)」は大きな斧を使い一撃の攻撃力が高いといった形だ。今回紹介された3人は非常に個性豊かだが、その性格がバトルにおける性能にも表われている。また、主人公の拓海は攻撃力と攻撃範囲のバランスがよく使い勝手のいいキャラクターとなっているとのこと。

雫原比留子(しずはらひるこ)

「最終防衛学園」を守るための文字通り命を懸けたバトル

 主人公たちが強制的に転校させられる「最終防衛学園」には敵となる「侵校生」が襲い来る。この際、拓海たちは学園に迫りくる侵校生から学園を防衛する。タワーディフェンスゲームのようなバトルシステムが採用されており、侵校生から防衛タワーを守り切ることが勝利条件となる。

 バトルはターン制で、マスに区切られたフィールドを移動しながら攻防を繰り広げ防衛タワーを守る。侵校生は1つの方角から攻めてくることもあれば、360度から攻撃を仕掛けてくることもあるそうだ。

タワーディフェンスは防衛タワーを侵校生から守る
バトルはマスで区切られたフィールドを戦う

 特防隊のキャラクターと侵校生それぞれに自身が移動できる範囲が決まっているほか、マスによって色分けがされており、黄色いマスがキャラクターが攻撃できるマス、緑色が移動可能なマス、赤色が攻撃対象となっているなど、このあたりはオーソドックスなターン制のシミュレーションRPGのシステムが採用されている印象だ。

 ただ、特防隊には1ターンに行動できる回数(AP)が設けられており、それを消費するとターン終了となる。APは次のターンに持ち越すことも可能となっている。また、ネームドキャラクターと呼ばれる侵校生を倒すことでAPを増やすことも可能になっているそうだ。

キャラクターによって様々な攻撃方法がある
ネームドキャラクターを倒すとAPが1つ増える

 キャラクターごとにそれぞれ攻撃可能範囲が異なり、拓海は5マス横並びの侵校生に一斉に攻撃できるが、雫原は攻撃力が高い一撃を1マスの侵校生に攻撃することができるなど様々。敵の動きに合わせてどのキャラクターで攻撃するのかが重要になりそうだ。

攻撃範囲はキャラクターによって異なる。また、疲労という要素があり、これが溜まると移動範囲が狭まるといったデメリットが発生

 また侵校生にを倒していくと、ボルテージというゲージが貯まっていく。このボルテージは特防隊の必殺技「必殺我駆力(ひっさつがくりょく)」に使ったり、そのバトル限定のバフをかけることも可能となっている。

 バトルの最終フェーズではボスが登場する。このボスはなぜか人型で謎の言語を話す。また我駆力のような能力も使い、変身して戦うようで、もしかするとストーリーに大きく関わってくるのかもしれない。

ボス戦は侵校生も大量に押し寄せる

 やや変わったシステムとして、本作では命を投げ出しながら戦うようにできている。具体的にはバトル中に瀕死になると「決死」という攻撃が可能になる。決死を使うとそのキャラクターは死んでしまう代わりに多大なダメージを侵校生やボスに与えることができるのだ。

 操作キャラクターが減るためデメリットが大きいようにも感じるが、特防隊が死ぬとボルテージが上がるなどプレーヤーにとって得になることがあり、無駄にHPを削られて死んでしまうぐらいなら、一撃を与えて侵校生を倒して死ぬ方がより良いという。なお、死んでしまったキャラクターは生き返らせる方法もある。パーマデスにはならないため、バトルの攻略においては率先して活用できそうな印象を受けた。

 バトルパートは様々な要素が盛り込まれているものの、爽快感を重視しており、一撃で複数の敵を薙ぎ払うような仕組みが採用されているそうだ。

 本作ではバトルに負けてゲームオーバーになると、ほぼ無敵状態で再チャレンジすることができるようになっており、バトルが苦手な人でも進めることができるようになっているとのこと。あまりこのようなジャンルを遊ばない人にとっても救済措置が用意されているのは嬉しい点だ。

さらにプレーヤーのスタイルにあわせた遊び方を選べる

 本作はストーリー重視したいというプレーヤーにも楽しんでもらえるよう、キャラクターたちを成長させなくてもクリアできるようになっている。一方、長く楽しめるようにやりこみ要素としてキャラクター同士の親密度を上げる、防衛訓練をして戦闘能力を上げるなどの成長要素。さらには、バトル後に入手できるポイントでギャラリーの開放や成長要素を手に入れられるなど、様々な要素が用意されている。プレーヤーの様々な遊び方に対応した作りとなる。

 また 本作ではマルチエンディングが採用されており、プレーヤーの選択によって様々なエンディングを迎える。それだけではなく、プレーヤーの選択はキャラクターたちの生死にも影響を及ぼす。小高氏は「ダンガンロンパ」シリーズの際にあった「通るルートによって死ぬキャラクターが違ったらいい」といった意見や、「死ぬ順番が変わったらいい」といった意見から、今までのストーリー構成ではできなかった部分に挑戦しているそうだ。

 ストーリー上ではトラブルやドラマチックな出来事が発生し、ミステリーやサスペンス要素もあり、止め時が分からないような構成に仕上げているという。加えて、アニメーションにも力を入れており、クオリティアップのためにブラッシュアップを重ねているようだ。

 セッションの最後には2人の意気込みが語られた。小高氏は「僕らも初めての自社IP作ということで本当に気合いを入れて作りました。気合が入りすぎて結構大変なゲームになっています。プレイしてみると本当によくそんなものを作ったなというような部分が出てくると思います」とコメント。加えて「また、昨今のゲームでコンプライアンス的に厳しいところがありますが、ゲームの攻めた表現などたくさん刺激的な部分があります。本当に刺激的な体験になるのではないかなとは思ってます。自分的には手応えのある出来になっていて、非常に満足しています。ですので、プレイしてくれた人たちを本当にぶん殴るような、そういう気合が入った作品になってると思います」と宣言した。

 また、稲生氏はこれまで「ダンガンロンパ」シリーズをパブリッシュしていたスパイク・チュンソフトではなく、アニプレックスからリリースすることに対して、「どうしてそうなったんだろうかとか、大丈夫なんだろうかみたいな気持ちも当然あるとは思います。ですが、今小高さんおっしゃったような、気合いが入っているとか、集大成で全てをかけてといったことは間近で感じていました。ここまで絞り上げるようにして作っていってるっていうのは、本当に私も身をもって実感している部分です。この点はプレイしていただけると、本当に伝わっていくだろうなと思ってます」と言及。

 続けて「我々としてはそのクリエイティブをいかにそのまま純度の高い状態でゲームに入れていけるかという部分で、コンプライアンスに関して言えば、会社からは『大丈夫なの?』という言葉にも、これで行かせてほしいと言ったことも含めて、とにかく尖っている物を届けたいです。要はアニプレックスになって悪くなったねと、そうは思われるようなことがないように、エッジの効いたすごい素晴らしい作品になってきてると思います。そこは本当に皆さん期待を持っていただければと思います。まだリリースまで少し時間がありますので、最後までぎりぎりまで開発チーム一丸となってブラッシュアップしている最中ではございますので、引き続き皆さんにもお待ちしていただければなと思っております」と語りセッションは閉められた。

 「ダンガンロンパ」を手掛けてきたクリエイター陣が初めてアニプレックスとタッグを組むだけでなく、ジャンルとしてもタワーディフェンスという新たな領域で挑戦をする本作。尖った要素なども明らかになり、他の同ジャンルの作品とは一味違った仕上がりになりそうな印象を受けるセッションとなった。

【『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』“極限”ד絶望”PV(Nintendo Switch/Steam)】