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「LEGO ホライゾン アドベンチャー」ファーストインプレッション。ユーモアたっぷりな“優しい「ホライゾン」”の世界が広がるアクションアドベンチャー!
2024年10月21日 22:00
- 【LEGO ホライゾン アドベンチャー】
- 11月14日 発売予定
- ※PC版 11月15日発売予定
- 価格:
- スタンダードエディション 7,980円
- デジタルデラックスエディション 8,980円
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、プレイステーション 5/Nintendo Switch/PC用アクションアドベンチャーゲーム「LEGO ホライゾン アドベンチャー」を11月14日に発売する。
同作は、Guerrilla Gamesが手掛ける人気アクション「Horizon」シリーズの世界観を、ブロック玩具ブランド「LEGO」の世界で再現したタイトル。世界を代表するブロック玩具のイメージが根強いLEGOだが、CGによるアニメ作品や「ジュラシック・ワールド」、「スター・ウォーズ」といった、映画作品をベースとしたゲームもこれまでに発売されている。“レゴブロック”によって再現された原作IPの世界観は、ユーモアなストーリー展開にパロディされ、幅広い層のユーザーが楽しめる内容にアレンジされているのが、大きな魅力だ。
今回は、発売を控えた「LEGO ホライゾン アドベンチャー」を、ひと足先に実機プレイする機会に恵まれたので、その所感をファーストインプレッションとしてお届けしていきたい。
とにかく明るくコミカルに! 原作の物語を踏襲した、パロ満載の「ホライゾン」
まず、簡単に原作「Horizon」シリーズの物語概要から紹介しておきたい。人類が衰退した遥か未来、自立型の機械が跋扈する世界では、現代文明が滅び大自然に覆われていた。主人公・アーロイはそんな世界の中で育ち、同じ部族の仲間から出自のことで「異端者」として忌み嫌われれている。それでも育ての親である狩人・ロストのもとで逞しく育ち、やがて過酷な世界で生き抜く術を身に付けていく。
やがて成長したアーロイは部族の試練に挑み合格するが、謎のカルト集団に襲撃され、ロストを失ってしまう。その後、部族の長老から自身の出生にまつわる話を聞いたアーロイは、出生のさらなる秘密を解き明かすために旅へ出ることになる……というのがゲーム冒頭部分。この端折り気味な紹介からでもわかるように、文明が大きく衰退した過酷な世界にて、出会いと別れを繰り返しながら、アーロイは自身の秘密に迫るという、シリアスでドラマティックなストーリー展開となっている。
が、今作は「LEGO ホライゾン アドベンチャー」。序文でも触れているように、“ユーモアなストーリー展開にパロディ”されているのが最大の特徴だ。ゲーム開始の導入部分から、ナレーションのハイテンポかつ軽快な語りによって世界観が非常にざっくりと紹介され、過酷な世界観はかなりマイルドなものに。
また、世界観はもちろん、キャラクターたちもレゴブロックのビジュアルなので、コミカルな語りが絶妙にマッチしており、作品自体の空気感もかなり明るい。なによりキャスト陣は、原作版とほぼ同様の声優陣になっているというからそこも面白いポイントだ。とはいえ今回プレイした範囲では、パロディが効いていてもゲーム内のストーリーを一応原作「Horizon Zero Dawn」の流れそのままで汲んでいる様子である。
今作ではなんだか憎めないカルト集団たちや、物語上で退場してもメタな次元から元気な姿を見せるキャラ、レゴブロックで組み上げられた機械の恐竜たちがちょっと愛らしく見えてくるところなど、原作を遊んでいるプレイヤーほど、“LEGO時空”ならではの大胆かつユニークな解釈に、思わずニヤついてしまうはず。
原作の対象年齢区分がCERO「D」の17歳以上対象であるのに対し、今作では「B」で12歳以上対象だ。原作と比較しても、対象年齢区分が大幅に引き下げられているので、子どもがゲームをプレイしても安心できそうではある。「LEGO ホライゾン アドベンチャー」で初めて「Horizon」シリーズに触れて、その後原作をプレイするというのも遊び方としてはアリで、その逆も然り。LEGO作品らしい小粋なジョークがおそらく全編にわたって展開されることを考えると、原作が持つメインストーリーのドラマ性とは異なる楽しみ方ができて、これまでにない「Horizon」シリーズの魅力を見つけられそうだ。
手軽かつカジュアルなアクション操作がプレイハードルを大きく下げる
ゲームはステージクリア形式で、カメラ視点を上から見下ろすタイプのアクションだ。原作のように広大なオープンワールドマップを探索することはなく、各種ステージの最奥で捕まっている部族の解放や、待ち受けるボス敵の撃破を目指すというシンプルな流れ。オープンワールドのゲームではないので、マップ内で迷ったりすることはなく、メインストーリーの攻略に集中して臨むことができる。
ステージは1本の道筋に沿ってただ奥へと進行していくだけで良いが、その道中には寄り道ポイントも用意され、宝箱やゲーム内通貨を拾うことができた。ジャンプ、崖上りといった簡単なアクションを駆使してそうした箇所に到達するほか、ときには植物が生い茂った通路を燃やすことで、隠されたポイントを見つけ出せることも。プレイ中、寄り道ができる箇所を見つけると、試遊にも関わらず何かあるのではないかと勘ぐって探し回ってしまう。
バトルでは「フォーカス」によって機械の弱点をマーキングし、その弱点部位を狙うことで大ダメージが狙える仕組みだ。要素自体は簡略化されているものの、原作をプレイしていると、大まかなイメージはしやすいかもしれない。また、マップ内には爆発物となるオブジェクトや、身を隠せる草むらが設置されている箇所もある。もし、ゲームを高難易度で始めた場合、こうした要素をしっかり駆使しなければ、かなりキツい戦いが続きそうなステージも見られた。
幅広い年齢層のプレイヤーが楽しめることを意識しているのか、アクション部分の操作そのものは比較的取っ付きやすい印象を受ける。たとえば、攻撃ボタンをホールドして、アナログスティックによる攻撃方向の調整で、任意の箇所を攻撃するのが基本アクション。それ以外には、道中で獲得した使用回数付きの装備アイテムによる攻撃と、オブジェクトや人型の敵を「持ち上げ」て投げつける投擲が主な攻撃アクションとなっている。いずれもワンボタンで繰り出せる簡単な操作方法だ。なお、人型の敵は持ち上げて崖から投げ飛ばしてしまうこともできた。
ゲーム冒頭のプロローグを終えると、マルチプレイでストーリーを進めることが可能になる。オンラインプレイはもちろんのこと、コントローラーを2つ用意すれば、同じモニター内でのオフライン協力プレイもできるのが今作だ。今作はプレイアブルキャラクターが複数体用意されており、ストーリーの進行に合わせてキャラクターが開放されていく。そしてそれらのキャラクターごとに使用する武器も異なっているようだ。
今回の試遊ではオフライン協力プレイを他メディアと行なったが、2P役を任せていただけた。最初は武器も性能もアーロイとほぼ一緒なロストを操作。ロストは使えるパワーアップアイテムもアーロイと同じで、比較的扱いやすいキャラクター性能だ。
そして次にヴァールをプレイ。ヴァールはドリルのように回転するスピアを投げつけるキャラクターになっており、敵にスピアが着弾すると、持続ダメージを発生させる。専用パワーアップアイテム「ブーメランスピア」が特に強力で、投げつけると敵を貫通して宙を停滞している間、スピアの回転による連続ダメージを発生させつつ、一定時間後に戻ってくる。投げた直後は武器が手元からなくなるので行動は限られるが、連続ダメージが中々に侮れない。
専用パワーアップアイテム以外にも、追加で装備できる装備アイテムが登場している。こちらも同様に使用回数の限りはあるが、2段ジャンプができるようになったり、なぜか爆弾を投下しまくるホットドッグがバトルをサポートしてくれたりと、使用キャラクターを問わずにアイテムのバリエーションがかなり豊かで、戦略の幅を広げてくれる。
特にホットドックは、「Horizon」シリーズの世界観から離れた異質な存在感を放つが、今作はLEGO作品のゲームシリーズなので、ジョークが効いてて不思議と違和感を感じない。むしろ敵が多い場面では、攻撃範囲の面で意外な活躍を見せてくれたため、今回の試遊においてはそれなりに気に入っていた。あとホットドックは好物だ。
試遊では、最後に捕まってしまった長老・ティルサを救出するため、カルトの拠点に殴り込みをかけていくボス戦のあるステージを協力プレイ。今作は、アクションゲームながらにシンプルかつ直感的な操作性が手に馴染みやすい。試遊開始から15分も経たないうちに基本操作は全て覚えられ、フィールドのアイテムや地形を使った戦い方など、ひと工夫ある戦術も自分なりに見つけ出せていた。初回に選択した難易度設定も大きく関係すると思われるが、ボス戦までの道中は比較的サクサクとゲームが進行し、ピンチになることもほとんどなかった。とうとうボス敵もアッサリと倒してしまい、およそ1時間半にわたる試遊プレイは幕を閉じていった。
ちなみに協力プレイでは片方のプレイヤーが倒れると、もう片方のプレイヤーが蘇生しに行く必要がある。蘇生されたばかりのプレイヤーは体力が残り僅かなので、早々に回復ポイントを探し出す必要があるわけだが、出現する敵の多いステージでは被弾しやすくなるため、またすぐに倒れてしまうという可能性も高い。文字通りしっかり“協力”し合って臨まなければ、苦労する場面も出てきそうだ。オフライン協力プレイでは、その辺直接コミュニケーションを取りながらワイワイ楽しめるので、オンラインプレイとはまた違った面白さが楽しめることだろう。
今回の試遊ではあくまでステージ攻略の過程を中心に体験してきたが、いわゆる“レゴブロックらしい遊び”も登場している。ゲーム内で通貨を集めて開放した施設を組み合わせ、拠点を自分好みにカスタマイズできるのだ。ジオラマチックで遊び心のある要素だが、原作「Horizon」シリーズとは全く異なる切り口の遊び方になりそうだ。また、キャラクターの着せ替えも自由度が高い。つけ髭をしたアーロイやホットドックの着ぐるみを着たヴァールなど、ユーモア全開なLEGO作品らしい装いで冒険できる。
昨今では、めっきりとその母数が減ってしまったように感じるオフライン協力プレイ。本試遊は他メディアとの協力プレイだったが、お互いが「初めまして」という状況の中でも、「LEGO ホライゾン アドベンチャー」が繰り出すジョークの数々と、ちょっぴりカオスなゲーム体験が、初対面における緊張感さえ大きく緩和し、和やかなムードが終始続いた。無論、「Horizon」シリーズのパロディをたっぷりと詰めた、“優しい「Horizon」”として遊んでも良いのだが、家族や友人、まだ少し距離感のある知人とのコミュニケーションツールとしても優秀かもしれない。
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