インタビュー

「LEGO Horizon Adventures」はGuerrilla本気のスピンオフ!

Switch進出で“親子で遊べる「Horizon」”を目指す

【LEGO Horizon Adventures】

2024年末 発売予定

価格:未定

 発表イベント「Summer Game Fest 2024」にて、突如として発表された「LEGO Horizon Adventures」。簡潔に言えば、アクションアドベンチャー「Horizon Zero Dawn」をベースに、レゴ世界のゲームとして再構築したタイトルとなっている。

 レゴと「Horizon」シリーズといえば、これまでにレゴの商品として機械獣「トールネック」を組み立てられるセットが発売されている。これに引き続き、今回はそのデジタルゲーム版が登場することとなる。

 今作で注目しておきたいのは、「Horizon」シリーズというプレイステーションのフラインチャズでありながら、PS5とPCのほか、Nintendo Switchでも発売されること。もうひとつは、本家開発元のGuerrillaがしっかり開発に携わっているということだ。Guerrillaの戦略として、どういった狙いがあるのか。GuerrillaナラティブディレクターのJames Windeler氏に話を聞いてきた。

【LEGO Horizon Adventures - Announce Trailer | PS5 Games】
GuerrillaナラティブディレクターのJames Windeler氏

 まず「LEGO Horizon Adventures」はどういった内容なのか。本作は斜め見下ろし視点で進行するアクションRPGとなっていて、プレーヤーはアーロイとなってレゴ的にアレンジされた「Horizon Zero Dawn」のストーリーを体験していく。

 オリジナル作品と違う部分はいろいろあるが、大きいのはこのアクション部分。アーロイの基本攻撃は矢を放つのみとシンプルで、ゲームが進むと、置いてある火薬樽を拾って投げるなどバリエーションは増えていくが、そこまで複雑にはならない。

 また画面分割はせず、1つの画面で最大2人まで協力プレイが可能。Windeler氏によれば、本作の目指すところは「すべての人に向けたゲーム」であり、具体的なイメージを挙げるなら、親子でソファに座ってプレイできるようなゲームにしたかったからだという。

協力2人プレイに対応。ソファで楽しめる「Horizon」が目指されている

 Guerrillaの過去作は、特に子どもたちに適しているとは言えないものがほとんどであり、「LEGO Horizon Adventures」は「Horizon」シリーズを新たな層に知ってもらうチャンスなのだとした。そのためNintendo Switchでリリースできることは今作にとってはとても重要で、任天堂がそれを受け入れてくれたことに「心から感謝している」と述べた。

 レゴというテーマを選んだのは、ストーリーテリングの観点からは、特にそのユーモアが優れていたからだという。メタ的な発言だったり、IPやストーリー展開のお約束を逆手に取ったりするジョークを盛り込み、さらにもっとわかりやすいおバカなギャグもいれることで、子どもも大人も笑える作品が目指されている。

アーロイ役の声優はオリジナルと同じアシュリー・バーチさんだが、作品のトーンに合わせて演技がより明るくなっているのも特徴のひとつ。ロスト役のJB・ブランさんなどをはじめ何人かはオリジナルキャストが起用されているという
衣装のカスタマイズ要素もある

 一方で、スピンオフとも言える本作だが、Guerrillaは開発を第三者に任せずに、自ら開発に関わっている。この理由については、「Horizon」という大切なIPを誰かに任せて見ているだけの状況にはしたくなかったからだ、と力強く応えてくれた。加えて、幅広いゲーム制作の知識と経験のあるStudio Goboというパートナーを見つけたことも、大きな理由となったという。

 ただし、あくまで本作の方針は「フラインチャズのルールを破ること」。作品を「楽しく、面白く、少しクレイジーでワイルドなもの」にしたいとの思いがあり、そのルール破りをGuerrilla自ら指揮しているというのだから、本作にかける思いがよくわかる。

 Nintendo Switch版に関しては、フレームレートや解像度など、詳細なスペックに関してはまだアナウンスできないものの、PS5版などともほぼ同じようなビジュアルや仕様でプレイできるという。Guerrillaが本気で仕掛ける「LEGO Horizon Adventures」に、ぜひ期待したい。

ゲーム内の環境は個々のレゴブロックから作られており、実際のレゴブロックで再現しようと思えばできるという。こうした細かい部分にもGuerrillaの情熱とこだわりを感じる