先行体験

「Path of Exile 2」を体験! 装備のソケットを撤廃、ビルドの幅を試しやすくなっていた【TGS2024】

早期アクセス版は「3つのACTとエンドコンテンツを用意」

【Path of Exile 2】

11月15日 早期アクセス開始予定

料金:基本無料(有料コンテンツあり)

 数千時間プレーヤーも珍しくない、ファンを魅了し続けるアクションRPG「Path of Exile」の続編がいよいよ登場する。

 Grinding Gear Games開発の「Path of Exile2」が東京ゲームショウ2024の会場に出展していた。早期アクセスが11月15日に決定、さらに日本語にも対応しているということで、会場は前作のファンをはじめ、おどろおどろしいブースの雰囲気にひかれた試遊希望者が列を作っていた。

 「Path of Exile2」は、そのコンテンツの多さや奥深いゲームシステムから、多くのハクスラファンを引き込んで離さないアクションRPG「Path of Exile」の続編。会場では実際にゲーム序盤が遊べたのと、開発チームのメンバーが訪れており、独占情報を伺うこともできたので、ご紹介したい。

【Path of Exile 2 - Early Access Date Announcement】
ブースの様子

ゲームパッドでのプレイが快適。ソファモードで2人協力プレイも

会場を訪れていたGrinding Gear GamesでConsole Gmae DirectorのTrevor Gamon氏

 本作で選択できるクラスは6種類あり、「モンク」、「ウォーリア」、「ウィッチ」、「ソーサラー」、「マーセナリー」、「レンジャー」から選べる。今回のプレイでは「ウォーリア」を使用した。ウォーリアーは近接武器を振るって戦うスタイルだ。

 ゲームのメインには関連しない部分だが、クラス選択でプレーヤーが選んだクラス以外は絞首刑にされてしまうという、インパクトのある演出が追加されていた。本作のダークな雰囲気を表す演出の1つだ。

今回は「ウォーリア」を選んでプレイした。この後プレーヤーが選んだクラス以外は絞首刑にされてしまう。そのビジュアルはさすがに衝撃があった

 今回の体験で印象的だったのは、ゲームパッドでのプレイ感だ。ブースのスタッフが「今作はぜひゲームパッドでプレイしてほしい」と推しており、その通りにしたのだが、実際その操作感は非常にしっくりときた。

 今作ではインターフェースが一新され、ゲームパッド(今回の体験ではDualSense)の各ボタンにスキルを割り当てる仕組みが導入されている。初期状態ではR1ボタンに通常攻撃、R2ボタンにはメインで使うスキルが割り当てられていた。PCのマウス操作でいうと、R1が左クリック、R2が右クリックと考えてもらえればと思う。

 移動は左スティック、攻撃方向の調整は右スティックで行う。特筆すべきは○ボタンに割り当てられた回避スキルだ。ゴロンと地面を転がるようにローリングするのだが、クールタイムが短く、連続して使用できるため、アクション性が大幅に向上していた。これにより「Path of Exile(以下、PoE1)」とはひと味違ったアクションの感覚を感じられた。

 またUI周りでは、タブ切り替えでパッシブスキルやインベントリにアクセスできるなど、全体的にがスッキリと、かつわかりやすくなった印象だ。また、日本語にもバッチリ対応しており、いわゆる中文フォントなどではなく、自然な日本語フォントが使用されており、遊びやすさが感じられた。

ゲームパッドにも最適化された操作感。違和感なく快適にプレイできた
タブ形式でインベントリやパッシブスキルなどを切り替えられる。ここもかなり良いポイントだ

 さらに、「ソファモード」という新機能が追加された。これは最大2人で同じ画面を共有しながらゲームを楽しめる機能だ。特にこの機能で遊ぶときは、2人がゲームパッドでプレイした方が快適に遊べる(ソファに座りながら遊ぶイメージ)という。

 実際にプレイした際は、チュートリアルボスとの戦闘で、2人プレイの快適さが際立った。2人なので火力も上がるし、片方のプレーヤーがダウンしても蘇生が可能だ。ワイワイと同じ画面を見ながら会話しながら進められる点も楽しかった。

 今回は開発元のGrinding Gear GamesでConsole Gmae Directorを務めるTrevor Gamon氏が会場を訪れており、本作のゲームプレイについて聞いてみると「『PoE1』と比較すると、少しゆっくりとしたゲームプレイで、プレーヤースキルが影響するゲームシステムになっています」と話してくれた。

 ただし、これは「PoE1」と異なるものを作っているのではなく、あくまでも"進化"であるという。スキルジェムのシステムやキャラクタービルドのカスタマイズ、コントローラーでのスティック操作などで、体験を進化させることができたと開発チームは考えているようだ。

実際に「ソファモード」で2人でプレイした。現実世界で喋りながらゲームを進められたのは不思議な感覚だ

装備のソケットシステムが撤廃。色々なビルドを試しやすくなった

 ゲームシステム面で記憶に残ったのが、スキルジェムをセットするソケットシステムが大きく変更されていたことだ。「PoE1」では装備にソケットがあり、そこにスキルジェムを装備していた。だが、今作では装備のソケットという概念がなくなっていたのだ。

 「PoE1」では、自分が使いたいスキルのために、最大数のソケットを開け、すべてのソケットがリンクするように作り、そしてソケットのカラーをあわせなければいけなかった。そのため、自分でそういった装備を用意するのは大変だし、トレードなどでも人気ビルドの装備は高く取引されており、気軽にビルドを変えられなかった。だが、本作では装備ではない場所でスキルジェムを管理するため、ビルドの自由度が増し、様々なビルドを試すようなこともしやすくなったという。

装備にソケットはなく、別のメニューからスキルを管理する。ビルドを入れ替えるのが容易になりそうだ

 また、「PoE1」でお馴染みの、見るものを圧倒するパッシブスキルツリーも健在で、その巨大さは相変わらずだった。むしろ、巨大な絵画のようなビジュアルになるという進化を遂げており、ルートがカーブを描いていたり、図形を作っていたりと、遊び心のあるアート的なデザインになっていた。

 各ルートには意味が込められており、例えばミニオン関連のツリーは人型をイメージした形状、冷気ダメージに関するツリーは雪の結晶のような形になっているなど、細部にまでこだわりが感じられた。

相変わらずというかなんというか。圧倒的に巨大で入り組んだパッシブスキルツリーには圧倒されるかもしれない

 そして、本作には「PoE1」にはなかった「金貨」システムも新たに導入されていた。これは大きな変化だ。というのも、こういったゲームでは金貨がゲーム内で回収される以上に流通し、結果的に価値が大きく下がり、インフレしてしまうことが多かったのだ。

 だが、「PoE1」では金貨システムの代わりに「カレンシーアイテム」が通貨の代わりに利用されていた。このカレンシーアイテムはNPCとのやりとりはもちろん、ほかのプレーヤーとのトレードにも使えるし、カレンシーアイテムをそのまま使い効果を発揮させることもできる。そのため、カレンシーアイテムの流通量が増え、価値が下がり気味なときは、そのままゲーム内で使った方がより得をするためゲーム内で消費される。その結果、カレンシーアイテムの流通量が下がり、価値がある程度維持されるという仕組みだったのだ。

 そういったこともあり、今作における「金貨」の導入には驚いたのだが、その役割についてGamon氏は、「トレード機能でも活用すると思いますが、金貨のメインの使い方はより豊富なビルドを構築するために使用します」と説明していた。そのため、基本的なトレードの仕組みは前作と大きく変わらない想定だという。

アクション性が増した本作。ゲームプレイの変化にも期待

 ゲームのアクション性も向上しており、ウォーリアーの「ローリングスラム」というスキルでは、転がりながら近接武器で敵を叩きつけることができる。そのスキルを使用してローリングしているときに左スティックで移動方向を変えることも可能で、より思い通りにキャラクターをコントロールできたのは大きなポイントだ。

 また、「レンジャー」の場合では、弓の弦を引いた状態でじりじりと移動できるなど、新たな立ち回りが可能になっていた。文章で見ると些細な変更に思われるかもしれないが、実際のゲームプレイではこれまでとはかなり異なるプレイ感になっていた。

 これらの新要素が本作のゲームプレイにどの程度の影響を与えるかはまだ未知数だ。しかし、少なくともプレーヤーに新しい立ち回りの可能性を提供し、より多様で戦略的な戦闘を実現することは間違いない。従来の要素を維持しつつ、アクションRPGとしての面も強化されたと言えるだろう。

 ただ、「Path of Exile」といえば、どんなパッシブスキルをとり、どんなスキルジェムを使うか、どんなサポートジェムを入れるかによってプレイスタイルが大きく変わる。今回のプレイはあくまでもチュートリアルの段階であり、本格的なビルドの可能性は見えていない。ビルドの方向性によってどのような操作感や動きになるかは今後の徐々に明らかになっていくだろう。

弦を引きながら移動したり、ローリング中に方向転換をしたり。新しいアクションがゲームプレイにどんな影響を与えるかが楽しみだ

 なお、本作の早期アクセスは11月15日に全世界で開始予定だ。この時点でのゲームのボリュームについてGamon氏は「3つのACTとエンドコンテンツを用意する予定です」と話していた。もちろん、アップデートでコンテンツは拡張されていき、続きのACTも実装されていく予定だという。

 実装のスケジュールについては、開発元としてはユーザーのフィードバックを重視しており、直さなければいけない要素や、追加で実装しなければいけない要素があった場合は、それらを優先するなど、アップデートは柔軟に行っていく方針のため、まだ具体的なスケジュールは言えないのだという。ただし、1つの目標として「半年後くらいにすべてのACTを実装したい」と話してくれた。

 半年ですべてのACTを実装するというのはかなりハイペースに感じるが、Gamon氏によると「コンテンツ自体はある程度できています。そのため実際にサービスを開始してみないとわからない部分を調整しながら実装していく予定です。ですので、そんなに長く時間はかからないと思います」と語っている。

 最後に、本作のアピールポイントについてGamon氏は次のように述べていた。「まず、『PoE1』のユーザーにとっては『Path of Exile 2』の新しい要素は新鮮なものとして受け取っていただき、理想的には両方の作品をプレイしてほしいです。そして、新しいユーザーにはゲーム内にヘルプシステムなどがあり、これまでわかりにくかったスキルの説明などをチェックできるようにしています。さらに、ゲームパッドに慣れているユーザーにも遊んでいただきやすくなっているので、そういったところを体験してもらいたいです」。

 本作は、進化したゲームプレイをプレーヤーに提供する作品になっていると感じた。その奥深いゲームシステムと、膨大なコンテンツで多くのプレーヤーを魅了してきたのが「PoE1」だ。その魅力を進化させ、新しいシステムを導入した「Path of Exile2」。どんな体験をプレーヤーに提供してくれるか、11月15日の早期アクセスが楽しみで仕方がない。