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Garenaの新作オンラインアクション「Path of Exile」体験レポート

現代のテクノロジーで「Diablo II」を蘇らせたような懐かしのハクスラゲーム

1月23日~27日開催

会場:Taipei World Trade Center

 今年のTaipei Game Showは、PS4を筆頭としたコンソールゲームと、「神魔之塔」を代表とするモバイルアプリ、そして「League of Legends」や「World of Tanks」のようなe-Sportsタイトルの印象が強かった。オンラインゲームは、先日紹介したGameflierの「獵命師」ほか数えるほどしかなかった。

 そうした中で、今回シンガポール系のメーカーで、現在はTencentの子会社となっているGarenaのWindows用新作オンラインゲーム「Path of Exile」が異色の存在感を放っていた。18禁タイトルということで、会場で遊べるユーザーは限られていたが、「League of Legends」や「Dungeon & Fighter(邦題:アラド戦記)」、「AVA」といった大型タイトルと並んで、多くのゲームファンを集めていた。会場で短い時間ながら実際にプレイすることができたのでご紹介したい。

台湾では18禁指定されているため、プライベートシアター形式で試遊台が置かれていた
試遊台は常に満席の人気
遊び方は「Diablo II」そのままなので迷わず遊んでいた
ファイアボールがドラゴンエフェクトになったりなど、有料サービスの内容がおもしろい

 「Path of Exile」は、台湾産でもシンガポール産でもなく、Grinding Gear Gamesというニュージーランドのデベロッパーが開発しているオンラインゲームだ。欧米ではすでに英語版で基本プレイ無料、アイテム課金による正式サービスが始まっていて、ブースでもその英語版が出展されていたが、Garenaとしては台湾では繁体中文にローカライズして展開することを考えているという。

 「Path of Exile」の基本的なゲームデザインは、「Diablo」スタイルの3人称見下ろし型によるハック&スラッシュのオンラインRPGだが、「Diablo」は「Diablo」でも最新作「Diablo III」ではなく、「Diablo II」を強く意識しているところがおもしろい。すなわちポーションがぶ飲みで、スキル連打ゲーであり、ファーストインプレッションは何よりも懐かしさが先に立つ。

 ちなみに「Diablo II」は2000年リリース当時、3Dグラフィックスの過渡期だったこともあり、解像度はデフォルトで640×480ドット、拡張パックで解像度が広がったものの、それでも800×600ドットという、今のスマホゲーム以下の解像度しか出なかった。

 「Path of Exile」はある意味、現在の3DテクノロジーとフルHDの解像度で「Diablo II」を作り直したらどうなるかということを真面目にチャレンジしている節があり、まさに温故知新という言葉の似合うタイトルだ。

 ビジネスモデルは先述したように基本プレイ無料で、この点も時代に合っている。有料サービス部分は、自分の武器や“足跡”に独自のエフェクトを付けたり、見た目を変えたり、レアなペットを手に入れたりなど、強さとは関係ない見た目だけを良くするサービスに限られ、課金量に関わらず、平等なゲームプレイが楽しめる。

 「Path of Exile」のゲームデザイン面で新しい要素としては、キャラクター強化システムだ。敵を倒してレベルアップすると基本能力が向上するだけでなく、スキルポイントが獲得でき、そのポイントを消費して任意のスキルツリーを伸ばしていく。このシステムそのものは「Diablo II」にも存在したが、スキルツリーが初期地点を中心にあたかも曼荼羅のように広がっており、1,000を超える選択肢が用意されている。しかも、このスキルツリーは、自分のクラスのツリーのみならず、他のクラスのツリーも一体化しており、スキルツリーを伸ばしていくことで他のクラスのスキルも獲得することができる。「ファイナルファンタジーXII」ファンならこのあたりでピンときた人もいるかもしれないが、このシステムは、「FFXII」のライセンスシステムの丸パクリといっていい。それをオンラインゲーム用に、さらに超拡大しているところがユニークだ。

 また、装備にはスキルソケットが空いており、ジェムを埋め込むことで性能強化を図ることができる。また、スキルソケットにはあらかじめ、任意のカラー、コンビネーションが設定されており、その通りにはめ込むことでさらに性能を強化することができる。こちらは「Diablo II」のGEMシステムの強化版といった感じだ。

 ステージは、ダンジョン、フィールド、市街など様々なパターンがあり、「Diablo」シリーズの魅力の源泉である、ゲームを始める度にステージデザインが変わるランダムマップシステムを搭載している。しかもランダム処理される対象範囲が、「Diablo II」や「Diablo III」より広がっているということで、こちらもポイントが高い。

 今回ブースで10分ほど遊んでみることができたが、ゲーム内容はまさにHD版「Diablo II」だ。左クリックを連打しながら、マナの回復に合わせて右クリックやその他ショートカットキーを連打し、ボス戦ではヒールポーションやマナポーションをがぶ飲みしながら、さらにクリックを連打する。今時こんなにシンプルなゲーム性のオンラインゲームは成立しにくいが、ここまで「Diablo」スタイルだと、これはこれでアリだなと思わせてくれる。このゲームは日本展開するかどうかは不明だが、すでに英語版ならプレイすることができるので興味を覚えた方は公式サイトにアクセスしてみてはいかがだろうか。

【試遊しーん】
何度も繰り返してしまうが、プレイフィールはまさに「Diablo II」そのまま。解像度は段違いだが、メニュー周りやキャラクターサイズの縮尺は、「Diablo III」のように解像度に合わせて細密化しておらず、このあたりの施策も相まって「Diablo II」っぽさの増幅に繋がっている

【広大なスキルツリー】

【スクリーンショット】

(中村聖司)