NTTドコモ、2009年度冬春モデル19機種を発表
PRIMEシリーズ全機種に「ドラゴンクエストIII」などをプリイン
PRIMEシリーズは5機種で、共通の6タイトルがプリインストールされる |
NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏。手に持っているのは「セパレートケータイ」F-04B |
株式会社NTTドコモは11月10日、2009年度冬春モデルの発表会を東京国際フォーラムにて開催した。この発表会において、11月から2010年3月にかけて発売予定の19機種(フォトパネルを含まず)と、同社が提供する新たなサービスが発表された。
ゲーム関連のトピックとしては、エンターテイメント向けとされているPRIMEシリーズが5機種発表され、この全機種に6タイトルのゲームアプリが共通でプリインストールされることになった。従来は端末メーカーとゲーム会社が直接やり取りしてプリインストールするアプリが決められていたが、今回はそれをNTTドコモがフォローし、共通化した。NTTドコモの担当者によると、今後もこういった動きは続けていくという。
プリインストールされるタイトルは、株式会社スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストIII」と「ドラゴンクエスト もっと不思議のダンジョンMOBILE」、株式会社ハドソンの「桃太郎電鉄WORLD 遠距離対戦版2年決戦」、元気モバイル株式会社の「タッチDE対戦ボウリング」、株式会社バンダイナムコゲームスの「リッジレーサーズVS trial version」、株式会社タイトーの「対戦パズルボブル -Light Edition-」。なお、これらはいずれも体験版扱いとなっており、フルバージョンをプレイするには各コンテンツプロバイダの公式サイトで有料会員登録する必要がある。
この6本のほかにも従来どおり、各端末に独自のゲームアプリも収録されている。
位置情報を定期的に送信する「オートGPS」 |
ゲームに関係しそうな新機能としては、「オートGPS」がある。これは携帯電話に内蔵されたGPS機能により位置情報をバックグラウンドで測位し、5分間隔で自動的にコンテンツプロバイダへ送信する機能。発表会では「地図アプリ」と連動し、東京ディズニーリゾートで自分の近くにあるアトラクションの情報を教えてくれるといった活用事例が紹介された。仕組みとしては定期的に位置情報を送るというだけのものなので、そのデータをどう扱うかはサービス次第。受動的に遊ぶ位置情報ゲームなど、活用できる可能性はありそうだ。
続いてゲーム向けの端末について見ていきたい。チェックするポイントは、「iアプリオンライン」と「iアプリタッチ」、さらに今回発表された「オートGPS」に対応していること。PRIMEシリーズの新端末は全て対応しており、さらに6タイトルのプリインストールもあるため、最もオススメの機種といえる。それ以外の端末で上記の3つの機能に対応する端末は、STYLEシリーズの「N-01B」と「P-02B」、SMARTシリーズの「F-03B」、PROシリーズの「SH-03B」となっている。
なお端末の型番は、頭のアルファベットが端末メーカー、次のハイフンに続く数字は各端末メーカーの通し番号、最後のアルファベットが発売年度を示している。この命名規則は昨年の冬モデルからスタートしたもので、それから1年が経過したことから最後のアルファベットがAからBになり、通し番号もリセットされている。
以下、PRIMEシリーズの新端末5機種を、各社独自のプリインストールアプリとともに紹介する。
■ F-01B
今回発売されるPRIMEシリーズでは唯一、防水・防塵性能を持った富士通製端末。3.4インチフルワイドVGA(480×960ドット)タッチパネル液晶を搭載している。サイズは約114×51×17.3mmで、重さは約141g。11月発売予定。
プリインストールされているゲームは、バンダイナムコゲームスの「ことばのパズル もじぴったん歩き旅 ウォーキングチェッカー対応」。ゲーム自体は「もじぴったん」シリーズと同じく、文字を当てはめて言葉を作るパズルゲームだが、端末に搭載されたウォーキングチェッカー機能と連動し、歩いた距離に応じてゲーム内での歩き旅が進んでいくという要素がある。
またゲームではないが、内蔵のジャイロセンサーを用いたゴルフのレッスンアプリ「ETGA スウィングレッスン」を収録している。端末を手で持ってスイングするのではなく、端末を背中側の腰の位置に着けてゴルフのスイングをすることで体の動きを測定し、アドバイスをもらえる。
「ことばのパズル もじぴったん歩き旅 ウォーキングチェッカー対応」では、ゲームを起動していない時にも、ウォーキングチェッカー機能で歩数をカウントしており、ゲームに歩数が反映される | ||
「ETGA スウィングレッスン」は、「直感ゲーム」の要素を取り入れたゴルフレッスンアプリ。腰につけてスイングをチェックするというアプローチがユニーク |
■ F-04B
液晶とキー部分を分離した状態でゲームをプレイできる。ワイヤレスコントローラー感覚で遊びやすい |
液晶部分とキー部分が2つに分離する、世界初の「セパレートケータイ」をうたう富士通製端末。こちらも。3.4インチフルワイドVGA(480×960ドット)タッチパネル液晶を搭載。キーは一般的なテンキーに加え、セパレートした時だけ使えるQWERTYキーも搭載する。サイズは約114×51×20.4mmで、重さは約173g。2010年3~4月発売予定。
発売がかなり先となるため、展示機ではプリインストールアプリは確認できなかったが、ただQWERTYキーによるゲーム向けの操作モードを体験できた。この操作は、セパレート時に上部にある「全角/半角(GAME)」キーを3秒間押し続けると、QWERTYキーのW、A、D、Zキーが上下左右に割り当てられるというもの。テスト用として入っていた「リッジレーサーズVS trial version」をプレイしたところ、液晶画面を置いた状態で、非常に軽くて突起もないキー側のボディだけをワイヤレスコントローラー感覚で扱えるため、今までのモバイルゲームではありえない快適さでゲームをプレイできた。セパレートした液晶画面は縦横を問わず扱えるので、様々なゲームで活用できそうだ。
■ N-02B
HSUPA5.7Mbpsに対応し、高速なアップロードが可能なNEC製端末。3.2インチフルワイドVGA(480×854ドット)タッチパネル液晶を搭載する。サイズは約113×50×16.9mmで、重さは約147g。12月発売予定。
キューエンタテインメント株式会社のパズルゲーム「LUMINES LIVE!」をプリインストール。ゲーム内容は「ルミネス」シリーズと同様に、落ちてくるブロックの色を四角形になるよう合わせて消していく。BGMとグラフィックスのセット「スキン」をダウンロードする機能も搭載されている。
グラフィックスとサウンドの両面で楽しませてくれるパズルゲーム「LUMINES LIVE!」。新たなスキンをダウンロードできるのが特徴 |
■ P-01B
HSUPA2.0Mbpsに対応したパナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末。同社の端末の特徴である、縦横両方の向きに開くWオープンスタイルを採用している。液晶はフルワイドVGA(480×854ドット)で、今回発表されたPRIMEシリーズの中では唯一タッチパネル非搭載。ただし独自機能としてテンキー部分にタッチパッドが搭載されている。サイズは約111×50×17.7mmで、重さは約135g。11~12月発売予定。
プリインストールアプリとして、株式会社プロペのタッチパッドを使って遊ぶゲーム「レッツタップ」が収録されている。モードの1つ「タップランナー」では、タッチパッドをタップ(叩く)するとキャラクターが走り出す。途中で障害物を見つけたら、強く叩くことでジャンプする。この操作は、タッチパッドに触れたという認識と、加速度センサーによる叩く強さの認識を組み合わせて実現しているという。
このほか、バンダイナムコゲームスの3Dアクションゲーム「機動戦士ガンダムオンライン プロローグ版」と、株式会社レベルファイブのナゾトキアドベンチャー「レイトン教授と悪魔の箱」、株式会社セガの「ぷよぷよ~ん&コラムス」を収録している。
タッチパッドをタップするという独自操作を取り入れた「レッツタップ」。Wii版を知っていると端末を置いて遊びたくなるが、置いた状態だと加速度センサーが使えないため、端末を手で持って遊ぶのが正しい | ||
従来機種に収録されていた「機動戦士ガンダムオンライン プロローグ版」や「レイトン教授と悪魔の箱」などを今回も収録 |
■ SH-01B
方向キー付近にタッチパッド機能「タッチクルーザー」を搭載したシャープ製端末。タッチパネル対応の3.4インチフルワイドVGA(480×854ドット)NEWモバイルASV液晶を搭載する。サイズは約110×50×14.7mmで、重さは約126g。11月20日発売予定。
株式会社カプコンのアドベンチャーゲーム「逆転裁判4 for SH」をプリインストール。同社がニンテンドーDSで発売した「逆転裁判4」の移植作で、プロローグシーンでのアニメーションも収録するなど、DS版に劣らないクオリティとなっている。
DSからの移植となる「逆転裁判4 for SH」。「逆転裁判」シリーズはモバイルでも以前から配信されており、非常に人気が高い |
(2009年 11月 10日)