【特別企画】
格ゲー昔話が炸裂! 「E5Talk Live Series vol.1『格ゲー俺のNo.1』」レポート
人気の格闘ゲーマーたちがゲームプレイなしでトーク対決を展開
2025年4月30日 15:49
- 【E5 Talk Live Series vol.1「格ゲー俺の No.1」】
- 4月27日 開催
- 会場:東京・有楽町朝日ホール
- オフライン会場チケット価格:6,000円~11,500円
- アーカイブ配信:1,500円~2,800円
サードウェーブは4月27日、有楽町朝日ホールにて、格闘ゲーマーたちのトークライブイベント「E5 Talk Live Series」の1回目となる「E5Talk Live Series vol.1『格ゲー俺のNo.1』」を開催した。ステージに登壇したのはときど選手、ハイタニ氏、ガチくん選手、マゴ選手、こく兄氏、MCはふり~だ氏。
1部と2部とで2回公演が行なわれ、それぞれ格闘ゲームの「No.1」というワードを元にした異なるトークテーマで格闘ゲーマーたちが爆笑のトークを展開した。5月11日まではアーカイブ配信も公開されており、こちらの価格は一部・二部いずれかのみが1,500円で、一部二部通しが2,800円。アーカイブ配信では、ステージ公演全編が公開されるほか、「格ゲー俺のNo.1 舞台裏スペシャル動画」として、楽屋での登壇者たちの様子が公開されている。
本稿では1部、2部のステージの様子及び、1部終了時にメディア向けに行なわれた選手たちへの簡単なインタビューの様子などを紹介していく。
新規層には新鮮な昔のエピソードがてんこ盛り!
第1部は「No.1トークバトル ROUND1」として、MCのふり~だ氏も含めた登壇者たち6人の「No.1 格闘ゲーム」、「No.1 キャラクター」、「No.1 ゲームシステム」、「格闘ゲーマーとして大事な事 No.1」といったテーマに対して、事前アンケートの結果とともにNo.1にチョイスした経緯を語っていく展開となった。
続いてはクイズ形式のミニゲーム「格ゲー知識 No.1 決定戦」として、「ストリートファイター6問題」、「格ゲー用語問題」、「No.1 キャラクター問題」といった形で出された問題に対して回答するバトル、最後は「ファンが聞きたい! No.1 トークバトル」として、事前に公式Xアカウントで募集したテーマが提示され、様々なトークを展開した。
どのトークも爆笑の連続だったが、最初のトークテーマ「No.1 格闘ゲーム」は、登壇者たちのこれまでの成り立ちなどが見えてくるので、最近ファンになった人たちにとっては初めて聞くような貴重なエピソードの多くが確認できてオススメだ。
例えばときど選手はNo.1の格闘ゲームとして「THE KING OF FIGHTERS XIII」を挙げ、当時の熱の入りようについて熱弁。その中では「J.T」というプレーヤーの話題が出てきてマゴ選手らと一緒に盛り上がりを見せていたが、会場が置いてきぼりになっているというツッコミを受けて、会場からも笑いがこぼれた。
なお、筆者も不勉強のため、調べてみたところ、J.T氏は2001年から「ギルティギア」などのタイトルで活躍してきた強豪プレーヤーで「グラブルVS」のJeSU公認プロライセンスも保有するなど、今でも現役で活躍する格闘ゲームプレーヤーだ。なお、現在のプレーヤーネームは「はうこ」のようだ。
他にも、ふり~だ氏が過去にはプレーヤーとして活動しており、「アルカナハート」や「デモンブライド」などのタイトルで大会優勝経験を持つなど、最近ふり~だ氏を知った人からすると驚きの事実がわかって面白い。加えて、マゴ選手などからふり~だ氏のボタン押下音がうるさいなどといった指摘が入るなどして、登壇者たちからも会場からも笑いがこぼれた。
また、ガチくん選手は「ストリートファイターIV」と「ストリートファイター6」といった自身がプレイしてきたタイトルを挙げていたが、実際のトークでは「モータルコンバット」や「キラーインスティンクト」など、ビジュアルがかなりグロめの海外タイトルを遊んでみたいと発言して、会場だけでなく、登壇者たちをも驚愕させる事態となった。
マゴ選手は5月16日にカプコンから発売される「FIGHTING COLLECTION 2」に収録される「CAPCOM VS. SNK 2」のタイトルを挙げており、システムなど含めてすごく好きなタイトルだったが、1年くらいしかプレイできなかった、としており、当時のゲームセンターのタイトルの回転の速さなどの事情を振り返った。
他にもハイタニ氏がNo.1格闘ゲームとして「ヴァンパイアセイヴァー」や「THE KING OF FIGHTERS '98」、「ストリートファイターIII」、「ストリートファイター6」と、4本ものタイトルを挙げており、「No.1なのに4本も挙げるな」と周囲からツッコミを入れられていた。また、こく兄氏が、自身が格闘ゲーマーとして活躍していた「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」を挙げずに「バーチャファイター」をNo.1ゲームとして挙げるなどの意外性を見せて会場の驚きを誘っていた。
その後も、登壇者たちの1番好きなNo.1キャラクターやシステムの話など、その都度盛り上がりを見せており、昔の話題から最近のエピソードまで、トークに花が咲く展開となった。
続いて行なわれたクイズ大会は、なんと観覧者たちが自由に動画投稿できる時間となっており、Xなどを見ると、会場にいたファンたちがその模様をSNSに投稿しているので、こちらをご覧になるのが、会場の雰囲気を感じられていいだろう。
最後のコーナー「ファンが聞きたいNo.1トークバトル」では「地球の未来を賭けた試合があるとしたら、有観客のオフライン大会か、部屋で1人でプレイできるオンライン大会のどちらを選ぶ?」といったふざけた質問から「印象深い自分の試合は?」というかなりガチめの質問までバラエティに富んだ展開となった。
こうして、楽しかった約2時間はあっという間に過ぎ去り、トークバトル第1部は無事に終了となった。会場は満員御礼とまではいかなかったが、熱いファンたちが多く集まっており、拍手や笑い声など、会場の熱気はかなりの物と感じられた。
1部と異なるトークテーマでさらなる盛り上がりを見せる
第2部は大枠の構成は第1部と同じながらも、トークテーマがガラっと変わっているので、もし配信アーカイブなどで見るなら、全部見るのがオススメだろう。2部では「No.1の技」や「格ゲーで気持ちいい瞬間 No.1」、「No.1 女性キャラクター」、「出演者が話したいNo.1 テーマ」がトークテーマとなっていた。
例えば「No.1 女性キャラクター」のテーマでは、ガチくん選手が「ララとポイズン」の「アマゾネス感があるのが好き」と恥ずかしそうにリアルな好みを語っていたのが印象的だった。そして、性能重視でキャラピックする事でも知られるときど選手は「春麗」の名前を挙げたが、あくまでもその性能が圧倒的に高かった「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」のバージョンに限るとして、会場全体もそのブレなさに納得。なお、見た目の好みとしてはボスキャラ全般と語っていた。
マゴ選手は「神月かりん」の名前を挙げており、かりん以降は使用するのが女性キャラクターばかりになったと自身のプレイスタイルにまで影響を与えた女性キャラクターの技の面白さなどの魅力について語った。
また、続くミニゲームのコーナーは「格ゲー力 No.1 決定戦」として、「連打力」、「読み合い力(ボードゲーム ito)」、「運命力」の3つでの対決となっていた。2部冒頭ではこの「読み合い力」で使うボードゲーム「ito」について、マゴ選手が「意図はなんなの?」と発言することで会場は大盛り上がりを見せており、かなり濃い目のファンたちが集まっている様子が感じられた。
これは過去にマゴ選手が対戦会で当時若手の格闘ゲームプレーヤーだった立川選手に対して「意図はなんなの?」とブチ切れたというエピソードから来る発言なのだが、経緯などがやや複雑なため、具体的な内容についてはリンク先のどぐら選手の投稿動画を参照してもらいたい。一通り見てみると、マゴ選手の気持ちもちょっと理解できるかもしれない。
ミニゲームでは、全員で連射力を競ったり、ボードゲームを楽しむ様子など、他ではあまり見られないユニークな対決が展開した。こちらも1部同様、観覧者たちが自由にXなどのSNSに動画を投稿しているので、興味がある人はチェックしてみてほしい。
最後の「ファンが聞きたいNo.1トークバトル」では、「1個だけリアルでも技が使えるとしたら何を使いたい?」といったおふざけトークから、6月に発売される任天堂のゲーム機「Nintendo Switch 2」において、これまでPC/PS5/PS4/Xbox Series X|S向けだった「ストリートファイター6」が新たに発売される事を受けて、「Nintendo Switch 2発売で格ゲー界はどう変わると予想する?」という真面目なテーマのトークまで、幅広い話題で時に爆笑、時に感心させられる内容のトークで盛り上がった。
こうして後半2時間のステージも無事に終了となり、本日のステージは全て終了となった。
アーカイブ配信では楽屋の様子など舞台裏が見られる限定動画も公開
1部終了時には、取材に訪れたメディア向けに写真撮影の時間と、簡単なインタビューなどの時間が設けられた。トークバトルの率直な感想を求められると、ときど選手は「とにかく楽しい時間だった。昔の話などマニアックな内容が多かったので、お客さんが置いてけぼりになっていないかが心配ですが、楽しんでもらえたらうれしいです」とした。
ハイタニ氏も同様に楽しかったと満足げな表情を見せた。マゴ選手は「もう年齢が40なので昔話が多くなるし、楽しくなるんですよね。ゆるくやれるのが面白かったけど、とにかく時間が足りなかったですね。時間を気にせず話したい」とし、1日中やっていたいなどの発言でメディア陣を笑わせた。
ガチくん選手は「昔のゲームなどの話が多かったので、最近格闘ゲームを知った観客の目線に立ってトークに参加しましたが、そういった昔のゲームの影響の大きさというのが、こく兄さんやハイタニさんの話を聞いて感じられました」とした。
こく兄氏は「トークの端々で、選手目線とストリーマー目線の違いが色々わかって、そこが面白かったですね」とコメントしたほか、MCというよりは登壇者の1人のようになっていたふり~だ氏も「楽しすぎて、仕事をしているぞ、という感覚は全くなかったですね」としており、楽しんだ様子を振り返った。
アーカイブ配信のみの限定動画について聞かれると、登壇者たちが「普段、大会などに出場した時の楽屋裏の様子がそのまま配信されているような感じです」としており、ファンたちが普段見る事のあまりない、楽屋での選手たちの模様が割とそのまま配信されるような形になっているようだ。動画についてはこちらも確認してみたが、リハーサルの様子や楽屋でのトークなど、いつもと同じテイストながらも若干声のトーンが異なる選手たちの様子などが確認出来て、なかなか面白い動画になっていると感じられた。
なお、筆者が個人的にガチくん選手に気になった点として「モータルコンバット」シリーズや「キラーインスティンクト」などの海外ゲームをプレイしてみたいとトークした点について、追加の確認をしてみた。というのもこれらタイトルはグロテスクなビジュアルが特徴なので、そこでホラー映画など、そういったグロテスクなビジュアルの作品が好きなのかを尋ねてみると「リアルなホラー映画などは苦手なんすよね。ゲームのビジュアルだから楽しく見られるのでやってみたいんですけど」としており、ホラーなどが苦手であるにも関わらず、ゲームのビジュアルだから楽しいという不思議な感覚について教えてくれた。
以上、「E5Talk Live Series vol.1 格ゲー俺のNo.1」の会場の雰囲気などについて、簡単にレポートした。近年「ストリートファイター6」の人気に伴い、オフラインの大会観戦など、オフラインで格闘プロゲーマーたちがゲームするイベントなどが多く行なわれているが、トークのみのイベントはあまりないので、トーク1本でもかなり盛り上がるのが分かるなど、とても興味深いイベントだった。
配信と会場とで比較すると、クイズコーナーの場合は、配信では問題文の全文が画面上に表示されるのに対して、会場のスクリーンには問題文が表示されないなど、配信の方が映像として分かりやすくなっていたのに対して、会場では常に登壇者たち全員のリアクションが楽しめるため、特定の選手やストリーマーのファンなら、会場で見る方がより充実した観覧が楽しめたと思うので一長一短の面もあった。
こういうクイズコーナーなどについては、会場でも配信と同じ内容をスクリーンに表示するなどして分かりやすくするなど、今後の改善に期待したいところだ。
今回の「E5Talk Live Series vol.1 格ゲー俺のNo.1」をきっかけに、今後もこうした集団トークが得意な格闘プロゲーマーたちを集めた、トークだけのイベントがさらなる盛り上がりを見せることになるのかもしれないので、今後の展開を楽しみにしたい。