東京ゲームショウ2009レポート
NTTドコモブースレポート その1
「ドラゴンクエストIII」、「ファイナルファンタジーIV」、「聖剣伝説2」が登場
今年の株式会社NTTドコモのブースでは、iアプリに関する新機能の発表はないが、ゲームメーカー10社から多数の新作モバイルゲームが出展されている。この出展社の多くは、自社で大規模なブースを出している大手メーカーだが、そのほとんどは自社ブースにモバイルゲームの出展がなく、NTTドコモブースでのみ見せるという形になっている。
他にモバイルゲームが見られる場所としては、モバイルゲームとPCゲームのコーナーが統合された「アドバンスド モバイル&PCコーナー」がある。こちらは比較的小規模なブースが多く集まっている。今回の東京ゲームショウのモバイルゲームについては、この2カ所を見て回ればほぼ網羅できる。
NTTドコモブースでの今年の最大のトピックは、株式会社スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」が、ついにモバイルで登場するというものだ。会場には早くも試遊機が置かれており、実際に手にとってプレイできる。さらにスクウェア・エニックスは、「ファイナルファンタジーVI」と「聖剣伝説2」という強力な移植ラインナップを揃えてきている。まずはNTTドコモブースレポート第1弾として、この3タイトルをお届けしたい。
■ 「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」
「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」(以下、「DQ3」)は、同名のスーパーファミコン版からの移植作。2005年にiモードで配信された「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」から約4年ぶりのナンバリングタイトルとなる。スーパーファミコン版のストーリーやグラフィックスを忠実に再現した上で、パーティメンバーが自動的に戦ってくれる「さくせん」コマンドが新たに搭載されている。
「さくせん」コマンドは、「ガンガンいこうぜ」、「バッチリがんばれ」、「いのちをだいじに」など「ドラゴンクエスト」シリーズではお馴染みのもので、パーティメンバーの職業や戦況を判断して行動するようにAIに工夫が施されているという。
操作方法は、方向キーで移動、センターキーでコマンドの決定や調べるなどの操作、左ソフトキーを押すとメニューが開く。「DQ3」が片手でプレイ可能になっただけでも十分に手軽だが、「さくせん」によって自動的に回復したり、魔法で範囲攻撃をしてくれるので、さらに手間がかからない。
初めて「DQ3」を遊ぶ人にも配慮されているようで、メニューにはゲームの操作方法や遊び方などが記載されていた。また体験版にはゲームの中断機能は搭載されていなかったが、製品版ではアイテムを使用して中断できるようになるという。
転職システムが特徴的な「DQ3」は、パーティメンバーの職業が異なれば戦闘の楽しみ方も異なる。過去にファミコン版、スーパーファミコン版とプレイし、それから十数年経ってからプレイした今でも、ルイーダの酒場に向かい、どういった職業のパーティにしようかと悩むのもまた面白かったりする。
2009年秋配信予定。利用料金および対応機種は未定。
【スクリーンショット】 | ||
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スーパーファミコン版の「DQ3」をベースに「さくせん」コマンドを搭載している |
(C)1988-2009 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
■ 「ファイナルファンタジーIV」
「ファイナルファンタジーIV」(以下、FF4)は、スーパーファミコンで発売され、その後プレイステーション、ニンテンドーDSなど数々のハードに移植された同名タイトルのiモード版。iモードでは、「FF4」の後の世界を描いた「FINAL FANTASY IV THE AFTER -月の帰還-」が2008年2月より配信されている。ゲームにおける時間軸とアプリ配信の順序が逆になっているが、これで「FF4」の物語が全て携帯電話だけで楽しめるようになる。
ゲームシステムはゲームボーイアドバンス版をベースとしており、スーパーファミコン版と比較して文字が大きく見やすい。コマンド選択時のカーソルも、どの項目を示しているのかわかりやすく、ひらがなだけでなく漢字も表示されるようになっていて読みやすい。
そのうえでiモード版のオリジナル要素として、1度クリアした後に入れるようになるエクストラダンジョンが追加される。ここではボスモンスターに挑戦したり、強い装備を集めたりといったやりこみ要素を楽しめるという。
ゲームの操作方法は、方向キーで選択、センターキーで決定、右ソフトキーでメニューを開閉できる。戦闘から逃げる場合は9キーを押し続けるだけでよく、戦闘中にも時間が進んでいくという本作ならではのシステム「アクティブタイムバトル」においても、十分に片手でプレイできるようデザインされている。
会場でプレイできた体験版は「試練の山」から始まり、すぐにボスモンスターの「スカルミリョーネ」との戦闘に突入するというもの。ボスモンスターとの戦闘中は会話が入り、文章を読みながら戦闘する。ボスモンスターが会話の節々で攻撃をしかけてくるというスタイルも「FF4」らしさが感じられる演出だ。
「ファイナルファンタジーI」、同「II」などを配信しているモバイルゲームサイト「ファイナルファンタジー モバイル」にて、10月5日配信予定。利用料金は800ポイント(840円相当)。対応機種はFOMA 903i/703iシリーズ以降。
【スクリーンショット】 | ||
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体験版では「試練の山」がプレイできた。GBA版をベースに、本作オリジナルのエクストラダンジョンが追加されている |
アクティブタイムバトルのコマンド選択も片手で可能。ストーリー展開やレベリングなどRPGの要素も携帯電話で十分楽しめる |
(C)2009 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION:(C)YOSHITAKA AMANO
■ 「聖剣伝説2」
「聖剣伝説2」は、スーパーファミコン用の同名タイトルを移植したもの。開発においては忠実な移植を心がけたそうで、ストーリーやシステムに大きな変更点はなく、グラフィックスやサウンドをモバイル向けにチューニングする程度に留められている。
操作方法は、方向キーで移動、センターキーで攻撃、キャラクターの切り替えとリング状のメニューである「リングコマンド」の表示はそれぞれ左右のソフトキーに対応している。片手で一通りの操作は可能だが、素早いアクションは正直やや難しい。そこで本作では、1、3、5、7のボタンで移動、5ボタンで攻撃とそれぞれ操作できるボタンを2重に設けて、左手で方向キー、右手で5ボタンというような形で、両手に持つことで素早い操作ができるようにしてある。
方向キーを素早く2回押せば「ダッシュ」ができるのはスーパーファミコン版と同じだ。体験プレイ中には、モンスターのラビから攻撃され続け、しばらく身動きがとれなくなることもあったが、これもスーパーファミコン版どおり。いまどきは不親切と言われそうな仕様まで忠実に再現しているのは、当時遊んだユーザーとしては逆に嬉しく感じられる。
唯一見つけられたモバイルゲームの独自要素として、プレーヤーキャラクターがダメージを受けると、端末が振動する機能が搭載されていた。ボスモンスターとの戦闘で連続でダメージを受けた際には、手を滑らせないようにと思わず力が入ってしまうのも面白かった。
モバイルゲームサイト「聖剣伝説モバイル」にて10月配信予定。利用料金は800ポイント(840円相当)。対応機種はFOMA 903i/703iシリーズ以降。
【スクリーンショット】 | ||
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オープニングムービーから聖剣を入手するシーン、ボスモンスターとの戦闘を体験したところ、確かにスーパーファミコン版を忠実に再現していた |
操作するキャラクターはワンボタンで次々に切り替えられる。モバイルならではの振動機能も臨場感を演出している |
(C) 1993,2009 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
□東京ゲームショウ2009のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/
(2009年 9月 25日)