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PS3/Xbox 360/Wii U「バットマン:アーカム・ビギンズ」先行体験レポート

もっとバットマンになりきりたい! ファンが望んだ要素を凝縮

12月5日 発売予定

価格:各7,980円

CEROレーティング:C(15歳以上対象)

 ワーナー・ホームビデオが、12月5日に発売するプレイステーション 3/Xbox 360/Wii U用アクション「バットマン:アーカム・ビギンズ」は「もっとバットマンになりきりたい」というファンの想いに応えた作品だ。今回、発売に先がけ日本語版の先行体験をすることができた。

 「バットマン:アーカム・ビギンズ」は「バットマン アーカム・アサイラム」、「バットマン:アーカム・シティ」に続く3作目だが、開発スタジオがこれまでのRocksteady StudiosからWB Gamesモントリオールスタジオに変わっており、マルチプレイ部分はSplash damageが担当している。今回触れたのはシングルプレイのみだったが、ゲームの感触がどう変わっているかに注目してみた。

 今回はゲーム序盤からプレイすることができたが、これまでのシリーズをきちんと受け継ぐファンにとって望んだ続編であると共に、初心者も楽しめる作品だと感じた。各要素を紹介していきたい。

 なお本作は12月7日ベルサール秋葉原にて開催される「DCコミックス&ワーナーヒーローズ!フェスティバル2013」に出展される。「スーパーマン」や「バットマン」などのワーナー・ブラザース映画とDCコミックスの人気キャラクターが一堂に会するイベントであり、ぜひ足を運んで欲しい。

【スクリーンショット】
これまでのゲーム要素を受け継ぐ、ファンの望んだ続編になっていると感じた

多数の新ヴィランも登場、「アーカム」シリーズならではの戦闘も満喫できる

今回は開発中の日本語版をプレイできた
ブラックマスクが刑務所に侵入。ローブ本部長を襲うところからスタートする
ブラックマスクはローブ本部長を殺害する。本作ではこれまで出てこなかったヴィランも多数登場する
警察もまたバットマンに銃を向ける。今作ではバットマンはまだ警察に認知されていない

 「バットマン:アーカム・ビギンズ」はこれまでの作品より前の時代を描く。悪役達はゴッサムシティで思うがままに暴れ回っており、この時期のバットマンは“都市伝説”の様に噂で囁かれるくらいで、実在を信じていない者達も多かった。

 しかし、犯罪者達はバットマンの実在を知っていた。ヴィランの1人「ブラックマスク」はバットマンに対して、5,000万ドル(約50億円)の賞金を懸け、それに呼応した暗殺者がゴッサムシティに集まってきたのだ。

 その日はクリスマスイブ。本来華やかな夜になるはずだが、豪雪のために外出禁止が呼びかけられているため道行く人は少ない。しかし犯罪者達はバットマンを探して動き回っている。バットマンことブルース・ウェインはアルフレッドが止めるのにもかかわらず、犯罪者達を捕まえるチャンスとして、ゴッサムシティに向かった。ヴィラン達はバットマンを追うと共に、それぞれが奇怪な計画を練り上げているのだった。

 ゲームでは、最初にブラックマスクがゴッサムシティの刑務所を襲撃するシーンから始まる。バットマンはブラックマスクを止めるために活動を開始するが間に合わず、ローブ本部長を殺されてしまう。さらにブラックマスクを追いかけようとするバットマンに、妨害電波で邪魔をする「リドラー」や、謎の計画を進める「ペンギン」たちが挑戦してくる……。

 今回大きく取り上げられるブラックマスクは映画では出てこない比較的マイナーな敵と言える。ファイヤーフライなど、この他にもこれまであまり他作品では登場していない多数の新ヴィランが登場する。もちろん、ジョーカーやペンギン、リドラーなども健在だ。さらに新聞記者のヴィッキーなどのキャラクターも確認できた。前作より前の時代ということで、バットマンの行動はかなり荒々しいところがある。ヴィラン達は古いコミックでの衣装をまとっており、前作以上にマニアに向けた濃い要素も充実しているということだ。

 本作は時間軸的にはこれまでの作品より前の作品であるが、バットマンの装備は「バットマン:アーカム・シティ」の進化版となり、新たに専用戦闘機「バットウィング」にも乗ることができる。執事のアルフレッドはこれまでは声では出演していたものの、今作で始めて姿を見せる。また、今作ではバットマンは警察にも認知されていない状態であり、警察に追われるというさらに困難な状態が待っている。

 ゲームでは丁寧にチュートリアルを交えつつ様々な難関を突破して進んでいくこととなる。1番最初は戦闘の基礎、そしてカウンターに、コマンドを交えた戦いを学んでいく。最初のボスとなる敵はマント攻撃によってスタンさせ、そこからコンボをたたき込むことでダメージを与えられる。このように有効なコンボと、戦い方を学んでいくのである。

 「アーカム」シリーズでの戦闘は、「チャレンジ」という形で独立したコンテンツ化されるほどに凝ったものとなっている。バットマンは常に多数の敵と、格闘で渡り合う。基本は攻撃ボタン連打であるが、敵は常にバットマンを取り囲むように動くので、注意が必要となる。敵が攻撃を繰り出してくるときはマークが出るので、ここでカウンターボタンを押すことで反撃ができる。コンボ数が多くなるほど強力な技が使えるのだが、敵はコンボを止めるように攻撃してくる上、攻撃を空振りしてもコンボが止まってしまうので、いかに攻撃を繋げるかが大きな目的となる。

 ここにカウンター攻撃が効かないナイフの敵や、遠距離攻撃の敵などが入ってくると、コンボを繋げるのはさらに難しくなる。「バットマン:アーカム・ビギンズ」ではアーマーをまとった敵も登場し、この敵はケーブからの連続攻撃でアーマーを破壊しなくてはならない。ナイフの敵は回避で後ろに回り込み背後から攻撃を加える必要がある。この他、銃を持った敵を優先的に倒す、敵の位置を把握する、と言ったテクニックを要求される。

 こういった様々な要素が絡み合う戦闘は難易度が高いが、だからこそコアプレーヤーを強烈に惹きつける。戦闘ではさらにバットラングやバットクロー、爆破ジェル(スプレー型爆弾)などを戦闘に組み込むことができる。いかにコンボを稼ぐかというテーマを突き詰めると共に、「どこまで華麗にバットマンの戦いを追求できるか」というのも本作のテーマとなっている。

 序盤では体験できなかったが、東京ゲームショウでのデモンストレーションではバットマンは「ショックグローブ」という新装備をつけていた。コンボ数が上がるほどパンチが強力になるという武器で、使いこなせばさらに派手な戦いが展開できそうである。このほかにもどんな新ガジェットが登場するかも期待したい。

 こう書くと難易度が高いように思えるが、「バットマン:アーカム・ビギンズ」には難易度設定が用意されており、アクションゲームに不慣れなユーザーの為にイージーモードもある。多少のダメージは食らっても基本技で押し切れる部分もあり、複雑な戦闘も順を追って学んでいけるので徐々にコツを覚え戦っていける。本作がシリーズ初挑戦、という人にも勧めたい作品だ。

【キャラクターや戦闘】
これまで声のみの出演だったアルフレッドが登場。ベインやペンギンなどおなじみのヴィランも登場する。また、バットウィングによりファストトラベルが可能に
シリーズの感触を受け継ぐ戦闘は、プレーヤーの工夫でより“バットマンらしい”戦いができる。ボタン連打だけでは勝てない歯ごたえと奥深さがある

(勝田哲也)