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【GDC 2013】「Halo」シリーズのBungieが放つ新IP「Destiny」の世界観

大量に公開されたアートワークから「Destiny」の世界を探る

3月25日~29日開催(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Center

 「Halo」シリーズの開発元として知られるBungie。元々はMicrosoft傘下のデベロッパーだったが、「Halo: Reach」の開発を最後にMicrosoftから独立した。

 そんな彼らが現在開発を進めているのが「Destiny」というタイトルだ。ゲームプレイに関する詳細はまだ明らかにされていないが「他のプレーヤーと世界を共有するアクションシューター」だという。Microsoftから独立したことで現在はマルチプラットフォーム向けに開発が進んでいるという。

 2013年2月に正式発表され、現在明らかになっているプラットフォームはXbox360/PS3/PS4の3つ。特にPS4向けの開発が進んでいることは大きな話題になった。発売日は未定だが、公式サイトや一部の小売店では既に予約を受け付けている。

 そんな謎多き新作「Destiny」のアートワークが、「Brave New World: New Bungie IP」というセッションで公開された。本レポートでは公開されたアートワークを見ながら、「Destiny」の世界観に迫っていきたい。

Bungieが贈る「Destiny」という新世界

BungieのWriter&Design Director Joe Staten氏
BungieのArt Director Christopher Barrett氏

 BungieのWriter&Design Director Joe Staten氏、Art Director Christopher Barrett氏の両氏は「Destiny」の世界について「何百万人というプレーヤーが10年間何度も何度もアクセスしたくなるような世界にしたい」と話す。

 「Destiny」は中世の世界観と、SFの世界観がミックスされた新しい世界になるという。そんな「Destiny」の世界は以下の4つの要素が大きな柱になっているという。

・Hopeful and inviting(魅力的で希望に満ちている世界)
・Idealized Reality(理想と考える現実性)
・Mystery and Adventure(謎と冒険)
・Where you can become a Legend(プレーヤー達が伝説になれる場所)

 順番に掘り下げていこう。

・Hopeful and inviting(魅力的で希望に満ちている世界)

 「Destiny」の世界は宇宙船、惑星、月、地球などまったく異なるタイプの複数のロケーションに分かれている。プレーヤーの冒険の舞台はかなり広い。

【世界感をイメージしたアートワーク】
広大な宇宙、巨大な宇宙船から中世ヨーロッパ風の城の廃墟や墓場の様なロケーションまで様々なタイプのロケーションがあることがわかる

・Idealized Reality(理想と考える現実性)

 これら「Destiny」の世界観を構築するアートワークは、世界中の様々なアーティストから影響を受けた話す。もちろん、色使いなどはある程度統一しているのでロケーション毎に極端に雰囲気が変わりすぎることはない。

 両氏は日本のアニメ文化からも影響を受けていると話し、具体的に横山宏氏(イラストレーター、モデラー)と竹谷隆之(フィギュア造形作家)の名前を挙げていた。

 確かに先ほど紹介されたいくつかのアートワークを見ると、一部のロケーションは横山宏氏から、宇宙船などの乗り物は竹谷隆之氏の影響を受けたと思われる物も何点か見られる。

【影響を受けたアーティストや世界観】
西部劇からは雰囲気や、色使い、衣装などを
アンドレイ・タルコフスキー(ソ連の映画監督)からは世界構成、光の効果、雰囲気、映像技法などを
テリー・ギリアム(映画監督・アニメーター)からは創造性、閃き、デザイン設定、ユーモアなどを
ジョン・ハリス(映画監督・特殊効果スタッフ・編集技師)からは色使い、壮大な一生、難解で抽象的なイメージなどを
ズジスワフ・ベクシンスキー(画家)からは建築様式、超現実主義、陰鬱とした暗い雰囲気などを
ピーター・グリック(画家)からは様式、超現実主義、秩序と混沌の関係性、時代を超越した世界観などを
横山宏氏(イラストレーター、モデラー)と竹谷隆之(フィギュア造形作家)の2人からは様式や鎧、乗り物など

・Mystery and Adventure(謎と冒険)

 公開されたアートワークの中には意味深なロケーションのものも含まれていた。月面に開いた巨大な穴、何かの基地のような施設、墜落した宇宙船、自然に飲み込まれた人工建造物、雪に覆われた町並みなどが確認できる。「Destiny」のストーリーに関連するのだろうか。

【ストーリーに関連しそうな意味深なロケーション】
謎を感じさせるロケーション。終末後の世界を感じさせるロケーションもある。地球はどうなってしまったのだろうか?

 「Destiny」の世界には様々な種類のエイリアンが存在するという。アートワークからは確認できるのはロボットの様な敵やゾンビの様な敵が確認できる。人類に似たエイリアンも登場するようだ。これらもストーリーに大きく関わってくるのは間違いないだろう。

【様々な種類のエイリアン】
アートワークから確認できるエイリアンは4種類。スライドの1枚目を見ると最低でも5種類のエイリアンが存在するようだが……?

・Where you can become a Legend(プレーヤー達が伝説になれる場所)

 具体的なシステムについてはまだ明らかになっていないが、プレーヤーキャラクターは画一的な存在ではない。

 セッションではプレーヤーが選択できる「Human」、「Awoken」、「Exo」という3種類の種族が明らかになった。「Human」は文字通りの人間タイプの種族、「Awoken」はエルフやヴァンパイアなどファンタジーに出てくるような種族、「Exo」はアンデッドやターミネーターといったイメージだという。

【プレーヤー種族のアートワーク】
「Human」
「Awoken」。エルフはヴァンパイアなどファンタジーに出てくる種族をイメージ
「Exo」。アンデッドやターミネーターなどの種族をイメージ。公開されたスライドの中にはHaloシリーズの主人公「マスターチーフ」の姿も

 またプレーヤーキャラクターにはクラスという概念があるという。今回はその中から、「Titan」という戦士をイメージした職業、賞金稼ぎをイメージした「Hunter」、魔法使いをイメージした「Warlock」という3クラスが明らかになった。各クラスごとにステータスやアビリティが異なるという。

【プレーヤークラスのアートワーク】
「Titan」
「Hunter」
「Warlock」
各クラスのアートワーク。シューターというジャンルで魔法使いをイメージした職業とは、どのような特徴を持つキャラクターになるのだろうか

 更に様々な武器のアートワークも紹介された。ハンドガン、アサルトライフル、スナイパーライフル、ショットガン、ヘビーマシンガン、ロケットランチャーといった武器が登場するという。全体的に近未来的なデザインだが、右下のアートワークを見ると、悪魔的なデザインのハンドガンが確認できる。

【武器のアートワーク】
ハンドガン1つをとって見ても様々なデザインが存在する

 この様に今回のセッションでは世界観を伝えるためのアートワークの紹介のみで、残念ながらゲームシステムやスクリーンショットなどの公開は行なわれなかったが、クラス制などゲームのシステムが推測できるような内容もあった。

 Haloシリーズを世に送り出したBungieスタジオが発信する新たなIP「Destiny」。アートワークからかなり期待できるタイトルになると感じた。どんなゲームになるのか、続報に期待したい。

(八橋亜機)