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【TGS2022】GRAPHTの新製品はまさかのゲーミングルーム! 空間レベルからゲームシーンを丸ごとコーディネート
2022年9月16日 21:16
- 【BASE GRAPHTゲーミングコンテナ】
- 発売日:未定
- 価格:1,000万円前後
MSYのゲーミングブランド「GRAPHT(グラフト)」は、ゲームカルチャーにフォーカスをあて、ゲームファン1人1人のゲームシーンの質の向上にこだわっているブランドだ。
仕掛け人のMSY代表取締役社長の秋山昌也氏は、かなり早い段階からゲームを文化と見定め、eスポーツにも大きな可能性を見いだし、独自の価値観で活動してきた人物。ゲーム系周辺機器の輸入販売を皮切りに、Razerの正規代理店、GRAPHTブランドによるアパレル商品、雑貨などを手がけているが、今回の発表は、MSYの社運を全賭けするようなスケールの大きな話だ。
今回発表した「BASE GRAPHT(ベースグラフト)」は、真の意味でのゲーミングルームを提案するもので、極めて画期的な取り組みだ。ゲーミングルームというと、デスクとチェアをメインに、PC、モニター、ゲーム機、各種ゲーミングデバイスで埋め尽くされた部屋を指すイメージがある。この定義では、部屋の防音、消音、電源、ネットワーク、照明、収納、換気といった諸問題は全部無視されているが、「むしろそここそが大事じゃないですか?」と秋山氏は語る。まったくその通りだ。
そういった諸問題もまるっとサポートしてゲーミングルームをトータルコーディネートする取り組みが「BASE GRAPHT」であり、その実例として20フィートコンテナを丸ごとゲーミングルームに改造した“ゲーミングコンテナ”を展示していた。
筆者も待ち行列に並び、実際に「BASE GRAPHT」を体験してみた。中に入り、ドアが閉められると、スッとあらゆるノイズが消える防音室のような無音空間となる。ここが騒がしい東京ゲームショウ会場のど真ん中であることを忘れてしまうほどだ。
なかは8畳ほどの広さに、ゲーミング環境が整えられたゲーミングデスクが2セット。密閉空間だが、空調はしっかりしており、息苦しさはない。説明スタッフは、挨拶代わりにいきなり音楽を再生。コンテナ上部に吊り下げられた5つのスピーカーから、体が震えるほどの大ボリュームでBGMが鳴り響いた。「実はさっきも鳴らしていたんですが、外から聞こえませんでしたよね?」と担当者。防音性の高さをさりげなくアピールしてくれた。
この防音性の高さは「BASE GRAPHT」のアピールポイントのひとつだという。GRAPHTの母体であるMSYは、先述したように世界大手のゲーミングデバイスメーカーRazerの日本正規代理店でもあり、ゲーミングヘッドセットを売りまくっているメーカーでもある。しかし、仮にヘッドセットでゲームサウンドを鳴らしたとしても、ボイスチャットやライブ配信の声はダダ漏れだ。昨今、ゲーム配信やeスポーツアスリートらの騒音トラブルが増えており、YAMAHAが防音室を東京ゲームショウに出展する時代だ。我々ゲーマーは防音を真剣に考えなければならないタイミングに差し掛かっている。
このコンテナには、全面に防音材が張り巡らされ、ゲーミングデスク奥には吸音材が配置されている。このゲーミングルームなら、思いっきりゲームサウンドを鳴らし、大いにボイスチャットや、ライブ配信のコミュニケーションを楽しむことができる。これこそがGRAPHTが提案するゲーミングルーム、というわけだ。壁には至る所にLEDが配置され、様々なカラーで明滅している。まさに絵に描いたようなゲーミングルームが、史上最小規模でコンテナにギッシリ詰め込まれている。
このゲーミングコンテナは売り物だという。コンテナとコンテナ改装費、中身全部込み込みで価格は1,000万円前後を想定しており、ゲーミング環境を望む団体や地方自治体への販売を考えているという。ただ、会場で秋山氏で聞いた限りでは、レンタルの問い合わせが多く、レンタルも検討していくとしている。
TGS後は、各イベントで全国行脚する予定ということで、全国でこのイエローカラーのコンテナを目にする機会があるかもしれない。そして別途ショウルームも作られる。MSYの本社がある東京下高井戸にゲーミングルームが年内オープン予定で、実際に時間レンタルして、その良さを確かめることができるようだ。
そして「BASE GRAPHT」と同時平行して、ゲーミングデバイスのレンタル事業「DeviceMe」もスタートさせる。これはMSYが国内販売を行なっているRazerのプロダクトをはじめ、最新のゲーミングデバイスを手軽な価格でレンタルできるというもの。レンタル費用は定価の1/6の価格で、レンタル期間は2週間。6,000円のゲーミングマウスなら1,000円で2週間試せる。
今までありそうでなかった事業だが、我々メディアのレビュー記事や、店頭での短時間のトライアルだけで購入を決めるのはメーカーとして十分ではないという秋山氏の信念から来たものだという。実際、ゲーミングデバイスは、ゲーミンググレードではないプロダクトと比較して、数割から、場合によっては数倍高くなる。試しに買うには高いプロダクトだ。まずは試してから買うかどうか決められるというのは極めてフェアで、ユーザーフレンドリーなサービスで、日本でのゲーミングデバイスの売り方に一石を投じる野心的な事業と言える。詳細は11月発表予定。こちらも楽しみな内容だ。BASE GRAPHTは、東京ゲームショウ期間中ずっとトライできる。ぜひ会場で試してみては如何だろうか。