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【レトロゲームの遊び方】FC版「スマッシュピンポン」で、スピード抜群のラリーを楽しもう!
最強のCPUを撃破するための必殺テクニックも解説
2022年8月25日 00:00
- 【スマッシュピンポン(ファミコン版)】
- 1987年5月30日 発売
- 価格:2500円
- ※Nintendo Switch Onlineで配信中
- 1カ月:306円
- 3カ月:815円
- 12カ月:2,400円
Nintendo Switchをはじめ、プレイステーション 5/プレイステーション 4/PC/スマートフォンなど現行のハードで遊べるレトロゲームの面白さを、基本ルール解説と攻略法を通じて読者の皆さんにご案内する当企画。
今回は、Nintendo Switch Onlineで配信中のファミリーコンピュータ用ソフトで、世にも珍しいピンポン(卓球)ゲーム「スマッシュピンポン」の”遊び方”をご紹介しよう。
「スマッシュピンポン」は、1987年に任天堂がファミリーコンピュータのディスクシステム用ソフトとして発売した作品で、1985年にコナミが発売したアーケードやMSX用ソフト「コナミのピンポン」を移植したもの。当時のディスクシステムには「バレーボール」や「アイスホッケー」など、非常に面白いスポーツゲームが立て続けに登場していたが、本作も紛うことなき傑作である。
発売からすでに35年も経った作品を、今になってなぜオススメするのか? その答えは、ピンポンならではのスピード感あふれるラリーと、CPUまたは相手プレーヤーとの高度な駆け引きができる面白さを、ぜひこの機会に体験してほしいと思ったからだ。フォア、バックハンドのどちらを選択するのか、どのコースに、ボールにどんな回転を掛けて打つべきかを瞬時に判断して相手を揺さぶり、ミスを誘ったりスマッシュを叩き込んだりしたときの爽快感は格別だ。
それしても、画面内には選手のラケットを持つ手首だけを表示し、全身を表示させないことで画面を見やすく、かつスピーディなラリーが楽しめるようにしたアイデアには今さらながら驚かされる。これを発明した開発者には、ただ脱帽するばかりだ。
■基本ルール・システムガイド:まずは独特の操作方法をマスターしよう
■攻略ガイド:CPUのレベル順に攻略しながら、セオリーとテクニックをマスターせよ!
■エピローグ:素朴な演出の数々にもご注目を
基本ルール・システムガイド:まずは独特の操作方法をマスターしよう
本作のルールは1ゲーム11点先取(※「B」モード選択時は21点先取)の3ゲーム制で、先に2ゲームを取ったプレーヤーが勝利となる。サーブは5本打つごとにサーバーが交代し、得点が10対10で並んだ場合はデュースとなり、2点差がつくまでゲームが続く。1人プレイの対CPU戦は、レベル1〜5までの強さを自由に選んでプレイすることができる(※レベル1が最弱で5が最強)。2人プレイ時は1ゲーム終了ごとにコートチェンジを行なうが、CPU戦ではコートチェンジは実施されない。
操作方法は、サーブを打つときに十字ボタンまたは左スティックでラケットを左右に移動させ、Bボタンを押すとボールをトスし、左を押すとドライブ、右を押すとカットでサーブを打つ。飛んできたボールに合わせて左を押すとドライブ、右を押すとカットでボールを打ち、上を押すと打球の速いスマッシュを放つ。ラリー中にAまたはBボタンを押すとフォア、バックハンドが切り替わり、バックハンドでサーブを打つことも可能だ。
多くのスポーツゲームでは、選手の移動が十字ボタン、打撃がA、Bボタンに割り当てられているのに対し、本作はボールを打つのが十字ボタンで、フォアとバックハンドの切り替えがA、Bボタンと真逆になっている。最初のうちは少々戸惑うかもしれないが、慣れてしまえば球種、コースを自在に打ち分けられるようになる。レベルの高い相手との対戦では、前掲のプレイ動画のように1ポイント獲得のために20本も30本も打ち合う、白熱のラリーを楽しむことができる。まずは最も弱いレベル1から始めて、本作の独特の操作に慣れるところから始めるといい。
攻略ガイド:CPUのレベル順に攻略しながら、セオリーとテクニックをマスターせよ!
ここからはいよいよ実戦編。CPU各レベルの攻略法をベースに、本作を遊ぶうえでは必須のテクニックなどを解説しよう。
最初の重要ポイントは いつ、どんなときでも絶対にサーブをミスしないこと 。テニスと違って、ピンポンではサーブのミスが即失点につながるのでご法度だ。サーブはドライブ、カットのいずれかで打つことになるが、初心者にはカットをおすすめする。カットはドライブに比べて球速が遅いので、相手のレシーブをじっくり見る時間が取れるからだ。
サーブを打つときはドライブ、カットのどちらも、トスしたボールが 頂点から少し落下したタイミング で打てばよい。ボールがアウトになった場合は打つタイミングが早過ぎで、ネットに掛かった場合は逆に遅過ぎだ。CPUはレシーブをミスしないので、サーブを打つときは無理に左右のサイドライン、またはエンドラインギリギリのコースを狙う必要はまったくない。サービスエースを奪おうとは一切考えず、ただ相手側のコートに向けてボールを打つだけオーケーだ。
レベル1のCPU戦では、 コートの右サイドに飛んできたボールはフォアで、左サイドのボールはバックハンドに切り替えて打てるようにまずは練習しよう 。もし逆向きで打ってしまうと、ボールがサイドラインを超えてアウトになるリスクが高まるので要注意だ。
ラケットの切り替えに慣れてきたら、ボールを逆サイドに打つ練習をしよう。例えば右サイド寄りに飛んできたボールを、フォアハンドで早めのタイミングで左サイドへクロスに打ち返したり、左サイド寄りのボールをバックハンドで右サイドに狙ったりして、CPUを左右に揺さぶるといい。打ち返したボールのコースが良ければノータッチエースを奪うこともできるし、CPUの打つタイミングが狂って山なりでスピードが遅いチャンスボールが返ってくる可能性が高くなるからだ。
チャンスボールが飛んできたら、すかさずスマッシュを叩き込もう 。レベル1のCPUであれば、スマッシュを打った時点でほぼ100%ポイントが奪える。チャンスボールになると「ヒュ〜ン」という音が必ず鳴るので、この音を合図にしてスマッシュの準備をするといい。
なお、チャンスボール以外のボールをスマッシュで打つと、ほぼ確実にネットに掛かってミスになるので、チャンスボールが来るまで絶対に使わないこと。また、 チャンスボールをカットで打ち返すと、高確率でネットに掛かってミスになる ことも必ず覚えておこう。
打つタイミングが狂うとチャンスボールになってしまうのは、もちろんプレーヤーも同じだ。レベル1のCPUは、チャンスボールが返ってきた場合でもまずスマッシュは打たないが、レベル2、3では散発的に、レベル4以降の相手はガンガン打ってくる。ドライブまたはカットで打ち合いながら、チャンスボールが来るまでいかに粘り強く待ち、チャンスボールが来たら逃さずにスマッシュを打てるのか? ここが勝敗を分ける大きなポイントであり、本作の最も面白いところだ。
レベル2以降のCPUがサーバー、つまりプレーヤーがレシーバーのとき、CPUがカットで緩いサーブを打ってきたら、 必ずドライブで打ち返す のも鉄則だ。間違えてカットでレシーブすると、ボールがネットに引っ掛かりやすい。同様に、相手がスマッシュを打ってきた場合もカットで返すとアウトになりやすいで、カットの使用は厳禁だ。またレベル2のCPUは、スマッシュを打ち込んでもコースが甘かった場合は返してくることがある。打った後も気を抜かずにボールを打ち返す準備をしておくこと。
慣れてきたら、以下のプレイ動画のようにカウンター(※相手のドライブをドライブで素早く打ち返すこと)でサイドラインのギリギリの位置を狙って打つ練習もするといい。もしCPUが打ち返すタイミングが遅れた場合はアウトを誘えるし、運が良ければ打ち返すのは限りなく不可能に近い、大きくバウンドが変化するエッジボール(※コートの角に当たるボール)が打てることもあるからだ。ただし、狙い過ぎるとアウトになったり、逆に相手にエッジボールを打たれてポイントを失ったりするリスクが伴うので、ギリギリの位置を狙うのはリードをある程度奪ったときだけにするのが無難だ。
レベル3以降は、ボールのスピードがレベル1よりもずっと速くなり、CPUがこちらのスマッシュをひんぱんに打ち返してくる。どちらが先にミスをして根負けするか、壮絶な我慢比べが楽しめる。ラケットの向きを間違えないよう注意しつつ、カウンターだけでなく時折カットも織り交ぜ、 コースの変化に加え緩急もつけて相手を揺さぶるといい 。コースと緩急の変化でチャンスボールを誘発できるようになれば、レベル3以下のCPUには余裕で勝てるようになる。
さらにレベル4以降になると、CPUも強烈なカウンターをクロスに打ち返すことがある。フォアとバックハンドの切り替えが少しでも遅れると空振り、または相手にチャンスボールを献上してしまうので、一瞬たりとも気が抜けない、恐ろしいほどに熱いラリーの応酬となる。また、レベル5の強さ自体はレベル4とほどんど変わらないが、プレーヤー、CPUともに打球がかなり速くなるので、次のプレイを考える時間がほとんどない。初めのうちは負けてもまったく構わないので、まばたきや呼吸すらも許されないほどの息詰まる攻防をぜひ体験してほしい。
CPUが打ったボールのコースが甘いと思ったら、すかさずサイドライン際を攻めてチャンスボールを辛抱強く待ち、スマッシュを打ち込んでいこう。スマッシュを打つときは、無理にきわどいコースを狙うとアウトまたはネットに掛かってミスをしたり、逆にチャンスボールを相手に返してしまったりするリスクがあるので、コースよりもタイミングを合わせることを意識して打つといい。
逆に、CPUにチャンスボールを与えてしまった場合は、 CPUがスマッシュを打った瞬間にドライブのスイングを開始すれば打ち返すことができる 。ただしCPUは、スマッシュを打たずにドライブなどを使ってフェイントを仕掛ける場合もあるので、もしスマッシュのタイミングでスイングした場合は空振りになってしまう(この緩急が実にイヤらしい!)。CPUがスマッシュ、ドライブのどちらで打つのかをいかに早く、かつ正確に見切れるかも勝敗を分ける大きなポイントになる。
どのレベルまでスピードについていけるのか、あるいはどこまで根負けせずにラリーを続けられるのか?自身の限界にチャレンジして、本作らならではの面白さを存分に堪能しよう!
最後に「レベル5が強過ぎて、どうしても勝てない……」という人のために、とっておきのマル秘テクニックを伝授しよう。
まずはサーブのときに右端まで移動し、カットでサーブを打つ。レシーブが返ってきたら、カットで少し遅めのタイミングで打ち、右サイドラインのギリギリを狙って打ってみよう。タイミングが非常にシビアだが、成功するとエッジボールになり、CPUは返球時に必ずミス(サイドアウト)してくれるのだ。これさえマスターできれば、プレーヤーのサーブから始まる1、3ゲームが取りやすくなり、勝てる確率が飛躍的にアップする。以下の動画を参考にして、ぜひ一度お試しを。
エピローグ:素朴な演出の数々にもご注目を
本作には、ゲームの本編とは別にプレーヤーの目を楽しませる面白い演出も用意されている。
ゲームカウントが1オールになると、3ゲームが始まる前にタイトル画面にも登場している懐かしのキャラクター「ディスくん」が、コート上でコミカルなダンスを披露するブレイクタイムの演出がある。また、試合中にポーズを掛けると「ファイト! ファイト!」と可愛らしいボイスが流れ、ディスくんがラケットを振り回すアニメーションを見ることができる。
観客席をよく見ると、画面右側に1人だけ顔のデザインが異なる人物がいることに気付くハズ。右側にいる観客は、プレーヤー(1P側)にポイントが入ると歓声を上げて拍手するが、この人物だけはプレーヤーがポイントを取ると口元が緩み、さらに1ゲームを取るとバンザイを、逆に1ゲームを失うと号泣するパフォーマンスを披露する。
昭和時代の作品ならではの素朴な演出も愛でつつ、CPUでも2人対戦でも白熱のラリーが楽しめる本作を、ぜひこの機会にとことん遊び倒していただきたい。
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