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サードウェーブとマカフィーのセキュリティソフト裁判が終結

マカフィーが控訴を断念。約2,347万円の損害賠償が確定

【平成30年 第33066号 損害賠償請求事件】

2022年4月22日判決言渡

 PCメーカーのサードウェーブと、セキュリティソフトベンダーのマカフィーの間で争われていた裁判について、このほどマカフィーが控訴を取り下げ、判決が確定したことがわかった。これにより、マカフィーはサードウェーブに対して、損害賠償金として2,347万5,262円および2019年から損害賠償金支払いまでの利息約300万円余、合わせて約2,700万円の賠償が確定した。

 事の発端は、2009年10月1日、ゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」を含む、サードウェーブが販売するPCに、マカフィーのセキュリティソフトをプリインストールする契約を、両社の間で交わした際、契約の前提となるユーザーライセンスの更新率について、40%という現実と大きく隔たりのある虚偽の実績値が示され、その結果、サードウェーブに多額の経済的損害を与えたというもの。

 判決文によれば、サードウェーブは、セキュリティソフトのライセンス料相当および逸失利益の合計額として16億2,472万4円を算出。この金額を丸々、本件の損害賠償の請求額としている。これに対して判決は、ユーザーライセンスの更新に伴うレベニューシェア(40%~50%)によりマカフィーより支払われた金額を損益相殺し、かつサードウェーブ側に対しても、実績値のサンプルとして提示されたデルとサードウェーブの客層の違い、つまり、PCに詳しいユーザーの比率の高さから、提示された40%という更新率が実態と乖離していることは予想し得たとし、サードウェーブ側の過失も認定し、最終的な損害賠償の金額を算定している。

 請求金額に対して、認定された損害賠償の金額はわずか2%足らずで、実より名を取った裁判となったが、同社は判決に対して「今回の判決により、マカフィー社の不法行為に対して、司法の良識ある判断が示されたものと考えております。弊社は今後とも、信義則に反する不法行為に対しては適切な措置を講じる所存です。」とコメントしており、“信義誠実の原則”を何より重視する姿勢を明確にしている。なお、現在、サードウェーブのPCでは、ノートンのセキュリティソフトが採用されている。