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中国、「ゲームはアヘン」と最大級の表現で批判。更なる締め付け強化へ

Tencentは12才以下はゲーム全面禁止の可能性を模索

8月3日掲載

 中国国営企業 新華社通信系の国営紙 経済参考報は8月3日、「ゲームは精神的アヘン」とするコラムを掲載し、中国ゲーム市場に大きな衝撃を与えている。

 中国最大手のTencentは、発表に呼応する形で即座に声明を発表。未成年に対して課しているプレイ時間の制限をさらに短くすることや、12才以下の子どもへのゲームプレイ禁止、不正の温床となっているIDの不正使用に関する取り締まりの強化などの対策を今後順次実施していくことを表明しつつ、中国ゲーム業界のリーダーとして、“ゲーム中毒”を防ぐために、未成年者に対する適切な管理、そして過去に例のない「12才以下の小学生に対してはゲームを全面禁止することの実現可能性」について討議するべきではないかと提言している。

 こうした中国の、ある種のピーキーな反応は、娯楽産業では通例となっており、ゲーム市場においても、外資の参入制限や、アミューズメントスポットの出店規制、ゲームソフトの発売・販売規制、ゲームの表現への規制など、様々なアプローチで行なわれてきた。ただ、ゲームのメインプラットフォームがスマートデバイスに移ってからは、Tencentをはじめ、中国メーカー自身が力を付け、自国でAAAタイトルを生み出せるようになり、従来の規制が意味を成さなくなってきている。

 こうした中、中国政府のメッセージとしてゲームを“アヘン”と最大級の表現を使って批判したのは大きな意味がある。経済参考報の記事では、Tencentの人気タイトルである「王者栄耀」などを例に挙げながら、長時間にわたって子どもたちが熱中し、まるでアヘンのような耽溺性、中毒性をもたらしていることについて警戒を呼びかけている。

 中国では、国営紙のメッセージは、実質的に中国当局のメッセージであり、この激しい内容に、マーケットは即座に反応。前述のTencentをはじめ、NetEase、Nexonなど、中国で大きな存在感を示すゲームメーカーは軒並み株価を落としている。

 今回のTencentが発した自主規制が実行に移されれば、12歳以下の子どもたちは、ゲームが一切プレイできなくなるが、実際に辞めるわけではなく、今回も取り締まり対象となっている成人アカウントの不正利用が増えるだけだろう。“ゲームはアヘン”騒動がどのような結末を迎えるのかは未知数だが、中国ゲーム市場が新たな局面を迎えたことは間違いなさそうだ。