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「ハースストーン」新拡張版「灰に舞う降魔の狩人」、史上最速ナーフを実施

ランク戦で暴れ回る新クラス「デーモンハンター」のカードをいきなり4枚も調整

4月9日発表

 Blizzard Enterteinmentは、4月8日より正式サービスを開始したデジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張パック「灰に舞う降魔の狩人」において、配信開始からわずか1日で新カード4枚をいきなりナーフした。理由はバランス調整のため。前代未聞の内容にハースストーンコミュニティでは衝撃が広まっている。

 「灰に舞う降魔の狩人」については、「Hearthstone Summit 2020」の記事を参照していただきたいが、その最大の目玉が「ハースストーン」6年の歴史において、はじめて新クラス「デーモンハンター」が追加されたことだ。デーモンハンターのヒーローは「イリダン・ストームレイジ」で、ヒーローパワーを1マナで使える。また、デーモンハンターだけの能力として、手札の右端と左端からカードを使うことで、追加効果を得る「異端」キーワードも特徴だ。

 この期待のデーモンハンターだが、端的にいって強すぎた。はじめて追加される新クラスということで、みんなに使ってもらいたいという開発陣の意図はわかるが、いざ蓋をあけてみると、ランキング上位をデーモンハンターが席巻し、勝率70%を超えるデッキがいくつも誕生することになった。勝つためにはデーモンハンターデッキを握るしかない状況になってしまったのだ。

 筆者も、早速デーモンハンターデッキを作ってプレイしてみたが、確かに強い。デーモンハンター専用カードはパワーカードだらけなのだが、中でも特に強すぎると思ったのが、「グルダンの髑髏」、「封印されしアンタイン」、「魔眼光」、「アルドラキ・ウォーブレード」、「ケイン・サンフューリー」の5枚だ。しばらくランク戦を戦っていたが、これらのカードを入れたデーモンハンターデッキと当たることが多く、ミラーマッチだと先にアンタインをプレイした側がかなり有利になるという印象であった。

 さすがにデーモンハンターがここまで強いのではプレイの多様性が失われてしまい、つまらなくなってしまう。いわゆるナーフと呼ばれる、カードの強さの調整が入るのではないかと言われていたが、予想よりも早く、「ハースストーン」のシニアゲームデザイナーのDean Ayala氏が、Twitterで「グルダンの髑髏」「封印されしアンタイン」「魔眼光」「アルドラキ・ウォーブレード」の4枚を、バランス調整の対象として検討していることを表明した。

 その後、公式フォーラムでの告知も行なわれ、以下のように「グルダンの髑髏」、「封印されしアンタイン」、「魔眼光」、「アルドラキ・ウォーブレード」の4枚を調整することが表明された。

・「グルダンの髑髏」5マナ→6マナ
・「封印されしアンタイン」5マナ→6マナ
・「魔眼光」異端のコストが0マナ→1マナ
・「アルドラキ・ウォーブレード」耐久度が3→2

【リリース後1日でナーフされた4枚のカード。画像はナーフ前のもの】
「グルダンの髑髏」。ナーフ後は、5マナから6マナになった
「封印されしアンタイン」。ナーフ後は、5マナから6マナになった
「魔眼光」。ナーフ後は、異端のコストが0から1になった
「アルドラキ・ウォーブレード」。ナーフ後は、耐久度が3から2になった

 それ以外のスタッツや効果は変わっていない。このナーフでかなりデーモンハンターが弱体化されたが、それでもまだ強さを感じる。調整としては良調整といえるだろう。

 DCGにはナーフが付きものといえるが、今回のようにわずか1日でナーフされたというのはやはり異例であろう。リリース前に、バランス調整をもう少ししっかりやって欲しかったというのが正直なところだが、素早く対応したことで、混乱を最小限に抑えられたことは評価したい。