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「SFV」、「ロケリ」共に4人1組の団体戦に! インテル主催の国際大会「Intel World Open」大会レギュレーションひとまとめ

【Intel World Open】

2020年7月22日~24日開催

会場:Zepp DiverCity

 既報の通り、インテルが東京オリンピック2020に先駆けて、eスポーツトーナメント「Intel World Open」を開催することを発表した。詳細については明日の東京ゲームショウを皮切りに年内いっぱいかけて徐々に明らかにしていく方針としているが、本日の発表会後に行なわれたメディアブリーフィングで多くのことが明らかになったので、eスポーツアスリートにとって有益と思われる情報だけ抜き出してお伝えしておきたい。

【インテルメディアセッション参加者】
左よりカプコン「ストリートファイターV」エグゼクティブプロデューサー小野義徳氏、インテル ゲーミング統括 マーク・チャン氏、Psyonix「Rocket League」ゲームディレクターのScott Rudi氏

 まず、競技種目は「ストリートファイターV」と「ロケットリーグ」の2タイトル。直感でわかりやすく、ファミリーフレンドリー(家族向け)、グローバルタイトルといったIOC独自の選定基準を満たしつつ、今回は日本での開催となることから1つはホスト国を代表するeスポーツタイトルということで、最終的に「ストリートファイターV」と「ロケットリーグ」が選ばれた。

 競技スタイルはともに3on3の団体戦。3人出場、1人ベンチの4人1組での出場となる。出場資格はまだ不明確で、いくつから参加できるのか、男女混合なのか、障碍者の扱いはどうなるのかなどについては今後の発表を待つ必要がある。ただし、Intel Extreme Mastersが“世界最高峰のプロ大会”と位置づけているのに対して、今回発表された「Intel World Open」は“誰でも参加できるアマチュア大会”と位置づけられており、原則としてプロアマ問わず誰でも参加できるとしている。賞金総額は各タイトル25万ドル(約2,700万円)、優勝賞金は未確定。

タイトル選出についてIOCの影響は大いにあったと語るチャン氏。eスポーツ界のTierではなく、選定基準が重要視されるようだ

 トーナメント構成は、「SFV」については選抜された12カ国を対象にして各国国内で行なわれる「国内予選」(2020年3月)、それ以外の国や地域を対象に8カ国を選び抜く「地域予選」(3月~5月)、2つの予選を勝ち抜いた20チームが7枠をかけて戦う「最終予選」(6月、ポーランドカトヴィツェ)、そして最後に「最終予選」で選ばれた7チームと日本代表による8チームで争われる「東京決勝大会」の4つのフェイズで行なわれる。

 「ロケットリーグ」は、2020年早々にオンライン予選を実施し、世界各国チームの上位16チームを決定。その後、6月のポーランドカトヴィツェでのオフライン予選で7チームに絞り込み、その7チームと日本チームが東京での決勝大会に挑む。

 2種目に共通しているのは、ホスト国の日本はオリンピックと同様に決勝大会の出場枠をあらかじめ与えられており、確実に日本代表チームが出場できるところだ。また、出場権を獲得している日本のeスポーツアスリートにとっては少し残念な話だが、Intel Extreme Mastersの最終戦が開催されるポーランドカトヴィツェでアマチュア大会を実施する。アマチュアにプロ最高峰と同じ場を提供するというところにポイントがある。

 日本は「国内予選」のみ行なわれるが、「SFV」は4人1組の団体戦ルールでありながら、“個人戦”で代表を決めるという。エグゼクティブプロデューサーの小野氏によれば、プロ選手をはじめ、大きなコミュニティが持つ人が有利になるのは避けたい。ガチンコ勝負で上位4位なら無名の選手にもチャンスがある」と語っており、プロ選手のみならず、アマチュア選手も積極的に参加して欲しいとしている。

選出された感想を聞かれて「NDAがあったため言えなかったが嬉しかった。みんな慶んでくれて開発スピードが上がった」と笑顔でコメントした

 ちなみに国内予選はプロアマ問わず、一切のシードや優遇はなしということで、日本代表の4枠に入るためには、プロツアーで結果を出している国内のトッププロをバンバン撃破する必要がある。

 一方、「ロケリ」は、あらかじめ3人出場、1人ベンチの4人1組でチームを編成した状態で日本予選を行なう方針。決勝大会の出場枠を確保したのは朗報だが国内はまだプロリーグが存在せず、発展途上の段階で、決勝大会で大敗を喫しないようにレベルアップを図る必要がありそうだ。

 ゲームのバージョンについては、「SFV」については、国内予選の段階でバージョンにロックを掛け、無敵技が発見される等の重大なバグでも発見されない限り、決勝大会までまったく同じバージョン、キャラクター編成で行く。これはスポーツ競技として商業主義的な要素を廃し、フェアネスを担保するための措置で、「カプコンプロツアー」や「ストリートファイターリーグ」と大来異なる点となる。一方、「ロケリ」については、もともとアップデートでゲームバランスが変わる仕様ではないため、特に変更はないという。

 気になる出場選手たちの旅費・宿泊代は、主催側が支給する。日本代表は、ポーランドカトヴィツェでの最終予選がないため、あまり影響がないが、アマチュア選手でも旅費を心配せずに安心して参加できるのはいいところだ。

 なお、肝心の「国内予選」の内容については、まだ明らかにされていない。「SFV」については国内限定なら一定のPingは確保できるためオンラインである程度数を絞り込みつつ、オフライン大会で代表4名を選出する見込みで、そのあたりの詳細は明日カプコンブースの発表会で明らかにされる見込み。

 そのほか、オンライン配信がどういう形になるのか、オフライン観戦が可能なのかどうかなどまだ不明な点が多いが、オリンピックイヤーに開催されるインテル主催のeスポーツ大会として注目したいところだ。