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現代に蘇る「サバイバーショット」!武器を切り替え、手榴弾を投げて生き残りを図るリアルシューティング「X-TAG」体験レポート

3月1日 実施

 タカラトミーは3月1日、デジタルガジェット「X-TAG(エクスタグ)」のメディア向け体験会を開催した。

 「X-TAG」は銃型のガジェットとスマートフォンアプリを組み合わせることで、現実世界でバトルロイヤル型のシューティングゲームを楽しめるというアイテム。2月28日に予約受付を開始しており、1万個の予約を達成した段階で生産・販売が決定するというクラウドファンディング型の商品開発、販売方法を採用している。

【X-TAG(エクスタグ)商品紹介動画】

 赤外線とヒットセンサーを用いた対戦型シューティングゲームの歴史はかなり古く、タカラトミー自身、1987年には「X-TAG」のご先祖さまに当たる「サバイバーショット」という製品を発売している。ある意味では枯れた技術をベースにしたクラシックなガジェットとも言えるわけだが、「X-TAG」はそこにスマートフォンアプリを組み込むことで、昨今流行を見せるバトルロイヤル的なゲーム性と、"拾ったアイテムや装備を駆使して戦っていく"というビデオゲーム的な遊びを盛り込み現代風にリファインしている。さらに赤外線センサーは従来胸や頭に別でつけていたが、「X-TAG」ではセンサーが銃本体に組み込まれ、それ単体で遊ぶことができるようになっている。

 とはいえ製品自体まだ予約受付が始まったばかり、かつクラウドファンディングが成功した際の発送も2019年末を予定しているだけに、体験会で見た「X-TAG」はまだまだプロトタイプという感じで、スマートフォンホルダーも付いていなかったし、アプリ自体も予告されている「アイテム」や「アバター」と言った要素はまだ未実装だった。それでも1度遊べば一瞬で面白さがわかる仕上がりとなっていたので、早速「X-TAG」の手触りをお伝えしよう。

「X-TAG」のプロトタイプ。いかにも「開発中です!」という無骨な感じが逆にカッコいい
正式版のイメージ
アバターやアイテムの要素も実装予定だが、体験会の段階ではまだ入っていなかった。特にアイテムが入ればゲームがグッと面白くなると思う
【登壇者】
タカラトミーのニュープロダクト事業部プロデュース課課長 大沢 孝氏
ライバーの営業部X-TAGプロジェクト担当コンテンツプロデューサー 関口ケント氏
電通テックのコンテンツビジネスプロデューサー 岡田大将氏

リアルで楽しむ"バトロワ"体験!武器を切り替えて戦う「X-TAG」

 「X-TAG」は最大飛距離50m、360度全方位のヒットを感知するセンサー付きの銃を撃ち合うゲームで、仕組みそのものは従来の赤外線銃と大きく変わることはないが、やはりキモになるのはスマートフォンアプリとの連動によるゲーム性の拡張だ。

 アプリの導入によって、時間制限や武器の切り替え、ヒットポイント制の導入やスマートフォンのGPSを用いたレーダーなどなど、ビデオゲーム的な要素がシステムとして組み込まれることになる。赤外線銃やエアガンというのは「グリップを握って狙って撃つ」、たったそれだけでも面白かったりする不思議なアイテムなのだが、「X-TAG」はそこにビデオゲーム的な要素を組み込むことで、さらなる面白さを感じさせるものになっている。

 アプリのメイン画面では銃の切り替えや、他のプレーヤーの位置を察知するレーダーの確認などができる。銃種は威力は控えめだが弾数無制限の「ハンドガン」、連射が効く「マシンガン」、1撃の威力に優れるが弾数が少ない「レーザー」、これまた威力は高いが3連続でヒット(=ロックオン&発射のイメージ)を当てる必要がある「ミサイル」の4種が用意されており、これらを任意に切り替えて使用することができた。それぞれの武器で威力や弾数が違うのはもちろん、武器の発射音も異なるので、マシンガンの3点バーストの音や、ミサイルの「ピッ……ピッ……ピッ……」というロックオン時の音など、武器を切り替えて戦っているという実感が得られて面白い。

 また、レーダー画面では敵プレーヤーの位置を確認することができるほか、サブ武装となる手榴弾も使用できた。手榴弾はマップにドラッグ&ドロップすることで"投げる"ことができ、一定範囲にかなりの大ダメージを与えることができる。自分の近くに投げると巻き込まれてダメージを食らってしまうのはもはやお約束だが、固まった敵や息を潜めている相手にブチかましてやるのがいいだろう。ちなみに、サブ武装には使用こそできなかったものの、「HPが0になったときに蘇生する」、「一定時間ダメージを軽減する」といった武装も検討されており、将来的には自分のプレイスタイルに合わせた選択ができるようになるようだ。

各武器のタブをタップすることで装備を切り替えることができる
画面を切り替えるとレーダーで味方や敵の位置を確認でき、ここではサブ武装のグレネードをドラッグ&ドロップで放り投げることも可能
将来的にはサブ武装を選ぶこともできるようだ

 試合の勝敗はポイント制となっており、「相手にダメージを与える」ことでポイントが加算。加えて最終順位に応じたポイントが与えられ、最終的な合計点数で争うものとなっている。そのため、仮に隠れ通して最後まで生き残ったとしても、ヒットによるポイントが稼げないためゲーム上は負けということになるので、積極的に交戦したほうが結果的に勝てるバランスと言えるだろう。

勝敗はスコア制。射撃を命中させた分のポイントやランキングに応じたポイントが取得できる

 ちなみに、手応えとして赤外線のセンサーもかなり高性能で、試遊後に試してみたところ、特に遠距離では照準器でしっかり狙って撃たないとヒットが取れない。一方で近距離戦では多少狙いがアバウトでも当てたり当てられたりということがあった。担当者によればこれは「近くでは当てやすく、遠距離では精密な狙いが必要なように」あえて調整しているとのことで、赤外線のレンズとセンサーの感度を調整してこのような仕様を実現しているとのこと。ゲーム的な面白さを増す工夫がまた1つ垣間見えたような気がした。

右上に突き出た部分が360度のヒットを感知するセンサー。照準器も正確に動作しており、きっちりと狙って撃つ必要がある
銃口に備え付けられた大口径のレンズ。「X-TAG」の最大射程は50mを誇る

 実際の試遊では遮蔽物としてドラム缶が設置された比較的狭いフィールド、かつ1vs1vs1の3名での体験ということもあり、その面白さの全てを体験することはできなかったように思う。というのも、アイテムの要素がまだない、かつゲームのように戦場が狭まるということもなかったため、その場に居座って手だけ出して戦うスタイルでもさほど問題がなかったからだ。それでも武器の切り替えやレーダーが導入されたリアルシューティング体験は非常に面白かったし、アイテムを導入して大人数でプレイすればとてつもなく面白くなるという確信さえ得た思いであった。

タカラトミースタッフによるデモプレイ。果敢に攻める大沢氏

 現在は共同で開発に当たっている動画クリエイター集団「KAMIWAZA」やライバー所属のSeraさんをはじめ、取材に訪れたメディアなどからのフィードバックを集めている段階だとのことで、仕様はまだまだ変わっていくことが予想される。個人的には多数のプレーヤーからのフィードバックを得るため、そして「X-TAG」の面白さを直接感じてもらうため、仕様上最大の64人対戦を体験できる場があるといいと思うし、もし機会があるのならなら是非参加してみたいと思う。

 なお、本製品はクラウドファンディング形式での販売を予定しているため、予約が1万個に達しない場合は製品化すらされないことになる。予約は商品ページにて受け付けているので、気になる方は是非予約しておいてほしい。