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【Predator League】Acer主催のeスポーツ大会「Predator League 2019」が明日より開幕
SunSisterが参戦する「PUBG」部門はSUPERルールを採用。秘密兵器「ALIVE」にも注目!
2019年2月14日 21:28
Acerが主催するeスポーツイベント「Predator League 2019」が2月15日よりタイバンコクのNimibutr Stadiumにて開幕する。前日となる2月14日には、16の国と地域から全26チームが参加し、オープニングセレモニーが開催された。日本から「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」部門においてSunSister Suicider'sが参戦する。本稿では明日の開催に向けて、大会に関する情報をお届けしたい。
「Predator League」は、台湾の大手PCメーカーAcerが主催、Intel、Microsoftが協賛するAPACを対象にしたeスポーツ大会。今回で第2回目で、昨年の第1回は8カ国による「Dota2」のみの大会だったが、今回は新たな競技種目に「PUBG」を加え、2種目、16カ国で争われる。賞金総額は40万ドル(約4,440万円)。
本日行なわれたプレスカンファレンスでは、Acer PAP(Pan Asia Pacific Region) PresidentのAndrew Hou氏がウェルカムスピーチを行ない、Acerのゲーミングビジネスが2018年はグローバルで70%、APACで100%、今回のホスト国であるタイに至っては約3倍となる182%も成長したことを報告し、Predator Leagueを頂点としたゲーミングビジネスのエコシステムを今後も重視する姿勢をアピール。
近年PC/ペリフェラルメーカーがeスポーツ大会をホストするケースが増えているが、AcerのPredator Leagueもその1つだ。本大会には2種目でAPACから実に3,520ものチームが参加しており、ゲーミングの分野では後発に位置するAcerのゲーミングブランド「Predetor」のeスポーツアスリートへの浸透を目指す。今後も、「League of Legends」のグローバルスポンサーと、Predator Leagueの主催という両輪で、eスポーツ界の主要プレーヤーの1人としてグローバルでアピールしていく考えだ。
さて、先述したように日本からは「PUBG」において日本予選を勝ち抜いたSunSister Suicider'sが出場する。弊誌でも彼らの戦いをメインに追っていくつもりだが、本大会の注目点は2つある。
1つは、「PUBG」のプロリーグ「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS JAPAN SERIES(PJS)」で、2019年シーズン「PJS season 2」から導入が予定されている「SUPER」ルールが一足先に採用されたことだ。
Predator Leagueの日本予選では、賛否両論が噴出したPKLルールが採用されており、予選と本選で大会ルールが異なるという珍しい仕様となるが、これには「PUBG」の開発元であるPUBG Corpの強い意向があると言う。
「SUPER」とは“Standard and Universal PUBG Esports Ruleset”の略で、「PUBG」のグローバルスタンダードルールだ。今後の大会はすべて「SUPER」ルールで行なわれることになっており、Predator Leagueもそれに倣う形となる。
「SUPER」ルールのビジョンと詳細については、PUBG CorpもPDFで説明しており、日本のパブリッシャーであるDMMも、その抄訳に独自の見解を付記する形で公式サイトに掲載しているので、そちらを参照いただきたいが、一言で言うと初期ルールとPKLルールの折衷案だ。
初期ルールは、ドン勝(1位)を穫ることに価値を置き、PKLルールはキルポイントに価値を置いていた。初期ルールの問題点は、1位を取ったチームが多くのポイントを獲得できるため、ギリギリまで戦いが発生しないことだ。結果として序盤が退屈で、本格的なバトルが始まるまで20分ほど待たなければならない。誰がみても、これをeスポーツとして成立させるのは難しかった。
そしてeスポーツとしての魅力の底上げを狙ったのがPKLルールで、ドン勝の価値を下げる代わりに、1キルの価値を上げ、全チームが積極的にキルを狙っていくように仕向けた。その結果、序盤からバトルが展開されるため観戦の迫力が増大した一方で、短期的なキルのみを重視したムーブ、言わば“特攻”ムーブも散見されるようになり、「これは『PUBG』本来のバトルロイヤルの魅力を損なっているのではないか」と、選手のみならず、ファンの間でも賛否両論が巻き起こった。
そして最終的に誕生したのが「SUPER」ルールだ。ドン勝で10ポイント、1キル1ポイントという点は、ほぼPKLルール準拠だが、順位によって与えられるポイントテーブルがなだらかになり、8位までポイントが得られるようになった。
そしてもっとも大きな変更点は、電磁パルスの仕様変更だ。最初のフェーズ1から最終フェーズとなるフェーズ9まで、全フェーズに渡って、時間やサークルの広さ、シュリンクスピード、パルスダメージなどが細かく調整されている。
仕様変更の基本的な考え方は、退屈なシーンを短くし、魅力的なシーンをより長くする。結果としてeスポーツとしての「PUBG」をより魅力的が映るように調整するというものだ。この電磁パルスに関する仕様変更については、非常に細かく、膨大な量の調整が行なわれており、PUBG Corpが「PUBG」をeスポーツタイトルとして成功させようという並々ならぬ覚悟を感じさせる。
これが実際にゲームにどのような影響を与えるのか、eスポーツとして面白くなるのかどうかについてはまさに明日からの試合で明らかになる。「PUBG」部門は、3日間に渡って15ラウンドが行なわれ、そのトータルポイントで順位が決定される。SunSister Suicider'sは、1月に行なわれた「PUBG ASIA INVITATIONAL MACAO 2019」では、16チーム中16位という残念な結果に終わったが、名誉挽回となるか。明日からの試合に注目したいところだ。
そしてもう1つのポイントが、チアダンスチーム「ALIVE」がわざわざ日本から応援に駆けつけているところだ。ALIVEは、このPredator Leagueのために結成された社会人チアダンスチームで、プロを含めた経験者ばかりの5人で構成され、2月10日にAcerがスポンサードしているTOKYO MX主催のeスポーツイベント「ゲーミングフェスティバル6」で初お披露目されたばかり。
日本エイサー代表取締役社長のボブ・セン氏によれば、Predator Leagueには、タイバンコクを拠点に活動する女性アイドルグループBNK48がゲスト出演する予定となっており、その“発祥の地”である日本からも「何かできないか?」と無茶振りがあったようだ。そこでスポーツの分野ではインターバルの間に行なわれる“チアダンス”に着目し、ボブ・セン氏のツテを辿って急遽チアダンスチームを結成。Predator League全体を盛り上げる役割として日本のチアダンスチームであるALIVEがチアダンスを披露する運びとなった。
筆者は「ゲーミングフェスティバル6」のデビュー戦を視察に行ったが、eスポーツイベントの休憩時間に、メインステージでいきなりキレキレのチアダンスが始まるという前代未聞の演出に驚いているeスポーツファンが多かった。Predator Leagueでもどのような盛り上がりを見せるのか注目したい。