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「CONCEPTION PLUS 俺の子供を産んでくれ!」体験版インプレッション

ゲーム序盤、最初の難敵まで挑戦可能。子供たちとともに星屑の迷宮に挑め!

12月27日 配信

 スパイク・チュンソフトが2019年1月31日に発売を予定している「CONCEPTION PLUS 俺の子供を産んでくれ!」は2012年にプレイステーション・ポータブルで発売されたRPGを、6年以上の時を経てプレイステーション 4でリファインした作品だ。また2018年10月からはテレビアニメも放送されており、ここへきてにわかに熱気を帯びてきている。

 PSP版のときから「俺の子供を産んでくれ!」というワードは強烈なインパクトを持ち、さらに独創的なシステムを採用していることもあって、プレイ経験のある人はもちろん、プレイしたことがなくても「名前だけは知ってる」という人も多いだろう。今回のプレイステーション 4版は高画質・高解像度になっただけでなく、新たなキャラクターとエピソードも追加されており、あらためて手に取ってみるにはうってつけの作品だ。

 そして12月27日には、本作の序盤をプレイできる体験版の配信が始まった。こちらは作品の世界観、バトルシステムを確認できるほか、製品版にセーブデータを引き継げる嬉しい仕様になっている。筆者もこの体験版に触れてみたので、その内容をお伝えしていく。

12星座の巫女たちとの絆を深め、世界を救う物語

 本作の主人公は、人と話すことの苦手な高校生・弓削イツキ。イツキはある日、世界を覆う邪悪なエネルギー「ケガレ」に侵された魔法世界「グランバニア」に、救世主「マレビト」として召喚される。そしてグランバニアの地で、星の巫女と呼ばれるヒロインたちと親交を深めながら世界を救う挑戦を繰り広げる。

 イベントシーンは、メインシナリオの部分は2Dアニメーション、星の巫女との会話シーンでは3DCGで描かれる。巫女たちのキャラクターデザインは「Re:ゼロから始める異世界生活」などで有名な大塚真一郎氏が手がけており、特に2Dアニメーションで描かれるメインシナリオ部分は一見の価値がある。体や表情、髪の毛までがなめらかに動くアニメーションは、何気ない会話の一幕でもプレーヤーを楽しませてくれる。

巫女たちはみんな個性的。幼馴染でイツキと一緒に異世界へやってきたマヒルやパン屋のコレット、大富豪令嬢のフェミルナなど、出自も性格もバラバラだ

 そんな巫女たちだが、バトルでは仲間として戦ってくれるわけではない。共に戦うのは、巫女たちと「愛好の儀」を行ない産まれた星の子だ。「愛好の儀」とは、イツキと12星座の巫女がマトリョーシカに魂を注ぎこむ儀式のこと。星の子の能力は、巫女との絆の強さやマトリョーシカの種類によって変化する。つまり普段から巫女たちとコミュニケーションを取り、絆を深めておくことが攻略に不可欠となってくる。

 また巫女ごとに長所となるステータスに違いがある。攻撃力の高い星の子を産みたいときはこの巫女、防御力を高めたいときは……といった具合に、必要に合わせて「愛好の儀」を行なう相手を分けて考えることも重要だ。

 こうして産まれた星の子には、プレーヤー自身がジョブを設定できる。しかしジョブによっては必要ステータスが設けられており、序盤から選択できるのは物理攻撃が得意なファイター、攻撃魔法を使うマジシャン、回復魔法のクレリックといったところ。特に体験版でプレイできる範囲では基本的なこれらのジョブが主となるので、まずはこの3つのジョブを中心にやりくりしていくのがいいだろう。

巫女との絆は街で会話を繰り返すことで深まる。選択肢が発生するので、キャラクターごとの性格を把握して間違いのないようにしたい

 パーティの編成システムについても紹介しておく。本作では主人公イツキ以外の星の子は、最大4人が1組となって行動する。ヒットポイントなどのステータスは4人分の合計。使えるスキルについては、4人のうち1人でも持っていれば使用できる。つまり、ファイター3人の中に1人だけクレリックを入れれば、高い攻撃力と回復魔法を併せ持つチームになる。無論、4人全員をファイターにして、攻撃に特化したチームとして運用してもいいだろう。

パーティは星の子で構成されたチームを3組まで入れることが可能。体験版ではまず3組分(12人)の星の子を産み出すとスムーズにゲームを進められる

立ち位置が重要になるバトルシステム

 パーティを構成したら、次はいよいよ本作におけるバトルの場「星屑の迷宮」に挑戦していく。星屑の迷宮は潜るたびに構造が変わる自動生成のシステムを取り入れており、決まった攻略法が存在しない。同じエリアであっても常に新しい緊張感と発見があるのだ。

 また、シンボルエンカウントを採用しているのも特徴で、敵であるケガレはこちらを見つけると近づいてくる。ダンジョンは3Dで表現されているため、ときには視界の外からいきなり襲われることも。逆にケガレの背後から近づくと、通常よりも有利な状況からバトルを始められる。比較的弱いケガレしか出てこない体験版のうちに、周囲を見渡す癖は付けておきたい。

道中にはヒットポイントが回復できたり、アイテムを購入できるスポットも点在。もちろん設置場所は潜るたびに変化するので、これらを頼りにするのは危険だ
アイテムが手に入る宝箱もいたるところに。先述した「愛好の儀」で使用するマトリョーシカもここで手に入る

 肝心のケガレとのバトルはコマンド選択式のターン制となっている。その中で本作独自の要素として、ケガレの前後左右を自由に動けるという点がある。ケガレによって背後や側面が弱点の場合があるので、うまく移動して徹底的に攻めていくといい。しかし同じ場所に固まってしまうと、相手の攻撃を全員で受ける危険性もつきまとう。ヒットポイントが少ないユニットはあえて違う場所に移り、回復に専念するのも一考だ。

 ケガレは通常攻撃に加えて、威力の高い「強攻撃」を仕掛けてくることもある。強攻撃を行なう際は必ず予備動作が入り、攻撃場所には“CAUTION!”の文字が表示される。攻撃を受ける前に、その場所から逃げることをおすすめする。

 順調に星屑の迷宮を進み。5階層までたどり着くと最初の強敵「エクレウス」との戦いが始まる。ヒットポイントが高く、星の子たちをしっかり増やしておかないと苦戦は必至だ。長期戦の際に意識したいポイントとしては、攻撃するたびに溜まるOVER CHAINゲージがある。ゲージが上昇するとケガレの行動順が遅くなり、こちらが連続攻撃を仕掛けられる。また、回復するチャンスもいっそう増える。ケガレからの猛攻を耐え、ゲージを貯めてチャンスを窺うのが基本的な戦術と言える。

 このエクレウスを無事に倒したところで体験版は終了。イベントシーンの会話をじっくり読み進めても1、2時間程度といったところ。ゲームを進めれば進めるほど挑戦できるダンジョン、星の子のジョブが解放されていくので、体験版だけで本作のすべてを知るのは難しい。しかし、世界観と基本的なバトルシステムを知るには十分なボリュームだ。

 また、体験版のクリアデータは製品版に引き継ぐことも可能。序盤で受けられるクエストをクリアしたり、レベルを上げておくことで製品版をスムーズに始めることもできるだろう。アニメなどを通じて本作に興味を持った人はもちろん、すでに購入を決めている人にとっても見逃せない体験版だ。