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「モンスターハンター:ワールド」夢の頂上決戦!海外各国の大会優勝チームを集めた「DREAM MATCH in TGS 2018」決着
2018年9月24日 08:39
カプコンは、TGSの同社ステージにおいて「『モンスターハンター:ワールド』DREAM MATCH in TGS 2018」を開催した。
「モンスターハンター ワールド(以下、MHW)」はシリーズ初の世界同時発売が行なわれたことや、複数言語の収録が行なわれていること、そしてそのタイトルからもわかるようにローンチ段階から世界展開を視野に入れたタイトルだ。その目論見は成功し、全世界でプレーヤーたちを「モンハン」の世界に誘っている。
そんな「MHW」を競技タイトルとして行なわれる本大会は日本、アメリカ、韓国、香港、台湾の5カ国で開催された「狩王選手権」や「CHAMPIONSHIP」の優勝チームが一堂に会するというもので、事実上「モンスターハンター(以下、モンハン)」史上初の世界一決定戦となる。
開発陣はこれまで何度も「世界大会をやりたい」という旨を口にしていた。しかし全世界のプレーヤーを集めて大会を行なうとなると、会場の問題や全プレーヤーに公平なレギュレーションの設定など超えるべきハードルがいくつもある状態で、実施に関しては慎重に検討を進めているということも併せて語っていた。
そんな中ついに行なわれることになった世界大会。世界最高のハンターを決めるという舞台は、プレーヤーにとっても、ファンにとっても、おそらく開発陣にとってもまさに"夢の1戦"となった。
世界の凄腕ハンターたちの共演!全チームが違う武器を手に取るという熱い展開に
参加チームはこれまでの大会と同じく2人1組で、「コスト度外視でこの5組のために用意されたような(徳田氏)」2つのチャレンジクエストに挑戦。クエストのクリアタイムの合計が最も早いチームが優勝となる。
初戦のクエストは「バゼルギウス」を狩猟対象とした「MHWイベント:乱と律の果て」。いずれの装備にも「シビレ罠」や「落とし穴」が2つずつ支給されており、「いかに固めて倒し切るか」というのがポイントとなった。
2戦目のクエストは「ナナ・テスカトリ」を対象とした「MHWイベント:狩人と青い妃」。こちらの使用装備は一転して状態異常に乏しく、ナナの"暴れ"をいかに捌き、被害を抑えて火力を出し切るかというガチンコ寄りの仕様だ。
「MHW」の大会では、ピンポイントで弱点を狙うような緻密なムーブ、無敵時間を知り尽くしたプレーヤーだからこそできるアグレッシブな回避、そして流れるような、時には分身のように息の合った2人の連携……などなど、誰もが思い描くような理想的なプレイが目前で次々に繰り広げられる。
もちろんこうしたトッププレーヤーたちの腕前が大会の見どころとなるのだが、「MHW」では最速を目指すために各チームが一体どんな武器を選ぶのか?というのも面白さのひとつといえる。タイムアタックと言うと「参加者全員が同じ装備で理論上の最速ルーチンをいかにミスなく再現するか」というスタイルになるタイトルも多いなか、こと「MHW」では武器の選択からアイテムの使い方、その選択を活かした立ち回りなど、チームごとに選択と行動が全く違うのが面白い。
実際、今大会の出場チームは日本の「Agent」、アメリカの「Social Dissonance」、韓国の「여친회피복장」、香港の「麻郁達拿曲嗲咪羅」、そして台湾の「Monster Hunter Forever!!」となったが、どのチームも全く異なる武器の組み合わせ、異なる戦略でタイム短縮に挑んでおり、クエストに臨む際のローディング画面の段階から「このチームはどんな構成で挑むのか」というワクワク感が味わえた。
初戦では各チームがライトボウガン×2や笛+ハンマーなど様々な構成で挑む中、ハンマー×2で挑んだ台湾チーム「Monster Hunter Forever!!」は開始直後にファストトラベルで即移動。なにをするのかと思えば坂道を利用した空中回転攻撃で2人揃ってグルングルンと縦回転。ゴリゴリとバゼルギウスを削り取るかのように攻撃を重ねるさまにはギャラリーも大盛り上がりで、ハンマー使いの辻元氏も大喜びだった。チームのコメントによればこれを辻元氏に見せたいという想いもあったようで、魅せプレイとしても大成功だったといえる。
結果としては狩猟笛と操虫棍を選択し、全チーム中唯一の2分切りを達成した日本チーム「Agent」が1位となった。「バゼルギウスは得意」との言葉の通り、動きに一切の迷いがなく、罠や怯み、スタンを次々に決めてほとんど動くことすら許さずに討伐に成功していた。
続く2戦目では片手剣+火力寄りの他武器という構成が目立った。なかでも香港の「麻郁達拿曲嗲咪羅」は、片手剣とガンランスの組み合わせを選択。ガンランスなのだから砲撃でダメージを稼ぐのだろうと思いきや、なんと段差を利用したジャンプ叩きつけをひたすら連打してダメージを稼ぐスタイルを見せた。開発陣をして「ここまで有効に使われているのを初めてみた」というほどの意表をついた戦略で、これまたギャラリーは大盛り上がりを見せていた。
タイムとしては「フォールドバッシュ」を頭に決め続ける片手剣と、尋常ではない入力速度で弾を切り替えて攻撃し続けるヘビィボウガンの組み合わせで文字通りあっという間に狩猟を終えた「Agent」が1位。
こうして通算タイムは4分08秒93と、2位の台湾「Monster Hunter Forever!!」に30秒近い差をつけて「Agent」が優勝を飾った。「Agent」は「今回はちょっとミスをしてしまって悔しい。持ってきた作戦がほんのちょっと良かったのでなんとかなったと思います」とコメントしており、名実ともに世界一となりながらも、まだまだ上を目指す姿勢を見せた。
大会参加者に向けて、徳田氏は「MHW」が世界中でプレイされていることや、世界のトッププレーヤーが集まり、素晴らしいプレイを見せてくれたことに触れ、「開発者冥利に尽きる」として感謝を述べた。辻元氏は「いつかはワールドワイドで大会をやりたいという気持ちがあった」としつつ、選手たちは自国の大会を終えた後、再びこの「DREAM MATCH」に向けて練習を重ねてきたということに対して「過酷な注文であったにもかかわらず、素晴らしいプレイを見せてくれたことに感謝します」とした。
世界のプレーヤーが集い、その腕前や戦略の違いを目のあたりにできる「DREAM MATCH」は本当に夢のような舞台であった。そんな中で日本チームが優勝したこということも、傍から見ていてなんだか誇らしい。
今後の大会についてはまだ情報が明かされていないが、またこうした世界トップのプレーヤーによる大会を是非見てみたいと思う。さらに欲を言えば、東京で行なわれた「狩王決定戦」の準決勝のように、闘技場ではなく「古代樹の森」などフィールドを舞台にした大会が見たい。
練習時間的に選手たちの負荷が増大することや、開発も専用のレギュレーションを都度設定する必要があることからコンスタントに行なうのは難しいとは思うが、「MHW」の特色のひとつである「取りうる選択肢の多様さ」をフルに活かした大会は観ていて本当に面白かったのだ。
ともあれ、初の「MHW」世界大会は大盛況のうちに日本チームの優勝で幕を閉じた。ゲームそのものはもちろん、ある意味eスポーツ的な面白さも発売後にどんどん増している「MHW」。今後の展開にも期待したい。
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