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DMM GAMES、鋭意製作中の完全新作「Project Dranje(仮)」を発表

脚本は寺田憲史氏が担当。"泣ける"ストーリーに期待

9月20日~23日 開催

会場:幕張メッセ

「Project Dranje(仮)」のエグゼクティブプロデューサー花澤雄太氏

 DMM GAMESは9月21日、完全新作となる「Project Dranje(仮)」を発表した。現在鋭意製作中とのことでタイトルにも(仮)が付くが、2019年春のリリース予定を予定しており、TGS2018のステージでは登壇した本作のエグゼクティブプロデューサー花澤雄太氏により現段階での新情報が公開された。

 「Project Dranje(仮)」は「普通の少年の成長」をテーマにした、幻想と現実が交錯する異世界ファンタジーRPG。主人公は現代に住み、学校に通う普通の学生だが、ある日古い不思議なボードゲームの世界に友達ともども引きずり込まれ、気が付けば剣と魔法の世界にいた。現代とつながる1つの鏡を利用しながら、一緒に巻き込まれた友達を探しつつ、現代に変える方法を模索していく……というストーリーだ。

 花澤氏は、ストーリーについて、「吸い込まれた先というのが自分が活躍できる場になる。現代で人生うまくいかないと思っていた人間が、自分が活躍できる世界に行ったらそれぞれどうなるかという深い人間関係を描ければ」とポイントを語った。

 また、本作において主人公は自分で戦うことなく、その場その場で女性の戦士たちをカードから召喚して戦うというシステムとなっている。今後変更もありうるということだが、一部召喚できる戦士たちのビジュアルも公開された。

主人公は平凡な少年
召喚できる女性戦士たち

 本作はAndroid、iOSに加えてPC版もリリースされる。開発は台湾のJFiGAMESと共同で行なっており、JFiGAMESがゲームシステムや3Dキャラクターの動きなどを担当し、DMM GAMESがキャラクターのイラストやシナリオを担当している。さらに「コンシューマーのようなゲームを目指すため」、コンセプター(脚本家)として多くのアニメやゲームの脚本を担当した寺田憲史氏が参加していることが明かされた。その直後にはサプライズゲストとして寺田氏がステージに登壇。花澤氏との対談形式でステージは進行していった。

寺田氏「ストーリーで泣かせたい」

脚本家の寺田憲史氏

 寺田氏はソーシャルゲームの脚本を担当するのは初の経験だが、実は花澤氏と寺田氏は旧知の仲とのことで、花澤氏からの依頼を受けた際「あの花澤氏が責任ある立場になって声をかけてくれたのがとても嬉しい」と二つ返事で引き受けたのだという。

 本作ではプレーヤーを「ストーリーで泣かせたい」という狙いがあったそうだが、「ソーシャルゲームという短いプレイ時間の中で、果たして泣かせることはできるのか」など話し合い、ひとつの答えとして生まれたのが本作の主人公だったという。

 また、ストーリーのスタートが現代とはいえ、一旦ファンタジー世界に入ってしまうと以降のストーリーはファンタジーに縛られてしまう。そこで、ファンタジーと現代をつなぐ交信ツールとして「鏡」を採用した。

 ファンタジー世界での激しい戦いの後、現代で普通に学校に通うというのは「シナリオ的には反則」ということだが、現代とファンタジーが両立できる分、「観客やゲーマーは身近に感じられるのでは」と敢えて感情移入しやすいような作りにしたのだという。

 ここで花澤氏が寺田氏にコンシューマーゲームとソーシャルゲームでの脚本の違いについて質問。寺田氏は「プレイステーション 2が出たとき、シナリオライターとしてはこの中に劇場映画3本分くらいのドラマが入るのではないかという印象を持った。コンシューマーはハードが進化してどんどん容量が大きくなっているので、その分もっと長大なドラマが必要になっている」とした上で、「ソーシャルゲームは勝手が違うので、どう整合性をとるか悩んだ」と回答。最終的に本作ではスマートフォンというデバイスに合わせ、少しずつでも遊べるようにストーリーは「章」仕立てにすることになったのだという。

 また、製作に対するこだわりについて寺田氏は「いい意味で裏切ること」とした。展開が読めるそうなものをあえてその展開にもっていかないように常に考えることで、「設定として目新しいストーリーでなくても、もっと遊べる未来があるのではないか」と語った。寺田氏は昨今様々なコンテンツの届け方が入り組んでいく中で、新しいものを「どんどん受け入れちゃう」一方、「根っこの部分が頑固なところがあるので、人と同じものをそのまま出すのは恥ずかしい」と語る。今回も「高校生がタイムスリップしてファンタジーの世界に入っていくというのはありがちなコンセプトだが、このゲームの独自性が出せるように仕掛けがしてある。そこに気が付いてもらえたらおもしろいかな」とコメントした。

 続けて花澤氏は「現在鋭意製作中ですが、2018年冬をめどに情報を発信したいと思っています。またリリースは2019年春、桜が散るまでにはなんとか配信したいですね」として、「せっかく寺田氏と組めたので、ゲームファンが楽しめるものにできたら」と語った。

 最後に寺田氏は「ソーシャルゲームは初めてなので1から花澤氏とやってきたが、あんなことができるのか、これはやったらおもしろいのではないかといろいろアイデアが湧いてきていますので、実は次もソーシャルゲームでやってみたいことも芽生えています。とても勉強になったプロジェクトなのでぜひ成功したいなと思っていますのでぜひ応援してください。」と早くも次回作にも意欲を見せた。

 花澤氏は「ソーシャルゲームですので成功するとどんどん続いて、追加のアイデアが必要になります。その際はよろしくお願いいたします!」と先の展開について寺田氏に早速お願いしつつ、ユーザーに向けて「皆様に楽しんでいただけるよう鋭意製作しております。楽しみにしてください。」と締めくくった。