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マウスコンピューター、MSI製ハイスペックゲーミングPCの販売を7月24日から開始
MSI製ゲーミングPCの取り扱いは、「G-Tuneでできなかった分野を補完するため」
2018年7月18日 18:28
マウスコンピューターは、7月24日よりMSI製ゲーミングPC「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」の取り扱いを開始すると発表した。現状、取り扱うのは「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」の2機種で、マウスの系列のショップ(量販店含む)での販売と、WEBでの通販を行なう。2機種の販売に関しては、日本ではマウスコンピューターのみでの販売となる。
また、「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」購入時に、MSIのゲーミングディスプレイ「Optix MPG27CQ」をセットで購入することができるサービスも行なう。ただし、G-Tuneと「Optix MPG27CQ」のセット販売は行なわれない。
発表会の冒頭に登壇した小松永門代表取締役社長は、自社のゲーミングPCブランド「G-Tune」を「弊社のラインナップにおいて中核となっており、ゲーマーにも指示されてきた」としながら、なぜMSI製ゲーミングPCの取り扱いを行なうことになったのかについて、「G-Tuneでできなかった分野を補完するため」と説明。
G-Tuneでは、幅広い価格帯でよりシンプルなラインナップで日本のユーザーに向けた製品作りを行なってきた。一方、MSIのゲーミングPCは、ゲーマーに向けてユーティリティや機能などが充実しており、ゲームの新しい体験を実現するべく特化したハイエンド製品となっている。製品の方向性の違いから、マウスコンピューターではG-Tuneを基本ラインとしながら、MSIのゲーミングPCのラインナップを取り扱うことで、ゲームファンに向けてより広い選択肢をスピーディに用意できることになったと言える。
続いて登壇したのは、MSIのTed Hung MSI Vice President。MSIにとってゲーミングPCの取り扱いを開始したのは2014年からで、2015年には「ゲーミングPC」の静音化などを図ることでより幅広い層にアピール。ラインナップも拡張する中で、トータルソリューションを望む声も大きくなったことからモニタの取り扱いなども開始した。Ted氏は「多くのゲーマーに息をのむようなゲーム体験を感じて欲しい」と語り、「常に最先端のマシンを提供する」ことをミッションとしていると話す。
Ted氏は世界的なゲーミング市場について、「高い年齢層の方はパーツの比較から自作を行ないゲームをプレイするが、若い年齢層の方はブランドの信頼性が高まってから購入する。そのためeスポーツのシーンやソーシャルメディアを重視している」と戦略を説明。そういった中で、マウスコンピューターと提携することで、重装備を可能にする究極のゲーミングPCで、新しい時代を切り開いていきたいと展望を語った。
小型ながら多機能でハイパフォーマンスな「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」
今回販売が開始となる「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」については、MSIのプロダクトマネージャーを務めるMatias Ko氏が説明。
「Aegis 3 8th」についてはその外観を「ロボットの頭のようなデザイン」と表現しながらも、ハイスペックモデルであることから、全てのゲーマーに向けて「最も良い選択」と説明。「Nightblade MI3 8th」についてはコンパクトで持ち運びやすいことも含めて、「eスポーツを始めたいときの、ファーストチョイス」と語る。
両製品ともCPU、GPU、PSUのそれぞれをセパレートにすることで、独自のエアフローを実現し冷却性能を高め、静音性、安定性を上げている。また、各種パーツ類のアップグレードも簡単に行なえるよう設計されており、Matias氏によれば、「ケースを開けて必要な部品だけを取り出し換えるだけ」とその手軽さをアピールしている。
上述したとおり、MSIとしての強みの1つは、モニタなどを含めた総合的なゲーム環境を構築することで、より利便性が上がるという点。モニタの「Optix MPG27CQ」については、リフレッシュレートは144Hz、First Response Timeも1msと基本性能も押さえられている上で、曲面パネルを採用することで没入感が高く、「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」とセットで使用することでソフトウェア面でも充実していることからより利便性が増すという。
たとえば、SteelSeries GameSenseとパテント契約を結んでおり、ゲームの進行具合とモニタを連係させることで、モニタに設置されたLEDで表現することができる。体力が無くなると画面下部の赤いLEDが減少したり、残弾数が少なくなると白いLEDが減少、敵を倒すと青いLEDが増えていくなど、それぞれ設定することができる。
また、通常コントラストの修正などはモニタに備えられたボタンでセットするが、これがなかなかに面倒くさい。ところが、MSIのゲーミングPCとモニタのセットであれば、PC側にプロファイリングを保存することができるため、ゲームにあった設定を読み込むだけで、モニタの設定変更が可能となる。さらにはホットキーによる変更も即座に行なうこともでき、発表会では「PUBG」の画面で、暗闇に入ったときにより明るく表示させたり、照準が見えにくいときによりくっきりと表示させるなどホットキーでいくつか切り替えて見せていた。
製品仕様
【Aegis 3 8th】
・CPU:インテル Core i7-8700
・GPU:GeForce GTX 1080
・チップセット:インテル B360
・メインメモリ:16GB PC4-19200
・ストレージ:M.2 SSD 256GB(NVMe 対応/M.2 規格/PCI Express Gen3×4接続)/HDD 1TB
・光学ドライブ:DVD スーパーマルチドライブ
・電源:450W(80PLUS BRONZE)
・OS:Windows 10 Home 64 ビット
・価格:245,800円(税別)
【Nightblade MI3 8th】
・CPU:インテル Core i7-8700
・GPU:GeForce GTX 1060
・チップセット:インテル H310
・メインメモリ:16GB PC4-19200
・ストレージ:M.2 SSD 256GB(M.2規格/SerialATAIII接続)/HDD 1TB
・光学ドライブ:DVD スーパーマルチドライブ
・電源:350W(80PLUS BRONZE)
・OS:Windows 10 Home 64 ビット
・価格:169,800円(税別)
「MSIの多機能モデル」で、「あらゆるゲーマーの欲しいに応える」!
日本での販売体制については、マウスコンピューターのコンシューママーケティング室室長の杉澤竜也氏が行なった。
G-Tuneの製品ラインナップは大きく分けて3ラインある。ハイスペックで余裕のあるマシンパワーが魅力の「MASTERPIECE」、ゲーマーのアンケートをベースに作り上げた「NEXTGEAR」と「NEXTGEAR-MICRO」、VRを表現できるマシンパワーを持ちながらコンパクトな筐体で、取っ手が付いていることから持ち運びやすい「LITTLEGEAR」の3モデルだ。
MSI製品との差別化については、「アンケートの結果から、日本のユーザーさんからはシンプルな商品を求める声が大きかったため、G-Tuneの製品もシンプルなモデルになっているが、世界的なMSIのモデルは多機能でコンパクト」とし、そういったデスクトップモデルで省スペースモデルながらも多機能なものを求めるゲーマーに向けて提供チャネルを用意する目的がある。
店頭販売については、それぞれ基本モデルの販売となるが、WEBでの直接販売での受注に対してはBTOにも対応する。BTOではメモリとストレージの増設に対応する。BTOの作業はマウスコンピューターの長野工場で行なわれ出荷されることになる。
杉澤氏によれば、マウスコンピューターとして取り扱うMSIの製品は現状2モデルで他機種については予定はないという。ただし、この2モデルの販売が好調であれば、MSIと協議することでラインナップを拡張する可能性はあるという。
「Aegis」と「Nightblade」の2年保証と修理については、マウスコンピューターではなくMSI Japanが対応する。
マウスコンピューターの選択肢としては、MSIの多機能モデルのような機種を自社開発し、ラインナップを強化するという手段もあったはず。質問に答えた杉澤氏によれば、日本市場のメインストリームはシンプルなモデルということで、そこは自社モデルで対応し、MSIの多機能モデルを取り扱うことでユーザーの選択肢を増やし、またスピーディにラインアップを増やすこともできるといった意図があるようだ。
「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」は、セット販売も可能なモニタ「Optix MPG27CQ」とも連係しており、ゲーマーにとって欲しい機能が詰まったモデルとなっている。最新のゲームを徹底的に楽しみたい人にとっては非常に魅力的なモデルとなるだろう。