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【特別企画】G-Tune、8年ぶりに新デザインの筐体を採用! いかにして新筐体は設計されたか?

ゲーマーの意見を取り入れた新設計筐体について聞いてきた!

7月3日 収録

マウスコンピューター コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室 安田祐三郎氏

 マウスコンピューターのゲーミングPCシリーズである「G-Tune」ブランドで、6月からゲーマーのアンケートを基に設計された新シャーシの筐体が登場した。

 これまでのロボットの顔のような印象的なデザインではなくフラットでスッキリしたデザインに統一されている。点面も広く平らになっているので、ユーザーがキーボードやコントローラーなどの一部機材を置くことができるなどユーザーフレンドリなデザインだ。

 新筐体については、これまでにも
「NEXTGEAR-MICRO im610」シリーズ
「NEXTGEAR i680」シリーズについてご紹介してきたが、「この新しいケースをなぜ投入したのか?」を改めてマウスコンピューターのコンシューマー営業統括部 コンシューマーマーケティング室 安田祐三郎氏に話を聞いてきたので、その模様についてご紹介しよう。

ゲーミングPCを1番使っているゲーマーの意見を集約した新筐体

――「NEXTGEAR」の正面に「G-Tune」のロゴがが赤く光っているのが気になりますね。

安田氏:  ゲーマーに行なったアンケートにより、落ち着いたデザインを好まれていることがわかったので、両ケース共にシンプルなデザインにしました。LEDで光る所は基本的にシンプルにしたいというアンケート結果があったので、「NEXTGEAR-MICRO」の方はシンプルになっています。

 逆に「NEXTGEAR」シリーズのケースは正面に「G-Tune」のロゴを赤くワンポイントで光らせたデザインにし、「NEXTGEAR-MICRO」との違いをだしています。この正面の赤く光るロゴは、左右からライトを当てているので、見る角度で若干光り具合が変わります。自然な光り方で、それほど室内灯やゲーム画面の邪魔をしないようにしています。あまりにも自然に光っているので、「これ、(LEDで光らせているのではなく)シルク印刷じゃないの?」と言われたほどでした。

正面には淡く「G-Tune」のロゴが光る。「NEXTGEAR」では赤く光る

――「NEXTGEAR」と「NEXTGEAR-MICRO」との違いはどこにありますか?

安田氏:  今回「NEXTGEAR」は6年ぶり、「NEXTGEAR-MICRO」は8年ぶりのデザイン一新となります。今回のケースをデザインする前に「いまのゲーマーはどのようなものが欲しいのか?」マウスコンピューターでスポンサードしているプロゲーマーの方の番組でアンケートを採りました。

 その結果を元に作ったのが今回の新しいケースです。基本的には「NEXTGEAR」と「NEXTGEAR-MICRO」は同じコンセプトで制作しています。基本的なコンセプトは同じですが、あえて違いを言えば拡張性ですね。ストレージの部分も、「NEXTGEAR-MICRO」では3.5インチ×2と2.5インチ×1が最大ですが、「NEXTGEAR」は3.5インチが2台と、2.5インチが最大3台まで取り付けられます。

――なぜゲーマーの方に意見を求めようと思われたのですか?

安田氏:  お客様のニーズは今どこにあるのかを探るためでしたが、ゲーミングPCの使用頻度の高いゲーマーの意見をたくさん集めたい、と思いました。そこで、G-Tuneがスポンサードしているプロゲーマーに協力してもらい、ニコニコ動画のニコニコアンケートを使ってアンケートを採りました。意外だったのはオーバークロックをそれほど望んでいないということですかね。スペックよりも何が動くのかという基準で選ばれているのだと思います。

向かって左側が旧型ケース。ロボットの顔のようなデザイン画印象的だった。右側が新しいケースで、ソリッドでスッキリした印象のデザインだ
2.5インチのストレージは正面から見て右側側面に配置可能(写真では左側が正面)

安田氏:  NEXTGEARのストレージに関しては、BTOのシステム上ではSATAポート数との兼ね合いもあり、現状2.5インチのストレージは1つのみ選択可能です。残りの2つのスペースについては、お客さまが増設する際に利用頂けるスペースを確保してある状態となります。

 マザーボードもmicroATXからATXに変わっているので、その分拡張カードも差せる。メモリのスロットも多かったり、というところが違いですね。

 ケースファンもLEDで光るのですが、NEXTGEAR-MICROが現状3個が最大搭載数に比べ、NEXTGEARは最大6個搭載可能です。6個では光りすぎるという方もいらっしゃると思いますので、3個パターンなど違ったパターンも用意したいと考えています。

 なお「NEXTGEAR-MICRO」は新しいケースが採用されてから2週間がたちますが、非常に好評で、最上位モデルのガラスパネルケースを選ばれる方が多いです。

――ストレージはどれくらいの容量が人気があるのでしょうか?

安田氏:  SSDだと240GBが多く好まれます。あとはM.2が安価になってきたので、そちらを選ばれる方もだいぶ増えてきました。M.2はSATAでつなぐものよりも高速にアクセスできますので、容量との兼ね合いを含めても選択肢に入るため、オススメだと思います。

 モデルによってはHDDだけが標準のものもありますので、そこで2.5インチを選ぶのか、M.2を選ぶのか、お客様の方で選ぶことのできる環境を用意することが大事だと思っています。

――「NEXTGEAR」と「NEXTGEAR-MICRO」ではデザインが多少違いますが、どうしてでしょうか?

安田氏:  元々の外観のデザイン自体も、ゲーマーの方達のアンケート結果を参考にしていまして、天面がフラットのものが欲しいという意見からきています。

 ただしATXの場合は、それではただ大きくなっただけに見えてしまいます。それを防ぐため、シャープに見えるよう前面は上の方に向かって斜めになるようにデザインしています。

 あとは椅子に座った際にアクセスしやすいようにコネクタを配置しています。こちらの方は天面にスペースが取れましたので、そこにコネクタ類を配置しました。ATXの大きさを生かすためにどこに配置したらいいのかと考えて、天面にコネクタ類を配置しています。

 前面上部に“くし”になっているような形の部分がありますが、これは完全にデザインです。吸排気口が空いているわけではありません。

「NEXTGEAR」内部。ファンがフルに用意されており、LEDで赤く光っている
「NEXTGEAR-MICRO(左)」と「NEXTGEAR(右)」

――エアフローはどのようになっているのでしょうか?

安田氏:  NEXTGEARでは、搭載するファンの個数によって違うのですが、1個の場合は底面とサイドが吸気、排気が後ろからのみで、3個以上ではサイドと後ろが排気になります。

“光るゲーミングPC”が選択可能に!

――ファンがLEDで光っていますが、赤だけの単色でしょうか?

安田氏:  「NEXTGEAR」と「NEXTGEAR-MICRO」共に赤のみですが、将来的にはファンについてはほかの色に変えたり、いろいろな色が出るようなものを探している段階です。また、後々はメモリやM.2のクーラーなども光らせたいと検討しています。

――あまり光らなくてもいいという意見がある中で、LEDモデルを用意するのはなぜでしょうか?

安田氏:  アンケートの答えの中には、確かに光らなくてもいいという意見は多く見られましたが、逆に2割くらいの方はLEDを付けたいという意見もあることも事実です。

 また、世界的な時流として、「ゲーミングPCは光る」というイメージがありますので、LEDで光るPCも継続して用意していこうと思います。国内のほかのメーカーさんも含めて、ゲーミングPCとしての“見せ方”を考えた場合、「光るモデル」と「光らないモデル」をお客さまの好みに合わせて選択して頂けるように、標準はシンプルなスチールケース、LEDファンを選択された方にはガラスサイドパネルが搭載されます。LANパーティーなどもありますから、そういうときに目立たせたいというお客さまもいらっしゃると思っております。

――今回は水冷モデルが用意されましたが、なぜ水冷モデルをラインナップとして用意されたのでしょう?

安田氏:  はい。今後はG-Tuneのウリである、ダブル水冷の「NEXTGEAR-MICRO」も用意する予定です。また背面に120ミリのラジエーターを付けていますが、今後はサイドのファンのところに240ミリのラジエーターを用意します。より冷却性能が上がったものをご用意する予定です。

――天板は平らになっていて物を置くこともできますが、コネクタも上面にあります。物を置くときにコネクタが邪魔にならないでしょうか?

安田氏:  一時的にキーボードやコントローラー、VRの機材を置く、というシーンを考えているので、そこにコネクタなどのインターフェイス類があっても問題ないと思っています。

――最近ではわりと多くの方がヘッドセットを使用してゲームをプレイしています。ヘッドセットをかけるところなどの設置といった考えはなかったのですか?

安田氏:  マグネットで取っ手をかけるようなオプション品を考えたこともありましたが、専用のものがどれだけ求められているかは難しいかなと考え、付けませんでした。天面がフラットで物が置けるようになっていますので、そこを利用して頂きたいです。

上部に用意されているコネクタ類

――最近ではSteamなどネットでゲームを購入する方が多いと思いますが、光学ドライブも搭載されているのはなぜでしょうか?

安田氏:  通常モデルですと光学ドライブは搭載されていないのですが、弊社のデスクトップパソコンを購入される方の半分くらいの方がBTOで光学ドライブを選択されているため、選べるように用意しました。さらに、DVDマルチとBlu-rayとでは、DVDを選択される方が多いですね。ゲームのインストールのためのメディアとして利用する方が多いのかなという気がしています。ゲーマーの方にはPCを使って、Blu-rayで映画を見るという文化がないのかもしれません。

 ゲーマーのユーザーさんは、シビアにゲームをやるためという目的があるので、そこでどれくらいの金額を出すのか考えていらっしゃるのでしょう。コストパフォーマンスに優れた商品を選ばれている方が多いですね。

――拡張ボードはどのような物を選んでいるんでしょうか?

安田氏:  ゲーム配信のキャプチャーカードのほか、FPSをやるためのサウンドカードというニーズがあります。あとは通信にこだわってLANカードを入れる方もいるため、拡張性は大事だと思います。

 SLIにつきましては、法人のユーザーさんのニーズが多いので、今後、増やしていく方向で検討しています。用途的には開発や映像編集で使われる方が多いようです。ゲーム動画を編集して配信するニーズがあるかもしれません。動画サイト自体も高画質化に対応しているところが多くなったのが理由の1つと考えています。

――サイドパネルのガラス板は最上位モデルだけですか?

安田氏:  ガラスサイドパネルは最上位モデル以外でも、BTOでLEDファンを選択された方に自動的に搭載されます。「NEXTGEAR-MICRO」シリーズのガラスパネルはワンタッチで開けられるようになっています。これはマスターピースで好評だったのでその仕様を取り入れました。

 「NEXTGEAR」シリーズのガラスサイドパネルは「NEXTGEAR-MICRO」シリーズより大きくなっているので、上部2点でとめている形です。ただ、ツールレスで開けられるようになっていますので、簡単な掃除をするときも便利なようになっています。

――底面にメッシュのフィルターがマグネットで装着されていますね。

安田氏:  マグネットできっちりと装着されるようになっています。ガードもあるので、しっかりと抑えられるようになっています。なおフィルターは水洗いができ、メンテナンス性にも優れています。

NEXTGEAR底面
メッシュ構造のフィルター

――最後にユーザーさんに一言お願いします。

安田氏:  今回の2つのモデルとも、ゲーマーの方々にアンケートを取り、製品企画を行なうという新しい試みを行ないましたが、すでに反響を頂いており、手応えを感じております。

 ぜひ、より多くのゲーマーに使用頂きたいですし、今回アンケートで頂いた情報はPCだけでなく、取り扱っていくデバイスなどでも活用していきますので、今後のG-Tune製品にご期待ください。

――ありがとうございました。